JPH0212061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は、芯金にゴムコツトを嵌合するための
治具に関する。

（考案の技術的背景とその問題点） 紡績ローラは、通常、芯金及び芯金上に嵌合さ
れているゴムコツトから成る。かかる紡績ローラ
において、芯金にゴムコツトを嵌合する場合に
は、第３図に示すように、芯金１を嵌入機の受台
３上に位置決めし、嵌入機の把手を操作してコツ
ト圧入金具４にてゴムコツト２を押圧している。

しかし、コツト圧入金具４にてゴムコツト２を
押圧するだけでは、第４図に示すように、ゴムコ
ツト２の押圧側の端部２ａが内方に入り込んでし
まうため、この端部２ａが芯金１の端面とコツト
圧入金具４とにより挟圧され、破損してしまうこ
とがあつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、ゴムコツトの端部を破損する
ことなく当該ゴムコツトを芯金に嵌合することが
できるゴムコツト嵌合治具を提供することにあ
る。

（考案の概要） 本考案は、ゴムコツトを押し付ける治具本体内
に先端が小径に形成されている挟み込み防止部材
を配すると共に弾性部材にてこの挟み込み防止部
材に突出力を付与し、挟み込み防止部材をゴムコ
ツトの内周面に係合させてその端部が内方へ入り
込むのを防止しつつ治具本体にてゴムコツトを押
圧して芯金に嵌合することを特徴とする。

（考案の実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第２図には嵌入機の全体的な構成が示されてい
る。即ち、図において、５は基台を示し、基台５
には本体６が取付けられている。この本体６には
押棒７が上下方向に貫通し、押棒７にはラツク７
ａが設けられている。また、本体６には歯８が設
けられ、この歯８がラツク部７ａと噛み合つてい
る。歯８が固定されている支持棒９は回転可能に
本体６に支持され、この支持棒９には把手１０が
取付けられている。従つて、把手１０を矢印方向
に回動操作すると、歯８が回転するので、ラツク
部７ａを介して押棒７が下方に移動する。

尚、把手１０は回動操作後に手を離すと、図示
しない機構を介して元の位置まで復帰する。

基台５の押棒７と対向する位置には受台１３が
設けられている。この受台１３には芯金１４が位
置決めされている。芯金１４に嵌合すべきゴムコ
ツト１５は、第１図に示すように、３mmの肉厚を
有する外側ゴム層１５ａと、その内周側に設けら
れている1.6mmの肉厚の補強層１５ｂと、更にそ
の内周側に設けられている1.5mmの肉厚の内側ゴ
ム層１５ｃとから成る。一方、押棒７の下端には
本考案に係る嵌合治具１６が取付けられている。

本考案に係る嵌合治具１６は、第１図に示すよ
うに、治具本体１７を備えている。この治具本体
１７は円筒形に形成され、下方が開口している。
治具本体１７の上方には空気を逃がすための抜き
穴１７ａが設けられ、略中央にはねじ部材から成
るストツパ１８が内方に突出した状態で螺入され
ている。治具本体１７内には挟み込み防止部材１
９が配されている。この挟み込み防止部材１９は
徐々に縮径している先端部１９ａを有し、周面中
央にストツパ１８の係入されている環状凹部１９
ｂが形成されている。挟み込み防止部材１９の上
方には筒状の穴１９ｃが設けられ、この穴１９ｃ
内にはコイルスプリング２０の一端側が収容され
ている。コイルスプリング２０の他端は治具本体
１７の内壁面に当接している。従つて、嵌合治具
１６の不使用時には挟み込み防止部材１９はコイ
ルスプリング２０の弾性力にて押圧されて、その
先端部１９ａがストツパ１８にて規制される範囲
内で治具本体１７より突出している。

次に、本考案に係る嵌合治具１６の使用態様を
説明する。

即ち、治具本体１７より上方に突出する嵌入棒
１７ｂを嵌入機の押棒７の下端に嵌入して本考案
の嵌合治具１６を押棒７に取付ける。

次に、上述したように、把手１０を操作して押
棒７を下方に移動する。これによつて、本考案の
嵌合治具１６の治具本体１７下端面がゴムコツト
１５の上端面を下方に押圧するので、ゴムコツト
１５が芯金１４に嵌合される。

ところで、ゴムコツト１５の押圧時において
は、挟み込み防止部材１９の先端部１９ａはゴム
コツト１５の内側ゴム層１５ｃ内周面に挿入さ
れ、当該内周面に係合する。従つて、ゴムコツト
１５の押圧作業終了直前において、内側ゴム層１
５ｃや補強層１５ｂの上端部が内方に入り込むの
を防止することができる。よつて、内側ゴム層１
５ｃや補強層１５ｂの上端部が治具本体１７の下
端面と芯金１４の端面とにより挟圧されることが
なくなる。この結果、ゴムコツト１５をその一部
を破損することなく芯金１４に嵌合することがで
きる。そして、挟み込み防止部材１９はコイルス
プリング２０にて押圧力が付与されているので、
ゴムコツト１５内にコイルスプリング２０の弾性
力に抗して徐々に挿入される。従つて、挟み込み
防止部材１９の挿入時に内側ゴム層１５ｃや補強
層１５ｂに破断が生じることもない。

尚、上記実施例では３層構造のゴムコツト１５
の嵌合に本考案の嵌合治具を用いたが、単に一層
のゴム層より成るゴムコツトであつても利用し得
るのは勿論である。

（考案の効果） 本考案によれば、治具本体内に先端が小径の挟
み込み防止部材を弾性部材を介して突出可能に配
したことで、ゴムコツトの端部を破損することな
くゴムコツトを芯金に嵌合することができる。従
つて、品質的に優れたゴムローラを製作し得る嵌
合治具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る嵌合治具をゴムコツトと
共に示す断面図、第２図は嵌入機の全体構成図、
第３図及び第４図は従来のゴムコツトの嵌合態様
をそれぞれ説明する断面図である。 ７……押棒、１３……受台、１４……芯金、１
５……ゴムコツト、１６……嵌合治具、１７……
治具本体、１８……ストツパ、１９……挟み込み
防止部材、１９ａ……先端部、２０……コイルス
プリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 位置決めされた芯金にゴムコツトを嵌合する
   ための治具であつて、嵌入機に取付けられ、前
   記ゴムコツトの端面を押し付ける円筒状の治具
   本体と、該治具本体内に突出可能に配され、先
   端が小径に形成されて前記ゴムコツトの内周面
   に係合する挟み込み防止部材と、前記治具本体
   内に配されて前記挾み込み防止部材に前記ゴム
   コツトを押圧する方向への突出力を付与する弾
   性部材とを備えることを特徴とするゴムコツト
   嵌合治具。 ２ 前記ゴムコツトは内側及び外側ゴム層及びこ
   れらの間に配される補強層とから成ることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   のゴムコツト嵌合治具。