JPH0217532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔１〕 考案の技術分野 コーヒー粉末に湯を注入してコーヒー液を抽出
する抽出装置に係り、特に抽出器を載置したまま
摺動可能な保持具を有するコーヒー抽出装置に関
する。

〔２〕 従来技術 コーヒー抽出装置でコーヒーを抽出するには、
第１図ないし第３図に示すように一般的には底部
に小孔１１を有する逆円錐状で取手１２を設けた
抽出器１３内に紙製等のフイルタ１４をセツトし
て、その内部に適量のコーヒー粉末１５を入れた
後、この抽出器１３をコーヒー抽出装置１６の給
湯口１７の下に懸架し、給湯口１７より抽出器１
３内のコーヒー粉末１５に注湯してコーヒー液を
抽出する。一般的な従来のコーヒー抽出装置１６
はコーヒー抽出装置本体１８内に湯沸し装置１９
を有し、この湯沸し装置１９から導出された配管
端部は下向に開口して給湯口１７を形成してい
る。この給湯口１７のすぐ下面、すなわちコーヒ
ー抽出装置本体１８の給湯口１７を挾んで両側に
抽出器１３を保持するための断面が略Ｌ字型をし
た一対の保持具２０が対向して前後方向（第３図
において左右方向）に平行に固着されており、前
記抽出器１３の上縁のフランジをこの保持具２０
の上にのせて差込むことにより抽出器１３を給湯
口１７の下に保持できるようになつている。また
前記給湯口１７の真下には熱板２１が設けられて
おり、この熱板２１の上にポツト２２を載置して
抽出されたコーヒー液を保温状態で保持するよう
になつている。

コーヒー抽出に際しては、抽出器１３内にフイ
ルタ１４のセツトおよびコーヒー粉末１５の装填
等の作業が不可欠で、この作業はコーヒー抽出装
置１６の近くの調理台に抽出器１３を置いて行つ
ていた。しかし、近年近代化の波にのつて飲食店
の厨房設備は多様化するとともに機械化され、多
種類の調理機やサービス機器が設置され、調理台
やカウンター上にスペース的余裕がなくなり、コ
ーヒー抽出装置１６の近くに抽出器１３を置いて
前記作業を行なうことができないことが多く、か
と云つてコーヒー抽出装置１６の上では高さが高
過ぎて作業が困難であるため、遠く離れた場所に
持つて行つたり、適当な機器を間に合せの台にし
て抽出器１３を置いて作業したり、片手で抽出器
１３を持ち、もう一方の手でフイルタ１４のセツ
トやコーヒー粉末１５の装填など行つていた、し
かしこの片手で抽出器１３を持つて行なう作業
は、不安定でやりにくい上に能率も悪く、機器の
汚損する恐れもあり、好ましくなかつた。

〔３〕 考案の目的 本考案は前述の欠点に鑑みなされたもので、そ
の目的はコーヒー抽出装置本体に設けられた給湯
口の下面に抽出器を載置したまま手前の本体外に
摺動（引出し）可能な保持具を取り付け、この引
出した保持具上でフイルタのセツトおよびコーヒ
ー粉末の装填などの作業を行なうようにし、従来
必要であつた調理台上のスペースを必要とせず、
最適な高さで安定した操作で能率よく前記作業を
行なえるようにしたコーヒー抽出装置を提供する
ことにある。

〔４〕 考案の概要 本考案のコーヒー抽出装置は、コーヒー抽出装
置本体に設けられている給湯口の下部に設けた抽
出器保持具を前記抽出器を保持したまま前記コー
ヒー抽出装置本体外に引出し可能にしたことを特
徴としたものである。

〔５〕 考案の実施例 本考案の実施例を第４図ないし第６図により説
明する。コーヒー抽出装置本体１８の内部に収納
されている部材は、第２図で示す部材と同一につ
き同一符号を付して説明は省略し、異なる部分に
ついてのみ説明する。

給湯口１７のすぐ下面、すなわちコーヒー抽出
装置本体１８の給湯口１７を挾んで両側に抽出器
１３を保持するための断面が略Ｌ字型をした一対
の固定保持具２３が対向して前後方向に所定距離
隔てて平行に固着されている。この固定保持具２
３の内側に同固定保持具２３を案内にして摺動自
在なスライド保持具２４が前記固定保持具２３の
内側に挿入されている。このスライド保持具２４
は平板の両端をＬ字型に折り曲げ、折り曲げ部の
長手方向に長孔２５を設け、この長孔２５内には
前記固定保持具２３の側板に内側に向つて植設さ
れたピン２６がはめ込まれており、スライド保持
具２４を摺動時ガイドするとともに摺動距離を規
制し、スライド保持具２４が固定保持具２３から
抜け落ちるのを防止している。またスライド保持
具２４の平板部は前記抽出器１３の胴径よりわづ
かに大きい孔２７をあけ、同孔２７の前側の一端
を前記抽出器１３の胴径より若干小さい間隔を有
する平行な切欠きを設けて大きな鍵孔形状を成し
ている。

以上からコーヒー抽出に際してはスライド保持
具２４を手前一杯に引出して、このスライド保持
具２４上に抽出器１３を載置して保持させ、同抽
出器１３内にフイルタ１４のセツトおよびコーヒ
ー粉末１５の装填を行ない、しかる後抽出器１３
をスライド保持具２４と一諸に給湯口１７の真下
（鎖線で示す位置）に押し込んで給湯すればコー
ヒー液を得ることができる。

なお、本実施例では給湯口の下に熱板を備えポ
ツトにコーヒー液を受ける形式のコーヒー抽出装
置を示したが、熱板およびポツトの代りに注出コ
ツク付のコーヒータンクを備えたいわゆるアーン
式のコーヒー抽出装置にも本考案は実施し得るも
のである。

〔６〕 考案の効果 前述したように本考案のコーヒー抽出装置は、
コーヒー抽出装置本体の前面にスライド保持具を
引出し、この上に抽出器を載置し、フイルタのセ
ツトおよびコーヒー粉末の装填等の作業が容易に
行なえるので前記作業を行なうための調理台やカ
ウンター上の作業スペースを必要としないばかり
か抽出器を置くことのできる場所まで持ち歩く必
要もない。また、フイルタのセツトおよびコーヒ
ー粉末の装填後単に抽出器を押し込むだけで抽出
位置にセツトできるなど操作性がよく作業能率も
向上する。その上当然ながら他の機器の上面を代
用スペースとして使う必要もなくなるため、それ
らの機器の損傷や汚損の恐れもないなど種々の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルタおよびコーヒー粉末を入れた
抽出器の断面図、第２図は従来の一般的なコーヒ
ー抽出装置の縦断面構成図、第３図は同じく外観
斜視図、第４図は本考案の実施例を示す断面構成
図、第５図は同じく外観斜視図、第６図はスライ
ド保持具と固定保持具の組合せのみを示す拡大斜
視図である。 １３……抽出器、１４……フイルタ、１５……
コーヒー粉末、１６……コーヒー抽出装置、１７
……給湯口、１８……コーヒー抽出装置本体、２
３……固定保持具、２４……スライド保持具であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抽出器内部にフイルタおよびコーヒー粉末を入
   れて給湯口の下に保持し、この抽出器内に注湯し
   コーヒー液を得るコーヒー抽出装置において、前
   記給湯口の下部に設けた抽出器保持具を前記抽出
   器を保持したままコーヒー抽出装置本体外に引出
   し可能にしたことを特徴とするコーヒー抽出装
   置。