JPH02222862A - 高速増殖炉用燃料集合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、高速増殖炉の炉心に配置される高速増殖炉用
燃料集合体に関する。

（従来の技術） 一般に、高速増殖炉の炉心は、はぼ円柱状に構成されて
おり、その中心部には炉心燃料部、炉心燃料部の上下に
は上部ブランケット部および下部ブランケット部、炉心
燃料部の周囲には径方向ブランケット部が形成されてい
る。なお、炉心燃料部にもいくつかの層状のブランケッ
ト部を設けたものもある。

また、このような高速増殖炉の炉心は、次のように構成
された多数の高速増殖炉用燃料集合体によって構成され
ている。

すなわち、炉心燃料要素およびブランケット燃料要素を
燃料被覆管内に封入してなる燃料棒は、六方格子状に規
則正しく配列されて束ねられ、断面六角形の筒状に形成
されたラッパ管内に収容されている。また、このラッパ
管の外側には、上端部近傍に上部荷重パッド（ＵＲＰ）
が設けられており、上部荷重パッドの下方であって炉心
燃料部の上端部近傍（上部ブランケット部下端部近傍）
に位置する部位には下部荷重パッド（ＬＲＰ）が設けら
れている。

ところで、上記構成の高速増殖炉用燃料集合体によって
構成された高速増殖炉の炉心においては、縦軸を温度、
横軸を炉心中心からの径方向距離とした第４図のグラフ
に示すように、炉心燃料部中心で温度が高く、炉心燃料
部の外周付近から温度が下降を開始するような炉内径方
向温度分布を示す。このような径方向温度分布により、
特に温度変化の大きい炉心燃料部の外周付近の高速増殖
炉用燃料集合体は、第５図に示すような湾曲を起こす。

すなわち、定格運転時には、第５図（Ａ）に示すように
、炉心燃料部で内側へ向かうような湾曲を起こす。ここ
で、出力上昇事故（ＴＯＰ）あるいは冷却材流量減少事
故（ＬＯＦ）が起こった場合（ＡＴＷＳ時；スクラム失
敗時の予知過渡事象）は、集合体出力と流量の比（Ｐ　
／Ｗ）が増大して炉内温度径方向分布がさらに大きくな
り、第５図（Ｂ）に示すように、炉心燃料部で外側へ向
かうような湾曲を起こす。第５図（Ｃ）は、第５図（Ａ
）の場合と第５図（Ｂ）の場合との差を示すもので、こ
のように、ＡＴＷＳ時には、定格運転時に較べて炉心燃
料部が実質的に膨脹したことになり、負の反応度が挿入
される。このような効果は、炉の固有の安全性を高める
上で重要な因子となっている。

（発明が解決しようとする課題） 上述のように、従来の高速増殖炉用燃料集合体は、ＡＴ
ＷＳ時には、定格運転時に較べて実質的に炉心燃料部が
膨脹し、負の反応度が挿入されるように湾曲を起こすこ
とにより、炉の固有の安全性を高めることができるよう
構成されている。

しかしながら、このような高速増殖炉用燃料集合体にお
いても、ＡＴＷＳ時の炉心燃料部の膨脹量をさらに増大
させ、炉の固有の安全性をさらに高めることが望まれて
いる。

本発明は、かかる従来の事情に対処してなされたもので
、従来に較べてさらにＡＴＷＳ時の炉心燃料部の膨脹量
を増大させることができ、高速増殖炉の固有の安全性の
向上を図ることのできる高速増殖炉用燃料集合体を提供
しようとするものである。

［発明の構成〕 （課題を解決するための手段） すなわち本発明は、断面六角形の筒状に形成され、少な
くとも炉心燃料部上端近傍に位置する部位の外側に荷重
パッドを設けられたラッパ管と、このラッパ管内に収容
された複数の燃料棒とを備えた高速増殖炉用燃料集合体
において、前記ラッパ管を、前記荷重パッド上部の肉厚
が前記荷重パッド下部の肉厚より厚くなるよう構成した
ことを特徴とする。

（作　用） 上記構成の本発明の高速増殖炉用燃料集合体では、炉心
燃料部上端近傍に位置する部位の外側に設けられた荷重
パッド、すなわち下部荷重パッド（ＬＲＰ）の上部の肉
厚が下部の肉厚より厚くなるよう構成されている。

したがって、この下部荷重パッドの上下において、剛性
に差が生じ、また、下部荷重パッドの上部の肉厚を従来
より厚くした場合は、この部位で発生する曲げモーメン
トが増大する。このため、ＡＴＷＳ時に生じる外側方向
への湾曲量を従来に較べて増大させることができ、従来
に較べてＡＴＷＳ時の炉心燃料部の膨脹量を増大させる
ことができる。

（実施例） 以下、本発明の高速増殖炉用燃料集合体を図面を参照し
て実施例について説明する。

第１図は、本発明の一実施例の高速増殖炉用燃料集合体
の要部構成を示すものｒ１ラッパ管１は、ＳＵＳ材ある
いはフェライト鋼等により断面六角形の筒状に形成され
ている。また、このラッパ管１の外側には、上端部近傍
に上部荷重パッド（ＵＲＰ）２が設けられており、上部
荷重バ・ノド２の下方であって炉心燃料部の上端部近傍
（上部ブランケット部下端部近傍）に位置する部位には
下部荷重パッド（ＬＲＰ）３が設けられている。また、
ラッパ管１は、下部荷重パッド３の下部においては、従
来の高速増殖炉用燃料集合体と同様な肉厚Ｔ１に構成さ
れており、下部荷重パッド３の上部は、下部荷重パッド
３の下部より（従来より）肉厚Ｔ２が厚く構成されてい
る。

なお、ラッパ管１の内側には、炉心燃料要素およびブラ
ンケット燃料要素を燃料被覆管内に封入してなる燃料棒
を、六方格子状に規則正しく配列して束ねた燃料棒バン
ドル（図示せず）が収容される。

ｆｆ１２図のグラフは、高速増殖炉用燃料集合体に湾曲
を起こさせる原因である炉中心側と外側のラッパ管１の
温度差の軸方向変化を示したものである。なお、このグ
ラフにおいて、縦軸は軸方向位置、横軸は温度差であり
、実線はＰ／Ｆ−１，０（定格運転時）、点線はＰ／Ｆ
＞　　１．０（ＡＴＷＳ時）を示している。このグラフ
に示されるように、温度差は、発熱部分である炉心燃料
部下端部から次第に増加し、炉心燃料部上端部付近（下
部荷重パッド３付近）で最大となり、ラッパ管１の上端
部までほぼこの温度差が続く。

上記構成のこの実施例の高速増殖炉用燃料集合体では、
上述したように、炉中心側と外側のラッパ管１の温度差
が大きくなる下部荷重バッド３の上部の肉厚Ｔ２が厚く
構成されている。したがって、この部分で発生する上記
温度差に基づく曲げモーメントを増加させることができ
る。このため、第３図（Ｂ）に実線で示すように、ＡＴ
ＷＳ時のラッパ管１のＳ字型の湾曲量を点線で示す従来
の場合に較べて大きくすることができ、炉心燃料部の膨
脹量を増大させて負の反応度挿入量を高めることができ
る。、なお、前述の第５図と同様に、第３図（Ａ）は定
格運転時、第３図（Ｃ）は定格運転時とＡＴＷＳ時の羞
を示している。

すなわち、この実施例の高速増殖炉用燃料集合体では、
ＡＴＷＳ時のラッパ管１のＳ字型の湾曲量を従来の場合
に較べて大きくすることができ、炉心燃料部の膨脹量を
増大させて負の反応度挿入量を高めることができるので
、従来に較べて高速増殖炉の固有の安全性の向上を図る
ことができる。

なお、上記実施例では下部荷重バッド３の下部の肉厚Ｔ
１を従来と同様とし、下部荷重バッド３の上部の肉厚Ｔ
２を従来より厚くした例について説明したが、下部荷重
バ・ラド３の上部の肉厚Ｔ２を従来と同様とし、下部荷
重バッド３の下部の肉厚Ｔ、を薄くしてもよい。この場
合、上部荷重バッド２と下部荷重バッド３の間で発生す
る曲げモーメントの増加はないが、下部荷重バッド３の
下部の曲げ剛性の減少により同様な効果を得ることがで
きる。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明の高速増殖炉用燃料集合体に
よれば、従来に較べてさらにＡＴＷＳ時の炉心燃料部の
膨脹量を増大させることができ、高速増殖炉の固有の安
全性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の高速増殖炉用燃料集合体の
要部構成を示す縦断面図、第２図は炉中心側と外側のラ
ッパ管の温度差の軸方向変化を示すグラフ、第３図は第
１図に示す高速増殖炉用燃料集合体の変形の様子を説明
するための図、第４図は炉内径方向温度分布を示すグラ
フ、第５図は従来の高速増殖炉用燃料集合体の変形の様
子を説明するための図である。 １・・・・・・・・・ラッパ管 ２・・・・・・・・・上部荷重バッド（ＵＲＰ）３・・
−・・・・・・下部荷重バッド（ＬＲＰ）出願人　　　
　　　日本原子力事業株式会社出願人　　　　　　株式
会社　東　芝 代理人　弁理士　　須　山　佐　− 第１図 第３図 第２図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）断面六角形の筒状に形成され、少なくとも炉心燃
   料部上端近傍に位置する部位の外側に荷重パッドを設け
   られたラッパ管と、このラッパ管内に収容された複数の
   燃料棒とを備えた高速増殖炉用燃料集合体において、 前記ラッパ管を、前記荷重パッド上部の肉厚が前記荷重
   パッド下部の肉厚より厚くなるよう構成したことを特徴
   とする高速増殖炉用燃料集合体。