JPH0136266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍、冷蔵、冷房暖房、温水等の温度
制御機器に使用されるサーモスタツトに関するも
のであり、ボタン軸の押込み又は引出し操作によ
り設定温度をステツプ式に可変し得るようにした
ものである。

従来の技術では、冷蔵庫の庫内等における制御
温度の調節は、ツマミにより調節軸を回動させて
漸次に径の変化する円盤状カムのストロークを変
化させることにより設定温度を連続的に変化させ
るようにしていた。かかるカム回転式温度調節は
広範囲にわたる微調整には向いているが、調節の
目的が節電とか、冷蔵庫の庫内温度の強冷凍、弱
冷凍といつた大まかな目的に対してはかかる微調
整は必要でなくして、むしろ段階的な調節が必要
とされる。

本考案はかかる段階的調節に適する機構とし
て、従来のカム回転式機構に代えてボタン軸機構
を採用し、該ボタン軸の押込み又は引出し操作に
より節電、強冷、弱冷等の目的に応じて簡易、迅
速且つ確実に段階的な設定温度の調節を得るよう
にしたものである。

以下本考案の一実施例について図面と共に説明
すれば、ケース１の底板部１ａには圧力応動部材
としてのベローズ２が設けられ、その自由端部２
ａが伸縮自在に設けられている。ベローズ２には
キヤピラリーチユーブ３が接続され、該キヤピラ
リーチユーブ３の他端には図示されていないが公
知の如くに感温部が設けられる。

４は略Ｌ字状の作動板であり、ケース１に対し
てその支点部４ａにより回動可能に設けられ、そ
の横辺部４ｂがベローズ２の自由端部２ａに当接
し、その縦辺部４ｃにはスイツチ５に対する作動
軸６が設けられる。

スイツチ５において、固定接点５ａに対する可
動接点５ｂが可動接点板５ｃの自由端部に設けら
れ、該可動接点板５ｃは変形バネ５ｄを含む急速
反転機構を有していて、作動板４の動作を作動軸
６を介して受けることにより可動接点５ｂを固定
接点５ａに接離させる。７は可動接点５ｂの移動
範囲を規制することによるデイフアレンシヤル調
整ネジ、８，８′は端子である。

９は調整板であり、その支点９ａが底板部１ａ
上に設けられ、その自由端部９ｂが取付蓋板部１
ｂの孔１b₁内において移動可能に設けられてい
る。作動板４の縦辺部４ｃと該調整板９間には温
度調整ネジ１０′を介して温度設定用のスプリン
グ１０が設けられる。

調整板９には補助板バネ９′がその基部をリベ
ツト１１により加締て設けられ、該補助板バネ
９′の中間部にはピン１２によりローラ状係止部
１３が設けられ、その上部には調整板９に設けた
ステツプ調整ネジ１４が当接している。

１５は調整板９に対する駆動板であり、ケース
１に支点１６ａを有する支持板１６の端部に設け
られ、前記ローラ状係止部１３に対する弧状接触
面１５ａを有すると共に係合凹部１５ｂを有して
いる。

１７はボタン軸であつて、取付蓋板部１ｂにお
けるガイド部材１８に対して上、下摺動自在に設
けられ、その内端には支持板１６に対する係合部
１７ａが設けられている。

上記において、第１図の状態においてはボタン
軸１７は引出されていて駆動板１５が調整板９を
駆動しない状態にあるので、調整板９は図面にお
ける最左方位置にあり、スプリング１０の引張り
量が少なくてベローズ２に対する作動板４の対抗
力の最小状態にあつて例えば弱冷温度を設定し、
次にボタン軸１７を押込んだ場合には駆動板１５
がその弧状接触面１５ａによりローラ状係止部１
３に接触して調整板９をスプリング１０の弾力に
抗して右方へ駆動し、係合凹部１５ｂがローラ状
係止部１３と係合するに及んで調整板９は最右方
位置に安定保持されてスプリング１０の引張り量
が最大となり、例えば強冷温度を設定する。

上記実施例においては、駆動板１５の係合凹部
１５ｂが１個の場合が示されているが、係合凹部
を複数個設けることによつて設定温度段階を強、
中、弱等に増加させることが出来る。

本考案は上記した如くに、ケース１に設けた圧
力応動部材２にスイツチ５の開閉を制御する作動
板４を当接させ、該作動板４と調整板９間に該圧
力応動部材２に対抗する温度設定用スプリング１
０を設け、該ケース１に対してボタン軸１７を引
出し位置と押込み位置へ移動自在に設け、調整板
９の係止部１３に対向する弧状接触面１５ａを有
すると共に該弧状接触面１５ａに該係止部１３に
係合する係合凹部１５ｂを設けた駆動板を支点に
より移動自在に設け、該ボタン軸１７の移動によ
り該調整板９に対する駆動板１５を移動させて該
駆動板１５の該調整板９に対する係合点を段階的
に変化させることにより該スプリング１０の弾力
を段階的に変化させるようにして成るものである
から、単一のボタン軸の押込み又は引出し操作に
よつて設定温度をステツプ式に簡易、迅速に可変
することが出来、これが従来の此種サーモスタツ
トの機構を大巾に変更することなしに比較的に簡
単な構成によつて得られる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例についての一部切欠
平面図、第２図は同上の−線断面図、第３図
は第２図の作動状態図である。 ２……圧力応動部材、４……作動板、５……ス
イツチ、９……調整板、１０……スプリング、１
５……駆動板、１７……ボタン軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース１に設けた圧力応動部材２にスイツチ５
   の開閉を制御する作動板４を当接させ、該作動板
   ４と調整板９間に該圧力応動部材２に対抗する温
   度設定用スプリング１０を設け、該ケース１に対
   してボタン軸１７を引出し位置と押込み位置へ移
   動自在に設け、調整板９の係止部１３に対向する
   弧状接触面１５ａを有すると共に該弧状接触面１
   ５ａに該係止部１３に係合する係合凹部１５ｂを
   設けた駆動板を支点により移動自在に設け、該ボ
   タン軸１７の移動により該調整板９に対する駆動
   板１５を移動させて該駆動板１５の該調整板９に
   対する係合点を段階的に変化させることにより該
   スプリング１０の弾力を段階的に変化させるよう
   にして成ることを特徴とする設定温度のステツプ
   式可変サーモスタツト。