JPH0223259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭において使用する一槽式の脱
水洗濯機に関するもので、脱水兼洗濯機と駆動モ
ータとの駆動切替えを行なうクラツチ装置の改良
に係る。

従来例の構成とその問題点 従来の一槽式脱水洗濯機の構成を第１図〜第４
図にて説明する。１は洗濯機の本体、２はボデー
上枠で本体１の上開口部を覆い、後方には電装部
品を取り付けて機構運動を制御している。フタ３
はボデー上枠２の中央部に開閉自在に配置されて
いる。４は側壁に多数の脱水穴を有する脱水槽兼
洗濯槽（以下脱水槽と略す）で底部にはパルセー
タ５が設けられ上端開口部にはバランサー６が固
着されている。７は脱水槽４を内装した外槽で洗
濯水を収容し、排水は下部に設けた排水口８によ
り行うようになつている。９は外槽７の下方に設
置したモータで、このモータ９の動力はモータプ
ーリ１０、ベルト１１を介してクラツチ機構を形
成するメカケース１２に伝達されるもので、洗濯
時にはパルセータ５、脱水時には脱水槽４をそれ
ぞれ回転させる。モータ９、メカケース１２は補
強板１３に取り付けられ、これら機構部全体は防
振装置１４にて吊り下げられている。さらに述べ
ると外槽７はその下部四隅に設けた球面受け１５
が上記防振装置１４に支持され、また同防振装置
１４はサスペンシヨン１６を介して本体１の上部
にて支持されている。１７は外槽７の排水口８に
連結された排水コツクで、排水弁が内設されてお
り、洗濯水を排水させる場合に開いて、排水ホー
ス１８を介して機外へと排出させる。第２図にて
クラツチ装置部について説明する。脱水槽４はＤ
フランジ１９にて固定されかつ、脱水軸に連結固
着されており、この脱水軸Ａ２０にはブレーキホ
イール２１が圧入されている。また脱水軸Ｂ２２
も同様にブレーキホイール２１に同軸上に圧入固
着されており、それぞれの脱水軸Ａ，Ｂ２０，２
２には軸受２３にて回転軸支されている。ブレー
キホイール２１の内部には減速ギヤーをセツトし
ており、洗たくシヤフト２４の減速を行なつてい
る。これら脱水軸Ａ，Ｂ２０，２２とブレーキホ
イール２１は一体化されている。ブレーキホイー
ル２１の外周にはバンドブレーキ２５が配備され
ており、内周面にはブレーキシユー２６が貼り付
けられいる。脱水時にはブレーキシユー２６がブ
レーキホイール２１に対して解放非接触状態とな
り、停止時には接触するようにブレーキレバー２
７を介して電磁マグネツトにより作動する。

２８は逆転防止バネであり、脱水回転方向とは
逆方向の回転を防止させる目的としている。２９
はモータプーリ１０、ベルト１１より伝達される
動力をメカケース１２に伝達させるためのインペ
ラプーリーで、脱水メタル３０と洗濯シヤフト２
４に連結されてる。３１はクラツチスプリングで
脱水軸Ｂ２２と脱水メタル３０の両方に捲着さ
れ、かつクラツチスプリング３１の下端部３１ａ
を連動させたクラツチボス３２を嵌着している。
このクラツチボス３２は円周に等分割した複数の
爪３２ａを有し洗濯時にはクラツチレバー３３の
先端のクラツチツメ３４がクラツチボス３２の爪
３２ａをけり込んでクラツチスプリング３１の付
勢を解き、洗濯シヤフト２４のみ回転駆動させパ
ルセータ５のみを回転させる。脱水時には電磁マ
グネツトをONさせてクラツチレバー３３を開放
させてクラツチスプリング３１の付勢を働かせ、
脱水メタル３０と脱水軸Ｂ２２とを連結し、脱水
槽４を回転駆動させるものである。

上述の構成において、洗濯時にはクラツチスプ
リング３１を緩めて脱水メタル３０と遊合状態と
なり、脱水軸Ｂ２２への駆動力を離脱させ、脱水
時にはクラツチスプリング３１を締めて脱水メタ
ル３０とロツク状態となり、脱水軸Ｂ２２への駆
動力を連動せしめて脱水槽４を回転させるもので
ある。

第３図にて前述したクラツチレバー３３、クラ
ツチツメ３４、クラツチボス３２の動作について
述べる。脱水時は電磁マグネツトより矢印Ｘ方向
へ、ブレーレバー２７が引かれ、クラツチレバー
３３に固着された支持ボルト３５の先端により当
接可動されクラツチレバー３３はＡ方向へ移動す
ることによりクラツチツメ３４はクラツチボス３
から離れる。従つて、この時には、クラツチスプ
リング３１の付勢が働くことにより、脱水メタル
３０と脱水軸Ｂ２２とを連結して脱水槽を回転駆
動する。次に脱水工程から、すすぎ又は洗濯工程
に移る場合、電磁マグネツトがOFFとなりブレ
ーキレバー２７はスプリング３６により元の位置
へ戻る（図示通り）。この時クラツチツメ３４の
位置はＢ位置となる。上述の様に洗濯→脱水の繰
返し工程を行なう中で、支持ボルト３５の先端の
摩耗あるいはブレーキシユー２６の摩耗等により
クラツチレバー３３の先端に設けているクラツチ
ツメ３４のクラツチボス３２に対応するセツト位
置がずれてくる現象が生じ、クラツチボス３２の
爪３２ａをけり込む変位量が少なくなつてくるた
め、第３図のＣ位置に示す如くクラツチツメ３４
が永久変位した場合、クラツチボス３２をけり込
み過ぎて適量の変位をしなくなり、爪３２ａより
外れてクラツチスプリングの付勢を解くことがで
きなくなつてしまい、モータ９をロツクし、モー
タ焼損の事態に発生する問題があつた。

考案の目的 本考案はこの様な従来の問題を未然に防止し、
クラツチ機構部の耐久性の向上等を図るものであ
る。

考案の構成 本考案はクラツチボスの周方向に移動してクラ
ツチボスの外周爪部を変位させるためのクラツチ
ツメ形状を複数のツメを一体的に形成することに
より、洗濯時のクラツチスプリングの付勢を確実
に解くと共に、ブレーキシユーの摩耗、クラツチ
レバーの支持ボルトのヘタリ等の耐久摩耗に対し
て支障なくクラツチスプリング機能を低下させる
ことなく維持し、耐久性の向上とモータの焼損を
防止することができる。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を第４図、第５図のク
ラツチレバー部の要部拡大図にて示す。

第４図にてクラツチレバー３３の先端に軸支さ
れたクラツチツメ３６は第１のクラツチツメ３６
ａと第２のクラツチツメ３６ｂを一体的に形成し
ている。初期の段階ではクラツチツメ３６の第１
のツメ３６ａの先端延長上の位置はクラツチボス
３２の軸芯Ｏに交わる様にセツトされる。この
時、クラツチボス３２の爪３２ａは矢印Ｄの方向
へ変位する。このため、クラツチスプリングは付
勢を解いている状態となり、正常に洗濯運転がで
きる。

ブレーキシユーの摩耗あるいはクラツチレバー
３３の支持ボルト３５のヘタリ等の摩耗が発生し
た場合、クラツチツメ３６の位置はＥ位置に変位
する。この時第１のクラツチツメ３６ａはクラツ
チボス３２の爪３２ａより外れるが、第２のクラ
ツチツメ３６ｂによつて爪３２ａを変位可能にす
ることによつてクラツチボス３２からクラツチス
プリングの付勢を正常に解き、洗濯運転を可能に
することができる。第５図の他の実施例であるが
その動作は変らない。電磁マグネツトよりＹ方向
へ引かれたクラツチレバー３７によつてクラツチ
ツメ３８はＺ方向へ開放され洗濯時は図示の如く
配置される。この実施例の場合、クラツチレバー
３７とブレーキレバーとが一体化されたもので、
ブレーキシユー３９のヘタリによつてクラツチツ
メ３８の位置は左右される影響が大きいため第１
のクラツチツメ３８ａ及び第２のクラツチツメ３
８ｂの効果は顕著に表われ、他の同類仕様等にも
汎用性があり、活用できる 考案の効果 以上の様に本考案は、クラツチボスの外周爪部
を変位させるためのクラツチツメ形状を複数のツ
メを一体的に形成することにより、洗濯時のクラ
ツチスプリングの付勢を確実に解き、常に正常な
洗濯運転が可能となる。またブレーキシユーの摩
耗、クラツチレバーの支持ボルトのヘタリ等の耐
久摩耗に対しても支障なくクラツチスプリング機
能を低下させることなくメカユニツトの耐久性の
向上を図り、モータの焼損を未然に防止でき、更
には、他の同仕様メカユニツト構造にも汎用性が
あり活用化できる等、極めて効果大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一槽式脱水洗濯機を示す縦断面
図、第２図は同要部拡大図、第３図は同要部のク
ラツチレバー動作を示す説明図、第４図は本考案
の一実施例を示すクラツチレバー動作部の平面
図、第５図は要部拡大図である。 ３２……クラツチボス、３６ａ，３６ｂ，３８
ａ，３８ｂ……クラツチツメ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱水兼洗濯槽と、この底部に配設したパルセー
   タと、これらパルセータ及び前記脱水兼洗濯槽を
   駆動するモータと、パルセータ及び脱水兼洗濯槽
   への駆動切替えを行なうクラツチ装置とを備え、
   前記クラツチ装置は駆動切替えを行うクラツチス
   プリングの端部を連動させたクラツチボスの誘動
   手段を、複数のツメを一体的に形成したクラツチ
   ツメとするとともに、前記クラツチツメはクラツ
   チボスの周方向にけり込む構成とした脱水洗濯
   機。