JPH0143422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、刺繍レース機の糸切れ検出装置に
関するものである。

〔考案の概要〕

導電性部材から成り先端に糸掛けを有し基端を
支持棒に回動可能に支持された検出子と検出子が
動作位置にあり糸の張力が働かないとき検出子が
接触する通電固定体とにより構成される刺繍レー
ス機の糸切れ検出装置に於て、検出子を支持棒の
真上を越えて回動させることにより動作位置と非
動作位置との間を簡単に移動させることができる
ようにしたものである。

〔従来の技術〕

刺繍レース機に於ては、刺繍柄の大きさに応じ
て針および糸を１本抜きとか２本抜きとか間引い
て刺繍することが多く、その際、休止させた針お
よび糸に対応する糸切れ検出装置も休止させる必
要がある。

糸切れ検出装置を休止させるための手段として
従来は、第３図に示されるように、検出子１に
絶縁体から成る短いチユーブ２を嵌めておき、非
動作状態にする時にはこれを同図イに示される位
置から同図ロに示された通電固定体３に当接する
位置までずらす、あるいは、第４図に示される
ように、検出子１をその弾性により支持棒４に着
脱可能に取付けておき、非動作状態にする時には
支持棒４から取外す等の手段が採用されている。

しかし、このようなものに於ては、の場合、
チユーブ２が動作時に勝手に移動しないよう適度
にきつくなつているため移動させるのが容易でな
く、また、の場合、着脱の際検出子が変形して
破損することがあるうえ取外した検出子を紛失し
やすく、さらに、刺繍レース機に於ては同時に
1000〜1500本の針を動作させて刺繍を行なうた
め、仮に１本抜きとしても500〜750個の検出子を
非動作状態にしなければならず、いずれの場
合でもその手間が大変であるという欠点があつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案の目的は、上記従来装置の欠点を改良
することであり、動作状態と非動作状態との切替
えを極めて簡単な作業で行なうことができる刺繍
レース機の糸切れ検出装置を提供することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この考案の刺繍レ
ース機の糸切れ検出装置は、導電性部材から成り
先端に糸掛けを有し基端を支持棒に回動可能に支
持された検出子と、検出子が動作位置にあり糸の
張力が働かないとき検出子が接触する通電固定体
とを備え、検出子が支持棒の真上を越えて動作位
置と非動作位置との間を移動しうるように構成さ
れている。

〔作用〕

糸切れ検出装置を非動作状態にする場合には、
検出子を支持棒の真上を少し越えた位置まで回動
させてやることにより後は自重で非動作位置に移
動する。また、逆に動作状態にする場合には、検
出子を逆方向に回動させ支持棒の真上を越えて前
方の動作位置に移動させればよい。

〔実施例〕

この考案の実施例について図面を参照しながら
説明する。第１図はその検出子が動作位置にある
状態を、また、第２図は非動作位置にある状態を
それぞれ示す側面図である。

検出子１は、導電性部材から成り、その先端
（同図に於て左端）にほぼ円形に曲げられた糸掛
け１ａを備え、また、その基端がすべての検出子
１に共通な支持棒４に容易に回動しうるように支
持されている。

支持棒４の前方（同図於て左側）に通電固定体
３が配置され、同図ロに示されるように、検出子
１が動作位置にあつて糸５の張力が働かないと
き、検出子１が通電固定体３に接触するようにな
つている。

検出子１は、刺繍レース機が正常な動作状態に
ある時には、糸掛け１ａに掛けた糸５が給糸のタ
イミングで緊張、弛緩するのに応じて、同図イに
示された上昇位置と同図ロに示された下降位置と
の間を上下動し規則的に通電固定体３に断続して
いるが、糸切れが発生すると下降位置に下がつて
通電固定体３に接触したままの状態となるから、
検知回路がこの状態を検知し警報ランプ、ブザー
等の周知の手段により糸切れを報知するようにな
つている。

糸切れ検出装置を非動作状態にする場合には、
休止させた針に対応する検出子１を手指で後方に
回動させ支持棒４の真上を少し越えた位置まで移
動させてやれば、後は自重で第２図に示される非
動作位置に移動する。

また、逆に動作状態にしようとする場合には、
検出子１を逆の方向に回動させ支持棒４の真上を
越えて前方の動作位置に移動させればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案の刺繍レース機
の糸切れ検出装置は、検出子の動作状態と非動作
状態との切替えを極めて簡単な作業により行なう
ことができ、非常に多数の検出子を切替える必要
がある刺繍レース機に於て絶大な効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図…この考案の実施例の検出子が動作位置
にある状態を示す側面図、第２図…その検出子が
非動作位置にある状態を示す側面図、第３図…第
１の従来装置のイ動作状態およびロ非動作状態を
示す側面図、第４図…第２の従来装置の動作状態
を示す側面図 １……検出子、１ａ……糸掛け、２……チユー
ブ、３……通電固定体、４……支持棒、５……
糸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 導電性部材から成り先端に糸掛けを有し基端
   を支持棒に回動可能に支持された検出子と、 (ロ) 検出子が動作位置にあり糸の張力が働かない
   とき検出子が接触する通電固定体とを備え、 (ハ) 検出子が支持棒の真上を越えて動作位置と非
   動作位置との間を移動しうるようにしたことを
   特徴とする刺繍レース機の糸切れ検出装置。