JPH0151275B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は組み立て容易かつ変形可能な鎖状ブロ
ツク玩具に関する。

従来、方形ブロツクの上面に突起を有し、下面
に他の方形ブロツクの突起を嵌着させる凹部を有
するブロツクを多数個組み合せて建物、動物、乗
物、その他の所望のものを組み立てて遊ぶブロツ
ク玩具が種々知られている。しかしながらこれら
のものは、いずれもそれ自体変形不可能な固定化
したブロツクであり、したがつてブロツクの組合
せによる出来上り形状もブロツク自体の形状によ
る制約を受け、創作性を発揮する余地が少なく、
また従来のものはブロツク一個、一個を組み立て
て所望のものを作り上げるものであり、複雑、大
型なものを作り上げるにも相当の時間を要し製作
途中で飽きてしまうという等の欠点を有してい
た。

一方、このようなそれ自体変形不可能なブロツ
クに対し、複数の嵌合子を環状に鎖状結合させた
ものをブロツクとし、このブロツクの環形状を正
方形や六角形等の多角形或いは円形や楕円形の如
く、変形できるようにした鎖状ブロツク玩具が考
えられるが、この種の鎖状ブロツク玩具は、独創
性に富む複雑で大型のものを組み立てることがで
きる長所がある反面、嵌合子自体を少数の部品で
構成するのが難しく、また嵌合子どうしの鎖状結
合に時間がかかる等の問題があつた。

本発明は、上記欠点を除去し、かつ問題点を解
決したものであり、鎖状結合する嵌合子を、互い
に離間対向する板部が壁部によりそれぞれ片持状
態で一体形成された嵌合子本体と、嵌合子本体の
壁部背面に突設され、板部間に係合枢支される結
合手とから構成することにより、嵌合子単体どう
しを何らの補助部材を用いることなく、結合手の
係合枢支によりきわめて簡単に鎖状結合させるこ
とができ、しかも鎖状結合に特有の種々の変形が
簡単に実現できるようにした鎖状ブロツク玩具を
提供することを目的とする。

この目的を達成するため、本発明は、複数の嵌
合子の鎖状結合体からなる鎖状ブロツク玩具であ
り、嵌合子は、外面形状が互いに雌雄嵌合する関
係にある一対の板部が、内面どうしを所定間隔離
間対向させて、壁部にそれぞれ片持状態で一体形
成された嵌合子本体と、嵌合子本体の壁部背面に
突設され、他の嵌合子本体の板部間に係合枢支さ
れる結合手とから構成したことを特徴とするもの
である。

以下、図面に基づいて、本発明の一実施例につ
いて説明する。第１図は、本発明の鎖状ブロツク
玩具の一実施例の組み立て状態を示す斜視図、第
２図は、上記鎖状ブロツク玩具の要部の分解斜視
図である。

第１，２図中、鎖状ブロツク玩具１は、同一形
状の嵌合子２を複数個鎖状結合したものを１ブロ
ツクとし、各ブロツクを適宜組み合わせることに
より、建物や動物或いは乗り物といつた種々のモ
デルを組み立てることができるようにしたもので
ある。この鎖状ブロツク玩具１を構成する嵌合子
２はプラスチツク材等の一体成形品からなり、ど
の嵌合子２も同一形状であるため、製造工程、工
数或いは製造コストのどれをとつてみても、２部
材以上を組み付けてなる嵌合子等と比較して、数
段優れるものである。

嵌合子２は、外面側に嵌合ピン３ａを有し、内
面側に凹溝（図示せず）を有する板部３と、外面
側に嵌合溝４ａを有し、内面側に凹溝（図示せ
ず）を有する板部４が、内面どうし互いに所定の
間〓を有して対向する如く、壁部５にそれぞれ片
持状態にて一体化された嵌合子本体１２と、嵌合
子本体１２の壁部５背面に一体的に突設した結合
手１３とから構成されている。ここで、嵌合子本
体１２の板部３，４は、大略Ｄ字型の平面形状を
有しており、嵌合ピン３ａと嵌合溝４ａは互いに
嵌合し合う寸法形状に設計してある。このため、
２個の嵌合子２を用意し、一方の嵌合ピン３ａを
他方の嵌合溝４ａに嵌合させることにより、嵌合
子２どうしを図中上下方向に積層して組み立てる
ことができる。

また、嵌合子本体１２に突設した結合手１３
は、板部３，４間の間〓にガタなく介挿しうる肉
厚を有している。この結合手１３の先端には、上
下に短軸円柱状のボス１３ａが突設してあり、こ
れらのボス１３ａを前託した嵌合子２の板部３，
４の凹溝に係合させることにより、嵌合子１３ど
うしの鎖状結合がなされる。

すなわち、嵌合子２の板部３と４は、それぞれ
壁部５に対し片持状態で一体化されているため、
上下方向にある程度の弾性を有している。従つ
て、一方の嵌合子２の板部３，４どうしを先端側
が互いに離間するよう拡開し、結合手１３の両ボ
ス１３ａ先端間の距離以上に〓間を開け、この状
態で他方の嵌合子２の両ボス１３ａを楽に凹溝に
係合させることができる。係合後、板部３，４の
拡開を解けば、結合手１３は板部３，４によつて
上下から軽く挾持された状態となり、ボス１３ａ
が凹溝に枢支される。このボス１３ａの凹溝に対
する係合枢支状態は、無理に力を加えない限り解
除されることはなく、嵌合子２どうしの鎖状結合
は強固である。

こうして、嵌合子２どうしは、特別な連結ピン
等を用いることなく、何個でも横に鎖状結合させ
ることができる。第１，２図に示した鎖状ブロツ
ク玩具１は、６個の嵌合子２を鎖状に連結した実
施例を例示したものであるが、同図からも明らか
な如く、隣接する嵌合子２どうしは、一方の壁部
５の端面に他方の板部３，４の円弧状端面が当接
している。このため、一方の嵌合子２に対して他
方の嵌合子２は、原理的に最大180度まで組み付
け角度を変えることができるが、実施例の場合、
その他の嵌合子２との関係から、１個の嵌合子２
の回動範囲は90度以内に制約される。

なお、６個の嵌合子２からなる鎖状ブロツク玩
具１自体の変形態様を、第３図ないし第５図に例
示したが、図示した以外の態様も可能であるのは
勿論である。第３図は、平行四辺形状の鎖状結合
を示しており、この場合、各嵌合子２の嵌合ピン
３ａは、同図中二点鎖線で示した平行四辺形の各
辺上に位置する。第４図は、六角形状の鎖状結合
を示し、各嵌合ピン３ａは、同図中二点鎖線で示
した正六角形の各頂点に位置する。第５図は、正
三角形状の鎖状結合を示し、各嵌合子ピン３ａ
は、同図中二点鎖線で示した正三角形の各辺上に
位置する。

このように、鎖状ブロツク玩具１は、目的或い
は用途に応じて種々形態変化させることができ、
しかも上面に突出する嵌合ピン３ａを、他の鎖状
ブロツク玩具１下面の嵌合溝４ａに嵌合させるこ
とにより、何段にも積層し、独創性に富み複雑で
大型のものを自由に組み立てることができる。

なお、上記実施例では、結合手１３の先端部に
設けたボス１３ａを板部３，４の凹溝に係合枢支
させて鎖状結合させたが、結合手１３の先端部に
凹溝を形成し、板部３，４の内面に突設したボス
をこの凹溝に係合枢支させるようにしてもよい。

以上説明したように、本発明の鎖状ブロツク玩
具によれば、互いに雌雄嵌合する形状の一対の板
部が、それぞれ壁部に片持状態で所定間隔、離間
対向させて一体形成された嵌合子本体と、嵌合子
本体の壁部背面に突設され、他の嵌合本体の板部
間に係合枢支される結合手とからなる嵌合子を用
いたので、嵌合子どうしの鎖状結合が簡単であ
り、また連結ピン等の補助部材を用いなくとも、
嵌合子どうしによる鎖状結合が可能であるから、
部品点数が少なくて済み、また複数な嵌合子の鎖
状結合体は、種々の形態に変形させることができ
るから、目的又は用途に応じた使い方が可能であ
り、これにより独創性に富み複雑で大型のもの
を、短時間で自由に組み立てることができる等の
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は、それぞれ本発明の鎖状ブロツク
玩具の一実施例の組み立て状態を示す斜視図及び
その要部の分解斜視図、第３図ないし第５図は、
それぞれ上記鎖状ブロツク玩具の鎖状結合の変形
態様を示す平面図である。 １……鎖状ブロツク玩具、２……嵌合子、３，
４……壁部、３ａ……嵌合ピン、４ａ……嵌合
溝、５……壁部、１２……嵌合子本体、１３……
嵌合子、１３ａ……ボス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の嵌合子の鎖状結合体からなる鎖状ブロ
   ツク玩具であり、該嵌合子は、外面形状が互いに
   雌雄嵌合する関係にある一対の板部が、内面どう
   しを所定間隔、離間対向させて、壁部にそれぞれ
   片持状態で一体形成された嵌合子本体と、該嵌合
   子本体の壁部背面に突設され、他の嵌合子本体の
   板部間に係合枢支される結合手とから構成してな
   る鎖状ブロツク玩具。