JPH0220060B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として燃料用ガスの熱量測定に用
いられるガス用カロリーメータに関するものであ
る。

近来、都市ガス等の精製工程管理用あるいは取
引用として、連続的かつ即時的にガスの熱量を測
定する要求が生じており、従来においては、ガス
通路中へ、白金線等の表面へ触媒を固着させたセ
ンサを設け、ガスと触媒との反応による発熱量を
白金線等の抵抗値変化として検出する手段が提案
されている。

しかし、かゝる手段においてては、ガスの極く
一部のみしかセンサと接触せず、測定確度が低下
すると共に、白金線等へ触媒を固着させる場合、
スラリー状とした触媒を塗布のうえ焼結してお
り、これに高度の技術を要する割合には、極細白
金線等を用いるため機械的強度が弱く、かつ、触
媒をスラリー状とする際の溶媒が残留し、これが
悪影響を与える等の理由により、センサとしての
信頼性が劣化する欠点を生じている。

本発明は、従来のかゝる欠点を根本的に排除す
る目的を有し、被検ガスの流路を内部に有する断
熱材により構成されたセンサ台の流路中へ触媒を
充填すると共に、流路の入口側へ第１の熱電対を
配置し、かつ、流路の出口側へ第２の熱電対を配
置し、反応を促進するため一定温度に加熱した被
検ガスを流路中へ通ずるものとしたうえ、被検ガ
スの触媒との反応による発熱量を第１の熱電対と
第２の熱電対との検出温度差によつて求めるもの
とした極めて効果的な、ガス用カロリーメータを
提供するものである。

以下、実施例を示す図によつて本発明の詳細を
説明する。

第１図は全構成を示す断面図であり、中央部に
カートリツジヒータ１が挿入され、かつ、これの
側方に測温抵抗体等の温度センサ２が挿入されて
いると共に、周囲に螺施状のガス通路３が形成さ
れたうえ、フランジ部４を有するステンレス製等
のセンターボデイ５が設けられ、同様にステンレ
ス等により製された柱状のハウジング６中へセン
ターボデイ５が嵌入されており、フランジ部４の
図上下面側に設けたガス流入口７から流入した被
検ガスSGは、カートリツジヒータ１の発熱によ
り加加熱されながらガス通路３を流通し、ハウジ
ング６とセンターボデイ５との間隙８へ至り、ハ
ウジング６のほゞ中央部に穿設されたガス通路９
へ流入するものとなつている。

なお、カートリツジヒータ１は、温度センサ２
の検出々力に応じて通電々流が制御されており、
ガス通路３を流通する被検ガスSGを一定温度に
加熱するものとなつている。

ガス通路９を経由した被検ガスSGは、石膏等
の断熱材により構成されたセンサ台１０のほゞ中
央部に形成された流路１１中へ流入し、センサ台
１０の流路１１中へ石膏等の耐熱材により製した
ワツシヤ１２により挟持されたうえ充填されてい
る粉末状の触媒１３中を通過したうえ、ステンレ
ス等により製された押え板１４のほゞ中央部に穿
設されたガス排出口１５から排出される。

また、流路１１の入口側には、第１の熱電対１
６が複数個配置してあると共に、流路１１の出口
側には、第２の熱電対１７が複数個配置してあ
る。

なお、センターボデイ５、ハウジング６および
押え板１４等は、ねじ１８により係止され、互に
気密状態として一体に組み立てられている。

したがつて、被検ガスSGは、ガス通路３にお
いて一定温度に加熱されたうえ、触媒１３中を流
通し、こゝにおいて反応を生じ反応熱を発生する
ため、熱電対１６により反応前の温度を検出する
と共に、熱電対１７により反応後の温度を検出
し、両検出々力の差を求めれば、被検ガスSGの
発熱量を得ることができる。

第２図は、センサ台１０の詳細を示す斜視図で
あり、両端面に切込部２１を設けると共に、これ
らの間の外側面へ複数の細溝２２を形成してあ
り、第３図に示すものを切込部２１から細溝２２
へかけて複数回巻回してある。

第３図は、熱電対１６，１７の形成状況を示す
斜視図であり、一方の導線３１にPt線等を用い
ると共に、他方の導線３２にはPhを13％含むPt
の合金線等を用いており、両者の接合部により熱
電対１６および１７を形成している。

したがつて、検出温度に応じ、熱電対１６，１
７の導線３１側を負とし、導線３２側を正とする
起電力が生ずるが、これらは互に逆極性として直
列に接続されているため、出力E₀としては、熱
電対１６側の温度と熱電対１７側の温度との差に
応じた電圧が得られる。

なお、熱電対１６，１７を各１個のみとしても
よいが、これらを各々ｈ個とすれば、各１個のみ
の場合に比し、ｎ倍の電圧を有する出力E₀が得
られるため効果的である。

また、センサ台１０は、触媒１３および熱電対
１６，１７等と一体に構成されており、押え板１
４を取外せば着脱が自在となるため、触媒１３の
劣化時等にセンサ台１０と共に交換することが容
易となる。

このほか、触媒１３としては、PdOまたはNiO
等の粉末を用い、これをガラスウール等へ混入の
うえ流路１１中に充填すれば、触媒粉末が相互に
結合せず、常に被検ガスSGとの接触面積が大と
なるため、検出状態の向上および安定化が実現す
る。

なお、センサ台１０に断熱材を用いているた
め、反応による発熱が他へ流出せず、検出確度が
向上すると共に、温度の検出に熱電対１６，１７
を用いているため、これの熱容量が小であり、検
出の反応速度が向上する。

また、被検ガスSGを加熱する目的のガス通路
３が螺施状のため、全長の大きなガス通路３が小
形な構成により実施し、全体の小形化が容易にな
ると共に、全体の構造が簡単なため、低価格によ
り製することが可能となる。

たゞし、触媒１３としては、被検ガスSGの性
質に応じ種々のものが適用できると共に、複数種
のものを混合のうえ使用すれば、種々の成分から
なる被検ガスSGの発熱量測定が行なえるものと
なる一方、温度センサ２としてサーミスタ等を用
いても同様であり、同一の機能を実現する範囲内
において第１図および第２図の構成は選定が任意
である等、本発明は種々の変形が自在である。

以上の説明により明らかなとおり本発明によれ
ば、高信頼性かつ製造の容易なガス用カロリーメ
ータが小形なものとして得られるため、各種の被
検ガスに対する発熱量測定用として顕著な効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示し、第１図は全構成の
断面図、第２図はセンサ台の斜視図、第３図は熱
電対の形成状況を示す斜視図である。 １…カートリツジヒータ、２…温度センサ、
３，９…ガス通路、５…センターボデイ、６…ハ
ウジング、１０…センサ台、１１…流路、１２…
ワツシヤ、１３…触媒、１６，１７…熱電対、
SG…被検ガス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両端側に穿設された一対の開口部および該両
   端側開口部間を連通して穿設された被検ガス流路
   を有する柱状のハウジングと、中央部にカートリ
   ツジヒータおよび温度センサが挿入されるととも
   に被検ガス流入口および周囲に螺旋状の被検ガス
   流路が形成され前記一方の開口部内に嵌入された
   フランジ部を有するセンターボデイと、被検ガス
   流路を内部に有する断熱材により構成され前記他
   方の開口部内に嵌入されたセンサ台と、前記セン
   サ台の被検ガス流路中に充填された触媒と、前記
   センサ台の被検ガス流路の入口側へ配置された第
   １の熱電対と、前記センサ台の被検ガス流路の出
   口側へ配置された第２の熱電対とを備えたことを
   特微とするガス用カロリーメータ。 ２ 起電力が互に逆極性として直列に接続された
   各々複数の第１および第２の熱電対を用いたこと
   を特微とする特許請求の範囲第１項記載のガス用
   カロリーメータ。 ３ 耐熱材のワツシヤにより挟持されたうえセン
   サ台の流路中に充填された粉末状の触媒を用いた
   ことを特微とする特許請求の範囲第１項または第
   ２項記載のガス用カロリーメータ。 ４ 触媒ならびに第１および第２の熱電対と共に
   着脱自在としたセンサ台を用いたことを特微とす
   る特許請求の範囲第１項または第２項または第３
   項記載のガス用カロリーメータ。