JPH0135706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、洗浄装置用過装置に関し、特に、
例えば、食器洗浄機等に於る洗浄装置で使用した
一次洗浄液を過し、二次洗浄液として循環送出
するための過装置を簡易に、かつ、安価に得る
新規な改良に関するものである。

ｂ 従来の技術 従来、用いられていた食器洗浄機等に於る洗浄
装置の過装置としては、種々の構成が採用さ
れ、提案されているが、その中で代表的なものに
ついて述べると、第４図及び第５図に示される通
りである。

すなわち、第４図及び第５図において、符号３
で示されるものは、図示しない洗浄槽の底部に一
体的に接続された循環槽であり、この循環槽３の
底部３ａには、筒状をなすオーバーフロー管９ａ
が植立して設けられ、このオーバーフロー管９ａ
の外側には、このオーバーフロー管９ａと同軸状
で、かつ、このオーバーフロー管９ａの外径より
も相当大径の筒体９ｂが配設され、この筒体９ｂ
の下端部９bEは、複数の固定板１３ｂを介して
オーバーフロー管９ａに接続、固定されている。

この筒体９ｂは、その上端９bA及びその下端
９bBが開放されており、その上端部９bDは、前
記循環槽３の上端に配設され多孔板よりなるフイ
ルタ体１０の開口部１０ａを貫通して上方に突出
している。この開口部１０ａと筒体９ｂとの間に
は、全体が筒状をなし鍔部１０ｂを有する支持金
具１０ｃが介装されており、この筒体９ｂの上端
部９bDは、この支持金具１０ｃを介して前記フ
イルタ体１０の開口部１０ａに設けられていると
共に、前記上端９bAは、蓋体１３ａにより封止
されている。従つて、前記オーバーフロー管９ａ
と筒体９ｂとにより、二重オーバーフロー管構造
の循環水排出体１４を構成している。

次に、従来構成の動作について説明する。

循環槽３内に貯留した循環水３ｂは、筒体９ｂ
の下端から吸い込まれ、筒体９ｂ内からオーバー
フロー管９ａの上端９aA及びオーバーフロー管
９ａ内を経て、オーバーフロー管９ａの下端９
aBから外部に排出される。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、前述の従来構成においては、前
記支持金具１０ｃの内面と前記筒体９ｂの外面と
の間に、符号Ｄで示される間〓が発生し、この間
〓Ｄから前記洗浄槽（図示せず）内の残渣物が循
環槽３内に侵入することにより、循環水３ｂが、
この残渣物によつて汚染されていた。

又、前記筒体９ｂ上には、蓋体１３ａを配設す
ることにより、残渣物を含んだ洗浄水の筒体９ｂ
内への侵入を防止しているが、オーバーフロー管
９ａと筒体９ｂの同心状配設並びに前記蓋体１３
ａの配設により、その構造が極めて複雑となり、
各部品の位置精度、精密な溶接作業等によるコス
トアツプ並びに製造上の困難性となり、大量生産
上の大きい障害となつていた。

ｄ 問題点を解決するための手段 本考案は、以上のような問題点を速やかに除去
するための極めて効果的な手段を提供することを
目的とするものであり、この目的を達成するため
のこの考案の要旨とするところは、洗浄槽と循環
槽との間にフイルタ体を有し、循環槽内に循環水
排出体を有する洗浄装置用過装置において、前
記循環水排出体は、前記循環槽の底部に植立して
固定配設されたオーバーフロー管と、前記オーバ
ーフロー管の外周の一部にその内周の一部が固定
され、このオーバーフロー管よりも大径に構成さ
れた筒体と、前記オーバーフロー管の外周と前記
筒体の内周との間に形成された循環水通路とを備
え、前記オーバーフロー管と前記筒体とは、非同
心状に配設されている構成よりなる洗浄装置用
過装置である。

ｅ 作用 以上の構成において、洗浄槽の洗浄水は、フイ
ルタ体を経て循環槽内に循環水として貯まり、こ
の循環水の量がオーバーフロー管を越えると、循
環槽内の底部近傍の比較的低温状態の循環水が、
筒体の下端から循環水通路を経て、オーバーフロ
ー管から外部に排出され、洗浄効率を高めること
が出来る。

従つて、循環水排出体を構成するオーバーフロ
ー管と筒体とは、極めて簡単な構成によつて接続
されており、大巾なコストダウン及び品質の安定
化を得ることが出来る。

ｆ 実施例 以下、図面と共に本考案による洗浄装置用過
装置の好適な実施例について詳細に説明する。

尚、従来例と同一又は同等部分については、同
一符号を用いて説明する。

第１図から第３図に示す構成は、本考案による
洗浄装置用過装置を示すためのもので、第３図
は本考案による過装置を適用した一例として
の、食器洗浄装置の概略全体構成を示している。

第３図において、符号１で示されるものは全体
がほぼ箱形をなす本体であり、この本体１内に
は、フイルタ体１０によつて二分された洗浄槽２
及び循環槽３が設けられている。

この洗浄槽２の上部及び下部には、上部洗浄噴
射ノズル４及び上部すすぎ噴射ノズル５並びに、
下部洗浄噴射ノズル４ａ及び下部すすぎ噴射ノズ
ル５ａが各々回転自在に配設され、下部すすぎ噴
射ノズル５ａの上方位置には、被洗浄物（例え
ば、食器）１２を載置するためのラツク１１が配
設されている。

前記循環槽３の底部３ａに、過部材８ａを介
して設けられた吸入口８は、洗浄ポンプ６に接続
され、洗浄水はこの洗浄ポンプ６から洗浄パイプ
６ａを介して各洗浄噴射ノズル４及び４ａに供給
される。

この洗浄ポンプ６に隣接して設けられたすすぎ
ポンプ７は、すすぎパイプ７ａを介して各すすぎ
噴射ノズル５及び５ａに接続されている。

前記循環槽３の底部３ａ上には、二重オーバー
フロー管構造からなる循環水排出体１４が設けら
れており、この循環水排出体１４の筒体９ｂは、
前記フイルタ体１０の一部に形成された突出部１
０ｄ内に案内されている。

前記循環水排出体１４は、具体的には、第１図
及び第２図に示されるように構成されている。

すなわち、前記循環槽３の底部３ａの排水管３
ｂ上には、ゴムキヤツプ３ｃを介して筒状をなす
オーバーフロー管９ａが孔３ｄ内に嵌合式に植立
して設けられ、このオーバーフロー管９ａの外周
には、間〓からなる循環水通路１４ａを有した状
態で、このオーバーフロー管９ａと非同心状に、
かつ、互いに重合する状態で、このオーバーフロ
ー管９ａの外径よりも相当大径の筒体９ｂが配設
され、オーバーフロー管９ａの外周の一部と、筒
体９ｂの内周の一部が互いに溶接等の接合手段に
より、一体化されて接合されている。

この筒体９ｂは、その上端９bA及びその下端
９bBが開放されており、その上端部９bDは、前
記フイルタ体１０の、前記筒体９ｂと対応した部
分に形成された突出部１０ｄ内に案内されてい
る。この筒体９ｂの上端部９bDは、筒体９ｂが、
例えば、何らかの外部からの作用により左右揺
動、傾斜等が起つた場合でも、前記突出部１０ｄ
と接合し、倒れたりすることがないように構成さ
れている。

さらに、前記突出部１０ｄの内面には、板部材
１０ｆが、前記筒体９ｂとほぼ対応する位置にお
いて、配設されており、この板部材１０ｆによ
り、洗浄槽２内で洗浄動作を行う場合に、洗浄水
のオーバーフロー管９ａを介しての流出及び、万
一における残渣物の筒体９ｂ内への侵入を防止し
ている。

次に、以上の構成において、本考案による洗浄
装置用過装置を用いて洗浄を行う場合について
説明する。

尚、本実施例においては、過装置を第３図に
示す食器洗浄装置に適用した場合について説明す
る。

まず、使用済みの被洗浄物１２をラツク１１上
に載置し、洗浄ポンプ６を作動させると、各洗浄
噴射ノズル４及び４ａから洗浄水が被洗浄物１２
に向けて高圧噴射され、各洗浄噴射ノズル４及び
４ａは、噴射反動により自転を開始すると共に、
被洗浄物１２の隅々まで高圧洗浄される。

この高圧洗浄された洗浄液は、被洗浄物１２に
付着した食物の残り滓、飯粒等を洗い流すと共
に、洗浄槽２の下部、すなわち、フイルタ体１０
上に流下し、残渣物はフイルタ体１０で完全に
過され、洗浄液のみが循環槽３内に流入して貯ま
る。

次に、前述の状態で、すすぎポンプ７を作動さ
せると、各すすぎ噴射ノズル５及び５ａから、す
すぎ液が噴射供給され、このすすぎ液はフイルタ
体１０を経て循環槽３内に流下し、循環水３ｂの
増加となる。

前述の循環水３ｂの増加により、循環槽３の底
部３ａ付近に沈滞する比較的低温の循環水３ｂ
は、この増量分と等しい量だけ筒体９ｂの下端９
bBから循環水通路１４ａを介して上方に上昇し、
オーバーフロー管９ａの上端９aAから下端９aB
に抜けて、外部に排出される。

従つて、循環槽３内には、比較的高温の循環水
３ｂが残留するため、高い洗浄効率と、省エネル
ギー化が達成出来る。

尚、本実施例における構成は、一例を示したも
のであり、各部の構成に若干の変形等を加えた場
合も、同等の効果が得られることは述べるまでも
ないことである。

又、本実施例においては、洗浄装置として、食
器洗浄装置に適用した場合について述べている
が、他の洗浄装置にも応用出来ることは述べるま
でもないことである。

ｇ 考案の効果 本考案による洗浄装置用過装置は、以上のよ
うに構成されているため、構造が極めて簡易化さ
れ、溶接個所も大巾に少なくなり、製造に要する
時間の短縮化、コストダウンを極めて容易に達成
出来る。

又、フイルタ体によつて、洗浄槽と循環槽とが
完全に独立した構成となつているため、洗浄槽内
における残渣物物の、循環槽及びポンプ系路中へ
の侵入は完全に除去出来、循環ポンプの吐出能力
の安定化、並びに、循環ポンプの破損や故障を防
止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図迄は、本考案による洗浄装置
用過装置を示すためのもので、第１図は全体構
成を示す概略断面図、第２図は、第１図のＡ−Ａ
線による断面図、第３図は、第１図に示す過装
置を適用した食器洗浄装置を示す概略構成図、第
４図は、従来の過装置を示す概略断面図、第５
図は、第４図のＢ−Ｂ線による断面図である。 １は本体、２は洗浄槽、３は循環槽、９ａはオ
ーバーフロー管、９ｂは筒体、１０はフイルタ
体、１０ｄは突出部、１０ｆは板部材、１４ａは
循環水通路、１４は循環水排出体である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗浄槽２と循環槽３との間にフイルタ体１０
   を有し、循環槽３内に循環水排出体１４を有す
   る洗浄装置用過装置において、前記循環水排
   出体１４は、前記循環槽３の底部３ａに植立し
   て固定配設されたオーバーフロー管９ａと、前
   記オーバーフロー管９ａの外周の一部にその内
   周の一部が固定され、このオーバーフロー管９
   ａよりも大径に構成された筒体９ｂと、前記オ
   ーバーフロー管９ａの外周と前記筒体９ｂの内
   周との間に形成された循環水通路１４ａとを備
   え、前記オーバーフロー管９ａと前記筒体９ｂ
   とは、非同心状に配設されていることを特徴と
   する洗浄装置用過装置。 (2) 前記フイルタ体１０の突出部１０ｄにおける
   前記筒体９ｂと対応する位置には、板部材１０
   ｆが設けられていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の洗浄装置用過装
   置。