JPH018989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の目的） 本考案は、人又は動物からの摘出物を所定巾の
試料にトリミングするための二枚の替刃を備えた
トリミングナイフに関するものである。

（従来技術） 従来、人又は動物からの摘出物を所定巾の試料
にトリミングするための専用のナイフはなく、剃
刀、メス等を用いてトリミングしていた。しか
し、剃刀、メス等は、刃の長さが短いために、ト
リミングの際に、試料の組織を傷め、適正な試料
が得られない欠点があつた。

又、剃刀、メス等により人又は動物からの摘出
物を連続的に一面一面トリミングして多数の試料
を得る場合、各試料の巾にばらつきが生じ、ミク
ロトームにより薄切りする際に不都合を生じてい
た。

（考案の構成） 本考案のトリミングナイフは、上記諸欠点に鑑
み、トリミングの際に試料を傷めず、連続的にト
リミングして多数の試料を得る場合に、各試料の
巾が均一となるようにし、しかもトリミングする
試料に応じて該試料の巾を適宜調整できるように
したもので、以下実施例を添附図面を参照にして
説明する。

第１図乃至第４図に於いて、背金１を保持する
ための保持具Ａは、固定体A₁と可動体A₂とから
構成される。固定体A₁は、挿入板２の先端にガ
イド板３が直交して設けられ、該ガイド板３の長
さ方向の一端に背金固着板４が前記挿入板２と平
行に設けられ、ガイド板３の内側面の中央部に嵌
合溝５が背金固着板４と直角に設けられ、ガイド
板３の長さ方向の他端部に雌螺子６が螺設された
構成である。可動体A₂は、スライド板７の長さ
方向の一端に背金固着板８が、該スライド板７の
板面と直角に設けられ、スライド板７の外側面の
中央部に前記嵌合溝５と嵌合する嵌合凸条９が背
金固着板８と直角に設けられ、スライド板７の中
央部には長孔１０が嵌合凸条９を貫通して設けら
れた構成である。

可動体A₂のスライド板７の外側面に設けた嵌
合凸条９が、固定体A₁のガイド板３の内側面に
設けた嵌合溝５に摺動自在に嵌合され、スライド
板７に設けた長孔１０に締付ボルト１１が挿通さ
れて、該締付ボルト１１と、固定体A₁のガイド
板３に螺設した雌螺子６とが螺合され、固定体
A₁の挿入板２がハンドル１２の中央部に設けた
挿入溝１２ａに挿入されて固定されている。この
ため、保持具Ａがハンドル１２に取り付けられ、
保持具Ａの可動体A₂が固定体A₁に、それぞれに
設けた各背金固着板４，８が互いに平行で、しか
も所定の間隔Ｗを保持して固定される。又、雌螺
子６に対する締付けボルト１１の螺合を緩めて、
スライド板７の嵌合凸条９をガイド板３の嵌合溝
５に対して摺動させることにより、可動体A₂の
背金固着板８の固定体A₁の背金固着板４に対す
る間隔Ｗを所望の間隔に変えることができる。

背金１は短冊状の金属薄板例えばステンレス薄
板等を二つ折りにして形成されたもので、その開
放側端部１ｂ，１ｂは折り曲げにより生じた弾性
により圧接された状態になつている。

背金１と略同一長さを有する止め金１３は薄板
状の部材で、その後端部側は巾の広い広巾部１３
ｂになつている。止め金１３は広巾部１３ｂの前
部が腹部側から直角に切り欠かれた段部１３ｃに
なつており、この段部１３ｃより先端側は広巾部
１３ｂより巾が狭く、かつ長さの長い狭巾部１３
ｄになつている。そして、止め金１３の狭巾部１
３ｄにはその中央部より先端よりに、その腹部か
ら突出する係合突起１３ａが設けられており、こ
の係合突起１３ａの段部１３ｃと対向する面は段
部１３ｃと平行になつている。

この止め金１３はその背部を背金１の折曲部１
ａの内面に当接させた状態で、背金１内に嵌挿さ
れその狭巾部１３ｄが２本のリベツト１５により
背金１に固着されている。

上記のように、止め金１３を固着した背金１は
保持具Ａの固定体A₁および可動体A₂の各背金固
着板４，８に、それぞれ２本のリベツト１７によ
り止め金１３の広巾部１３ｂと一体的に固着され
ている。

替刃１４は所定の長さを有して略長方形をして
おり、その背部の略中央部に止め金１３の係合突
起１３ａと係合可能の係合凹部１４ａが設けられ
ている。この替刃１４は開放端部１ｂ，１ｂ側か
ら背金１内に嵌入させられて、その係合凹部１４
ａが止め金１３の係合突起１３ａと係合させられ
ると、その内側端部１４ｂが止め金１３の段部１
３ｃと係合するとともに、開放端部１ｂ，１ｂに
より挟持されるので、替刃１４は背金１により確
実に保持される。

上記の様にして、背金１に取り付けられた替刃
１４は、第１図に示すように、その先端部及び刃
部が背金１から突出している。

この替刃１４は試料をトリミングする際、試料
からその前部を押し上げて回転させようとする力
を受ける。しかし、替刃１４はその係合凹部１４
ａが止め金１３の係合突起１３ａと係合するとと
もに、その内側端部１４ｂが止め金１３の段部１
３ｃと係合しているので回転が防止される。この
ため、替刃１４は安定した状態で試料をトリミン
グすることができる。

以上説明したように、二枚の替刃１４は互いに
平行で、しかもトリミングする試料の巾に対応し
た適宜の間隔Ｗを保持して各背金１に挾み込まれ
ている。又、保持具Ａの可動体A₂を固定体A₁に
対して摺動させて固定し直すことにより、トリミ
ングする各試料の巾に対応して、二枚の替刃１４
の間隔Ｗを自在に調整することができる。

（考案の効果） このように、本考案に係るトリミングナイフ
は、間隔調整自在の二枚の替刃を備えているの
で、通常の方法により、人又は動物からの摘出物
を引き切れば、切断部の組織を傷めることなく所
定巾の試料を得ることができ、又、人又は動物か
らの摘出物を連続的にトリミングして多数の試料
を得る場合、各試料の巾が均一となつて、後にミ
クロトームにより薄切りする作業が容易となり、
更に、二枚の替刃の間隔を調整することにより、
トリミングする試料の巾を自在に調整することが
できる。

又、本考案に係るトリミングナイフは替刃式で
あるので、切れ味が低下した場合には替刃を取り
替えることにより、初期の鋭い切れ味が容易に得
られ、又止め金には替刃の位置を固定する替刃位
置固定手段を設けたので、トリミング中に替刃が
動くことはなく、安定した状態でトリミングして
試料を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るトリミングナイフの斜
視図、第２図は、同じく分解斜視図、第３図は、
止め金１３および替刃の正面図、第４図は、背金
１の間に止め金１３および替刃１４を挾み込んだ
状態の断面図である。 主要部分の符号の説明、１……背金、４，８…
…背金固着板、１２……ハンドル、１３……止め
金、１３ａ……係合突起、１４……替刃、１４ａ
……係合凹部、Ａ……保持具、A₁……固定体、
A₂……可動体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 二枚の背金固着板４，８を間隔調整自在に先
   端部に備えてハンドル１２に取り付けられた保
   持具Ａと、金属薄板を二つ折にして形成されて
   替刃が挿入されるとその両側を挟持する開放部
   を備えかつこの開放部を同方向にして背金固着
   板４，８にそれぞれ平行に固着された長方形の
   一対の背金１と、各背金１の内部に固着され前
   記開放部から挿入された替刃の位置を固定する
   替刃位置固定手段を有する止め金１３とから成
   ることを特徴とする二枚の替刃を備えたトリミ
   ングナイフ。 (2) 止め金１３の替刃位置固定手段は替刃１４の
   背部に設けた係合凹部１４ａと係合する係合突
   起１３ａと、替刃１４の後端１４ｂと係合する
   段部１３ｃであることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の二枚の替刃を備えた
   トリミングナイフ。