JPH02192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として循環式呼吸器に取付ける排
気弁に関するものである。

従来のこの種排気弁には、第３図示のように、
排気孔１を有するケース２内において、弁体３を
スプリング４の弾力により排気孔１を常時閉じる
ように構成されたものがあるが、この排気弁にお
いては、呼吸器内の圧力の上昇にともない徐々に
排気孔１が開き、上記の圧力が一定の圧力に達す
る前に僅に排気されることもある。

本考案は、呼吸器内の圧力が上昇しても、一定
の圧力に達するまでは、排気口を閉じ、一定の圧
力を越えると自動的に排気口を開くように作動す
る排気弁を提供しようとするものである。

以下図面第１図及び第２図にもとづいて本考案
の実施例を説明すると、４はケースで、一端が開
口し、他端が透孔５を有する底板６で被われてな
る。７は透孔５に通した通気管で、その外周面に
は、ねじ溝８を設け、ケース４の内側に挿入した
端部には、フランジ９を有し、ケース４の外側に
突出した端部は、呼吸器の器壁１０の一部に穿設
された透孔１１を通つて器壁１０の内側に挿入
し、その挿入端部にナツト１２をねじ込んであ
る。１３はゴムで成形した膨脹筒で、一方の端部
に肉薄の縮径部１４を設け、他方の端部に肉厚の
拡径部１５を設け、かつ縮径部１４側の筒壁を拡
径部１５側の筒壁内へ押し込むことにより屈曲し
た弾性屈曲壁１６を設けてなり、縮径部１４に
は、ケース４の底板６と通気管７のフランジ９の
間へはさみ込むパツキン１７が一体に成形され、
拡径部１５には、内外両面から間隔をおいて突出
する一対の突条部２９，３０が一体に周設されて
いる。１８は膨脹筒１３の拡径部１５側の開口部
を遮閉する遮閉板で、その周縁部には、突条部１
６，１７の間にはさみ込むフランジ１９を設け、
中心部には、排気孔２０を設け、排気孔２０の孔
縁には、拡径部１５の開口端側へ突出したフラン
ジ２１を設けてなる。２２は排気孔２０の中心部
に通した軸杆で、膨脹筒１３内へ挿入した端部に
は、排気孔２０を開閉する弁体２３を設け、膨脹
筒１３外へ突出した端部には端板２４を設けてあ
る。２５は遮閉板１８と端板２４との間に懸架し
たスプリングで、弁体２３をそれが常時排気孔２
０を閉じるように付勢している。２６はケース４
の開口部にねじ込み、またははめ込みにより取付
けた蓋板で、膨脹筒１３の膨脹時に端板２４が突
き当る位置に取付けられ、その周辺部には、通気
孔２７が設けられている。２８はケース４の底板
６の内面において通気管７のフランジ９に接近し
た位置に設けた環状突起で、パツキン１７を押さ
え込む働きをする。

次に、上記の構成よりなる排気弁の作動につい
て説明すると、呼吸器内の圧力が一定の圧力以下
に保たれている間は、第１図示のように膨脹筒１
３が弾性屈曲壁１６の弾力によりケース４の底板
６側へ縮小し、端板２４が蓋板２６から離れ、か
つスプリング２５の弾力を受けて、軸杆２２を蓋
板２６側へ引き寄せるとともに、弁体２３をそれ
が排気孔２０を閉じる状態に付勢する。

この状態において、呼吸器の着用者の仕事量が
減少し、空気または酸素の消費量が補給量より少
なくなつて、呼吸器内の圧力が上昇し、呼吸に圧
迫感が生ずるなど呼吸器内の圧力が一定の圧力を
越えると、第２図示のように膨脹筒１３が弾性屈
曲壁１６の弾力に抗して膨脹する。すると端板２
４が先ず蓋板２６に突き当り、次いで遮閉板１８
がスプリング２５の弾力に抗して蓋板２６側へ押
圧されるので、弁体２３によつて閉じられていた
排気孔２０が弁体２３から離れて、排気孔２０が
開かれ、呼吸器内の空気または酸素が第２図の矢
印で示すように排気孔２０を通り抜け、続いて通
気孔２７を通つてケース４の外部へ排出される。
この排出によつて呼吸器内の圧力が一定の圧力に
低下すると、弾性屈曲壁１６の弾力が作用して膨
脹筒１３が元通りに縮小し、端板２４が蓋板２６
から離れると同時に、スプリング２５の弾力が端
板２４に作用して、弁体２３をそれが通気孔２７
を閉じる状態に付勢する。

本考案は、叙上のように構成したから、呼吸器
内の圧力が一定の圧力以下の場合は、振動や圧力
の変化を受けても、弁体が排気孔を確実に遮閉
し、呼吸器内の空気または酸素が漏れたり、逆に
呼吸器外の有害ガスが呼吸器内へ吸い込まれたり
するのを防止し、呼吸器内の圧力が一定の圧力を
越える場合は、弁体によつて閉じられていた排気
孔が弁体から自動的に離れて、排気孔が開かれ、
呼吸器内の空気や酸素を排出し、呼吸器着用者に
圧迫感を与えるのを防止する利点を有し、呼吸器
用の排気弁として頗る好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排気弁の閉弁時の断面
図、第２図は同排気弁の開弁時の断面図、第３図
は従来の排気弁の断面図である。 ４……ケース、６……底板、７……通気管、１
３……膨脹筒、１４……縮径部、１５……拡径
部、１６……屈曲壁、１８……遮閉板、２０……
排気孔、２２……軸杆、２３……弁体、２４……
端板、２５……スプリング、２６……蓋板、２７
……通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケースの内部に入れた膨脹筒の一方の端部を
   ケースの底部において呼吸器の内部と連通する
   通気管に接続し、上記膨脹筒の他方の端部を排
   気孔が設けられた遮閉板で被い、上記排気孔に
   は、軸杆を通し、この軸杆の上記膨脹筒内へ挿
   入した端部には、上記排気孔を開閉する弁体を
   設け、上記軸杆の上記膨脹筒外へ突出した端部
   には端板を設け、この端板と上記遮閉板の間に
   は、上記弁体をそれが上記排気孔を常時閉じる
   ように付勢するスプリングを懸架し、上記ケー
   スの底部と反対側の開口部には、上記膨脹筒の
   膨脹時に上記端板が突き当る蓋板を取付け、こ
   の蓋板には、通気孔を設けてなる排気弁。 (2) 膨脹筒が、一方の端部に縮径部を設け、他方
   の端部に拡径部を設け、縮径部側の筒壁を拡径
   部側の筒壁内へ押し込むことにより屈曲した弾
   性屈曲壁を設けたゴム製の膨脹筒からなる実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の排気弁。