JPH0120711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は腕時計の飾りねじ固定構造に関する。

第１図は従来の腕時計の飾りねじ固定構造の概
略を示す。ケース１には、上部内周にガラス２が
固定され、上部外周にベゼル３が固定されてい
る。またベゼル３にはデザイン効果をもたせるた
めにベゼル３に設けられた複数個の穴３ａに飾り
ねじ４がそれぞれ圧入固定されている。

ところで、前記ベゼル３は、第２図に示すよう
に黄銅、洋白等よりなる母材３ｂに金、ロジユー
ム、ニツケル等のメツキ３ｃが施されているの
で、飾りねじ４の圧入によつてベゼル３の上面の
メツキ３ｃ部にしわが発生し、外観不良の原因と
なり、商品価値を低下させる。また圧入によつて
メツキ３ｃにクラツクが生じ、この部分より腐蝕
するという欠点があつた。

本考案は上記従来技術の欠点を除去した腕時計
の飾りねじ固定構造を提供することを目的とす
る。

以下、本考案を図示の実施例により説明する。

第３図は本考案の一実施例を示す。なお、第２
図と同じまたは相当部材には同一符号を付しその
説明を省略する。飾りねじ４には、圧入側の縁部
にテーパ４ａが設けられ、また圧入側の端面に十
字形状の応力逃し用溝４ｂが設けられており、こ
の応力逃し用溝４ｂに対応した外周は前記穴３ａ
に弾接する弾接部４ｃとなつている。また飾りね
じ４には、上部に前記穴３ａの内径より径小な飾
り部４ｄが形成され、また前記弾接部４ｃと前記
飾り部４ｄの間には、前記穴３ａの中間部に圧入
される中央圧入部４ｅと、前記飾り部４ｄと中央
圧入部４ｅとを連接するテーパ４ｆとが形成され
ている。

このように、飾りねじ４には応力逃し用溝４ｂ
が設けられているので、飾りねじ４をベゼル３の
穴３ａに圧入する時に生じる応力は飾りねじ４に
よつて吸収される。このため、圧入時にベゼル３
に加わる応力は緩和され、ベゼル３の上面にしわ
が生じることがなく、またメツキ３ｃにクラツク
が生じることも防止される。また穴３ａに係合す
る部分は、穴３ａの角部３ｄに弾接する弾接部４
ｃと穴３ａの中間部に圧入される中央圧入部４ｅ
とより、穴に施されたメツキ層のバラツキを吸収
し飾りねじ４の固定を安定させる。また端面側に
弾接部４ｃを有し、ベゼル３の角部３ｄを避けた
圧入であるので、一般に、メツキ層が厚くなる穴
３ａの角部のメツキ３ｃにクラツクが発生しにく
い。

第４図は本考案の他の実施例を示す。本実施例
は穴状の応力逃し用穴４ｇを設けてなる。このよ
うに形成しても前記実施例と同様の効果が得られ
る。

以上の説明から明らかな如く、本考案によれ
ば、表面にメツキを施された穴に、該穴に径小の
飾り部と弾接部と中央圧入部を有する飾りねじを
前記穴の角部と中間部に夫々係合させたので、ベ
ゼル上面のしわ及びメツキ層にクラツクが生じる
のが防止され、しかも、飾りねじがベゼルの穴に
安定的に固定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の腕時計の飾りねじ固定構造の概
略を示し、ａは正面図、ｂは断面図、第２図は第
１図の要部拡大断面図、第３図は本考案の一実施
例を示す要部拡大断面図、第４図は本考案の他の
実施例を示す要部拡大断面図である。 ３……ベゼル、３ａ……穴、３ｂ……母材、３
ｃ……メツキ、４……飾りねじ、４ｂ……応力逃
し用溝、４ｃ……弾接部、４ｄ……飾り部、４ｅ
……中央圧入部、４ｇ……応力逃し用穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穴を有し、その表面にメツキが施されたベゼル
   の前記穴に、飾りねじを圧入固定してなる腕時計
   の飾りねじ固定構造において、前記飾りねじは、
   上部に前記穴の内径より径小に形成した飾り部
   と、下部端面に応力逃し用溝又は応力逃し用穴が
   形成されかつ前記穴の角部に弾接する弾接部と、
   前記飾り部と前記弾接部の間に形成され、前記穴
   の中間部に圧入される中央圧入部とからなること
   を特徴とする腕時計の飾りねじ固定構造。