JPH021656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は例えば自動販売機の本体内に組込ま
れ、その自動販売機が扱う販売商品としての缶や
瓶などの多数の物品を収納して保持する自動販売
機等の物品収納棚装置に関する。

（従来の技術） 第８図にこの種の物品収納棚装置を示し、１が
自動販売機の本体で、この本体１は前面が開放
し、その開放部に前面扉２が開閉自在に枢着され
ている。本体１の内部には側板３，３が設けら
れ、これら側板３，３間に多数のレール体４…が
架設され、これらレール体４…により本体１の前
後方向に沿つて重なり合うように、第１〜第４の
周知のサーペンタイン式の収納路５…が構成され
ている。そして本体１の奥方側に配置する第１〜
第３の収納路５…に対しては、それぞれ投入レー
ル６，７，８が設けられている。これら投入レー
ル６，７，８は上下三段に平行に離間して配置す
るとともに、それぞれ本体１の奥方側に向つて僅
かに下方し傾斜し、その先端部がその対応する収
納路５…の上端の開口部５ａ…に連なつている。

しかして、開閉扉２を開き、投入レール６，
７，８の基端部の上面に、その投入レール６，
７，８ごとに種類の異なる缶や瓶等の物品ａを乗
せ、これらをその投入レール６，７，８に沿つて
転動させ、開口部５ａ…から収納路５…に進入さ
せ、順次積層状態に収納する。なお、収納路５…
に収納された各物品ａは、その収納路５…の下端
部に配置する周知の例えばスターホイール式の排
出機構（図示せず）により適宜一つずつ排出され
る。

ここで、三段に配置する投入レール６，７，８
の基端部が本体１の開放部の垂直面上に同列的に
引き揃つて配置すると、下段の投入レール８に物
品を挿入する際にその上段側の投入レール７が邪
魔となつてしまい、このためその上段の投入レー
ル７を短寸に形成し、下段の投入レール８の上方
を大きく開放させてある。

ところがこのような構成であると、第９図に示
すように、上段の投入レール７にそれに対応する
物品ａを挿入しようとした時、それを手から滑り
落してしまうと、その物品ａが下段の投入レール
８に当たつてこの上面を転動し、適応外の収納路
５に進入してしまい、したがつてそれを収納路５
の下端からいちいち排出機構を作動させて取出さ
なくてはならなくなる。

そこで、実開昭56−100780号公報に見られるよ
うに、上段の投入レール７の基端部に、下段の投
入レール８との間に跨がつて配置可能な遮蔽体９
を回動自在に取付けて下段の投入レール８へ物品
ａが誤つて進入しないようにしたものが知られて
いる。

（考案が解決しようとする課題） ところがこの実開昭56−100780号公報のものに
おいては、上段の投入レールに挿入しようとした
物品が落下した場合に、下段の排出レールへの進
入は遮蔽体により防止されるが、その物品が遮蔽
体を伝わつてその前方の挿入作業者の位置にまで
転落して作業者に当り、この結果、作業者が思わ
ぬ怪我を負つてしまう危険がある。

この考案はこのような点に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、上段の排出レー
ルに挿入しようとした物品が誤つて落下しても、
それが挿入作業者に当るようなことがない自動販
売機等の物品収納棚装置を提供することにある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） この考案はこのような目的を達成するために、
それぞれ収納路に連なる投入レールが少なくとも
上下二段に配置するとともに、その上段の投入レ
ールの基端部に、この基端部と下段の投入レール
との間に跨がつて配置可能な遮蔽体が回動自在に
取付けられたものにおいて、上記遮蔽体には、盾
段の投入レールの基端部と下段の投入レールとの
間に跨がつて配置する状態のもとで、その上方か
ら落下してくる物品を受け止めて保持することの
可能なＬ形の保持部を形成するようにしたもので
ある。

（作用） このような構成においては、上段の排出レール
に挿入しようとした物品が落下すると、この物品
が遮蔽体の保持部で受け止められ、したがつて挿
入作業者に当るようなことがなく、安全に取扱う
ことができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について第１図ない
し第７図を参照して説明する。なお、この実施例
において、従来の構成と重複する部分には同符号
を付してその説明を省略し、異なる部分について
のみ述べる。

各投入レール６，７，８は、両側縁に側壁１
０，１０を有し、これら側壁１０，１０の両端側
にその長手方向に沿う直線状およびコ字状のスリ
ツト１１，１２が形成され、側板３，３間に架設
された支軸１３，１３がこれらスリツト１１，１
２を挿通し、これら支軸１３，１３を介して投入
レール６，７，８がそれぞれ本体１の前後方向に
スライド自在に支持され、またこれがスプリング
１４により本体１の前方側に弾性的に付勢されて
いる。そして、第３図に示すように、支軸１３が
コ字形のスリツト１２の一端部に係合する状態か
ら投入レール６，７，８を僅かに上方に引き上げ
るとともに、本体１の奥方側にスライドさせ、再
び押し下げて支軸１３をスリツト１２の他端部に
係合させることにより、投入レール６，７，８を
本体１の奥方側に配置させることができるように
なつている。そしてこのような操作により、収納
路５…の開口部５ａ…間の開口幅ｈをその収納路
５…に投入すべき物品ａの外径に対応するように
調整し、これにより投入レール６，７，８上を物
品ａが姿勢を崩しながら転動しても、その姿勢を
修正して収納路５…に進入させることができるよ
うに構成されている。

下段の排出レール８の上段側に配置する投入レ
ール７の基端部には、一対の取付片１５，１５が
突設され、これら取付片１５，１５に遮蔽体１６
が取付けられている。この遮蔽体１６は例えば金
属線材により形成され、側面から見た形状がＬ形
で、そのＬ形の長辺部分が遮蔽部１７、短辺部分
が保持部１８で、遮蔽部１７の端末がそれぞれ取
付片１５，１５に回動自在に枢着されている。そ
して、この遮蔽体１６が取付片１５，１５を支点
にして下方に回動し、下段の投入レール８に当接
することにより、上段の投入レール７と下段の投
入レール８との間に跨がつて配置し、その両者間
の空間部分を遮蔽するようになつている。そし
て、最上段の投入レール６の下面にはマグネツト
１９が設けられ、遮蔽体１６を上方に回動して保
持部１８の上端をこのマグネツト１９に吸着させ
ることにより、遮蔽体１６を上方の回動位置に支
持しておくことができるものである。

ところで、投入レール６，７は本体１の前後方
向に対してｌだけスライド自在であり、したがつ
てこの両者は最大互いに反対側に2l離間すること
になるが、このいずれの状態においてもマグネツ
ト１９で遮蔽体１７を吸着して支持することがで
きるように、マグネツト１９の長さを2l以上に定
めてある。

２０はガイド体で、これは断面Ｌ形に形成さ
れ、その一側面側に弾性変形自在の係合舌片２１
および案内突片２２を有している。そして各投入
レール６，７，８の基端部に、上記係合舌片２１
および案内突片２２に対応する係合孔２３および
案内孔２４が、複数組その投入レール６，７，８
の一側縁側から中間側に向つて並列して設けられ
ている。さらに側板３に、同様の係合孔２３およ
び案内孔２４が、各投入レール６，７，８の基端
部の上方部分でかつ物品ａの挿入に支障のない位
置において、それぞれ一組ずつ設けられている。
そして通常時においては、ガイド体２０を側板３
に取付けてある。すなわち、側板３の係合孔２３
にガイド体２０の係合舌片２１を、同じく案内孔
２４に案内突片２２をそれぞれ挿入し、さらにガ
イド体２０を本体１の奥方側に移動して係合舌片
２１の内側を係合孔２３の縁部に係合させて取付
けてある。そして投入レール６，７，８に挿入す
べき物品ａが第７図に示すように、首部ａ１を有
する瓶であるような場合に、ガイド体２０を側板
３から取外し、これを首部ａ１に対応する部分に
配置する投入レール６，７，８の係合孔２３およ
び案内孔２４を選択して上述と同様の手順で取付
け、このガイド体２０の上縁部で首部ａ１を支持
するようにする。これにより物品ａが常に正規の
状態に整えられて投入レール６，７，８に挿入さ
れることになる。つまり、第７図に鎖線で示すよ
うに、物品ａの向きを誤つて逆方向に向けて挿入
すると、物品ａがガイド体２０に当接して傾斜
し、したがつてその向きの誤りに気が付き、正規
の状態に修正して挿入することになる。また、物
品ａが円筒状の缶であつて、その長さが変更され
たような場合に、その長さに対応する位置にガイ
ド体２０を取付けることにより、その物品ａの姿
勢を常に整えて挿入することができる。

ところで、投入レール７に物品ａを挿入する場
合には、遮蔽体１６を下方に回動し、これを投入
レール７と下段の投入レール８との間に跨がるよ
うに配置してその相互間の空間部分を遮蔽し、こ
の状態において投入レール７の基端部の上面部分
に物品ａを挿入し、これを転動させて収納路５に
進入させる。このようにして上段の投入レール７
に物品ａを挿入するわけであるが、この挿入時に
誤つて物品ａを手から滑り落したような場合に
は、その物品ａが遮蔽体１６に当り、下段の投入
レール８への進入が阻止され、遮蔽体１６の保持
部１８で受け止められて保持される。したがつ
て、下段の投入レール８に異種の物品ａが進入す
ることがなく、また滑り落した物品ａが跳ね返つ
て挿入作業者に誤つて接触するような危険がな
い。

下段の投入レール８に所定の物品ａを挿入する
場合には、遮蔽体１６を上方に回動し、これをマ
グネツト１９に吸着させて支持し、この状態にお
いて、下段の投入レール８に所定の物品ａを挿入
する。この場合、上段の投入レール７と最上段の
投入レール６との間の空間部に遮蔽体１６が配置
するから、下段の投入レール８に挿入すべき物品
ａを誤つて上段の投入レール７に挿入してしまう
ようなことがない利点がある。

なお、上記実施例においては、上方に回動した
遮蔽体をマグネツトで吸着して支持するようにし
たが、このような構成に限ることはなく、例えば
遮蔽体の自由端側の端部を投入レールの上面に当
接させて支持するようにしてもよく、また遮蔽体
も金属線材で構成する場合のほか、金属板、或い
はプラスチツクの成形品などで構成するようにし
ても何ら差支えない。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、物品を
挿入する際にそれを誤つて手から滑り落しても、
それが挿入作業者の位置にまで転落するようなこ
とがなく、したがつて物品が挿入作業者に当つて
怪我を負うような危険を防止して安全に取扱うこ
とができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図はこの考案の一実施例を示
し、第１図は全体の側面図、第２図は要部の斜視
図、第３図は投入レールの支持状態を示す斜視
図、第４図は要部の側面図、第５図はガイド体の
斜視図、第６図はガイド体の使用状態を示す平面
図、第７図は同じく正面図、第８図は従来装置を
示す側面図、第９図はその一部を示す側面図であ
る。 ５……収納路、７，８……投入レール、１６…
…遮蔽体、１８……保持部、ａ……物品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ収納路に連なる投入レールが少なくと
   も上下二段に配置するとともに、その上段の投入
   レールの基端部に、この基端部と下段の投入レー
   ルとの間に跨がつて配置可能な遮蔽体が回動自在
   に取付けられたものにおいて、上記遮蔽体には、
   上段の投入レールの基端部と下段の投入レールと
   の間に跨がつて配置する状態のもとで、その上方
   から落下してくる物品を受け止めて保持すること
   の可能なＬ形の保持部を形成したことを特徴とす
   る自動販売機等の物品収納棚装置。