JPH0144446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は球根被覆体、詳しくは植物の球根に被
覆包装を施し、球根の保護を図ると共に、輸送、
栽培等の取扱及び使用に便ならしめたものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、球根類の直接の包装ないしは表示手段と
しては第５図に示すように植物品種名、開花色、
その他栽培上の注意等を印刷した粘着テープ類や
帯紙１０を球根１の外皮に腹巻き状に巻き付ける
方法が行われていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながらこのような方法は輸送過程や店頭
での取扱いにより、球根本体や発芽部が傷つき易
く腹巻状印刷帯もゆるみ易いので外れ易く、また
球根の外皮が剥離した場合同時に脱落してしま
う、などの欠点があつた。本考案はこのような問
題点を解決すると共に球根全体が確実に保護さ
れ、輸送、店頭保管は勿論のこと栽培にも便利な
らしめたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決したもので、以下、
添付図面に基づき説明する。

第１図は本考案球根被覆体の１例を示す斜視
図、第２図はその−断面図、第３図は他の例
を示す斜視図、第４図はその−断面図、第５
図は従来の球根の包装態様を示す斜視図である。

本考案の球根被覆体は、球根本体１の外周を熱
収縮チユーブ２により収縮被覆してなり、かつ前
記熱収縮チユーブ２の球根上部の発芽部４を覆う
部分には、発芽部４を取囲んで上端が開放した円
筒状空間部７を形成したことを特徴とするもので
ある。

第１図及第２図は本考案の代表的実施態様を例
示するもので、１は球根で２は例えばポリ塩化ビ
ニル樹脂よりなる公知の熱収縮性チユーブであ
り、必要な表示その他の事項が印刷されている。
このような熱収縮性チユーブ２を球根１にかぶせ
て熱収縮させ球根本体部を周側方向から収縮被覆
させるものであるが、この際球根の発芽部４には
熱収縮チユーブ２がかぶさらないように、発芽部
４を取囲んでその先端がかくれる程度の高さで、
上端が開放した円筒状空間部７が形成されるよう
に収縮されることが必要である。この、上端が開
放した円筒状空間部７の形成によつて発芽部４は
輸送その他取扱い中に保護され、そのまま栽培に
供した場合も、発芽部の生長を妨げることがな
い。なお球根の下部の発根部３の部分に予め開口
部を形成しておけば、熱収縮チユーブ２を剥離す
ることなく、そのまま水耕用プランターなどによ
り水耕栽培を行なう際便利である。

また熱収縮チユーブ２を剥離して使用するとき
のため切開用ミシン目５、切開用つまみ部６等を
設けることが望ましい。

第３及４図は他の実施態様を示すもので、被覆
チユーブ２の、球根１の根が出る部分３に対応す
る位置に好ましくは親水性樹脂からなる連続気孔
組織の多孔質体８を介在させたもので９は通水及
び成長した根が這い出すための孔である。このよ
うに構成すると球根被覆体の自立安定性が良好に
なり、水耕用プランター等の特殊容器を使用する
ことなく、通常のガラス器や底の浅い皿又は水盤
等でも容易にそのまま水栽培が可能となり、また
多孔質体８により充分保水されるので短期間の渇
水であれば枯れる必配はない。なお多孔質体８に
あらかじめ球根の生長に必要な肥料を含浸させた
後乾燥させたものを使用すれば更に栽培の効果は
よい。更に収縮チユーブを黒色にして光を遮断す
るようにすれば、根の成長を早めかつ均一にする
ことができるので、暗室等で煩雑な管理をするこ
とも不要となり、水耕栽培を簡単に行うことがで
きる利点がある。

〔実施例〕

(1) 直径40φのグラジオラスの球根１に、折径72
mm、長さ方向収縮率10％、径方向収縮率50％、
内厚0.07mmであらかじめ長さ方向にチユーブ切
開用ミシン目５と切開用のつまみ６を施した
PVC製チユーブ２を球根１の全高より30％長
く切断したものを用い、発根部３が露出するよ
うにかぶせて、熱風温度180℃のシユリンクト
ンネル内を60秒間通過させ第１〜２図に示すよ
うな球根被覆体を得た。円筒状空間７はチユー
ブの収縮率いつぱいに収縮して形成された部分
であり、直径23φであつた。

(2) 直径40φのクロツカスの球根１の根の出る部
分３を連続気孔組織の多孔質体８で覆い、さら
に球根１の外周と連続気孔組織の多孔質体８を
折径72mm、長さ方向収縮率10％、径方向収縮率
50％、肉厚0.07mmであらかじめ複数個の孔９を
付設した、球根１の全高の1.3倍長に切断した
PVC製熱収縮チユーブ２で覆い、孔９が多孔
質体８の位置に合う様セツトし180℃のシユリ
ンクトンネルに60秒間通過収縮させ球根１と多
孔質体８を一体化すると共に発芽部４より上部
まで直径23φの円筒状空間７を突出形成させ第
３〜４図に示すような球根被覆体を得た。

上記の連続気孔組織の多孔質体には、多数の親
水基を持つており、かつ気孔率が92％と大きい
為、保水力が乾燥時の自重の1300％と極めて大き
いポリビニルホルマール・スポンジを使用した。

〔考案の効果〕

本考案の球根被覆体は、輸送過程や店頭での取
扱いにおける衝撃を受けても、被覆が剥れること
なくよく本体を保護し、外皮の脱落も防がれる。
また球根本体から突出している発芽部は、円筒状
空間部により覆われており、この円筒状空間部の
クツシヨン作用で、輸送その他の取扱い中も充分
保護され損傷を受けることがない。そして該円筒
状空間部は、上端が開放しているのでそのまま水
耕栽培に供する場合も発芽部の生長を妨げること
がない。またチユーブに品種、製造者名、開花、
定植時期その他の表示を施し、更には開花色と同
じ色のチユーブを用いるなどの表示をなすことも
出来便利である。また球根は被覆を剥離して使用
することは勿論、剥離せずにそのまま水耕栽培等
に供することもでき、この場合極めて簡単かつ容
易に行なうことができる。そして生育性もよく一
般家庭用として使用し易く、流通過程における損
傷のおそれがないので、その効果は極めて大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案球根被覆体の１例を示す斜視
図、第２図はその−断面図、第３図は他の例
を示す斜視図、第４図はその−断面図、第５
図は従来の球根の包装態様を示す斜視図である。 １……球根本体、２……収縮チユーブ、３……
発根部、４……発芽部、７……発芽部を保護する
筒状空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球根本体１の外周を熱収縮チユーブ２により収
   縮被覆してなり、かつ前記熱収縮チユーブ２の球
   根上部の発芽部４を覆う部分には、発芽部４を取
   囲んで上端が開放した円筒状空間部７を形成した
   ことを特徴とする球根被覆体。