JPH0213422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は素線を巻いた多数の実ボビンを１列状に
装置し、各ボビンから繰出された素線を撚り合せ
る撚線機におけるボビン自動交換装置に関する。

上記形式の撚線機（レドラー形）はケーブル、
ワイヤロープ等の製造に用いられ、素線を使用し
終つた空ボビンは実ボビンと交換される。上記撚
線機は非常に高価であるから、その稼動率を上げ
るためにはボビン交換時間を可及的に短縮する必
要がある。しかるに、従来はボビン交換用のクレ
ーンを手動操作し、またクレーンに積込む実ボビ
ンを人力により整列させていたので、ボビン交換
作業が非能率で、撚線機の稼動率を低下させる原
因となつていた。

本案の目的はかかる現状を改善し、ボビン交換
を自動化した撚線機ボビン自動交換装置を提供す
るにある。

本案においては、実ボビンを一定ピツチをもつ
て１列状に配置する撚線機のボビン受台と平行し
てその側方にボビン置台を設け、ボビン受台とボ
ビン置台との上方に跨がつて前記配置方向に案内
自走する走行フレームに前記配置方向と直角の横
行レールを固定し、横行レールに懸架しボビン受
台の上方とボビン置台の上方との間を自走する横
行フレームに昇降フレームを案内昇降可能に設
け、昇降フレームに前記配置方向に前記ピツチを
もつて複数のボビン吊持用ハンガー装置を取付
け、走行フレームと走行レールに沿つて設けた固
定部材との間に走行位置ぎめ装置を、また走行フ
レームと横行フレーム間に横行位置ぎめ装置を
夫々設け、ハンガー装置にボビン把持検出装置を
設けて、撚線機ボビンの自動交換を可能にしたこ
とを特徴とする。

以下本案の図示実施例について説明する。第１
図、第２図において、ストツクヤード１には各種
サイズの素線を巻いたボビンがストツクされてお
り、ストツクヤードクレーン２は指令信号により
所定のボビンを選択して入出庫コンベヤ３に搬入
する。入出庫コンベヤ３は撚線機のボビン受台４
と平行に設けられ、またこれと平行し入出庫コン
ベヤ３と整列するボビン置台５を設ける。撚線機
クレーン６は、第３図ないし第５図に示す如くボ
ビン受台４とボビン置台５との両側上方に設けた
Ｉ形断面の走行レール７に両端の駆動ローラ８と
従動ローラ９とによつて懸架する走行フレーム１
０と、走行フレーム１０に走行方向と直角に固定
した横行レール１１上を駆動ローラ１２と従動ロ
ーラ１３とにより懸架横行する横行フレーム１４
と、横行フレーム１４に案内昇降可能に支持さ
れ、横行フレーム１４上に設けたサイクロ減速機
１５とこれにより同軸回転される２個の鎖車１６
及び２個の小鎖車１７を介してチエーン１８によ
り昇降される昇降フレーム１９と、昇降フレーム
１９にボビン受台４のボビンピツチｐと等しいピ
ツチをもつて取付けた３個のハンガー装置２０と
を有する。

駆動ローラ８，１２やサイクロ減速機１５等の
各駆動モータは、トロリー線からの供給電力と
CPUからの指令信号とにより制御盤を操作する
ことによつて順序制御される。そのために走行フ
レーム１０、横行フレーム１４及び昇降フレーム
１９は位置検出用のリミツトスイツチを具えてお
り、更に停止精度を高めるため、走行フレーム１
０及び横行フレーム１４には夫々１対の走行位置
ぎめ装置２１及び横行位置ぎめ装置２２を設け
る。

走行位置ぎめ装置２１は走行フレーム１０に基
端を枢支した１対の開閉挾持片２３の基端にレバ
ー２４を固定し、その先端を電動シリンダ２５の
ロツドに結合し、該ロツドを進退させることによ
り挾持片２３の先端にて走行レール７に突設した
位置ぎめ片２６を走行方向両側から挟みつけて走
行フレーム１０の位置ぎめを行う構造である。ま
た横行位置ぎめ装置２２は横行フレーム１４に垂
直に支持した回動軸２７を電動シリンダ２８にて
回動し、軸２７の上端に固定したアーム２９の先
端ローラ３０を走行フレーム１０に固定した１対
の垂直バー３１の対向表面に圧接させて横行フレ
ーム１４の位置ぎめを行う構造である。

上記位置ぎめ装置２１，２２によりフツク装置
２０はボビン受台４及びボビン置台５の所定のボ
ビン位置に正確に位置合せされる。

ハンガー装置２０は、第６図に示すように昇降
フレーム１９にブラケツト３２によつて上端を枢
支し下端にフツク３３をもつ２対のハンガー３４
を有し、相対するハンガー３４をばね３５にて引
きつけ、各ハンガー３４の上部に相対して凹部３
６を設ける。そして昇降フレーム１９に設置した
電動シリンダ３７により案内昇降する１対のアー
ム３８の両端に軸支したローラ３９を凹部３６内
に上下方向に充分な間隔をもつて遊合させる。し
かるときハンガー３４はアーム３８の昇降により
強制的に開閉されてフツク３３がボビン両側の折
返し部４０に係脱することができ、また凹部３６
とローラ３９との間隙が上下均等のときは、吊持
したボビンＢが加速、減速時にハンガー３４と共
に揺動することが可能となり、加減速の衝撃力を
緩和することができる。

なお、ハンガー装置２０がボビンＢを不確実に
把持したために取り落すことがないよう、ハンガ
ー装置２０には、ハンガー装置２０がボビンＢに
対し所定高さまで近接したことと、フツク３３が
閉じたこととを夫々検出する検出器を設け（図示
せず）、両検出信号のアンド信号により昇降フレ
ーム１９を上昇せしめるように構成する。

次にボビン交換動作について説明する。ボビン
交換前に予めクレーン２，６コンベヤ３により、
ボビン置台５とコンベヤ３上の所定位置に所要の
実ボビンＢを搬入して交換の用意をする。そして
ボビン交換時には、クレーン６のハンガー装置２
０をボビン受部４の交換すべき空ボビンの上方に
位置ぎめする。次にハンガー３４を開いた状態で
昇降フレーム１９を下降し、フツク３３を空ボビ
ンＢの折返し部４０に係合させる。ついで昇降フ
レーム１９が上昇し、３個の空ボビンＢをボビン
受台４から引き上げると、横行フレーム１４が後
退して上記空ボビンＢをボビン置台５の上方へ移
動する。該移動位置においてボビン置台５上には
既に用意された実ボビンが置かれているので、走
行フレーム１０はピツチｐのだけ前進し、しかる
のち昇降フレーム１９が下降して空ボビンＢをボ
ビン置台５上に置き、ハンガー３４を開く。

ついで昇降フレーム１９が上昇し、走行フレー
ム１０がピツチｐのだけ後退したのち昇降フレー
ム１９が下降し、ハンガー３４により実ボビンＢ
を把持する。次に昇降フレーム１９が上昇し、横
行フレーム１４がボビン受台４上に移動したのち
実ボビンをボビン受台４に卸す。

上記順序作動はCPUのほか通常の順序制御装
置を用いて行わせることも可能であり、かかる順
序制御回路は通常の機器を用いて容易に組立てる
ことができるからその詳細な説明は省略する。

本案は上記構成を有し、ボビン交換を自動化し
たので、交換時間を短縮して撚線機の稼動率を向
上し、更に、ボビン交換を確実に行うことができ
る効果がある。

なお本案は撚線機のほか、輪転機における巻取
紙の交換などにも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示し、第１図はボビン
の移動経路を示す全体の概略平面図、第２図は同
じく概略立面図、第３図、第４図、第５図は撚線
機クレーンの夫々平面図、立面図、側面図、第６
図はハンガー装置の立面図である。 ４……ボビン受台、５……ボビン置台、６……
撚線機クレーン、１０……走行フレーム、１１…
…横行レール、１４……横行フレーム、１９……
昇降フレーム、２０……ハンガー装置、２１……
走行位置ぎめ装置、２２……横行位置ぎめ装置、
２６……固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 実ボビンを一定ピツチをもつて１列状に配置す
   る撚線機のボビン受台と平行してその側方にボビ
   ン置台を設け、ボビン受台とボビン置台との上方
   に跨がつて前記配置方向に案内自走する走行フレ
   ームに前記配置方向と直角の横行レールを固定
   し、該横行レールに懸架しボビン受台の上方とボ
   ビン置台の上方との間を自走する横行フレームに
   昇降フレームを案内昇降可能に設け、昇降フレー
   ムに前記配置方向に前記ピツチをもつて複数のボ
   ビン吊持用ハンガー装置を取付け、走行フレーム
   と走行レールに沿つて設けた固定部材との間に走
   行位置ぎめ装置を、また走行フレームと横行フレ
   ーム間に横行位置ぎめ装置を夫々設け、ハンガー
   装置にボビン把持検出装置を設けた撚線機クレー
   ンとを有する撚線機のボビン自動交換装置。