JPH0132405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両無線その他の無線の送受信を行
なう為に用いられるコリニヤアンテナに関するも
のであり、詳しくは、そのアンテナにおける基部
本体とそのアンテナにおけるアンテナ要素を保護
する為の保護筒との連結部分の構造に関するもの
である。

そしてその目的とするところは、保護筒を丈夫
に支えることができ、またその保護筒が基部本体
から抜け出すことを防止することができ、更に保
護筒の割れをも防止してその固定状態を安定に維
持できる様にしたコリニヤアンテナの基部の構造
を提供することである。

以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。第１図において、１は周知の自動車、２はト
ランク蓋、３はトランク蓋２に取付けた止付具を
夫々示す。４はコリニヤアンテナで、自動車用と
して構成されたものであり、取付具３に取付ける
様にした支持部材５とその支持部材５に固定した
アンテナ本体６とから成る。

次に上記アンテナ４の基部の構造を詳細に示す
第２図及び第３図において、上記支持部材５は取
付部７と連結部８と支持部９とから成る。取付部
７において、１１は基体で、導電性の良好な金属
材料例えば黄銅を用いて形成してある。１２は連
結体で、基体１１と一体に形成されている。この
連結体１２は止付具３に対する機械的な連結と電
気的な接続（アース）の両方を行なう様に構成さ
れており、内面には周知の雌ねじ１３が、外面に
は操作をし易くする為のローレツト溝が夫々形成
されている。１４はスペーサーで、ジユラコン
（登録商標名）、テフロン、（登録商標名）ポリエ
チレン等の絶縁材を用いて形成してある。１５は
周知の中心導体を示す。１６は基体１の外周面に
周設された凹部を示す。

次に連結部８において、１７は可撓体で、一例
として太径の線材で形成されたコイルばねが用い
てあり、その下端は凹部１６に嵌め込むことによ
つて基体１１に対して確実に連結してある。

次に支持部９において、１８は基部本体、１９
該は本体における基材で、導電性の良好な金属材
料で形成されており、その外周面に周接した凹部
１９ａに前記可撓体１７の上端を嵌め込むことに
よつて、その可撓体１７の上端部に対して機械的
に確実に連結してある。２０は基部本体における
周側壁を示し、符号２１で示される部分において
基材１９に螺着してある。２２は周側壁２０の内
側に形成された嵌入孔を示す。２３は押ねじで、
周側壁２０に対して螺装させてある。２４は内筒
で、基材１９と一体に形成された内筒本体２５
と、その上端に圧入されたＯリング押え２７とか
ら成り、両者間にはＯリング２６が介在させてあ
る。尚図から明らかな如く本体２５の下部は嵌入
孔２２内に位置している。

次にアンテナ本体６において、３０，３１はコ
リニヤアンテナにおける周知のアンテナ要素で、
夫々同軸ケーブルを用いて構成してある。アンテ
ナ要素３０において、３２は中心導体で、前記中
心導体１５の一部に設けられた接続部１５ａに接
続（半田付け或いはカシメ）されている。３３は
周知の内部絶縁体で、ポリエチレンで形成してあ
る。３４は外部導体で周知の如く銅の編組を用い
て構成されており、基体１１の一部に形成された
薄肉筒状の接続部１１ａに半田付けによつて接続
してある。３５は外部絶縁被覆を示す。３６は防
水キヤツプで弾力性を有する合成樹脂材料で形成
してあり、接続部１１ａに対する外部導体３４の
接続部分及び外部絶縁被覆３５の下端部の周囲に
対して密着状に被せつけてある。尚上記外部絶縁
被覆３５には前記Ｏリング２６の内周が圧着させ
てある。次にアンテナ要素３１において、３８は
中心導体、３９は外部導体を夫々示す。４０は半
田付け部を示し、アンテナ要素３０の外部導体３
４と要素３１の中心導体３８とが接続してある。
４１は位置決体で、絶縁材料で形成されており、
アンテナ要素３０とアンテナ要素３１とを相互に
適切な間隔で位置決する為に用いられたものであ
る。４２は保護筒で、例えばFRP等の合成樹脂
材料で形成されており、その下端部４２ａは嵌入
孔２２内に差し込まれて押ねじ２３で固定されて
いる。

上記構成のものにあつては、取付部７を止付具
３の接栓座に周知の如く取付けることにより、中
心導体３２は中心導体１５を介して止付具３の中
心導体と接続する。又外部導体３４は基体１１、
連結体１２を介して止付具３の外部導体と接続す
る。この状態においてアンテナ本体６で受信され
た受信信号は、上記中心導体及び外部導体の接続
を介して止付具３の接栓座に伝えられ、更にそこ
から周知の伝送線（例えば同軸ケーブル）を通し
て自動車１内の無線装置に送られる。一方無線装
置からの送信信号は前記とは逆経路でアンテナ本
体６に伝えられて、その本体６から発信される。

また上記使用状態において、自動車１の横揺れ
或いは前後揺れ等によつて、保護筒４２に対して
それを横方向或いは前後方向に倒そうとする力が
加わつても、保護筒４２の下端部４２ａは嵌入孔
２２に差し込まれていると共に、その下端部４２
ａ及びその上側部分は内筒２４に被せ付けられて
いる為、保護筒４２と基部本体１８との一体状態
が確実に維持される。そして基部本体１８と保護
筒４２とは一体状態のままで、可撓体１７の可撓
性によつて取付部７に対して左右或いは前後に揺
動する。この場合可撓体１７としては太径の線材
で形成されたコイルばねを用いて、その曲りがそ
れ程大きくならない様にしてある為、アンテナ要
素３０と取付部７との接続部分にはその接続に支
障をもたらす様な大きな力が加わることはない。

又上記自動車１の上下振動によつて保護筒４２
に上下方向の力が加わつても、即ち保護筒４２に
対してこれを基部本体１８から引き抜こうとする
力が加わつても、保護筒４２の下端部４２ａは押
ねじ２３で締付けられている為、それが基部本体
１８から抜ける様なことはない。

その場合、保護筒４２の下端部４２ａにおいて
押ねじ２３で押付けられている部分の内面は、内
筒２４の外周面に圧接して内筒２４によつて支え
られた状態となつている為（内方へ向けての圧力
を受けたままにはなつていない為）、長年使用す
る間において保護筒４２の下端部４２ａが割れる
様な事故は防止される。

更に前記使用状態において雨が降つた場合、そ
の雨は保護筒４２の外周面を伝わつて嵌入孔２２
の内部に入り込み、更にその水は保護筒４２と内
筒２４との間を上方へ移動する。然し第２図から
明らかな如く、内筒２４の上端２４ａは基部本体
１８の孔縁の上面（周側壁２０の上端２０ａ）よ
り高く形成してある為、上記上へ登つて来た水が
上端２４ａを越えて内筒２４の内部に入り込んだ
り、或いはアンテナ要素３０とアンテナ要素３１
との接続部分に付着したりすることは防止され
る。更に又、雨水が可撓体１７の内側に入り込ん
でも、防水キヤツプ３６の存在によつてその雨水
が取付部７とアンテナ要素３０との接続部或いは
取付部７における基体１１の内部に入り込むこと
は防止される。又上記可撓体１７の内側に入つた
水が基材１９とアンテナ要素３０との間を通つて
上方へ移動しても、その水はＯリング２６の存在
によつてその部分よりも更に上方へ移動すること
が阻止される。これらの理由により、高周波信号
の伝達を行なう部分には雨水の侵入が完全に防止
され、その部分の高絶縁状態が維持される。従つ
て前記無線信号の送受信を安定して行なうことが
できる。

以上のようにこの考案にあつては、 (イ) 保護筒４２の下端部４２ａを嵌入孔２２に差
込んであるから、保護筒４２に押し倒し力が加
わつても大きな抵抗力でその力に耐えることが
でき、保護筒４２を丈夫に支えられる効果があ
る。

(ロ) しかも保護筒４２には押ねじ２３を圧接させ
ているから、保護筒４２に引き上げ力が加わつ
てもその下端部４２ａが嵌入孔２２から抜けて
しまうことを強力に引き止められる特長もあ
る。

(ハ) その上、そのように押ねじ２３で押すもので
も、保護筒４２の下端部４２ａは内筒２４に被
せ付けてあるから、上記押ねじが強く締められ
て保護筒４２に対するその圧接力が強大であつ
ても、保護筒４２の内面を内筒２４で支えるこ
とができて経時使用時に保護筒４２が突然に割
れるという事故を未然防止できる効果がある。

(ニ) 更に上記内筒２４の上端は基部本体１８の上
端より高く構成してあるから、降雨時に基部本
体１８と保護筒４２との間に雨水が入りその雨
水が保護筒４２と内筒２４との間を登つても、
その雨水が内筒２４の上端を越えて内筒２４の
内側に入り込むことを防止でき、内筒の内側の
高絶縁状態を維持できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図はア
ンテナの使用状態を示す斜視図、第２図はアンテ
ナ基部の縦断面図、第３図は内筒と保護筒とアン
テナ要素との関係を示す第２図の部分拡大図。 １８……基部本体、２２……嵌入孔、２４……
内筒、２３……押ねじ、４２……保護筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アンテナ本体６における保護筒４２を、上部に
   上記保護筒４２の下部を連結する為の支持部９を
   備えている支持部材５で支持しているコリニヤア
   ンテナの基部の構造において、上記支持部９は、
   保護筒４２の下端部４２ａを差し込む為の環状の
   嵌入孔２２の外周に位置させる筒状の周側壁２０
   及び上記嵌入孔２２の下方に位置していて上記周
   側壁２０と連結する基材１９とから成つている基
   部本体１８と、下端を上記の基材１９に一体にし
   てあつて、かつ上記嵌入孔２２の内側に位置させ
   る内筒２４とで構成し、しかも上記内筒２４の上
   端の高さは上記周側壁２０の上端よりも高く突設
   してあり、一方、上記保護筒４２の下端部４２ａ
   は、内筒２４の外周に被せ付ける状態で上記嵌入
   孔２２内に差し込まれていると共に上記周側壁２
   ０に設けられた押ねじ２３によつて内筒２４に圧
   接されていることを特徴とするコリニヤアンテナ
   の基部の構造。