JPH01292746A - 扁平形電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、扁平形電池に関するものである。

［従来の技術］ 近年、電子卓上計算機、電子腕時計などの電子機器にお
ける小形化、薄形化に伴って、極めて薄い扁平形電池の
開発に対する要請が強まっている。

中でもカード型電卓やＩｃカードなどに代表されるカー
ド型電子機器用の電源としては、厚さｌＢ以下の超薄形
電池が望まれている。

ところで、上述した扁平形電池としては例えば第３図に
示す構造の扁平形電池ｌが提案されている（特開昭４９
−１２８８２３号公報）。即ち、図中の１はニッケル又
はステンレス鋼などの金属からなるシート状負極端子板
であり、この端子板ｌの片面にはリチウムからなる負極
活物質２が圧着されている。この負極活物質２上には、
電解質を含んだ不繊布からなるセパレータ３を介して正
極活物質を主成分とする正極４が配置されている。これ
ら負極活物質２、セパレータ３及び正極４により発電要
素５を構成している。前記発電要素５の正極４の上には
、５ＵＳ３０４などのステンレス鋼からなるシート状正
極端子板６が配置されている。

そして、前記負極端子板ｌと正極端子板６の周縁部の間
には熱溶着性の変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン
又はアイオノマー樹脂などからなる枠状をなす絶縁封口
体７が介在され、前記各端子板１．６と絶縁封口体７と
を熱接着することにより前記発電要素５を密閉している
。なお、前記絶縁封口体７の材料である変性ポリエチレ
ン、変性ポリプロピレン又はアイオノマー樹脂は、極性
基としてカルボキシル基（−ＣＯＯ）Ｉ）を含み、この
カルボキシル基のＣ−０やＣ−ＯＨがステンレス鋼から
なる端子板１１６表面に形成された酸化物被膜と水素結
合することにより所定の接着力が得られると考えられて
いる。

上述した構造の扁平形電池の封口は、コイン形、ボタン
形の電池のかしめによる封口と異なり、端子板と絶縁封
口体との接着力のみに依存しているため、高い接着力が
要求される。また、かかる構゛　　造の電池は極めて薄
いため、使用時の力が加わった場合、湾曲されたり、折
曲がったりする。このような状況下でも前記扁平形電池
では信頼性を確保する上で端子板と絶縁封口体とが高い
接着力を有することが重要である。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の扁平形電池において封口後のステ
ンレス鋼からなる正負極端子板と変性ポリエチレン、変
性ポリプロピレン又はアイオノマー樹脂からなる絶縁封
口体との間のＴ字剥離強度を調べると、１〜２υｆ　（
２５Ｂ幅）程度しかなく、しかも半径９０８の円柱に電
池を押付けて湾曲させる９０Ｒ湾曲特性試験でも５００
０回程度で端子板と絶縁封口体との間で剥離し、その剥
離箇所から電解液が漏れ出すという問題があった。

本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたも
ので、正負極端子板と絶縁封口体との接着強度を著しく
向上させて使用時での湾曲、折曲げに伴う剥離の発生、
電解液の漏洩を防止した高信頼性の扁平形電池を提供を
しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、ステンレス鋼製のシート状正負極端子板間に
正極シート、セパレータ及び負極シートがこの順で積層
してなる発電要素を配置し、かつ前記正負極端子板の周
縁部間に枠状の絶縁封口体を挟み込んで該正負極端子板
と接着することにより前記発電要素を密封した扁平形電
池において、前記正負極端子板の少なくとも前記絶縁封
口体と接する表面部分にクロメート被膜を被覆し、かつ
前記絶縁封口体をカルボキシ基を極性基として含む樹脂
により形成したことを特徴とする扁平形電池である。

上記クロメート被膜とは、反応型クロメート処理、電解
クロメート処理又は塗布型クロメート処理などの方法に
より形成されたクロム水和酸化物被膜であり、第２図に
示すようにオール（Ｃｒ　−ＯＨ・・・）又はオキソ（
Ｃｒ−０・・・）結合で連なった高分子構造を有する。

例えば前記反応型クロメート処理は、母材が亜鉛や亜鉛
メツキ鋼板の場合に採用される処理方法で、亜鉛金属を
処理液に浸漬すると金属がイオン化され、水酸基と反応
して酸化物になって析出される。一方、水素によって還
元されたクロム酸化物は３価と６価のクロムと共に水を
含む複合体で金属を被覆する。６価のクロムが母材金属
に対して酸化的に働くことは被膜が破れた場合も耐食性
を保つように作用することなり該被膜の効力が更に強め
られる。なお、前記クロメート処理の技術的な進歩によ
りステレス鋼に対しても良好なりロメート被膜を形成で
きる。

上記クロメート被膜は、正負極端子板の絶縁封口体と接
する表面部分に被覆させることが必要であるが、封口体
と接する部分以外にも被覆しても電池性能に同等悪影響
を与えるものではない。

上記絶縁封口体を形成するためのカルボキシル基を極性
基として含む樹脂としては、例えば変性ポリエチレン、
変性ポリプロピレン又はアイオノマー樹脂等を挙げるこ
とができる。

［作用］ 本発明によれば、ステンレス鋼製のシート状正負極端子
板の少なくとも絶縁封口体と接する表面部分にクロメー
ト被膜を形成し、かつ該正負極端子板の周縁部間にカル
ボキシル基を極性基として含む樹脂からなる枠状の絶縁
封口体を挟み込んで該正負極端子板と接着することによ
って、クロメ−ト被膜の多数のオール結合（Ｃｒ　−Ｏ
Ｈ・・・）と絶縁封口体の極性基であるカルボキシル基
（−ＣＯＯＨ）とが水素結合するため、それら正負極端
子板と絶縁封口体との接着力を大幅に向上できる。具体
的には、Ｔ字剥離強度が４〜８ＫｆＩｆ（２５％幅）で
、しかも半径９０ＩＩ！＋１の円柱に電池を押付けて湾
曲させる’ＩＯＲ湾曲特性試験でも２万回以上を行なっ
ても正負極端子板と絶縁封口体との間で剥離が発生せず
、使用時での湾曲、折曲げ等による電解液の漏洩の生じ
ない高信頼性の扁平形電池を得ることができる。

［発明の実施例］ 以下、本発明の実施例を第１図を参照して詳細に説明す
る。

実施例 図中のＩＬ　１２は、シート状の負極端子板、正極端子
板である。これら端子板ＩＩ、　１２は、厚さ２０μｍ
のステンレス鋼薄板表面を脱脂し、水洗した後、３０％
のＣｒ３＋を含むクロム溶液を主成分とし、シリカ、ア
クリル樹脂を含む処理液を塗布する、いわゆる塗布型ク
ロメート処理を施し、乾燥させてクロメート被膜を形成
し、更にこれを２０ＩＩＪｌｌＸ４０朋の寸法に打抜く
ことにより作製したものである。

また、前記負極端子板１１の片面にはリチウムからなる
負極活物質１３が圧着されている。この負極活物質１３
上には、１モル／Ｉ！の過塩素酸リチウムを溶解させた
プロピレンカーボネートからなる電解質を含んだ不繊布
からなるセパレータ１４を介して二酸化マンガンを主成
分とする正極合剤１５が配置されている。これら負極活
物質１３、セパレータ１４及び正極合剤１５により発電
要素１６を構成している。この発電要素１６の正極合剤
１５上には、前記シート状の正極端子板１２が配置され
ている。そして、前記負極端子板１１と正極端子板１２
の周縁部の間には変性ポリエチレンからなる枠状をなす
絶縁封口体１７が介在され、前記各端子板１１．１２と
絶縁封口体■７とを熱接着することにより前記発電要素
１６を密閉している。

比較例 クロメート被膜が被覆されていない厚さ２０μｍのステ
ンレス鋼薄板そのものを２０ＪＩＩＪＩＸ４０１１！１
の寸法に打抜いたシート状の負極端子板及び正極端子板
を用いた以外、実施例と同様な扁平形電池を組立てた。

しかして、本実施例及び比較例の扁平形電池を夫々ｌＯ
枚づつ用意し、これら電池について半径９０ＩＪＨの円
柱に電池を押付けて湾曲させる９０Ｒ湾曲特性試験を行
なってそれらの信頼性を調べた。その結果、比較例の電
池では湾曲を４０００〜６０００回行なった時点で端子
板と絶縁封口体の間に剥離が発生し、電解液の漏洩が認
められた。これに対し、本実施例の電池で湾曲を２００
００回行なった後でも端子板と絶縁封口体の間に剥離が
認められず、極めて信頼性の高いものであることがわか
った。

［発明の効果］ 以上詳述した如く、本発明によれば正負極端子板と絶縁
封口体との接着強度を著しく向上でき、使用時での湾曲
、折曲げに伴う剥離の発生、電解液の漏洩を防止した高
信頼性の扁平形電池を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す扁平形電池の断面図、
第２図は金属に被覆したクロメート被膜におけるオール
結合、オキソ結合を示す模式図、第３図は従来の扁平形
電池を示す断面図である。 １１・・・シート状負極端子板、１２・・・、シート状
正極端子板、１３・・・負極活物質、１４・・・セパレ
ータ、１５・・・正極合剤、１６・・・発電要素、１７
・・・絶縁封口体。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ステンレス鋼製のシート状正負極端子板間に正極シート
   、セパレータ及び負極シートがこの順で積層してなる発
   電要素を配置し、かつ前記正負極端子板の周縁部間に枠
   状の絶縁封口体を挟み込んで該正負極端子板と接着する
   ことにより前記発電要素を密封した扁平形電池において
   、前記正負極端子板の少なくとも前記絶縁封口体と接す
   る表面部分にクロメート被膜を被覆し、かつ前記絶縁封
   口体をカルボキシ基を極性基として含む樹脂により形成
   したことを特徴とする扁平形電池。