JPH0213998Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は放射線防護用衣の袖に関し、詳細には
エプロン式胴衣等を着用したときにおける腕の部
分を防護するための着脱自在な袖に関するもので
ある。

放射線防護衣としては、全身の被曝を防止する
袖の付いた手術衣型のものと、Ｘ線カメラ透視用
のエプロン式胴衣とがあるが、後者が作業性が良
いので多用されている。しかしながら放射線を用
いた医療機器では、第１図に示すように二次的に
発生する散乱放射線が発生し、エプロン式胴衣で
は腕の部分が被曝する場合がある。袖のある手術
衣等の防護衣は着換えが面倒であり、作業性も良
くないので、エプロン型胴衣のまま診療を行なう
ことが多く、保健上看過し得ない問題となつてい
た。

本考案は、前記エプロン型胴衣を着用したとき
容易に着脱自在に装着でき、腕の放射線による被
曝を防止することを目的とするものである。

本考案の要旨は、柔軟な含鉛放射線遮蔽生地か
ら形成され、ほぼ長方形状で、中間に切込みまた
は襞部を設けて肘屈曲部とし、シート側縁に取付
けた解離可能な結合手段によりシート両側縁を閉
じて筒状体に形成し、それぞれ上膊袖および下膊
袖とすることを特徴とする放射線防護用袖の構成
に在る。

本考案の一実施例を図面に基いて説明すると、
第２図は展開時の平面図を示し、ほぼ長方形状の
放射線防護用生地１の中間部に切込みが設けられ
屈曲部２を形成している。また両側縁には、側縁
を結合して筒状に形成するためのフツク部材とル
ープ部材の組合せからなる面フアスナー３が縫着
等により一方は生地表側に他方は生地裏側に取付
けられている。また一端部（肩側）は山形の凸出
した曲線縁を形成し、綴じ合わせて筒状としたと
き肩付根に適合する形状としてある。また、胴衣
の肩部分に設けたボタンに係合するためのボタン
孔４が設けられている。

含鉛放射線防護用生地１は、例えばゴムラテツ
クス、塩化ビニルゾルに鉛または鉛化合物粉、バ
リウム化合物粉、アンチモン化合物粉等を混合し
肉厚及び鉛当量の違う軟質のシートもしくは薄い
シートを適宜枚数積層して芯材とし、この両面を
布、柔軟なプラスチツクシート等で被覆して作ら
れる。なお芯材としては鉛を基布に蒸着させ、ま
たは熱可塑性樹脂、或いは可塑化熱可塑性樹脂に
鉛粉等を混練してシート状に形成したものでも良
い。一般にゾル配合手袋において、布に含浸しな
い無浸透配合は周知であるのでこれを利用し、布
の上にゾルをコートして製造せしめたシートを利
用してもよく、又、ゾルコート後、半ゲルとしク
ロツキー用接着剤をコートし、短繊維0.5mm〜２
mm位のものを静電植毛して製造したシートを利用
してもよい。屈曲部２としては、上記実施例では
両側縁部から縦に切込みを入れ生地の可撓性を利
用して形成せしめたが、屈曲自在な襞部を設けて
屈曲部としても良い。また両側縁を結合し筒状体
とするための結合手段としては、上記実施例では
面フアスナーを用いたが、適宜間隔でスナツプを
取付けてスナツプ結合でも良く、またボタンとボ
タン孔、尾錠とバンド方式など適宜結合方法を採
ることができる。

第３図は、装着時の状況を示す図面で、屈曲部
２を中間にして両側縁を結合して形成された筒状
体は、それぞれ、上膊袖部５、前膊袖部６を形成
し、ボタン止め方式で胴衣７の肩付根部分と結合
している。なお胴衣７との結合は、上記ボタン方
式の他、スナツプ、面フアスナー等を使用するこ
とができ、袖が腕に確実に巻きついてずれるおそ
れのない場合には、胴衣７との結合は省いても良
い。

本考案は上述のような構成を有するので、容易
に着用し、または脱着することができるので、使
用者に身体的、心理的負担をあまり加えずに使用
され、従来、胴衣着用の場合無防備であつた腕部
分の防護をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、放射線機器診療時の説明図で、第２
図は、本考案に係る放射線防護用袖の実施例の平
面図、第３図は、同じく着用時の状態を示す図面
である。 １……放射線防護用生地、２……屈曲部、３…
…面フアスナー、４……ボタン孔、５……上膊袖
部、６……前膊袖部、７……胴衣。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟な含鉛放射線遮蔽生地から形成され、ほぼ
   長方形状で、中間に切込みまたは襞部を設けて肘
   屈曲部とし、シート側縁に取付けた解離可能な結
   合手段によりシート両側縁を閉じて筒状体に形成
   し、それぞれ上膊袖および下膊袖とすることを特
   徴とする放射線防護用袖。