JPH02223933A - 電気泳動表示装置及び表示用分散系並びにその分散系の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は電気泳動粒子を利用した表示装置及び表示用分
散系並びにその分散系の製造法に関し、特には、電気泳
動粒子として酸化チタンを使用する表示用分散系の問題
である着色染料の変色を防止する為に、酸化チタンに対
し焼成処理を施すことにより、染料の変色を防止して耐
光性の向上を図るようにした電気泳動表示装置及び表示
用分散系並びにその分散系の製造法に関する。

「従来技術及びその問題点」 この種の電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な
対向配置した一組の電極板間に液体分散媒に電気泳動粒
子を分散させた分散系を封入し、該電極板の極性に応じ
て分散媒中の電気泳動粒子を透明電極板側に吸着又は離
反させ得るように該極性を制御しながら、所望の文字、
記号或いは図形等を表示できるように構成したものであ
る。

斯かる電気泳動表示装置の分散系に使用される分散媒と
しては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化
水素、各種エステル類、アルコール系溶媒、ハロゲン化
炭化水素若しくはその他の種々の油等を単独又は適宜混
合したものが一般的なものとして用いられている。

また、電気泳動粒子には、白色物として酸化チタンや硫
酸バリウム等が、そして、黄色物として上記の如き無機
顔料の他、幾つかの有機顔料等が隠蔽力の観点から優れ
たものとみられている。更に、電気泳動粒子の色とのコ
ントラストを確保する上で液体分散媒を種々の色に染め
る為に、油溶性染料や分散染料等が使用される。また、
液体分散媒を着色しない場合には、二種類の反対電荷を
持つ電気泳動粒子を使用するものもある。

なお、電気泳動粒子の分散性改善、該泳動粒子の泳動性
即ち表示性の向上化或いは表示装置としての長期寿命を
確保する手段として、種々の界面活性剤や各種添加剤を
分散系に添加される。

斯かる分散系を使用するこの種の電気泳動表示装置は、
第４図の如く、対向面に各々酸化インジウム・スズ等の
適宜な透明導電部材を使用して所要の表示用電極パター
ン２．４を各別に形成した二枚の透明ガラス板ｌ、３を
設け、液体分散蝶番こ電気泳動粒子６を分散させた分散
系７をその対向間隙面に封入すべくスペーサ兼用の封止
部材５を外周部位に配装した構造を有する。このような
表示装置は、電極パターン２．４に表示駆動用電圧を印
加して電気泳動粒子６を電極パターン２．４に吸着・離
反させ得るように分散系７に電界を作用させて電気泳動
粒子６の分布状態を変えることにより分散系７の光学的
特性に変化を与えて所望の表示動作を行なわせるもので
ある。

上記の如き電気泳動表示装置は、分散系の光学的特性の
変化を利用するものであるから、室外では太陽光の、室
内では蛍光灯等の照明光の反射を利用することになるが
、電気泳動粒子に酸化チタンを使用した場合には、酸化
チタンの触媒作用に起因するとみられる液体分散媒の着
色染料の変色を生ずるという大きな問題が判明した。こ
の染料変色の問題は、可視光、紫外光のいずれでも発生
し、殊に紫外光による変色度合は高い。

「発明の目的及び構成」 本発明は、電気泳動粒子として融点以下の所要温度以上
で焼成処理を施した酸化チタンを使用することにより既
述の如き液体分散媒の染料変色の問題を解消することの
可能な電気泳動表示装置及び表示用分散系並びにその分
散系の製造法を提供するものである。

その為に本発明に係る電気泳動表示装置では、液体分散
媒に、好ましくはアルミナ表面処理を施し且つ焼成処理
した酸化チタンと着色染料とを含むように表示用分散系
を構成することを特徴とするもので、斯かる表示用分散
系は、好ましくは３重量％以上のアルミナ表面処理を施
し且つ７００℃以上融点以下の温度で焼成処理した酸化
チタンと着色用染料とを調合して作製される。

酸化チタンに対する斯かる焼成処理によって、酸化チタ
ンの結晶水を除去して酸化チタン自体の触媒作用を抑制
し、染料の変色防止乃至は変色度合の低減を確保するも
のである。

「実　施　例」 先ず第一の比較例として、以下の配合の雷電泳動表示用
分散系は、アルミナ表面処理を全く施さない未焼成酸化
チタンを電気泳動粒子として使用した場合であり、この
配合成分を１２時間ボールミルで分散させて得た分散系
を従前の如きＩＴＯガラス電極板間に封入して構成した
電気泳動表示装置に於ける紫外線照射による変色の度合
を調べた。

第１図はその変色試験結果を示すグラフであり、横軸は
、高圧水銀灯による紫外線照射エネルギーｆａ＋Ｊ／ｃ
ｍ”）を対数値で示しており、また、縦軸は、輝度（Ｃ
ｄ７ｍ”）を示している。

そして、変色の表現にはオフ表示の状態、即ち電気泳動
粒子を表示側電極と逆の電極に寄せた時のＸ、Ｙ、Ｚｌ
ｉ度を用いた。

［比較例１の分散系配合］ 上記に於いて、未処理酸化チタンは帝国化Ｔ用製の６０
０Ｂを、また、油溶性青染料は中央合成■製の０ＢＢＡ
を各々用いた。

第１図のとおり、アルミナ表面処理を全く施さない未焼
成酸化チタンを使用した上記配合ではＺ輝度の低下が著
しく、照射エネルギー２．５Ｘ　１０’ｍＪ／ｃｍ”で
黒色に変色し、更に７．２Ｘ　１０３ｍＪ／ｃｎ＋”で
緑色に、そして、最終的には３．５Ｘ　１０’　ｍＪ／
ｃｍ２で黄色に変色した。従って、第１図のＸ、Ｙ、Ｚ
輝度の変色に伴う変化から変色の程度をみるにはＺ輝度
の変化を辿れば十分であるので、以下ではＺ輝度変化の
みを示す。

次に、第一の実施例として、電気泳動粒子に用いる酸化
チタンを９００℃で２時間焼成処理したものを１０ｇ用
意（帝国化工■製の６００Ｂを焼成）すると共に、他の
分散媒１着色染料及び分散剤については比較例と同一の
ものを各々同重量使用した配合で分散系を調製した。

［実施例１の分散系配合］ 改善が認められた。

以下の第二の比較例では、電気泳動粒子として各々３及
び５重量％のアルミナ表面処理を施した酸化チタン（帝
国化工■製）を用意し、分散系を調合する前にこれらの
アルミナ表面処理済酸化チタンを１５０℃、２時間加熱
処理してその含有水分の除去を図った。これらの熱処理
を加えたアルミナ表面処理済酸化チタンｌＯｇを用いて
比較例１と同様に分散系を各々調製した。

［比較例２の分散系配合］ 上記分散系に関する変色試験を行ったところ、第２図に
示す結果が得られた。同図から分かるように、紫外線照
射エネルギー３．８Ｘ　１０’　ｍＪ／ａｍ”迄はＺｉ
１度の低下が極めて僅少であって、未焼成の酸化チタン
を含む分散系と比較した場合、焼成による変色輝度の低
下防止、従って耐光性の顕著なこの第二の比較例の分散
系に関する変色試験を行った結果、第３図に示すとおり
、輝度の初期値が比較例１で示した未焼成のものよりあ
る程度高いが、紫外線照射の経過と共に比較例１と同様
に輝度の著しい低下を生じた。

そこで、第二の実施例として、比較例２の３及び５重量
％のアルミナ表面処理を施した酸化チタンを調合前に、
９００℃、２時間焼成処理し、このアルミナ表面被覆焼
成処理済酸化チタンを用いて比較例１と同配合で分散系
を調製し、この分散系を封入した電気泳動表示装置を構
成した。

［実施例２の分散系配合］ この実施例で構成された分散系を封入した電気泳動表示
装置の変色試験結果は、第３図のグラフから明かなとお
り、実施例１の焼成処理を施しただけの分散系と比較し
た場合でも、その耐変色性の優位性が全体的に改善され
ていることが分る。

ここで、アルミナ表面処理を施した酸化チタンの焼成条
件の差異を調べる為に、−例として、５重量％アルミナ
表面処理済酸化チタンを７００℃で２時間焼成処理した
ものを用いて上記同様の配合で分散系を構成した電気泳
動表示装置の変色試験を行った結果、第３図のとおり、
輝度の初期値の向上が認められると共に、９００℃２時
間焼成処理したものと同様に耐光性の向上が得られた。

従って、焼成条件としては、７００℃以上２時間の焼成
処理を少なくとも３重量％以上のアルミナ表面処理済酸
化チタンに施すことが好適である。

分散系中の染料変色防止手段として、上記では酸化チタ
ンにアルミナ表面処理を施して焼成処理したものを示し
たが、酸化チタンの触媒作用を抑制する為にアルミナ表
面処理単独に加えて、シリカ或いはチタニア等を用いて
併せて複数種類の表面処理を施すことも可能である。

「発明の効果」 以上のとおり、本発明の電気泳動表示装置によれば、表
示用分散系を構成する電気泳動粒子として用いる酸化チ
タンに対してその結晶水を可及的に除去すべく焼成した
もの、好ましくはアルミナ表面被覆層を設けるように構
成したので、酸化チタンに起因する触媒作用を抑制して
分散系の着色染料の変色を阻止若しくはその変色の度合
を実用に耐え得る程度に十分に低減でき、従って、自然
光及び人工光を含めて過酷な紫外光での使用環境下でも
長期間に亘って表示性の高い安定した電気泳動表示動作
を達成できる。

表示用分散系自体で着色染料の変色防止構造を構成でき
るので、他の付加的な構造を要することなく表示装置の
低コスト化を図りながら表示動作の耐久性を格段に高め
得る。

斯かる変色耐久性の高い表示用分散系は、酸化チタンに
対して好適にはアルミナ表面処理を施して所要条件で焼
成処理を加えたものを他の配合成分と任意調製すること
により簡便に製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の詳細な説明する為、電気泳動表示用分
散系中の泳動粒子としての酸化チタンにアルミナ表面処
理を何ら施さない未焼成場合に於ける表示用分散系の変
色度合を紫外線照射エネルギーに対するｘ、ｙ、ｚの各
輝度変化特性として示す図。 第２図は第１図のアルミナ表面処理を施さない酸化チタ
ンに９００℃で２時間焼成処理を施したもので同様に分
散系を調製した場合に於けるＺ輝度変化特性図、 第３図は本発明の電気泳動表示装置で用いたアルミナ表
面処理及び焼成処理を施した酸化チタ・ンを有する表示
用分散系に於いて、アルミナ処理重量％を３′ＥＬび５
とし、且つ、熱処理条件を１５０℃２時間、焼成条件を
７００℃及び９００℃２時間とした場合に於ける表示用
分散系の同様な各Ｚ輝度変化特性図であり、そして、第
４図はこの種の電気泳動表示装置の概念的な断面構成図
である。 ｌ　： ２　： ３　： ４　： ５　： ６　ニ ア　： 透明ガラス板 電極パターン 透明ガラス板 電極パターン スペーサ兼封止部材 電気泳動粒子 表示用分散系 Ｎ　Ｉ　餡＼ ―＋Ｉ Ｎ　ｌｌ　ｉ！ｌ＼

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも一方が透明な一組の対向配置した電極
   板間に電気泳動粒子を分散させた分散系を封入し、該電
   極板間に印加した表示制御用電圧の作用下に分散系内の
   電気泳動粒子の分布状態を変えることによって光学的反
   射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせる為の電
   気泳動表示装置に於いて、電気泳動粒子としての焼成処
   理した酸化チタンと着色染料とを備えるように上記分散
   系を構成したことを特徴とする電気泳動表示装置。
2. （２）前記酸化チタンがアルミナ表面被覆層を備える請
   求項（１）の電気泳動表示装置。
3. （３）少なくとも一方が透明な一組の対向配置した電極
   板間に電気泳動粒子を分散させた分散系を封入し、該電
   極板間に印加した表示制御用電圧の作用下に分散系内の
   電気泳動粒子の分布状態を変えることによって光学的反
   射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせる為の電
   気泳動表示用分散系に於いて、電気泳動粒子としての焼
   成処理した酸化チタンと着色染料とを含有するように構
   成したことを特徴とする電気泳動表示用分散系。
4. （４）前記酸化チタンがアルミナ表面被覆層を有する請
   求項（３）の電気泳動表示用分散系。
5. （５）少なくとも一方が透明な一組の対向配置した電極
   板間に電気泳動粒子を分散させた分散系を封入し、該電
   極板間に印加した表示制御用電圧の作用下に分散系内の
   電気泳動粒子の分布状態を変えるヒとによって光学的反
   射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせる為の電
   気泳動表示用分散系を製造する方法に於いて、電気泳動
   粒子としての酸化チタンと着色染料とを調合する前に、
   該酸化チタンを７００℃以上融点以下の温度で焼成処理
   する工程を含むことを特徴とする電気泳動表示用分散系
   の製造法。
6. （６）前記酸化チタンがその焼成処理前に３重量％以上
   のアルミナ表面処理を施される請求項（３）の電気泳動
   表示用分散系の製造法。