JPH0123609B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水道配管における配管システムとその
配管システムに使用される圧力調整弁に関するも
のである。

一般に水道配管は本管から支管、支管から引込
み管と云うように分岐され、徐々に減圧されて各
家庭に給水されるように配管されている。それで
も地域的に低位置にあつて水圧が高くなる場合も
あるが、このような地域に対しては減圧弁を用い
て水圧を調節している。しかしながらこの減圧弁
の使用は単に水圧の低減を図るのみであり、その
使用位置も制限されていない。従つて、減圧弁等
の水圧低下を図るための手段は、その大きさ形状
により本管、支管又は引込み管、或は蛇口直前に
夫々設けられるようになつている。通常は支管か
らの引込み管の数が増えれば増える程水圧が低下
することは云うまでもないが、冬期と夏期の水量
によつても水道圧が異なり、年間を通じてその調
整をするために取付けられるものである。

このような水道配管にあつて、一本の支管から
分岐される引込み管の本数は限度があり、その限
度内の給水が可能な範囲において、支管が本管か
ら分岐され、その分岐された支管が一つの配管ブ
ロツクを形成するようになつている。

水道配管の漏水の多くは支管から引込管部分で
あつて、これらの漏水の発見が最も困難である。
各家庭への引込管で且つメータ以降に漏水がある
場合には、使用量が異常に増えるために、漏水の
発見は比較的早い。従つてメータと本管との間の
支管又は引込管の接続部分に漏水があつた場合に
は仲々その発見ができず、漏水が表出しない限り
長期に亘つて漏水し続け、多量の水を無駄にする
と共に、長期に亘る漏水で地中に空胴ができ、突
然陥没して交通事故を起すことが多い。いづれに
しても配管が地中にあるため漏水の発見は困難で
ある。

本発明はこのような実情に鑑みなされたもので
あつて、その主たる目的は漏水のチエツクができ
る水道配管システムを提供しようとするものであ
る。

本発明のもう一つの目的は漏水チエツクのため
に使用される圧力調整弁を提供しようとするもの
である。

以下本発明を図示の実施例により詳しく説明す
る。

まず、第１図において、１は本管であり、該本
管には適度の間隔をもつて消火栓２，３が取付け
られている。これらの消火栓２，３を夫々両側か
ら挾むようにしてバルブ４，５，６，７を配設す
ると共に、消火栓２，３間の所定位置から、つま
り一方の消火栓２を挾むようにして取付けたバル
ブ５と他方の消火栓３を挾むように近接して設け
たバルブ６との間から一つのブロツクを形成する
支管８が取り出されている。

この支管により給水される家屋９は図面におい
て12軒であり、夫々は引込管１０及びメータ１１
を介して給水されるようになつている。そして、
各引込管１０の各メータ１１の入口側に圧力調整
弁１２が設けられ、該圧力調整弁は大きな水圧が
掛ると閉るようになつており、メータに入る前の
段階で水道圧の調整がなされるのである。更に、
圧力調整弁は異常に大きな圧力が掛つた時には完
全に閉塞してしまう構成になつている。

この圧力調整弁の構成を第２図について説明す
ると、調整弁の胴部２１はその内部を仕切壁２２
により２室に分割し、該仕切壁の略々中間部分に
連通孔２３を設けてある。胴部２１の一方の端部
は支管８側、即ち一次側配管が接続される接続端
２４が設けられ、他方の端部にはメータ１１の入
口側、即ち二次側配管が接続される接続端２５が
一体に形成されており、これら両接続端が仕切壁
２２によつて分割されると同時に連通孔２３によ
つて連通している。

胴部２１には更に水圧室２６が二次配管側に設
けられ、該水圧室内にはコイルスプリング２７に
より上方に引き上げられるように付勢された弁体
２８が収納され、該弁体は頂部にフランジ部２９
を有し、断面Ｔ字状を呈すると共に軸芯部分に貫
通孔３０を設けてあり、弁体２８の下端にパツキ
ン３１を中空のビス材３２により保持させてあ
る。そしてパツキン３１が前記した連通孔２３の
弁座２３ａに当接し、完全に密封状態に保持でき
るように構成されている。

水圧室２６と弁体２８との係合は、２個のＯリ
ング３３，３４により水密状態に且つ弁体２８が
上下に摺動できるように構成され、水圧室２６の
頂部はキヤツプ３５がＯリング３６により気密状
態に取付けられている。

このように構成された圧力調整弁１２は一次側
から二次側に水が流れるのであるが、一次側圧
P₁は仕切壁２２に設けた連通孔２３により或る
程度減圧されて二次側圧P₂として流出される。
この場合一次側圧P₁は不定であるが、二次側圧
P₂は一定値以下に減圧される。つまり、連通孔
２３の存在によつてまず減圧されることは云うま
でもないが、それでも一次側圧P₁が一定値より
も高いと、その高い余剰水圧P₃が貫通孔３０を
介して水圧室２６内に入り、該水圧室２６の上部
空間２６ａに水圧が掛るために弁体２８がコイル
スプリング２７に抗して下際し、連通孔２３を狭
くするため二次側圧P₂が調整される。要するに
一次側圧P₁が高いと、その高い分だけ水圧室２
６内に作用し、弁体２８の比較的広い上面に余剰
圧P₃が作用するため、当然のこととして弁体２
８が下降し、連通孔２３を塞ぐようにするため、
二次側圧P₂が所定圧以上にはならないように調
整されるのである。尚、この調整圧はコイルスプ
リング２７の弾性力によつても異なる。

このような作用を有する圧力調整弁１２が取付
けられている本発明の配管システムにあつて漏水
チエツクするには、まず消火栓２の一方の弁４を
閉め他方の弁５を開にし、更に他の消火栓３にお
ける一方の弁６を閉にした状態で、消火栓２から
水道圧以上の比較的高い圧力を掛けると、この高
い圧力が支管８を介して圧力調整弁１２に掛り、
弁体２８の下降によつて連通孔２３が自動的に閉
塞されるため、前記した高い圧力をそのまま所定
時間維持して減圧状態をチエツクすれば消火栓２
から支管８及び引込管１０のメータ１１までの間
に漏水があるかどうかを知ることができる。つま
り、消火栓２，３及び弁４〜７を含み、支管８か
ら引込管１０までを１ブロツクにして配管し、こ
の１ブロツクの配管毎に水道圧以上の高い圧力を
加えその高い圧力によつて圧力調整弁を自動的に
閉塞させることで１ブロツク内の配管における漏
水がチエツクできるのである。

更に、この高い圧力を加えることによつて著し
く弱い部分が破裂する虞れはあるが、いづれこの
ような著しく弱い部分は近々損傷して漏水の原因
になるのであるから、高い圧力で破裂した部分も
検出して修理できるので漏水の予防にもなる。
尚、高い圧力と云つてもせいぜい通常の２〜３倍
程度で足り、正常配管が破裂するようなことはな
い。

以上説明したように本発明に係る水道配管シス
テムは１ブロツクの配管を特定し、メータの入口
側に圧力調整弁を取付けてあり、この圧力調整弁
が所定圧以上になると閉塞してしまう構成であつ
て、１ブロツク毎に高い圧力を印加することによ
り、今まで検出できなかつた本管からメータまで
の支管及び引込管等における漏水状況がチエツク
できると云う優れた効果を奏する。

又、このチエツクに当つて、各家庭で水道の使
用中であつてもなくてもメータ以前で圧力調整弁
が閉るので漏水のチエツク作業が何等制限される
ことなく極めて短時間で行えると云う優れた効果
を奏する。

更に、使用される圧力調整弁は、一次側の水圧
に基いて弁体が動作し、一次側の水圧が高い時に
閉る方向に作用するので、二次側の水圧を常に適
当な圧力に調整できると共に、異常に高い圧力の
時には閉塞するのでメータ及び吐出側での例えば
フロート弁等を破損することがなく、確実な動作
と二次側配管の補償をする等の種々の優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る配管システムの一部を示
す略図、第２図は同配管システムに使用される圧
力調整弁の断面図である。 １……本管、２，３……消火栓、４，５，６，
７……バルブ、８……支管、９……家屋、１０…
…引込管、１１……メータ、１２……圧力調整
弁、２１……胴部、２２……仕切壁、２３……連
通孔、２３ａ……弁座、２４……一次側配管の接
続端、２５……二次側配管の接続端、２６……水
圧室、２７……コイルスプリング、２８……弁
体、２９……フランジ部、３０……貫通孔、３１
……パツキン、３２……中空のビス材、３３，３
４，３６……Ｏリング、３５……キヤツプ、P₁
……一次側圧、P₂……二次側圧、P₃……余剰圧。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 適宜の間隔をもつて配設された消火栓の両側
   にバルブを介在させ、各消火栓間の所定位置から
   支管を取り出して所定数の家庭に給水するワンブ
   ロツクの配管とし、これら支管から各家庭への引
   込管にメータが取付けられ、該メータの入口側に
   夫々水圧によつて閉る方向に作用する圧力調整弁
   を取付けたことを特徴とする水道配管システム。 ２ 一次配管の接続端と二次配管の接続端とを有
   する胴部内を仕切壁で分割し、該仕切壁に連通孔
   を設け、該連通孔の周縁で二次配管側に弁座を設
   けると共に連通孔に対面させて二次配管側に水圧
   室を一体的に形成し、該水圧室に断面Ｔ字状を呈
   し中心部に貫通孔を有する弁体を上下動可能に収
   納し、該弁体の下端に前記弁座に当接するパツキ
   ンを有し弁体が常時上方へ押し上げられるように
   バネにより付勢されていることを特徴とする圧力
   調整弁。