JPH0132483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は馬鈴薯等の根菜類の培土作業に使用さ
れる培土刃の改良に関するものである。

馬鈴薯等の根菜類は培土作業により根元に厚い
覆土が施され、畦の断面はＤ字形に成形される
が、畦の高さは一様ではなく成育状態や馬鈴薯の
種類によつて調整されなくてはならない。このた
めに培土板に押土板を連結した培土刃が使用され
るが、従来の培土刃は角度の調整が簡単にはでき
なかつたので、支柱の角度を変えて培土板を調整
していた。しかし、支柱の角度を変えて培土板を
成形する畦に合わせることは必ずしも容易ではな
かつた。又、押土板は支柱に軸止めされた一本の
牽引棒に連結されていたので、Ｄ字形の畦の側面
を固く押える作用が不安定であり、畦の側面のく
ずれを防止するこことができなかつた。本考案は
成形する畦に合わせて培土板と押土板を調整する
ことが容易な培土刃を提供して培土成形した畦の
くずれを未然に防止することを目的とするもので
ある。

前記目的を達成するため、本考案の培土刃は培
土板を支柱に前後の傾斜角度調整可能に固定する
固定手段と、押土板を支柱に固定的に連結する連
結手段と、押土板と連結手段の間に介在して押土
板の左右の角度を変える角度調整手段を有する。
固定手段は培土板に固定された上下二個のコ字形
金具からなり、培土板は金具と支柱を水平に貫通
するボルトにより支柱に回動可能に軸止めされ、
金具に前後方向にねじ込まれて支柱に当接するボ
ルトにより前後の傾斜角度が規制される。連結手
段は支柱の下端部から後方に延びる左右二本の連
結軸とその上の牽引棒と、それらの後端部を一体
に結合する連結板からなり、連結軸に押土板の連
結筒がはめられる。押土板と連結板の間には長さ
調整可能なねじ部材が介在して押土板の連結軸に
対する角度を規制する。したがつて、支柱の角度
を変えなくても、前後方向のボルトを回すだけ
で、培土板の前後の角度が変わるから、培土板を
培土成形する畦の形状に容易に合わせることがで
きる。押土板は連結筒と連結軸を介して支柱に固
定的に連結され、左右の傾斜角度はねじ部材によ
り調整されるから、畦の側面に簡単に合わせるこ
とができる。

本考案の押土板を図面に示す実施例に基づいて
説明する。第１図に示すように、培土板１０の内
側に後方に開く水平断面コ字形の第一金具１２と
前方に開く水平断面コ字形の第二金具１４が溶接
され、それらの金具に支柱２０が挿入される。培
土板１０は第一金具１２と支柱２０を左右に貫通
する第一ボルト１６により支柱２０に回動可能に
軸止めされ、第二金具１４に前後方向にねじ込ま
れて支柱２０の後面に当接する第二ボルト１８に
より前後の傾斜角度が規制される。このように培
土板１０は金具１２，１４とボルト１６，１８か
らなる固定手段により支柱に前後角度調整可能に
固定される。

支柱２０の下端部から左右二本の連結軸２２が
後方に突出して少し左右に開き、その上から一本
の牽引棒２３が同じく後方に突出する。この連結
軸２２と牽引棒２３の後端部は連結板２４により
一体に連結される。各連結軸２２に連結筒３２が
回動自在にはめられ、その連結筒に押土板３０が
溶接される。したがつて、押土板３０は連結軸２
２を中心に左右に回転することができる。連結板
２４と押土板３０の間には長さをねじで調整する
ことができるねじ部材２６が介在し、押土板３０
の回転角度すなわち左右の傾斜角度を規制する。
このように、押土板３０は連結軸２２と牽引棒２
３と連結板２４からなる支柱２０と一体の連結手
段を介して支柱２０に強固に支持され、その左右
の傾斜角度はねじ部材２６からなる角度調整手段
により調整される。

ねじ部材２６は、第２図に示すように、連結板
２４に着脱かつ回動自在にピン止めされたナツト
２７と、押土板３０に固定されたブラケツト３８
と、そのブラケツトに回動自在にピン止めされた
ボルト３７からなり、ボルト３７はナツト２７に
ねじ込まれる。ねじ部材２６の全長によつて、押
土板３０の左右方向の傾斜角度が変る。ねじ部材
２６の全長はナツト２７を連結板２４から外して
回わすことにより簡単に行われる。

次に本考案の培土刃の操作について説明する。
第３図に示すように、馬鈴薯Ｐの畦は断面Ｄ字形
に形成され、側面Ｓは形くずれを防止するため圧
密に押土される。この形状は馬鈴薯の種類により
異なるが、第１図の第二ボルト１８を回して支柱
に対する培土板の前後の傾斜角度を変えると、培
土板１０の前面と側面から見た輪郭は第４図及び
第５図に一点及び二点鎖線で示すように変化する
から、支柱の角度を変えずに培土板１０を成形す
る畦の断面に容易に合わせることができる。又、
押土板は支柱から左右に開くように後方へ延びる
連結軸に回動可能に支持され、その左右の傾斜角
度はねじ部材によつて適確に調整することができ
るから、畦の側面は押土板により圧密に形成さ
れ、形くずれは未然に防止される。

上記の通り、本考案の培土刃は従来の支柱の角
度を変えて培土板を畦に合わせていたものとは異
なり、培土板の支柱に対する固定手段のボルトを
回すだけで培土板を畦に合わせて傾斜させること
ができるので、培土板の角度調整は容易かつ適確
に行われるという優れた効果を有する。又、押土
板は支柱に固定的に支持されかつ左右の角度の調
整も容易にできるため、畦の側面の圧密は確実に
なされ、畦の形くずれは未然に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の培土刃を一部切欠
いて示す斜視図、第２図は第１図の角度調整手段
を示す背面図、第３図は培土成畦の断面図、第４
図及び第５図は培土板の前後角度調整に伴う前面
及び側面方向の輪郭の変化を示す図である。 図において１０は培土板、１２は第一金具、１
４は第二金具、１６は第一ボルト、１８は第二ボ
ルト、２０は支柱、２２は連結軸、２３は牽引
棒、２４は連結板、２６はねじ部材、３０は押土
板、３２は連結筒である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 培土板と、前記培土板を支柱に固定する固定
   手段と、押土板と、前記押土板を前記支柱に連
   結する連結手段と、前記押土板の左右の角度を
   調整する角度調整手段を備えた培土刃であつ
   て、前記固定手段は前記培土板を前記支柱に水
   平軸を中心に回動可能に軸着する第一金具と、
   前記培土板の回動角度を規制する第二金具から
   なり、前記連結手段は前記支柱の下端部から後
   方へ突出する左右の連結軸と、同じく前記支柱
   から後方へ突出する牽引棒と、前記連結軸と前
   記牽引棒の後端部を一体に結合する連結板から
   なり、前記押土板は前記連結軸に回動自在には
   めた連結筒に一体に固定され、前記角度調整手
   段は前記押土板と前記連結板の間に介在する長
   さ調整可能なねじ部材からなることを特徴とす
   る培土刃。 ２ 相互に上下に位置する第一及び第二金具は相
   互に前後方向に開口するコ字形水平断面を有
   し、支柱は前記第一及び第二金具を上下に貫通
   して前記第一金具に左右方向に貫通する第一ボ
   ルトを介して軸止めされ、前記支柱は前記第二
   金具に前後方向にねじ込まれた第二ボルトに当
   接することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の培土刃。 ３ ねじ部材は連結板と押土板のいずれか一方に
   回動自在に取付けられたボルトと他方に同じく
   回動自在に取付けられたナツトを組合わせてな
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の培土刃。