JPH0132909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は多種類の使用形態が得られる折りたた
み椅子に関するものである。

従来公知の折りたたみ椅子は、着座する使用形
態と、格納時にスペースをとらないようにコンパ
クトに折りたたんだ不使用形態の２種類の機能で
あり、折りたたんだ状態では専ら格納時の少スペ
ース化を目的とし、着座可能な機能を有していな
い。

本考案の目的は、展開した状態でも２種類の使
用形態に変化し、また折りたたんだ状態でも２種
類の座椅子形態の変化が得られる多種多機能の折
りたたみ椅子を提供するものである。

本考案の特徴とする構成は、支持リング、座部
リング及び背当リングからなり、支持リングと座
部リング間に最収縮時の長さが両リングの直径内
に納まる寸法の伸縮可能な脚軸の両端を180度の
位相でヒンジにより枢結し、両ヒンジには前記ス
トツパ機構を有し、また脚軸にも伸長状態を保持
するロツク機構を備え、前記背当リングは座部リ
ングにヒンジによつて起倒可能に枢結し、背当リ
ングには背当面を、座部リングには座面を形成し
たものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。
本考案は第１図で示すように、支持リング１、座
部リング２、背当リング３からなり、支持リング
１と座部リング２との間には伸縮可能な脚軸４が
枢結され、座部リング２に背当リング３が起倒可
能に枢結され、背当リング３には背当面８が、ま
た座部リング２には座面９が形成された構造であ
り、脚軸４を伸長したときには、第１図に示すよ
うに背当リング３を起こして背当面８を有した椅
子となり、また第２図Ａに示すように、背当リン
グ３を座部リング２上に折りたたむことによりス
ツールとなる。さらに第１図の状態から脚軸４を
収縮すると第２図Ｂで示すように、座部リング２
が支持リング１上に重なつて背当面８を有する座
椅子となり、背当リング３を倒すと第２図Ｃに示
すように背当面８を持たない円形座椅子にもな
り、このコンパクトな形態で格納状態とするもの
である。

このような、多種多機能な形態となる本考案の
具体的な構造について第３図以下第１３図によつ
て説明する。支持リング１、座部リング２、背当
リング３及び脚軸４は軽量化等のためにパイプ材
にて構成することが望ましい。

脚軸４は、外筒４ａと、この外筒４ａ内に摺動
自在に嵌挿した内筒４ｂとによつて構成され、外
筒４ａと内筒４ｂは最収縮時に支持リング１並び
に座部リング２の直径内に納まる長さ寸法であ
る。そして、外筒４ａ端は支持リング１にヒンジ
５ａで枢結され、内筒４ｂ端は外筒４ａの枢結点
から180度の位相で座部リング２にヒンジ５ｂで
枢結される。このヒンジ５ａ，５ｂは脚軸４を伸
長したときの傾斜角度を保持するストツパ機構を
有している。その機構を内筒４ｂ端の枢結部で代
表して第３図乃至第５図により説明する。すなわ
ち、内筒４ｂ端に輪付軸１１を固着し、座部リン
グ２の周方向の一部を切り割りし、切り割り端面
間に案内軸１０を固設して、この案内軸１０に前
記軸付軸１１の輪を回動並びに軸方向に摺動自在
に嵌挿させる。そして、案内軸１０に平行して内
筒４ｂの回動を許容させる切欠部１３と、内筒４
ｂに当接して回動を拘束するストツパ片１２とを
有する案内筒２４が設けられた構造である。前記
ストツパ片１２には緩衝用としてゴム１４を貼付
けてもよい。尚上記構成のヒンジ５ａ，５ｂは第
１０図及び第１１図で示す他の機構でもよい。す
なわち、内筒４ｂ端と座部リング２とに、互いに
凹凸噛合係止する突起２０，２１を有し、この突
起２０，２１間を連結部材２２で枢結したヒンジ
部材でも同様の機能を果すことができる。

さらに、脚軸４には伸長状態を保持するロツク
機構が備えられている。その機構は第６図に示す
ように、外筒４ａに穴１５を開設し、内筒４ｂに
は前記穴１５に係脱するピン１６がスプリング１
７によつて常に穴１５への係合方向に押圧して設
けられた構造である。

次に、背当リング３を座部リング２に起倒可能
に枢結するヒンジ７の構造は第７図乃至第９図に
示すように、座部リング２に固着したヒンジ７に
背当リング３を回動自在に結合し、ヒンジ７には
規制面１８が立設され、背当リング３には前記規
制面１８に当接して起立した背当リング３を所要
の角度に保持させる当接部１９を設けた構造であ
る。尚前記ヒンジ７は第１２図及び第１３図で示
すような開き角度がそれ自体で規定される蝶番２
３であつても同様な機能を果す。

上記構造による本考案の作用について説明す
る。第１図及び第２図に示すように座面９を所要
の高さとした椅子の状態では脚軸４は伸長され、
ピン１６が穴１５に係合して伸長状態でロツクさ
れている。尚穴１５を所定の間隔で複数個開設し
ておくことにより、ピン１６を係合する穴１５を
選択すれば座面９の高さを調整することができ
る。また、脚軸４にはヒンジ５ａ，５ｂのストツ
パ片１２に当接し、支持リング１と座部リング２
との間で傾斜角度の軸線により立脚状態を保持し
ている。すなわち、支持リング１、脚軸４及び座
部リング２は側面から見てＺ字形を呈している。

さらに、背当リング３はヒンジ７によつて起立
状態とし背もたれを形成することもできるし、座
面９側に倒して重ね合せてスツールとすることも
できる。

上記高さを有する座面９を折りたたむ場合に
は、順序はどちらからでもよいが、ピン１６を穴
１５から外すことにより脚軸４は収縮可能とな
り、外筒４ａ、内筒４ｂを案内軸１０に沿つて案
内筒２４の切欠部１３側にスライドさせストツパ
片１２との当接を解除する。これにより支持リン
グ１と座部リング２とは接近重合可能となり収縮
した脚軸４は支持リング１と座部リング２の内径
内に収納され、座面９の高さは最も低くなり、背
当面８を起立させると背もたれを有する座椅子と
なり、背当面８を座面９上に倒すと円形の座椅子
としても使用可能となり、且つコンパクトな格納
状態になるものである。

尚第１０図で示すヒンジ機構の場合は、突起２
０，２１を相互に凹凸噛合係止することによつて
脚軸４を傾斜角度の軸線で保持し、第１１図で示
すように凹凸噛合係止を解脱することにより折り
たたみ自在となる。

以上のように本考案による折りたたみ椅子は、
簡単な機構と操作により多種多様な形態の椅子と
なり、折りたたみ状態でも座椅子として使用する
ことができると共に、非常にコンパクトとなり格
納にも小スペースで納めることができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃは
本考案の使用形態の各種を示す斜視図、第３図は
脚軸の枢結構造を示す斜視図、第４図は脚軸の回
動を拘束した状態の枢結部の断面図、第５図は脚
軸の回動を許容した折りたたみ状態の枢結部の断
面図、第６図は伸縮可能な脚軸の伸長状態のロツ
ク機構を示す断面図、第７図は背当リングのヒン
ジ機構を示す要部斜視図、第８図及び第９図は同
ヒンジ機構の作用状態を示す断面図、第１０図は
脚軸の枢結構造の他の実施例を示す要部断面図、
第１１図は同折りたたみ状態を示す断面図、第１
２は背当リングの他のヒンジ機構を示す断面図、
第１３図は同折りたたみ状態の断面図である。 １……支持リング、２……座部リング、３……
背当リング、４……脚軸、５ａ，５ｂ……ヒン
ジ、６……ロツク機構、７……ヒンジ、８……背
当面、９……座面、１０……案内軸、１１……輪
付軸、１２……ストツパ片、１３……切欠部、１
５……穴、１６……ピン、１７……スプリング、
１８……規制面、１９……当接部、２０，２１…
…突起、２２……連結部材、２３……蝶番、２４
……案内筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持リング、座部リング及び背当リングからな
   り、支持リングと座部リング間に最収縮時の長さ
   が両リングの直径内に納まる寸法の伸縮可能な脚
   軸の両端を180度の位相でヒンジにより枢結し、
   両ヒンジには前記脚軸を伸長したときの傾斜角度
   を保持するストツパ機構を有し、また脚軸にも伸
   長状態を保持するロツク機構を備え、前記背当リ
   ングは座部リングにヒンジによつて起倒可能に枢
   結し、背当リングには背当面を、座部リングには
   座面を形成したことを特徴とする折りたたみ椅
   子。