JPH01247795A - 高温スラリ用メカニカルシールポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高温スラリを送液するメカニカルシール型の
ポンプの構造に関し、特にそのメカニカルシールの構造
に関する。

（従来の技術） スラリとは細かい固体粒子が水の中に懸濁している懸濁
液、または固体と液体との混合物をいう。

普通の温水用ポンプにおけるメカニカルシールでは、シ
ール部の焼付きは冷水を使用することで防止できる。

スラリであっても、低温（６０℃以下）の場合はシール
面で水の膜がまだ形成されているので、寿命は短いが運
転は可能である。しかし高温（８０℃以上１００℃以下
）になると、スラリ自体の温度に加えて、スラリに含ま
れる固体粒子によるメカニカルシール面での摺動摩擦熱
により更に温度が上昇し、この結果、沸騰が起り、シー
ル面での水の膜が切れて焼き付くと共に、スラリ成分そ
のものが固着し１回転不能をきたす。

スラリ送液用ポンプにおいては、シール部の冷却用とし
て冷水を用いることは、スラリか稀薄され、ｆａ度コン
トロールに重大な支障をきたすため、冷水による冷却は
できない。

そこで２本出願人は、スラリ送液用ポンプの軸封に使用
されるメカニカルシールと、該シールのスラリ密封側シ
ール部側面を通過可能に該ポンプ内外をスラリか循環す
るスラリ循環流路と、該シール部の前記側面とは反対側
の側面を通過可能に該ポンプ内外を冷却水が循環する冷
却水循環流路と、該両流路内に設けられた冷却器とを有
するスラリ送液用ポンプを提案しこれを開示した（特開
昭８２−２２３４９１号公報）。

上記構成により、冷却器を通って冷やされたスラリかシ
ール部の一方側からこれを冷却すると共に、他方側より
循環冷却水がこれの冷却及び洗浄を行う。

（発明により解決すべき課題） しかしながら、従来のメカニカルシールでは。

回転環を固定環に付勢するスプリングはスラリ液中にあ
る。そのた吟に１例えば、硬化固着しゃすい高温・高濃
度のスラリ嫌気性液を液送する場合には、短期間のうち
にスプリングと回転軸とで形成される間隙に液が固着す
る。

スプリングが回転軸に固着すると、スプリングの弾発力
がなくなり、そのため１回転環を固定環に押圧する力が
なくなり回転環と固定環との間のシール性が失われる。

その結果、運転ばがりでなく、特にポンプ停止時に循環
間より大きな漏液を生ずる。

更に、この漏出液はこの循環シールと回転軸との間に小
さな間隙をもって形成された円環空間を埋め１回転環を
軸に固着させる。従来、この漏出液は冷却水で洗浄され
る構成であるが、この間隙が小さいため冷却水の出入が
困難で、そのため洗浄効果があまり上がらず、上記固着
を生ぜしめる結果となっていた。

回転環が軸に固着すると１回転環は軸方向に摺動不可能
になる。そのため、ポンプ回転時には。

スプリングの押圧力に加えて更にポンプ回転により発生
する液圧力により回転環を固定環により強力に押圧する
ことになるが、この固着のため回転環はシールリングと
して作動し得ず、漏液を発生させる。

従って、上記硬化固着しやすい液を送液するポンプでは
従来１力月毎の定期分解掃除が必要であった。

よって１本発明は上記問題点を解決する新規な高温スラ
リ用メカニカルシールポンプを提供することを目的とす
る。

（発明による問題点の解決手段） 本発明の高温スラリ用メカニカルシールポンプは、スラ
リ送液用ポンプの軸封に使用されるメカニカルシールと
、該シールのスラリ密封側シール部側面を通過可能に該
ポンプ内外をスラリか循環するスラリ循環流路と、該シ
ール部の前記スラリ密封側側面とは反対側の側面を通過
可能に該ポンプ内を冷却水が循環する冷却水循環流路と
、該両流路内に設けられた冷却器とを有するスラリ送液
用ポンプにおいて。

前記ポンプの回転軸周りに固定される固定部材と前記メ
カニカルシールの回転環支持部材とで軸方向伸縮可能な
空所を該回転軸外周に形成し、該空所内にバネ部材を配
して前記回転環をメカニカルシールの固定環に対して押
圧付勢し。

前記メカニカルシールは１回転・固定環と回転軸との間
に前記冷却水循環流路内の冷却水が循環可能な大環状間
隙を有すると共に１回転軸と前記回転環支持部材との間
に該大環状間隙と前記空所とを連通ずる連通間隙を有し
。

前記回転環支持部材の冷却水当接面に該冷却水を撹拌す
る凹部を形成したことを特徴とする。

軸方向に伸縮可能な空所は１回転軸の回わりに連続的に
円環状に設けることも、あるいはこの回転軸の回わりに
円周方向に断続的に複数個設けることもできる。

この空所内にバネ部材が配される。本構成によりバネ部
材はスラリから遮断して配することができる。

このバネ部材は空所の数に応じて単数、あるいは複数の
設置が可能である。

回転環・固定環と回転軸との間に形成される環状間隙は
、従来よりもそのすきまを大幅に広げた大環状間隙とし
、この大環状間隙は冷却水循環流路に連通されこの冷却
水がこの環状間隙を通って゛循環可能とする。

また１回転軸と回転環支持部材との間に間隙を形成し、
前記大環状間隙と空所とを連通させる。

本構成により、冷却水をバネ部材が配された空所内へ導
入して常時このバネ部材の洗浄を行うことができる。

回転環支持部材にはその回転により冷却水を撹拌する凹
部を設ける。この凹部は支持部材の冷却水当接面に形成
される。本構成により冷却水を撹拌状態にし１両環シー
ル部より漏液した液を速やかに強力的に薄め、洗浄効果
を向上させ、滞留水をなくして常に流動するようにする
。

（実施例） 以下２本発明について実施例を示す図面を基に説明する
。第２図は本発明の高温スラリ用メカニカルシールポン
プの実施例の構成を示す全体図である。２１はメカニカ
ルシール型渦巻ポンプ（１２００ｆＡ／ｍ１ｎｘ　３０
ｍ　Ｘ　２２ｋｗ）である。ケーシング２３には、ケー
シング外部よりメカニカルシール２４に通じる母液導入
路１１が設けられ、メカニカルシール２４はボリュート
２５に通じてスラリ母液が戻される。吐出しケーシング
２Ｂには、吐出し口２８より外部に通じる母液取出孔２
７が設けられる。２９は流量計で、この流量に応じて冷
却器の温度調節（冷却水の流量調節）をする。２２はス
パイラル型冷却器で、冷水槽３０内に冷却水が溜められ
、この槽内に設置されたスパイラル状流路管３１内を高
温・高濃度嫌気性スラリか通過する間に該スラリの冷却
が行なわれる。この冷却器２２の冷却温度調節はコック
３２により冷水流入量を調節することにより行う。３３
は貯水槽で、ここに冷却廃水及び洗浄汚水が溜められる
。沈殿あるいは濾過処理した後、この溜水を再使用する
ことが可能である。

３４はコックでこれにより流量を調節し、シール部にお
ける冷却能力及び洗浄能力を調節することができる。

第１図は９本発明の実施例のメカニカルシールの拡大断
面図である。同図において、　１１はスラリ導入路であ
る。固定部材、すなわちカラＩ４は回転軸１Ｂに固定さ
れている。回転軸１６の外周には“０”リング８が配さ
れ、軸表面を伝うスラリ漏を防止する。

カラ１４の外周には回転環支持部材、すなわちシールパ
ックメタルｌＯの円筒部ｔｏｅが嵌合している。このシ
ールパックメタルｌＯはその一端部に設けられた軸方向
溝１０ｄ内に回転環１Ｂを嵌着している。また、このメ
タル１０のほぼ中央部に形成されたフランジ部１０ａに
はその円周方向に複数個のスプリングビン１５が嵌着さ
れている。このスプリングビン１５はフランジ部１０ａ
に設けられた軸方向の孔１０ｂ内に嵌入され、その半径
方向に作用するバネ力により固着がされシールパックメ
タルＩＯに固定されている。

フランジ部１０ａと対向するカラ１４の端部にはこのス
プリングビン１５が嵌合する穴１４ａが円周方向にこの
ビンと同数設けられている。

シールパックメタル１０はその円筒部１０ｃをカラ１４
の外周に嵌合させこの外周上に摺動可能に支持されると
共に、ピンと穴との嵌合によってもこのカラ１４に摺動
可能に支持されている。また、シールパックメタルｌＯ
はスプリングビン１５によりカラ１４と一体回転する。

カラ１４とシールパックメタル１０との摺動面には“０
２リング４が設けられ１両者間のシールを確保している
。

カラ１４とシールパックメタルｌＯとで回転軸１６上に
空所１が形成されている。この空所１は、カラ１４に形
成された軸方向穴１４ｂと、この穴Ｌ４ｂに対向するフ
ランジ部１０ａと１円筒部１０ｃとからなる。この空所
１は回転軸１６の回わりに円周方向に複数個設けられて
いる。この空所１は間隙ｔによりシールパックメタル１
０の摺動に伴って軸方向に伸縮可能にされている。

これら空所内にはバネ部材、すなわちスプリング９が配
設されている。このスプリング９はその一端をカラ１４
に当接させ、その他端をシールパックメタルＩＯのフラ
ンジ部１０ａに当接させて弾縮状態で配されている。ス
プリング９はシールパックメタルＩＯを介して回転環１
８に抑圧作用し、この回転環はこれに相対する固定環１
７に付勢されている。両者は対向面で互いに接してすべ
り密封面を形成する。

固定環１７は固定部１３に設けられた軸方向溝１３ａ内
に［ｆされている。固定部１３はシールカバ２３に固定
され固定ｆｆ１１７は固定部１３を介してシールカバ２
３に固定されている。

回転環１８及び固定環■７と回転軸１Ｂとの間には大き
なすきまを有する環状の間隙１９が設けられている。こ
の大環状間隙１９は、軸方向にシールカバ２３の中央部
まで延在し、シールカバ２３に設けられて冷却水流路の
一部を形成する冷水孔５及び排水孔６に連通している。

シールカバ２３と回転軸１６との間隙にはグランドパツ
キン２が配設され１間隙１９内の冷却水が外部に漏れ出
ないようにされている。

シールパックメタルｌＯのフランジ部１０ａと回転軸１
Ｂとの間には環状の間隙７が形成されている。

この間隙７は、フランジ部の内周面ｔｏｅと回転軸の外
周面ｌｅａとの間に形成され、大環状間隙１９と空所１
及び孔１４ａとを連通している。冷却水はこの連通間隙
７を介して空所１及び孔１４ａ内に導入される。

フランジ部１０ｇの内周面１０ｅには半径方向に略台形
形状に削られた溝１０ｆが設けられている。

この溝１０ｆは円周方向に等間隔に４つ、軸方向に沿っ
て形成されている。

（実施例作用） 第２図において、軸継手３５により原動機の回転が渦巻
ポンプ２１に伝えられると、ポンプ内の羽根車３６が回
転し、この回転は、吸込口３７より流入したスラリに圧
力と速度のエネルギを与え、該スラリは吐出し口２８よ
り流出し、液送が行われる。スラリの一部は、圧力エネ
ルギによりスラリ取出孔２７を通り、循環流路３８を経
て冷却器２２へ送られる。この高温スラリは、冷却器２
２の冷却水槽３０内に設置されたスパイラル状流路管３
１内を通過する間に冷される。この冷却水槽３０の下方
には、冷却水流路４０より常に冷水が供給され、高温ス
ラリの通過により暖められ、上昇した冷却用水は水槽上
方より冷却水流路４１を経て貯水槽３３へ押出される。

従って、冷却水槽３０内には常に冷水が満されている。

なお、流は計２９により計測される高温スラリ流量に応
じて、コック３２により冷水の流量を調節して冷却器２
２の冷却能力を調節できる。

冷却されたスラリは、循環流路３９を経てスラリ導入路
１１へ送られる。第１図において、冷却スラリは導入路
１１を通り１回転・固定環１８及び１７に上方より注が
れる。高温スラリ及び摺動摩擦熱により高温に熱せられ
た再環シール部はこれにより冷却される。シールパック
メタル１０及びこれに固着されている回転環１８は、カ
ラ１４及びスプリングピン１５を介して回転軸１Ｂと共
に回転しているため。

シール部の冷却は万遍無く行われる。この冷却スラリは
、シール部のすべり密封面により外部に漏れることはな
い。冷却が終ったスラリは、第２図において、スラリ排
出孔１２よりボリュート２５に排出される。そして１羽
根車３Ｂによって再び回転が与えられ、吸込口３７より
の他のスラリと共に送液され、一部はスラリ取出孔２７
より取出されて、スラリ循環流路を再び循環する。

冷却水流路系において、冷却器２２のもつ位置エネルギ
により、冷却水は冷却水流路４２を経て、冷水孔５へ送
られる。第１図において、冷水孔５より導入された冷却
水は、大環状間隙１９内に充満し、更に連通間隙７を通
って空所１及び穴１４ａ内を満たす。メカニカルシール
の再環シール部にはこれら摺動摩擦面より常に摩擦熱が
発生すると共に、メカニカルシール全体が高温のスラリ
により加熱される。

間隙１９を満たす大量の、かつ循環する冷却水は、この
冷却水のメカニカルシール接触面よりこれを効率よく冷
却し、かつ再環シール部の摺動面より漏れ出たスラリを
速やかに洗い流す。この冷却廃水及び洗浄汚水は排水孔
６より抑流される。

空所１内に導入された冷却水はこの内に配されているス
プリング９を常時洗浄する。

更に、溝１０ｆはその形状によりシールバックメタル１
０の回転によって冷却水を撹拌し、この撹拌はシール部
より漏れ出た液を速やかに強力的に薄め、洗浄効果を向
上させる。また、この撹拌は空所１内に入り込んだ冷却
水を滞留させることなく常に流動状態にして洗浄効果を
向上させる。

排水孔６より押出された冷却廃水及び洗浄汚水は、第２
図において、冷却水流路２０より貯水槽３３に送られる
。必要に応じて、コック３４により冷却水の流量を調節
して、メカニカルシールにおける冷却水流量を調節し、
シール部における冷却能力及び洗浄能力を調節する。

（発明の効果） 以上述べた通り１本発明は固定部材と回転環支持部材と
で軸方向伸縮可能な空所を形成してこの空所内にバネ部
材をスラリから遮断して、かつ洗浄可能に配し１回転・
固定環と回転軸との間に大環状間隙を形成して冷却水が
再環シール部を循環できるようしにてこのシール部の冷
却及び洗浄を効果的に行うものである。

本構成により、バネ部材及び回転環の回転軸に対する固
若が防止され、メカニカルシールの最適な運転状態が長
期間確保され、その間液漏の防止を果すことができる。

例えば、従来、高温・高濃度スラリ嫌気性液を送液する
場合には、約１ケ月毎の定期分解掃除が必要であったが
１本構成により６力月に１回の分解掃除で良好な連続運
転が可能になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のメカニカルシールの拡大断
面図、第２図は本発明の高温スラリ用メカニカルシール
ポンプの構成を示す全体図、第３図は第１図Ａ−Ａ断面
図、を夫々示す。 １・・・空所、　　　　　７・・・間隙。 ９・・・スプリング。 ｌＯ・・・シールパックメタル。 １４・・・カラ、　　　　　　１５・・・スプリングピ
ン。 １６・・・回転軸、　　　　　１７・・・固定環２１８
・・・回転環、１９・・・大環状間隙出願人　　富士写
真フィルム株式会社 代理人　　弁理士　　加　藤　朝　道 （外１名） 第１図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 スラリ送液用ポンプの軸封に使用されるメカニカルシー
   ルと、該シールのスラリ密封側シール部側面を通過可能
   に該ポンプ内外をスラリが循環するスラリ循環流路と、
   該シール部の前記スラリ密封側側面とは反対側の側面を
   通過可能に該ポンプ内を冷却水が循環する冷却水循環流
   路と、該両流路内に設けられた冷却器とを有するスラリ
   送液用ポンプにおいて、 前記ポンプの回転軸周りに固定される固定部材と前記メ
   カニカルシールの回転環支持部材とで軸方向伸縮可能な
   空所を該回転軸外周に形成し、該空所内にバネ部材を配
   して前記回転環をメカニカルシールの固定環に対して押
   圧付勢し、 前記メカニカルシールは、回転、固定環と回転軸との間
   に前記冷却水循環流路内の冷却水が循環可能な大環状間
   隙を有すると共に、回転軸と前記回転環支持部材との間
   に該大環状間隙と前記空所とを連通する連通間隙を有し
   、 前記回転環支持部材の冷却水当接面に該冷却水を撹拌す
   る凹部を形成したことを特徴とする高温スラリ用メカニ
   カルシールポンプ。