JPH017602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用合成樹脂製ハブキヤツプに関
するものである。

一般に自動車用合成樹脂製ハブキヤツプはハツ
ト状に成形され、その開口端部から外側方向に張
り出す張り出し縁を有し、この張り出し縁をリン
グ状に配されたナツトに圧接させることにより取
付ける構造となつている。

しかしながら、このような構造のハブキヤツプ
によれば、ハブキヤツプの頭部表面側には塗装処
理によつて模様、記号等の装飾部が設けられる
が、これによれば塗膜の被着強度が弱いので車輌
に取付けて使用中に飛石、洗車中のブラシ等で塗
膜が剥離して美感を著しく損うという欠点を有し
ていた。

したがつて本考案の目的はハブキヤツプを外キ
ヤツプ部と、この外キヤツプ部を構成する合成樹
脂とは異色の合成樹脂で上記外キヤツプ部の内側
ほぼ全面に一体化された内張り部とから構成し、
上記外キヤツプ部は、その頭部の外表面側に形成
された所望パターンの凹部と、この凹部と上記内
張り部とを連結する孔を有し、上記孔を介して上
記内張り部の一部を膨出させ少なくとも上記凹部
内に充填させて装飾部を形成して上記欠点を除去
するものであり、以下実施例を用いて詳細に説明
する。

第１図ないし第３図は本考案による自動車用合
成樹脂製ハブキヤツプの一実施例を示す平面図及
び断面図であり、各図においてハブキヤツプ本体
１は合成樹脂をインジエクシヨン成形して全体と
してハツト状に成形され、平坦な頭部２と筒状の
側部３及び側部開口端３１から外方に張り出す張
り出し縁３２が一体に成形され、少なくとも一つ
の張り出し縁３２にはホイールナツトＮの下側の
傾斜縁ｎに弾発的に係合する凹状切り欠き４３が
形成されている。そして頭部２の外表面側にはハ
ブキヤツプ本体１とは異色の外リング２２ａ、中
リング２２ｂ、文字２２ｃから成る装飾部が設け
られている。ハブキヤツプ本体１は全体として外
キヤツプ部３３と、耐クリープ性に富み、かつ上
記外キヤツプ部３３を構成する合成樹脂とは異色
の合成樹脂で上記外キヤツプ部３３のほぼ内側全
面に一体化される内張り部３４とから形成される
２層構造となつており、外キヤツプ部３３の頭部
２１には上記装飾部のパターンに対応する凹部２
３、凹溝２４が形成されている。一方内張り部３
４は頭部２において貫通孔２５を介して上記凹部
２３、凹溝２４内に膨出しており、この膨出部分
が上記凹部２３、凹溝２４内に充填されることに
より上記外リング２２、中リング２２ｂ、文字２
２ｃから成る装飾部が形成される。外キヤツプ３
３の材料は耐チツピング性に富む材料、内張り部
３４は弾性強度、耐クリープ性に富む材料、例え
ばガラス繊維入りナイロン等のエンジニアリング
プラステイツクを使用するのが望ましい。

上記実施例によれば、ハブキヤツプの頭部２及
び側部３は外キヤツプ部及び内張り部の２層構造
からなり、これらは部分的ではなく全面に一体化
されているので自動車への取付け取り外しを繰り
返しても両者が剥離することはなく信頼性の高い
ハブキヤツプが得られる。また、その内張り部３
４が耐クリープ性に富む材料から成るので、ホイ
ールナツトＮから側部３が内側方向の押圧力を常
時受けても側部３が容易にクリープ変形すること
がなく、このため常にその張出し縁３２側がナツ
トＮに弾性的に圧接するのでキヤツプが車の振動
等で容易にはずれることがなくなる。また全体を
高価な耐クリープ性に富む材料で成形していない
ので低コスト化、軽重量化を図ることができる。

また、装飾部を、孔２５を介して内張り部３４
と一体となつた樹脂層から形成したので、この樹
脂層から成る装飾部の被着強度が極めて大きく、
このため飛石、洗車ブラシ等によつて頭部２から
剥離するおそれがなく、また、この樹脂層が一定
の肉厚を有しているので、たとえ摩耗しても常に
一定の色調を呈することができ、長寿命化を図る
ことができる。加えて、外キヤツプ部の頭部にお
いて装飾部の縁取りを形成する凹部に膨出する膨
出部分の合成樹脂は外キヤツプ部の合成樹脂の色
とは違うので、目視明瞭な装飾部を形成でき、し
かも凹部の縁取り形状をいろいろと変えることに
より種々の装飾部を得ることも可能となる。

以上説明したように、本考案のハブキヤツプに
よれば、ハブキヤツプを外キヤツプ部と、この外
キヤツプ部を構成する合成樹脂とは異色の合成樹
脂で上記外キヤツプ部の内側ほぼ全面に一体化さ
れた内張り部とから構成し、上記外キヤツプは、
その頭部の外表面側に形成された所望パターンの
凹部と、この凹部と上記内張り部とを連結する孔
を有し、上記孔を介して上記内張り部の一部を膨
出させ少なくとも上記凹部内に充填させて装飾部
を形成したので、外キヤツプ部と内張り部とが剥
離しない信頼性の高いハブキヤツプが得られ、ま
た磨耗に強くて磨耗したとしても常に一定の色調
を保つことができる目視明瞭な装飾部を得ること
ができる。しかも装飾部を形成する凹部の縁取り
形状をいろいろと変えることにより種々の装飾部
を得ることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案による自動車用合
成樹脂製ハブキヤツプの一実施例を示す平面図及
び断面図である。 １……ハブキヤツプ本体、２……頭部、３……
側部、２３……凹部、２４……凹溝、２５……貫
通孔、３３……外キヤツプ部、３４……内張り
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 開口端部側にホイールナツトに係止する張り
   出し縁を有する略ハツト状の自動車用合成樹脂
   製ハブキヤツプにおいて、このハブキヤツプは
   外キヤツプ部と、この外キヤツプ部を構成する
   合成樹脂とは異色の合成樹脂で上記外キヤツプ
   部の内側ほぼ全面に一体化された内張り部とか
   ら成り、上記外キヤツプ部は、その頭部の外表
   面側に形成された所望パターンの凹部と、この
   凹部と上記内張り部とを連結する孔を有し、こ
   の孔を介して上記内張り部の一部が膨出して少
   なくとも上記凹部内に充填されて装飾部が形成
   されたことを特徴とする自動車用合成樹脂製ハ
   ブキヤツプ。 (2) 内張り部は耐クリープ性に富む材料より成る
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の自動車用合成樹脂製ハブキヤツプ。