JPH0130574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は火力発電所等のプラントのサイレンサ
に関するものである。

火力発電所、その他蒸気やドレンを捨てるタン
ク（フラツシユパイプ）を持つプラントにおい
て、その量が多ければ、タンク排気管の排気出口
にサイレンサを設けている。ただし、その蒸気や
ドレン量が多ければ多い程、排気管内に水滴を持
ちさられる量が多くなり、雨降り現象が発生す
る。また、過熱蒸気をタンク捨てる場合でも、排
気管内及びサイレンサ内での流速を落とすために
タンク内に冷却水を入れ蒸気の比容積を小さく
し、騒音を小さくする工夫をしているプラントも
多く、その冷却水がうまく混らずにサイレンサ出
口で雨降り現象が発生している。

この対策としては、排気管内にミストセパレー
タを設けた例があるのみである。

特に最近のプラントでは起動停止が頻繁とな
り、雨降り現象が多く見られるようになつた。な
お、蒸気やドレンを捨てるのは主として起動時と
停止時である。

さらに、第１図により雨降り現象について説明
する。

火力発電所のプラントでは、起動時、特に多量
のドレン（含蒸気）を系外に捨てるが、その行き
先としてフラツシユパイブ（別名ブロータンクと
もいう）３に捨てる水は排水管４を通り系外へ捨
てられる。なお、図中、矢印Ｓは蒸気、ｅは排
水、Bdはボイラドレン（含蒸気）、Tdはタービ
ンドレン（含蒸気）を示す。

最近DSS（毎日発停）のプラント運用化が進め
られ、起動時間の短縮を計れば、プラントの系外
に捨てるドレン量は非常に多くなり、通常の大き
さのフラツシユパイプでは、水と蒸気の安全分離
は不可能となり、排気管２、サイレンサ１を水滴
が通り、サイレンサ１より出て雨降り現象とな
る。

本考案はかかる従来例の不具合を解消せんとし
て提案したもので、サイレンサに水滴取り装置を
設けることにより、少々のコスト増で、排気管か
らの雨降り現象を無くすことを目的とするもので
ある。

以下、本考案の一実施例について添付図面を参
照して説明する。

第２図において、多数の小孔からなる多孔ノズ
ル５が、排気管２のサイレンサ１内への開口部に
設けられる。この多孔ノズル５より蒸気と共に小
さな粒径で噴出した水滴は、サイレンサ外筒８に
ぶつつかり、その外筒に沿つてサイレンサエレメ
ント７の下方に取り付けられた水切り板６まで行
き、そこでサイレンサ外筒８内の蒸気上昇流速に
見合つた水滴径となり、落下する。そこで、その
水滴の落下速度により、上昇速度を小さくするこ
となく、確実にドレン抜き９より排出できる。

多孔ノズル５で噴出した微細水滴粒子を採るこ
とは、サイレンサ外筒８の径を非常に大きくする
必要があるが、一度、サイレンサ外筒８にぶつつ
けた水滴は、外筒内壁に沿つており、水切り板６
により、比較的小さなサイレンサ外筒８内の蒸気
流速により、より大きな水滴となる。

故に、その水滴の落下速度より蒸気流速を小さ
くするだけで、確実に水滴が取れるので、サイレ
ンサ外筒８をさほど大きくすることなく、水切り
板６で、サイレンサ１の雨降り現象を防止出来
る。

本考案によると、排気管に大きな水滴取り装置
を設置することなく、配置的にもスツキリし、コ
スト低減が計れると共に、雨降り現象を防止する
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はプラントサイレンサの系統図、第２図
は本考案のサイレンサの構成を示す略断面図であ
る。 １…サイレンサ、２…排気管、５…多孔ノズ
ル、６…水切り板、７…サイレンサエレメント、
８…サイレンサ外筒、９…ドレン抜き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸気やドレンを捨てるタンクを有するプラント
   におけるタンク排気管の排気出口に設けたサイレ
   ンサにおいて、前記タンク排気管のサイレンサ本
   体内への開口部に設けられた多数の小孔からなる
   多孔ノズルと、前記サイレンサ本体内に収納され
   たサイレンサエレメントと、同じく前記サイレン
   サ本体内で前記多孔ノズルと前記サイレンサエレ
   メントとの間に設けられた水切り板とをそなえた
   ことを特徴とするサイレンサ。