JPH0134629B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気治療器、特に患者の加療部位に
作用する磁界の極性を任意に切換え得ると共に、
必要に応じてその強度も時間的に変動させ得るよ
うにした磁気治療器に関する。

磁気が呼吸器系、消化器系、高血圧症、直腸肛
門疾患、筋線維組織炎、婦人科疾患、その他広範
囲の内科、外科疾患の治療に対して有効であるこ
とは広く知られており、一部の疾患（例えば急性
赤痢患者）には薬物投与よりも磁気療法の方が有
効であることも確認され、最近に於ては磁気麻酔
の分野にまで発展している。

従来の磁気治療法には変動磁気療法と貼布法と
があり、疾患や症状により、貼布法を用いて効果
を得られるものや、変動磁気療法を用いて効果を
得られるもの、又は両者を併用して効果を得られ
るもの等種々あるが、一般的には変動磁気療法を
用いた場合の方が短時間で治療効果が現われるこ
とが知られている。

それは、磁場が作用した場合、血液の循環が改
善され、止痛効果等が得られるものであるが、変
動磁場が作用する場合は更に熱的作用や振動作用
が加わり、より早く強力に血液循環作用や止痛作
用が働くためである。

磁気がこのような治療効果を有するのは、磁界
内を移動する血液中に電流が生じ、これが自律神
経系統に刺激を与えて、その機能を常場ならしめ
るためであると考えられている。

従つて、固定された磁界よりも、変動する磁界
の方が、血液移動の他磁界変動によつて生ずる電
流も加わつて、治療効果は一層増大するものであ
る。又磁界を移動させれば、神経系統に直接電流
を生じて一層の効果を期待できる。

しかし、強い磁石（1000ガウス以上）を用いた
場合、動悸、悪心、班状出血、血圧低下等の副作
用が現われる場合がある。

その発生率は、定磁界の場合は、25％以上にも
なるが、変動磁界の場合には１％程度である。

その理由としては、変動磁界を作用させた場合
には効果が短時間で現われ、長時間の磁気治療を
施す必要がない点にあるものと思われる。

かかる観点から、変動磁界を生じさせるように
した磁気治療器も例えば特開昭48−77686号公報
等に於て提案されている。

しかしながら、従来提案されている磁気治療器
は、何れも一定の磁界又は変動磁界を加療部位に
作用させるのみで、体内に生じる電流のみで、体
内に生じる電流の方向を決定する要因となるべき
磁界の極性については顧慮されることがなかつ
た。

即ち従来の磁気治療器は、単に一方の極のみに
よる一定方向の磁界が、連続的又は断続的に作用
するだけであつたから、体内に生じる電流の方向
も一定であり、その治療効果は必ずしも充分とは
言え得なかつた。

本発明は、叙上の問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、作用
磁極の極性を、例えばＮ−Ｎ−Ｓ−Ｓ−Ｎ−Ｎ−
Ｓ−Ｓ………とか、Ｎ−Ｎ−Ｎ−Ｓ−Ｎ−Ｎ−Ｎ
−Ｓ………とか所望の順序で切換えることによ
り、体内に生じる電流の方向を所望のリズムにし
たがつて変化させ、患部又はツボに対してより刺
激を高めて効果的な治療をなし得る磁気治療器を
提供することにある。又、磁界の方向の切換えと
共に、磁界の強度も変動させるようにすることに
より、治療効果を一層増進させることができる。

以下、図面を用いて、本発明を詳細に説明す
る。第１図は本発明にかかる磁気治療器の一実施
例を示す縦断面図、第２図はその蓋体を取り外し
た上面図、第３図及び第４図はその他の一実施例
を示す一部縦断面図及びその蓋体を取り外した上
面図、第５図及び第６図は更に異なつた一実施例
を示す一部縦断面図及びその蓋体を取り外した上
面図である。

しかして、第１図及び第２図中、１はケーシン
グ、２はその蓋体、３は回転円板、４はその回転
軸、５は回転支持体、６はベアリング、７はモー
タ、８に取付けられた歯車９と噛合つて回転軸４
を回転させる歯車、１０はモータ８を駆動させる
ための電池、１１はモータの回転制御回路やスイ
ツチ等を組込んだ回転制御装置、１２ａ乃至１２
ｆは回転円板３上に取付けられた棒状永久磁石体
でる。

図から容易に判る通り回転円板３は回転軸４、
歯車７、モータ８、歯車９の構成要素で構成され
る駆動装置を回転制御装置１１で回転制御するこ
とにより、蓋体２の直下で所望の速度で回転せし
められる。

本治療器を使用する際は、蓋体２の上面を患者
の皮膚に当てがつて使用するものである。

しかして、複数の磁石体１２ａ乃至１２ｆは、
回転円板３に明けられた穴に極性を夫々変更する
ことができるよう適宜ひつくり返して嵌め込むこ
とができ、その穴の側壁に取付けられたバネ突起
３ａ，３ａによつて着脱自在に固定するようにし
て取付けられている。今、各磁石の極性は１２
ａ，１２ｂ，１２ｃについてはＮ極が上に、１２
ｄ，１２ｅ，１２ｆについてはＳ極が上にされて
嵌め込まれている。

従つて、回転円板３が回転すれば、患者の加療
部位には、Ｎ−Ｎ−Ｎ−Ｓ−Ｓ−Ｓ−Ｎ−Ｎ−Ｎ
−………の順序で極性が切換る磁界が作用し、そ
れ応じて方向の変化する微弱電流が発生して、こ
れが自律神経系統を適度に刺激し、患者の症状を
治療せしめるものである。体内の諸器管の機能を
統御する神経のインパルス伝達機溝及びその疾患
理由等は生化学的に必ずしも完全に解明された訳
ではないが、磁気治療を行なう場合には、疾状に
応じて上記の如く磁気極性を切換えることが極め
て良好な治療効果をもたらすものである。切換速
度は、回転制御装置１１を用いてモータ８の回転
数を変化させることにより変更することができ
る。そしてその速度は、１秒間に１乃至100回程
度切換わるように、即ち、本実施例の如く回転円
板３上に６個の磁石が配置されている場合には回
転円板３の回転数を1/6乃至20rpm程度の範囲で
可変とすることが推奨される。

しかして、極性の順序の組合せを変更する場合
には回転円板３上の磁石体１２ａ乃至１２ｆをバ
ネ突起３ａ，３ａの弾力に抗して引抜いて夫々適
宜ひつくり返して挿し直すことにより、例えば、
Ｎ−Ｓ−Ｎ−Ｓ−………とか、Ｎ−Ｎ−Ｓ−Ｎ−
Ｎ−Ｓ−………とか、ほとんど任意の極性切換を
実現することができる。

尚、各磁極は加療部位に次第に近付き次第に遠
ざかる形で移動するので、作用磁界の強度はパル
ス的に周期変動し、一定強度の磁界を連続的に加
えるよりも大きな治療効果が得られる。

磁石体としては、加療部位に於ける最大磁界強
度が300乃至3000Oeとなるようなものを使用する
のが望ましい。

第３図及び第４図は本発明磁気治療器のその他
の一実施例を示してあり、この実施例に於ける各
磁石体は前記実施例と同様に回転円板と共に回転
する一方、各磁石体自体が自転することにより極
性の切換えがなされるようになつている。

即ち、両図中、１乃至６は第１図及び第２図で
同一の符号を付したものと同一の構成要件を示し
ており、回転円板３は図では省略されたパルスモ
ータ等の駆動装置により、図中や矢符方向に回転
する。しかして回転円板３上に設けられる複数の
絵級磁石体１２ｇ乃至１２ｊは、回転円板３上に
取付けられた複数の磁石自転機であるパルスモー
タ１３−１乃至１３−４の回転軸に夫々取付けら
れており、例えば回転円板３の下面に設けたパル
スモータ駆動回路（図では省略）からパルス指令
により回転円板３と磁石自転構とのパルスモータ
を夫々任意のステツプ数で駆動することにより
夫々所望の速度で回転されて、所望の極性配置を
実現するようになつている。パルスモータの代り
に通常のマイクロモータを用いて、各磁石体を常
時自転させておくようにすることもできる。その
場合に、モータの回転数を夫々異なつたものとし
ておけば極めて多様な極性配置が自動的に現出し
て、多くの疾状に有効な磁気治療器が提供され
る。

第５図及び第６図は更に異なつた一実施例を示
しており、回転円板上で各磁石体を自転させる手
段として、回転円板自体の回転力を利用する構成
を示している。両図中、１２ｋ乃至１２ｎは回転
円板３上に回転自在に支承された４個の永久磁石
体であり、１４は蓋体２に固定して取付けられた
円錐台状接触台座に、１５−１乃至１５−４は各
磁石体の回転軸に取付けられたゴム製の円錐台状
接触子、１６−１乃至１６−４は各磁石体の回転
軸を内側へ押しやる板ばねである。接触子１５−
１乃至１５−４が接触する台座１４の円錐状側面
には、例えば細かい凹凸を形成して接触摩擦を大
にしてあり、各接触子は板ばね１６−１乃至１６
−４の作用により適度の圧力で台座１４に当接せ
しめられる。

従つて、回転円板３が図中矢符方向に回転する
ときは、接触子１５−１乃至１５−４も台座１４
の周囲を矢符方向に回転しつつ移動し、これによ
り、各磁石体の自転運動が達成される。各磁石体
の回転数を夫々異なつたものとするには、図に示
す如く、各接触子が台座１４と接触する円錐状側
面上の位置を異ならせておけばよく、又これを調
節可能なように可変にしておくことも推奨され
る。

尚、何れの実施例に於ても、蓋体２は当然のこ
と、その他の各構成部品も止むを得ないものを除
き全て非磁性材で作製すべきことは勿論である。

しかして、本発明磁気治療器を使用する際、治
療を要する疾患が、腰痛、肩痛等の神経系疾患、
気管支炎等の呼吸器系疾患、或いは高血圧等の循
環器系疾患である場合には、本治療器をその夫々
の疾状に対応する人体上のツボの位置に当てが
い、又、皮膚炎、帯状疱疹等の皮膚系の疾患であ
る場合にはその患部に直接当てがつて使用するの
が効果的である。

本発明は叙上の如く変動磁界の極性を切換え
て、人体の患部又はツボに生ずる電流の向きを変
化（反転）させるようにしたので、従来のように
一定磁界を加えるものや磁界の強さのみを変化さ
せるものと比較して、患部又はツボに対する刺激
効果を増加することができ、より強力に自律神経
を刺激して極めて優れた治療効果の高い磁気治療
器が提供されるものである。

又、磁界の強度を増した場合には治療効果が短
時間で現われるので悪心、動悸、その他の副作用
も１％以下の最小限に押えることができるという
優れた作用効果を奏するものである。

尚、本発明の構成は叙上の実施例に限定される
ものではなく、例えば各永久磁石体を上記実施例
の如き棒状２極のものではなく４極、６極等のも
のとしたり、駆動装置も上記以外の公知のメカニ
ズムを用いる等、本発明の目的の範囲内に於ける
設計変更は自由であり、本発明はそれらの全てを
包摂するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる磁気治療器の一実施例
を示す縦断面図、第２図はその蓋体を取り外した
上面図、第３図はその他の一実施例を示す一部縦
断面図、第４図はその蓋体を取り外した上面図、
第５図は更に異なつた一実施例を示す一部縦断面
図、第６図はその蓋体を知り外した上面図であ
る。 １……ケーシング、２……蓋体、３……回転円
板、１２ａ乃至１２ｎ……永久磁石体、１３−１
乃至１３−４……パルスモータ、１４……円錐台
状接触台座、１５−１乃至１５−４……接触子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転円板と、この回転板を所望の速度で回転
   させる駆動装置と、前記回転円板上にあつて極性
   を夫々変更するために適宜ひつくり返すことがで
   きるようにして取付けた複数個の永久磁石体とか
   らなる磁気治療器。 ２ 複数の永久磁石が回転円板上に取付けられた
   複数の磁石自転機構に夫々取付けられている特許
   請求の範囲第１項に記載の磁気治療器。 ３ 駆動装置が回転円板と、磁石自転機構とを
   夫々所望の速度で回転させる特許請求の範囲第２
   項に記載の磁気治療器。