JPH0139999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカメラ用三脚に設けられる雲台に関す
る。

〔従来の技術〕

カメラ用三脚の雲台はその上面にカメラを載せ
た状態で、周知の止めねじを用いてカメラのボデ
ーを雲台に固定するようにしている。従つて上記
止めねじをかなり強く締付けても、カメラに外力
が作用した場合に止めねじを中心としてカメラが
回動してしまうことがある。

そこでカメラをより安定に支持させる目的で、
雲台のカメラ載置部に回り止め凸部を設けたもの
がある。この先行技術は、例えば実開昭56−
143693号公報に示されるように、回り止め凸部を
有した摺動部材をカメラ載置部にスライド可能に
設け、上記回り止め凸部をカメラのボデー背部に
当てた状態で、止めねじによつて摺動部材をカメ
ラ載置部に固定するようにしている。

この先行技術によれば、単に止めねじのみを用
いてカメラを固定する場合に比べて、かなり安定
した状態でカメラを支持できる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記先行技術は、止めねじを締付けることによ
つて摺動部材をカメラ載置部に固定する構造であ
るが、止めねじの締付け力をむやみに強くするこ
とはできないので、摺動部材を充分に固定できな
い場合があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の三脚用雲台は、上部にカメラ載置部を
有する雲台本体と、上記雲台本体に取着されるカ
メラ固定用ねじ部材と、上記カメラ載置部に設置
された案内レールと、この案内レールに摺動自在
に嵌合させられるとともに一部分に上方に突出す
る背当て突起を有しかつ底面に滑り止め部を有し
たスライド部材とを備える。更に上記スライド部
材と雲台本体との間には、ばねの反発力によつて
上記スライド部材を押し上げる突子が配置される
とともに、上記滑り止め部と対向する位置には滑
り止め受け部が設けられる。これら滑り止め部と
滑り止め受け部は、例えば多数の微小な凹凸から
なる凹凸面あるいは粗面等である。

〔作用〕

上記構成の雲台は、カメラ載置部にカメラを締
付けていない状態では、スライド部材は突子によ
つて多少押上げられた状態となる。このため滑り
止め部と滑り止め受け部とは互いに係合せず、ス
ライド部材は案内レールに沿つて移動可能であ
る。

雲台にカメラを載せ、スライド部材の背当て突
起をカメラのボデー背部の位置にセツトした状態
でカメラ固定用ねじ部材を締付けると、スライド
部材はカメラによつて押圧される。このためスラ
イド部材に設けられている滑り止め部が、これと
対向する位置にある滑り止め受け部と係合し、移
動不能となる。こうしてカメラは、背当て突起と
カメラ固定用ねじ部材とにより雲台に確実に固定
される。

〔実施例〕

第１図ないし第６図に示された一実施例におい
て、雲台１は従来のものと同様に三脚の脚部の最
上部に設けられる。雲台１は、合成樹脂の一体成
形品からなる雲台本体２を備えている。この雲台
本体２は、上部にカメラ載置部３を有している。

カメラ載置部３の上面は平らであり、滑り止め
のゴム板４，５が取着されている。雲台本体２は
軸７によつてベース８に対し回動自在に取付けら
れている。

また、雲台本体２には上面側が開口する有底の
アダプタ挿入穴１０が形成されている。このアダ
プタ挿入穴１０には、カメラ固定用ねじ部材１１
が着脱自在に取着される。カメラ固定用ねじ部材
１１は、ねじシヤフト１３と、このねじシヤフト
１３に取着された円筒体１４および鍔付きの円筒
体１５などからなる。

第１図に示されるように、アダプタ挿入穴１０
にロツクピン１７の先端カム部１７ａが突き出
る。ロツクピン１７は、雲台本体２に設けられた
筒１９に挿入され、軸回りに回転自在であるとと
もに、軸線方向にも移動自在である。ロツクピン
１７の他端部１７ｂには、カム面２１を有したレ
バー２２がピン２４を中心に回転自在に取付けら
れている。

またロツクピン１７は、コイルばね２６によつ
てアダプタ挿入穴１０側に付勢されている。ロツ
クピン１７の先端カム部１７ａは、例えば断面が
半円形をなしていて、前記円筒体１４，１５の間
に入り込む。そしてレバー２２によりロツクピン
１７を軸回りに所定角度回転させた時に、この先
端カム部１７ａが一緒に回転することにより、カ
メラ固定用ねじ部材１１を押し下げる働きをす
る。

しかもレバー２２を第１図においてピン２４を
中心に時計回り方向に回転させた時には、カム面
２１の働きにより、コイルばね２６の反発力に抗
して先端カム部１７ａがアダプタ挿入穴１０から
引込むようになつている。このように先端カム部
１７ａがアダプタ挿入穴１０から引込むと、カメ
ラ取付け用ねじ部材１１はアダプタ挿入穴１０に
出し入れ自在となる。従つて本実施例の場合、カ
メラ固定用ねじ部材１１をアダプタ挿入穴１０か
ら取り出して、カメラの三脚取付け穴にねじ込む
ことができる。

また雲台本体２の上面に溝３０が形成され、こ
の溝３０に案内レール３１がねじ３３，３４によ
つて固定される。案内レール３１の長手方向中央
部には、板厚方向に貫通する小孔３６が形成さ
れ、また小孔３６の前後両側に複数個（図では４
個）の貫通孔３８が形成されている。

案内レール３１にはスライド部材４０が摺動自
在に、かつ着脱自在に嵌合させられる。スライド
部材４０の一端側には、上方に突出する背当て突
起４１が設けられている。この背当て突起４１
は、第３図に示されるようにカメラＡのボデーの
背部を支持する。

スライド部材４０は合成樹脂の一体成形品であ
り、その左右両側には弓状に湾曲した板ばね部４
３，４４が設けられている。これら板ばね部４
３，４４は、案内レール３１の溝に対し上下方向
に多少の遊びをもつた状態で嵌合する。

またスライド部材４０の底面には、スライド部
材４０の長手方向に沿う溝４６が形成されてい
る。更にスライド部材４０の上面側には、スライ
ド部材４０を手指で操作し易くするために比較的
粗い凹凸面４８が形成されている。またスライド
部材４０の底面側には、その幅方向に沿う多数の
平行溝からなる比較的細かい凹凸面状の滑り止め
部５０が形成されている。

上記スライド部材４０と雲台本体２との間に突
子５２が設けられる。この突子５２の頭部５３
は、案内レール３１の小孔３６から上方に突出す
る。突子５２は、圧縮ばね５５の反発力によつ
て、常時上向きに付勢される。突子５２の頭部５
３はスライド部材４０の溝４６に入込み、スライ
ド部材４０を押上げる働きをする。

また、案内レール３１と雲台本体２との間に合
成樹脂製のシート５７が挟み込まれる。このシー
ト５７の一部には、前記滑り止め部５０と対向す
る位置に、複数の滑り止め受け部５８が突設され
ている。これら滑り止め受け部５８は、それぞれ
案内レール３１の貫通孔３８から上方に突出す
る。滑り止め受け部５８は滑り止め部５０と同様
に、幅方向に沿う多数の平行溝からなる比較的細
かな凹凸面である。但し滑り止め部５０と滑り止
め受け部５８は互いに摩擦係合可能な粗面であつ
てもよいし、あるいはゴムなどのように摩擦係数
の大きな部材を用いてもよい。

上記構成の雲台１は、カメラ載置部３にカメラ
Ａを締付けていない状態では突子５２の押し上げ
力によつてスライド部材４０は多少浮き上がつた
状態となる。このため、滑り止め部５０と滑り止
め受け部５８とは互いに係合せず、従つてスライ
ド部材４０は案内レール３１に沿つて移動自在で
ある。

雲台１にカメラＡを載せ、背当て突起４１をカ
メラＡのボデー背部に当てた状態で、レバー２２
によりロツクピン１７を軸回りに回動させてカメ
ラ固定用ねじ部材１１をアダプタ挿入孔１０内に
引き込むと、スライド部材４０はカメラに押され
てシート５７側に押し付けられる。このためスラ
イド部材４０に設けられている滑り止め部５０
が、滑り止め受け部５８と係合し、移動不能とな
る。こうして、背当て突起４１をもつスライド部
材４０はカメラ載置部３にしつかりと固定され、
カメラＡを雲台１に確実に固定することができ
る。

なお上記実施例に示されているカメラ固定用ね
じ部材１１は、アダプタ挿入穴１０に対して着脱
自在であるが、カメラ固定用ねじ部材１１は要す
るにカメラのボデーをカメラ載置部３に締付ける
ことのできる機能をもつていればよいから、一般
の三脚の雲台に用いられているカメラ固定用の周
知の止めねじであつてもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、カメラのボデーを背当て突起
によつて支えることができるだけでなく、背当て
突起が設けられているスライド部材を雲台本体に
確実に固定でき、カメラの支持がより確実とな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は雲台
の一部を切り欠いて示す平面図、第２図は雲台の
一部を断面で示す正面図、第３図は雲台の側面
図、第４図はスライド部材の底面図、第５図は第
４図中の−線に沿う断面図、第６図は雲台の
一部を分解して示す斜視図である。 １……雲台、２……雲台本体、３……カメラ載
置部、１１……カメラ固定用ねじ部材、３１……
案内レール、４０……スライド部材、４１……背
当て突起、５０……滑り止め部、５２……突子、
５５……ばね、５８……滑り止め受け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部にカメラ載置部を有する雲台本体と、上記
   雲台本体に取着されるカメラ固定用ねじ部材と、
   上記カメラ載置部に設置された案内レールと、こ
   の案内レールに摺動自在に嵌合させられるととも
   に一部分に上方に突出する背当て突起を有しかつ
   底面に滑り止め部を有したスライド部材と、上記
   スライド部材と雲台本体との間に配置されかつば
   ねの反発力によつて上記スライド部材を押し上げ
   る突子と、上記滑り止め部と対向する位置に設け
   られた滑り止め受け部とを具備したことを特徴と
   するカメラ用三脚の雲台。