JPH0219894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動販売機に係り、特に、商品収納部
の下端に商品の放出を制御する排出制御機を備え
た自動販売機における商品排出装置の構造に関す
る。

〔従来の技術〕

例えば一般にサーペンタインコラムと呼ばれる
商品収納装置においては、蛇行しつつ上下にのび
た商品収納部の下端に、商品を係止したり解放し
たりすることで商品の排出を制御する排出制御機
が備えられている。その排出制御機は、従来、商
品収納部の側面を規定する側板の下方延長部分に
固定した取付部材を用いて上下に不動であるよう
に取付けられている（例えば、実公昭56−43896
号公報及び実公昭56−43897号参照）。

商品は商品収納部に上端から投入充填され、か
つ販売時にはその商品収納部に沿つて下方へ転動
し、商品通路から排出制御機の制御にしたがつて
排出される。また商品としては、割れるおそれの
あるガラスびん等を容器として用いたもの（以下
これをガラスびん商品と呼ぶ）であることも多
い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、排出制御機が上述の如く上下に
不動であると商品の装填時に商品収納部に沿つて
高速で落下した商品が排出制御機に激しく衝突す
ることになる。その際の衝撃により、ガラスびん
商品の場合には容器割れ等の破損が起り易いとい
う問題がある。また通常の搬出作業時にもガラス
びん商品が排出制御機に係止される際の衝撃によ
り容器が割れる等の破損のおそれがある。

またアルミ缶を容器として用いた商品の場合に
は、上述の衝撃により容器に変形等の破損が生じ
るおそれがある。

それ故に本考案の技術的課題は、商品と排出制
御機との衝突による衝撃を吸収し、これにより商
品の破損を防止した自動販売機の商品排出装置を
提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、商品を収納するための商品収
納部の下端に備えられ、商品との係合・離脱によ
り上記商品収納部の下端からの商品の放出を制御
する排出制御機と該排出制御機を取付けるための
位置固定の取付部材とを有した自動販売機の商品
排出装置において、上記排出制御機は引張りばね
を介して上記取付部材に上下動可能に吊し支持さ
れていることを特徴とする自動販売機の商品排出
装置が得られる。

〔作用〕

今、商品収納部に沿つて落下する商品が排出制
御機に衝突すると、排出制御機はその商品に押さ
れて引張りばねを伸長させつつ取付部材に対し一
時的に下降する。この結果、商品が排出制御機に
衝突する際の衝撃は引張りばねによつて吸収緩和
されることになる。

〔実施例〕

以下図面を用いて本考案の実施例につき説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を備えた自動販売機
の商品収納装置を示し、相対向した二枚の側板
１，１′の間に、複数枚のシユート板２の組み合
わせによつて上下にのびたサーペンタイントラツ
クを形成している。シユート板２は弧形に湾曲し
たもので、上端および下端をそれぞれ取付棒３に
よつて側板１，１′に取付けられる。取付棒３は、
側板１，１′の相対向した位置に形成されている
長孔４に挿し通すことで、側板１，１′間に橋渡
し状態に支持される。ここで長孔４はいずれも、
サーペンタイントラツクを拡げたり挟めたりする
方向に長く形成され、その結果、取付棒３にした
がつてシユート板２も長孔４の長くのびた方向に
おいて可動である。ただしそれらの可動範囲が長
孔４によつて制御されることはいうまでもない。

さらにサーペンタイントラツクの一側に位置し
たシユート板２を側板１，１′に取付けている取
付棒３を第一の連結板５で互いに連結し、またサ
ーペンタイントラツクの他側に位置したシユート
板２を側板１，１′に取付けている取付棒３を第
二の連結板６で互いに連結する。第一の連結板５
と第二の連結板６は一方の側板１の外側面に沿つ
てそれぞれ上下にのびている。その上、これらの
第一および第二の連結板５，６間を上部および下
部において蓄勢された引張りコイルばね７によつ
て接続する。同様な構造を他方の側板１′の外側
面にも備える。かくして全てのシユート板２はサ
ーペンタイントラツクを挟めた位置にあり、商品
８の通常の収納および案内作用を果す。

今、商品がサーペンタイントラツクに上方から
装填されたときには、シユート板２に対する商品
の衝撃は、それらが引張りコイルばね７を引き伸
ばしつつ移動することで吸収される。また通常の
搬出作業時にシユート板２に強い衝撃が加わつた
ときも同様である。なおいずれの場合にもサーペ
ンタイントラツクは所定の形状をほとんど損うこ
とはない。

またこの商品収納装置は下部に商品排出装置部
分を備えている。商品排出装置部分は、第２図を
も参照して、側板１，１′間に排出制御機９と案
内板１１とを備えている。排出制御機９は上部の
ロツクレバー１２と下部のゲートレバー１３とを
有したものである。ロツクレバー１２およびゲー
トレバー１３はいずれも、案内板１１に向けて突
出したり引込んだりするものである。今、第２図
ではゲートレバー１３が突出して最下位置にある
商品８を係止しているが、このゲートレバー１３
が引込むときには、ロツクレバー１２が突出して
下から二番目の商品８を係止する。かくして商品
８は一個宛排出される。

排出制御機９の取付けは、側板１，１′に形成
した上下に長い長孔１４に挿し通した取付棒１５
によつて行なわれる。この結果、排出制御機９は
上下動可能となる。その際、取付棒１５が長孔１
４の上端に位置したときに、排出制御機９が所定
の位置になるように、長孔１４の形成位置は選ば
れる。

さらに両方の側板１，１′の夫々の外側面に取
付部材１６を固定する。この取付部材１６も側板
１，１′の長孔１４に対応した位置に同じ長孔１
７を形成したものとする。そして取付部材１６に
形成した耳片１８と取付棒１５との間に引張りコ
イルばね１９を介装する。こうして排出制御機９
を引張りコイルばね１９を介して上部位置に吊し
支持する。

商品を装填する場合、一番先に投入した商品８
はサーペンタイントラツクを通つて落下してゲー
トレバー１３に衝突して衝撃力を与える。また先
に投入された商品（即ち、残留商品）がある場合
には、商品投入時にその投入商品が残留商品に衝
突し、残留商品を介してゲートレバー１３に衝撃
力が加わる。また通常の商品搬出作業時には、残
留商品が落下時にゲートレバー１３に衝突して衝
撃力を与える。いずれの場合でも、ゲートレバー
１３に加わる衝撃力により、排出制御機９が引張
りコイルばね１９を引き伸ばしつつ一時的に少し
下降するので、商品とゲートレバーとの衝撃は吸
収緩和される。

なお上述では特定の実施例について説明した
が、本考案は各種の変形が施されたものをも含む
ことはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上、実施例を用いて説明したように、本考案
の自動販売機の商品排出装置によれば、落下する
商品とこれを受ける排出制御機との衝突による衝
撃が引張りばねによつて吸収緩和されるので、商
品の装填時や搬出作業時に商品が排出制御機に衝
突することによる商品の破損は防止される。した
がつてガラスびん商品や変形しやすい容器を用い
た商品であつても、容器割れや容器変形を起すこ
となく取扱うことのできる自動販売機の提供が可
能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した自動販売機の商品収
納装置の斜視図、第２図は同じく要部のみの拡大
側面図である。 １，１′……側板、８……商品、９……排出制
御機、１６……取付部材、１９……引張りコイル
ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 商品を収納するための商品収納部の下端に備え
   られ、商品との係合・離脱により上記商品収納部
   の下端からの商品の放出を制御する排出制御機と
   該排出制御機を取付けるための位置固定の取付部
   材とを有した自動販売機の商品排出装置におい
   て、上記排出制御機は引張りばねを介して上記取
   付部材に上下動可能に吊し支持されていることを
   特徴とする自動販売機の商品排出装置。