JPH021010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔技術分野〕 この考案は過電流検出装置に関するものであ
る。 〔背景技術〕 従来、バイメタル板の固定端にわん曲部を形成
して、バイメタル板に直接通電することにより直
熱する過電流検出装置を備えた配線用しや断器が
あつた。この配線用しや断器の過電流引外し特性
は、電気用品取締法により表１の条件を満す必要
がある。

【表】 一方、モータ定格用の回路しや断器では、表２
の条件を満す必要がある。

〔考案の目的〕

したがつて、この考案の目的は、簡単な構成に
よりモータ用過電流引外し特性を満足することが
できる過電流検出装置を提供することである。 〔考案の開示〕 この考案は、一方の固定された電路接続導体
と、この電路接続導体に固着された固定端を有し
かつこの固定端と自由端との間にわん曲部を形成
したバイメタル板と、このバイメタル板のわん曲
部から自由端までの位置に前記バイメタル板に絶
縁体を介して配設され一端をわん曲部から自由端
までの間のバイメタル板に接続したヒータと、こ
のヒータの他端に可動自在に接続された他方の電
路接続導体とで構成したものである。 この考案の構成によれば、バイメタル板の全体
を傍熱型とするとともにバイメタル板の変形量の
大きいわん曲部を直熱型としたため、全体を直熱
型とするよりもたわみ量が少ないが全体を傍熱型
とするよりもたわみ量を大きくすることができ、
直熱型と傍熱型の中間の特性を得ることができ
る。したがつて、このような中間の特性を有する
モータの過電流検出が簡単な構成により誤動作な
くできる。 この考案の一実施例を適用したリモートコント
ロール式回路しや断器を第１図ないし第５図に示
す。すなわち、このリモートコントロール式回路
しや断器において、１は外殻、２はメカフレー
ム、３は電源側端子装置、４は負荷側端子装置、
５は遠隔制御用有極電磁石である。過電流検出装
置６は、一方の電路接続導体となるメカフレーム
２の端部にバイメタル板７の固定端７ｂが溶接に
より電気的機械的に接続されて固着され、バイメ
タル板７は固定端７ｂと自由端７ａとの間にわん
曲部８を形成するとともに、自由端７ａにギヤツ
プ調整ねじ９を設けており、このバイメタル板７
のわん曲部８から自由端７ａまでの位置に絶縁筒
を実施例とする絶縁体１０を介してヒータ１１を
巻装配設し、その一端１１ａをわん曲部８から自
由端７ａまでの間のバイメタル板７に接続し、ヒ
ータ１１の他端に可動自在な電路接続導体である
可とうリード線１７の一端を接続し、可とうリー
ド線１７の他端を短絡検出装置１８のコイル１９
に接続している。しや断器内部の電路は、電源側
端子装置３から順次可とうリード線１２、固定接
触子１３、固定接点１４、可動接点１５ａ、可動
接触子１５、可とうリード線１６、メカフレーム
２、バイメタル板７のわん曲部８、ヒータ１１、
可とうリード線１７、短絡検出装置１８のコイル
１９、端子装置１４の間を流れる。 そしてオン動作はトリツプ機構２０のラツチ状
態で手動または遠隔制御用有極電磁石５によりハ
ンドル２１を右方向（第１図の状態）に倒すこと
により、リンク２２を介して可動接触子１５の上
端部を押し、可動接触子１５はラツチにより固定
された軸２３を支点に回動して可動接点１５ａが
固定接点１４に接触する。オフ状態はその反対の
動作により行われる。これらのオンオフいずれの
場合も、電磁石５の保持力で保持される。 またオン状態で電路に過電流が流れた場合には
バイメタル板７がわん曲部８で直熱され、かつヒ
ータ１１により傍熱されて自由端７ａがバイメタ
ル板７のわん曲動作により動作してギヤツプ調整
ねじ９が移動し、また短絡電流が流れた場合には
短絡検出装置１８のプランジヤ２４が動作して、
いずれの場合もトリツプ機構２０のトリツプリン
ク２５が押し動かされ、固定軸２６を中心に時計
方向に回転する。トリツプリンク２５の動作によ
りラツチリンク２７のラツチが外れ、ラツチリン
ク２７の復帰ばね２８により軸２３が固定軸２
８′を中心に回動することによつて、ハンドル２
１が電磁石５に保持されたまま可動接触子１５が
開極動作する。事故の回復後のリセツトはハンド
ル２１をオフに操作（手動または電磁石５）する
ことにより、リンク２２を介して可動接触子１５
を引くのでラツチリンク２７が反時計方向に回転
することによつて復帰状態のトリツプリンク２５
にラツチされる。 なお、２９は遠隔操作スイツチ（図示せず）に
接続される遠隔制御用端子、３０は警報ないし補
助用端子、３１はラツチリンク２７のトリツプ動
作に連動するトリツプ検出用スイツチ（第２図）、
３２はトリツプテスト釦、３３はトリツプ表示装
置、３４は消弧装置、３５は短絡検出装置１９の
動作によりトリツプリンク２５を駆動すると同時
に可動接触子１５を強制開極する強制開極棒、３
６は接圧ばね、３７は電磁石５のハンドル２１に
連動する極性切換スイツチ、３８は電流方向制御
用ダイオード、３９はリード線である。 このように構成したため、この過電流検出装置
は、第６図に比してわん曲部８が直熱されるので
たわみ動作に優れ、バイメタル板の全体を直熱に
した場合よりも遅いがその特性により一層接近さ
せることができ、したがつてモータの過電流特性
を満足させ、起動時に誤動作させないで十分なモ
ータの保護ができることとなる。 〔考案の効果〕 以上のように、この考案の過電流検出装置によ
れば、バイメタル板の全体を傍熱型とするととも
にバイメタル板の変形量の大きいわん曲部を直熱
型としたため、全体を直熱型とするよりもたわみ
量が少ないが全体を傍熱型とするよりもたわみ量
を大きくすることができ、直熱型と傍熱型の中間
の特性を得ることができる。したがつて、このよ
うな中間の特性を有するモータの過電流検出が簡
単な構成により誤動作なくできるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の断面図、第２図
はその切断位置の異なる断面図、第３図は分解斜
視図、第４図はメカフレーム部分の分解斜視図、
第５図は過電流検出装置の概略側面図、第６図は
従来例の概略側面図である。 ２……一方の電路接続導体であるメカフレー
ム、６……過電流検出装置、７……バイメタル
板、７ａ……自由端、７ｂ……固定端、８……わ
ん曲部、１０……絶縁体、１１……ヒータ、１１
ａ……一端、１７……他方の電路接続導体である
可とうリード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の固定された電路接続導体と、この電路接
   続導体に固着された固定端を有しかつこの固定端
   と自由端との間にわん曲部を形成したバイメタル
   板と、このバイメタル板のわん曲部から自由端ま
   での位置に前記バイメタル板に絶縁体を介して配
   設され一端をわん曲部から自由端までの間のバイ
   メタル板に接続したヒータと、このヒータの他端
   に可動自在に接続された他方の電路接続導体とで
   構成した過電流検出装置。