JPH021052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は携帯用簡易傘に係り、伸縮自在で全
体が極めてコンパクトに形成され、常時携帯する
のに便利な携帯用簡易傘に関するものである。

（従来の技術） 我が国のように雨の多い国においては、外出時
の急な雨に備えて傘を持ち歩くことが多く、その
際携帯に便利であるように、従来から様々な傘が
工夫されている。

すなわち、傘の中棒を径の異なる筒体を摺動自
在に連設して伸縮自在となるよう構成し、布を張
設する傘骨材を折曲可能に形成したいわる折り畳
み傘が一般に知られている。

例えば、実公昭43−5322号公報によれば、叙上
の折り畳み傘の傘骨材の改良として、その折曲部
の構造が、傘の開閉操作に支障を来たすことなく
堅く嵌着されたものが開示されている。

また、実公昭38−2859号公報等には、プラスチ
ツクフイルム膜と軟質管状骨材とから形成され、
空気を注入することにより傘形状に成形される無
骨式折り畳み傘が開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 〈従来の技術の問題点〉 ところが上述した従来の折り畳み傘は、構成が
複雑で製造コストも高く、鞄に収納できる程度の
大きさに折り畳むのが限度であり、常時携帯する
には嵩張りすぎる欠点があつた。

また、無骨時折り畳み傘は、空気を抜くことに
より極めて小さく折り畳めるから携帯に便利であ
るが、傘として使用する際の空気注入に時間を要
し、その間に濡れてしまうことがあつたり、風雨
の強い時にはすぐに壊れたりする等強度上の問題
点があつた。

〈技術的課題〉 そこでこの考案は、従来存した叙上の問題点を
解消し、極めてコンパクトに縮小してポケツト等
に収納して常時携帯することができ、しかも、構
成が簡単で素早く展開して使用できる等、通常の
外出時は勿論、特に野球、サツカー等のスポーツ
観戦時に使用して最適な携帯用簡易傘を提供する
ことを技術的課題として考案されたものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） このため、この考案は径の異なる複数の筒体が
摺動自在に連結されて、両側方向に伸縮自在とな
るよう形成された傘骨材を、中心部に貫通された
軸材を介して回動自在に複数積重すると共に、
夫々傘骨材両端部には、放射状に展開伸長した傘
骨材表面を覆う表布を固着したことにより、上記
問題点を解決した。

（作用） 叙上のようなこの考案にあつては、軸材を介し
て複数積重された傘骨材を、平面略放射状となる
よう展開させ、夫々の傘骨材の両端を両側方向に
引張ると、中に収納された径の異なる複数の筒体
が次々引き出される。それに伴ない傘骨材の両端
部に固着された表布が、賦射状に展開伸長した傘
骨材の表面を覆う。

（実施例） 以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
する。

図において示される符号１は、径の異なる複数
の筒体２が連結して形成された傘骨材である。こ
の傘骨材１は、その両側において筒体２が摺動自
在に収納され、夫々稍小径の筒体２が順次連続し
て摺動自在に配設されている。すなわち、傘骨材
１は、伸縮自在に形成された伸縮筒状に構成さ
れ、中に収納された小径の筒体２を順次引き出て
全体が両側方向に伸長できるよう形成されてい
る。

しかして、第４図に示す如く、連続して配設さ
れた筒体２先端縁には内側に折曲された係止片５
が設けられ、中に収納された小径の筒体２後端縁
は外側に折曲され、前記係止片５に係合し、中の
筒体２の抜け落ちを防止する受止片６が形成され
ている。

尚、最先端の筒体２は、更に筒体２を収納する
必要がないので筒状ではなく棒状に形成してもよ
い。

このように両側方向に伸縮自在に形成された傘
骨材１は、複数積重され、中心部に軸材３が貫通
されて回動自在に軸支されている。

また、傘骨材１は図示例の如く両端を稍下方に
傾斜させ、全体を山形状に形成することで、放射
状に展開伸長した傘骨材１表面の張り具合が良好
となり、また、雨水が溜ることもない。

そして、傘骨材１中心部の上面を下面とを略偏
平に形成することで、複数の傘骨材１の積重状態
が安定し、放射状に安定良く展開できるから、強
度も強くなる。

符号４は、展開伸長された傘骨材１の表面全体
に張設される表布であり、軟質のビニールフイル
ムあるいは合成樹脂等でコーテイングされた不織
布等から成る。表布４は、展開伸長された傘骨材
１表面を覆う大きさを有し、傘骨材１の両端に固
着されている。

次にこれが使用を説明すれば、先ず縮小された
傘骨材１を放射状に展開するよう回動し、次に両
端から筒体２を順次引き出して傘骨材１を伸長す
る。すると傘骨材１両端に固着された表布４が広
がつて傘骨材１に張設される。そして、このよう
にして組み立てた携帯用簡易傘の傘骨材１の中心
部、すなわち、傘骨材１の交差部を手に持つて傘
として使用する。

ところで、傘骨材１の大きさは縮小時に約14
cm、伸長時に約1m程度の大きさが適切であり、
携帯及び使用に際して最も良好である。

［考案の効果］ 従つてこの考案は、径の異なる複数の筒体２が
摺動自在に連結されて、両側方向に伸縮自在とな
るよう形成された傘骨材１を、中心部に嵌挿され
た軸材３を開して回動自在に複数積重し、傘骨材
１両端部には、放射状に展開伸長した傘骨材１表
面を覆う表布４を固着したから、傘骨材１を放射
状となるよう夫々回動し、両端から順次小径の筒
体２を引き出すことによつて、傘骨材１を伸長し
て表面に表布４を簡単に張設することができる。

また、使用しないときには、逆に摺動自在に連
結された各筒体２を夫合押し戻して収納し、放射
状に展開された傘骨材１を平面略直線状となるよ
う回動して、表布４を適宜折り畳むことにより、
極めて小さく縮小できるから、ポケツト等に収納
して携帯するのに極めて便利である。

このように、嵩張ることなく常時携帯すること
ができるから、外出時の不意の雨や、野球等の屋
外競技場での雨に対する雨除けとして極めて効果
的であり、また、表布４を日除け材で形成するこ
とでちよつとした日傘としても使用することがで
きる。

しかも、部品点数が少なく、構成が簡単である
から低コストにて大量生産することができ、軽量
で扱いが極めて容易である。

以上説明したように、この考案によれば、極め
て小さくコンパクトに縮小することができ、組立
容易にして低コストにて大量生産できる等実用上
極めて有益な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は底面図、第３図は縮小した傘
骨材の正面図、第４図は傘骨材の要部拡大断面図
である。 １……傘骨材、２……筒体、３……軸材、４…
…表布、５……係止片、６……受止片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 径の異なる複数の筒体が摺動自在に連結され
   て、両側方向に伸縮自在となるよう形成された
   傘骨材を、中心部に貫通された軸材を介して回
   動自在に複数積重すると共に、夫々傘骨材両端
   部には、放射状に展開伸長した傘骨材表面を覆
   う表布を固着したことを特徴とする携帯用簡易
   傘。 ２ 傘骨材は、両端が稍下方に傾斜し、全体が略
   山形状である実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の携帯用簡易傘。