JPH0212374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ボンネツトと弁棒の貫通部分にグ
ランドパツキングを備えてなるストツプ弁に関
し、特に弁棒を上下に分離可能とする一方、グラ
ンドパツキングを収納するパツキングボツクスを
別体として、グランドパツキングの交換作業等を
迅速且つ簡便に行い得るようにしたストツプ弁に
関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来のこの種ストツプ弁におけるグランドパツ
キングは、弁箱やボンネツト等に一体的に設けら
れたスタフイングボツクス内に、弁棒を囲繞して
複数個のリング状パツキングを強固に圧縮嵌合し
たものであるが、定期的に交換を必要とするこの
種グランドパツキングの分解・交換作業にあつて
は、その構造上、作業員が現場で特殊な工具を使
用して、上記圧嵌されているパツキングを１リン
グ毎に抜き取る必要があつたから、作業能率は極
めて低く、分解・交換作業に長時間を要するもの
であつた。

更に、耐圧性を要求されるボンネツトは、炭素
鋼や合金鋼で構成されている為、該ボンネツトと
一体的に構成されるスタフイングボツクスに充分
な防錆対策が実施できず、発錆によつてグランド
パツキングがパツキングボツクス内に固着し、そ
の抜取り作業をより困難にしていたのである。

この為、例えば原子力発電所等におけるこの種
のストツプ弁のグランドパツキング交換作業にあ
つては、特に高放射線下での作業時間が厳しく制
限されているから、一人では交換作業が完了せ
ず、複数人が交替で交換作業を行うことを余儀な
くされて、経済的にも大きな負担となるなど、
種々の問題点が見られたのである。

〔問題点を解決するための手段〕

このような実情に鑑み、本考案は、グランドパ
ツキングを一括収納するスタフイングボツクスを
カートリツジ式のパツキングボツクスとして、ボ
ンネツト内に水密に装脱自在とする一方、弁棒を
継手を介して上下に分離すると共に、ヨークを傾
倒乃至は取外す等して上記パツキングボツクスを
抜取り可能とすることにより、叙上の問題点を一
挙に解決したものである。

〔作用〕

叙上の構成に係る本案ストツプ弁は、弁棒を分
離し、その上部弁棒をカートリツジ式のパツキン
グボツクスの抜取り通路から回避することによつ
て、これをボンネツト及び下部弁棒から取り出し
得るという作用効果を奏するものである。

〔実施例〕

以下、本考案に係るストツプ弁を図面に示す一
つの実施例に基づいて更に具体的に述べると、図
において、１は弁箱、２はボンネツト、３は上部
弁棒３ａと下部弁棒３ｂを適宜な継手４により分
離可能に連結した弁棒、５は上記弁棒３の分離時
にヒンジ６を介して傾倒し下部弁棒３ｂ上から回
避して、下述するパツキングボツクスの抜取りを
可能としたヨークである。

又、７はボンネツト２内に装着し、上下のメタ
ルＯリング８を介して水密性を保持するようにし
たカートリツジ式のパツキングボツクス、９は該
パツキングボツクス７をボンネツト２に固定する
ルーズフランジ、１０は上記パツキングボツクス
７内にパツキング押え１１、押え板１２により強
固に圧嵌したグランドパツキングである。

尚、１３は弁板、１４は弁昇降用のハンドル、
１５はパツキング受け、１６は必要に応じて継手
４に揺動自在に設けられる上記パツキングボツク
ス７抜取り用のフツク金具である。

而して、グランドパツキング分解作業時は、先
ずパツキング押え１１、押え板１２、ルーズフラ
ンジ９の取付けボルトをそれぞれ外すと共に継手
４を取り外し、ハンドル１４を開弁方向に操作す
れば、上部弁棒３ａのみが上昇して下部弁棒３ｂ
との間に空隙ができ、上記各部品を完全に除去で
きるものである。

更に、ヨーク５をヒンジ６を介して傾倒し（第
１図一点鎖線参照）、カートリツジ式パツキング
ボツクス７を上方に引揚げれば、該パツキングボ
ツクスは圧嵌されたグランドパツキング１０と共
にボンネツト２及び下部弁棒３ｂから引抜くこと
が可能となり、引抜かれたパツキングボツクス７
を安全且つ良好な作業環境の場所に移動してグラ
ンドパツキング１０の取り出しを行えば良いので
ある。

しかも、この時パツキングボツクス７内のグラ
ンドパツキング１０の取出しは、弁棒３がパツキ
ングボツクス７内に挿通されていないから圧嵌さ
れ、発錆により固着したグランドパツキング１０
を極めて簡単に取り出し得るのである。

又、パツキングボツクス７を引き出す際、上部
弁棒３ａを下降させ、下部弁棒３ｂと継手４で連
結した後、フツク金具１６をパツキングボツクス
７の上縁に係止してハンドル１４を開弁方向に操
作すれば、極めて省力的にパツキングボツクス７
を引き出すことが可能となり（第２図参照）、更
に必要に応じて点線で示すような適宜なスペーサ
ー１７でパツキングボツクス７の下降を阻止し
つゝハンドル１４を閉弁方向に操作することによ
り、下部弁棒３ｂからの抜取り作業がより容易と
なる。

次に組立時は、パツキングボツクス７をルーズ
フランジ９を介して下部弁棒３ｂにセツトした
上、グランドパツキング１０を途中トルク締めを
行いつゝ装着し、パツキング押え１１、押え板１
２等で圧嵌した後、弁棒３を継手４を介して互い
に連結すれば良いのである。

尚、上記パツキングボツクス７の固定は、上例
の如くルーズフランジ９に限らず、例えば二分割
したバンドのクランプによるものや、コイルバ
ネ、ボール、スリーブ等からなるワンタツチ方式
等、任意の方法を取り得るものであり、又上部弁
棒３ａの回避もヒンジによる傾倒の他、完全に取
外ずせるものであつても良い。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本案ストツプ弁は、弁棒を
分解可能とする一方、パツキングボツクスをボン
ネツト内に装脱自在のカートリツジ式としたもの
であるから、その装脱作業に要する時間が著しく
短縮できる上、内部のグランドパツキングの取出
しが弁本体と離れた位置で行えるから、例えば原
子力発電所等、作業時間が制約される悪条件下に
おける弁のグランドパツキング交換作業が極めて
安全に行い得るものである。

更に、上記グランドパツキングの取出しに当た
つては、上記パツキングボツクスがボンネツトと
別体である上、弁棒の無い状態で行えるので、従
来特に手間と時間を要していた上記取出し作業が
短時間で行える等、種々の優れた効果が期待でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ストツプ弁の縦断面図、第２図は
フツク金具を用いてパツキングボツクスを引出し
た状態を示す縦断面図である。 尚、図中２……ボンネツト、３……弁棒、４…
…継手、５……ヨーク、７……パツキングボツク
ス、１０……グランドパツキング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. グランドパツキング１０を一括収納するスタフ
   イングボツクスをカートリツジ式のパツキングボ
   ツクス７として、ボンネツト２内に水密に装脱自
   在とする一方、弁棒３を継手４を介して上下に分
   離すると共に、ヨーク５を傾倒乃至は取外すなど
   して上記パツキングボツクス７を抜取り可能とし
   たことを特徴とするストツプ弁。