JPH0139078Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小形モーターに係り、特に小形モータ
ーを構成する円筒状ブラケツトに関するものであ
る。

小形モーターの外観形状は、第１図に示すよう
な円筒形状が一般的であり、このような小形モー
ターは第２図に示すような、有底パイプ状の２つ
のブラケツト１，１を組立てることによつて構成
されている。これら２つのブラケツト１，１を自
動組立する場合、径方向の位置決めはブラケツト
１の外周面を利用して両ブラケツトのセンター出
しを行なうことができるが、ブラケツト１の回転
方向の位置決めを行なうためには何らかの工夫が
必要である。そこで従来より、第３図及び第４図
に示すように、円筒状のブラケツト１の平面部１
ａに突起２や穴３を設け、これら突起２または穴
３を回転方向の位置決めとして利用するものが提
供されているが、第３図に示すような突起２は小
形モーターの必要条件である薄形化という点でマ
イナスであり、また第４図に示すような穴３は回
転摺動部に悪影響を与えるばかりでなく、モータ
ーの内部より発生する回転音や電気ノイズを外部
に出してしまうという欠点がある。さらに回転方
向の位置決めを行なう他の方法として、モーター
取付のために平面部１ａに設けられたネジ穴（図
示せず）を利用するものも提案されているが、位
置決めの際にネジ穴の先端を破損してしまうとい
う欠点がある。

本考案の目的は、上述の如き欠点を解消し、モ
ーター性能に悪影響を与えることなく、自動組立
におけるブラケツトの回転方向の位置決めを可能
にしたものである。この目的を達成するために、
本考案は、有底円筒状ブラケツトの外側平面部か
ら外側円筒部にかかるコーナーに、該ブラケツト
を回転方向に規制可能な位置決め用凹部を設けた
ことを特徴とするものである。

以下、第５図ないし第８図に基づいて本考案の
実施例を説明する。

第５図は本考案に係る円筒状ブラケツト１の外
観図を示すものであり、ケースまたは蓋体からな
るブラケツト１はプレス加工により金属板から有
底パイプ状に形成される。第６図は前記ブラケツ
ト１のＡ部の断面図、第７図はＢ部の断面図をそ
れぞれ示すものである。この図から明らかなよう
に、前記ブラケツト１は平面部１ａから円周部１
ｂにかかるコーナーの大部分を丸みがかかつた形
状に絞つてあり、コーナーを絞り加工する際、そ
の一部に圧印加工によつて位置決め用の凹部４を
形成してある。従つて、この凹部４によつて自動
組立におけるブラケツト１の回転方向の位置決め
を行なうことが可能となる。

第８図は本考案の他の実施例を示すものであ
り、本実施例では前記凹部４の形状を第５図に示
した実施例のものに比べて小形なものとし、圧印
加工する際の移動余肉部分を少なくしてある。こ
のように、凹部４の大きさや形状は上記実施例に
限定されるものではなく、またその数も１つに限
定されるものではなく、例えばコーナーの２ケ所
に凹部４を形成してより確実な位置決めを図るよ
うにすることも可能である。

上述したように、本考案の小形モーターは、円
筒状ブラケツトの平面部から円周部にかかるコー
ナーに、位置決め用の凹部を設けたことを特徴と
するものであるから、凹部によつて自動組立にお
ける円筒状ブラケツトの回転方向の位置決めが可
能となり、またこの凹部は、ブラケツトの平面部
や円周部方向に突出せずしかも有底であるため、
その加工は容易でモーター性能に悪影響を与える
こともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は小形モーターの外観図、第２図は小形
モーターを構成する円筒状ブラケツトの外観図、
第３図及び第４図は従来の円筒状ブラケツトの外
観図、第５図は本考案に係る円筒状ブラケツトの
外観図、第６図は第５図のＡ部拡大断面図、第７
図は第５図のＢ部拡大断面図、第８図は本考案の
他の実施例に係る円筒状ブラケツトの外観図であ
る。 １……円筒状ブラケツト、１ａ……平面部、１
ｂ……円周部、４……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底円筒状ブラケツト１の外側平面部１ａから
   外側円筒部１ｂにかかるコーナーに、該ブラケツ
   ト１を回転方向に規制可能な位置決め用の凹部４
   を設けたことを特徴とする小形モーター。