JPH0132116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のシフトノブに関するものであ
る。

自動車において変速操作を行う為のシフトレバ
ー先端部に取付けられるノブを、小銃台尻形状に
構成した所謂ガングリツプノブは既に公知となつ
ている（実開昭53−70525号公報参照）。

本考案は上記のようなガングリツプノブの構造
を改良することにより、シートの前後スライド調
整位置に応じてシフトノブをドライバの最も操作
し易い位置に調整することができる装置を提供し
ようとするもので、以下本考案を附図実施例を参
照して説明する。

第１図は本考案を適用したガングリツプノブの
基本構造を示す図であり、１は下方部を図示しな
い軸受機構により回動可能に車体側部材に支持さ
れたシフトレバーであり、該シフトレバー１の上
方部は車体前方に向けて屈曲されて所定角度前方
に傾斜した前方傾斜部１１が形成され、該シフト
レバー１上部の前方傾斜部１１にノブ本体２が摺
動移動調整可能なるよう嵌装される。

第２図は第１図のノブ本体２の調整機構の具体
的一例を示すもので、この例ではノブ本体２の前
方傾斜部１１への嵌装穴２１内にコイルスプリン
グ３を嵌装し、該コイルスプリング３の下端部は
ノブ本体２に固定され、上端はノブ本体２の外周
部に形成した環状凹部２２内に回転方向にスライ
ド移動可能なるよう嵌装したロツク解除部材４に
結合され、該コイルスプリング３は自然な状態に
おいて該コイルスプリング３内に嵌通している前
方傾斜部１１の外周を所定のばね力をもつて締め
付け、その締め付け力にてノブ本体２の前方傾斜
部１１への嵌装位置をロツクする構成となつてい
る。尚必要に応じ前方傾斜部１１の外周には軸方
向の溝１２が１条若しくは複数条形成され、該溝
１２にノブ本体２に形成した内方突起２３がスラ
イド可能なるよう嵌り、上記溝１２と突起２３の
嵌合によりノブ本体２の前方傾斜部１１に対する
回動をロツクすると共にノブ本体２の軸方向の調
整ストロークを所定範囲内に規制するようにす
る。

上記の第２図のものにおいては、ノブ本体２の
調整に際してはロツク解除部材４をわずかに一方
向に廻すことによりコイルスプリング３は幾分拡
径して前方傾斜部１１への締め付け力が緩みロツ
ク解除状態となり、その状態を保持してノブ本体
２を前方傾斜部１１に対し上下にスライド移動調
整し、調整位置においてロツク解除部材４より手
をはなすことによりコイルスプリング３はそれ自
体の弾性復元力によりロツク解除部材４を回動さ
せてもとのロツク位置に戻すと共に前方傾斜部１
１の外周を締め付けてロツク状態とし、このよう
にしてノブ本体２の移動調整を簡単に行うことが
できる。

第３図は本考案のノブ本体調整機構の他の例を
示すもので、この例ではノブ本体２の下端部にく
さび状部２４を形成すると共にその上部外周に雄
ねじ部２５を形成し、下方部に内方突出部５１を
もつたナツト５を上記雄ねじ部２５にねじ込むこ
とにより該ナツト５の内方突出部５１がくさび状
部２４を内方に押圧して該くさび状部２４が前方
傾斜部１１の外周に圧接し、これにより前方傾斜
部１１に対しノブ本体２をロツクするようにした
ものである。尚この例ではノブ本体２の嵌装穴２
１に軸方向の溝２６を設け前方傾斜部１１に該溝
２６にスライド可能に嵌る突起１３を設けてノブ
本体２の回動を拘止すると共に上下調整ストロー
ク範囲の規制を行うようにしている。又ノブ本体
２の組付けは、例えばノブ本体２の嵌装穴２１の
下方部分に突起１３を挿込むべき組付用溝を設け
ておくか或はノブ本体２を２つ割に構成し組付後
に接着する等任意の方策を採用し得る。

この第３図のものは、ナツト５を弛めることに
よりノブ本体２のロツクは解除され、ノブ本体２
を上下に移動調整した上で再びナツト５を締める
ことにより調整位置でのロツクを行うことができ
る。

一般にドライバが着座するシートは、着座した
ドライバが自己の体格や好みに応じてシートを前
後に調整し得るよう構成されているのが普通であ
るが、本考案によればノブ本体２をシフトレバー
上方部を前方に向けて所定角度傾斜させた前方傾
斜部１１に摺動移動調整可能なるよう構成したの
で、前方傾斜部１１に沿つてノブ本体２を第４図
に示すようにａからｂまでｌだけ移動調整する
と、上下方向位置の調整に加えてl′だけ前後方向
位置も変わり、その調整量ｌに対する前後方向変
位量l′は前方傾斜部１１の傾斜角によつて決定す
るので、該傾斜角を適当に選定することにより、
第４図に示すようにシートの最前位置におけるド
ライバの肩の位置Ａとノブ本体２の最上位置ａと
を結ぶ線Ａ−ａ，シートの最後位置におけるドラ
イバの肩の位置Ｂとノブ本体２の最下位置ｂとを
結ぶ線Ｂ−ｂのノブ本体軸心線（即ち前方傾斜部
の軸心線）Ｘ−Ｘとのなす角θとθ′とをほぼ等し
くすることができ、ノブ本体２を握る手の角度を
ほぼ同一に保ちつつ、シートの前後調整位置に応
じてノブ本体２の上下及び前後位置を最適位置に
調整することができ、変速操作性の向上をはか
り、ドライバの疲労軽減をもはかり得るもので、
構造簡単でコスト低廉なることと相俟つて実用上
多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部側面図、第
２図及び第３図は第１図のノブ本体の調整機構の
具体例をそれぞれ示す要部断面図、第４図は本考
案の機能を説明する側面説明図である。 １……シフトレバー、１１……前方傾斜部、２
……ノブ本体、２１……嵌装穴、３……コイルス
プリング、４……ロツク解除部材、５……ナツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シフトレバーの上方部を車体前方部に屈曲さ
   せて所定角度前方に傾斜した前方傾斜部を構成
   し、ノブ本体を該前方傾斜部に軸方向に移動調
   整可能なるよう嵌装すると共に、該ノブ本体を
   前方傾斜部に対しロツク及びロツク解除する手
   段を設けたことを特徴とする自動車のシフトノ
   ブ。 (2) ノブ本体の前方傾斜部に対するロツク及びロ
   ツク解除手段は、ノブ本体の前方傾斜部への嵌
   装穴内に配設され一端をノブ本体に固定され他
   端をノブ本体に設けたロツク解除部材に結合さ
   れると共に自然な状態で前方傾斜部外周面を所
   定のばね力にて巻きつけ締付けているコイルス
   プリングであり、上記ロツク解除部材の操作に
   よつてコイルスプリングが拡径して前方傾斜部
   外周面への締付けが弛みロツクが解除される構
   造となつていることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の自動車のシフトノ
   ブ。 (3) ノブ本体の前方傾斜部に対するロツク及びロ
   ツク解除手段は、ノブ本体に形成されナツトの
   ねじ込みにより前方傾斜部外周面に圧接してロ
   ツクするくさび部であることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車のシ
   フトノブ。