JPH0119634B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は同軸コネクタ組立体に関する。

従来技術及び発明が解決しようとする問題点 米国特許第3745514号で知られる同軸コネクタ
組立体は、相手方同軸コネクタ組立体と結合接続
されるときに半径方向に拡がる導電性の分割スリ
ーブを含み、相手方コネクタ組立体に付属する環
状リングがこの分割スリーブを取囲んでその半径
方向拡大を制限する。

本発明は各々が逆方向に折曲げられてＵ形を呈
するばねフインガ（複数）を持つ筒状単体のばね
エレメントを使用する。そのＵ形フインガは第一
及び第二の両同軸コネクタ組立体間の同心空間内
に偏平に圧縮される。このばねエレメントは本来
その変形におのずから限度があり、このことによ
り従来の組立体よりも少数の部品で結合機能を達
成する組立体を成立させる。

米国特許第3678447号で知られる同軸コネクタ
組立体は、導電性中心接触子を支持するための誘
電体プラグとこのプラグ内に締り嵌め係合する前
記接触子の突出するスカート部とを含み、そのプ
ラグは固体構成であつて中心接触子スカート部と
の力嵌め組立てを容易にするばね性が限られてい
る。また同軸ケーブルの導体と同軸コネクタ構成
部品との接続によつて生じるインピーダンス不整
合はプラグを取囲む空気空間によつて補償され
る。

本発明においては、同軸コネクタの誘電体プラ
グが互いに同心となるよう配置された２つの円筒
体すなわちスリーブを含み、両スリーブ間に同心
の空隙すなわち空気空間を設けインピーダンス不
整合を補償する複合誘電部を構成している。両ス
リーブは空気空間側に弾性変形可能であるように
薄肉に構成し、外側スリーブのコネクタ外殻への
挿入組立ておよび中心接触子の内側スリーブへの
挿入組立てを容易にする。両スリーブの弾性（可
橈性）は組立部品に損傷のない組立てを可能にす
る。

問題点を解決するための手段 本発明の電気的同軸コネクタ組立体は、前端部
分と、これに一体に連なる内側および外側同心ス
リーブと、前記前端部分および内側スリーブを軸
線方向に貫通し中心接触子を受入れる貫通軸穴
と、両スリーブ間の空気空間誘電部とを含む誘電
体プラグを有し、両スリーブはそれぞれ同軸コネ
クタ組立構造における導電性外殻および導電性中
心接触子と嵌合組立て時に空気空間側に弾性変形
可能となるように構成してある。この同軸コネク
タ組立体はさらに外殻内に中空筒状ばねエレメン
トを含みこのエレメント内にプラグが挿入され
る。このプラグの軸線方向に貫通する貫通軸穴に
は導電性中心接触子が挿入されケーブルの中心導
体と接続する。前記ばねエレメントは弾力性を持
つばねフインガ（複数）を有し、フインガを構成
する突出部はそれぞれ折返されて内側および外側
ばね片を構成して結合端の外殻内周面上に配列さ
れる。この外殻に相手方同軸コネクタ組立体が挿
入された時にばねフインガは相手方コネクタの結
合先端部分を囲んでこれと弾力的に係合すると共
に外殻の内周面に弾力的に圧接する。また外殻は
ばねフインガ（複数）にかぶさるように半径方向
内向きに突出する内巻きリツプを含む。

よつて本発明の目的とするところは、構成部品
が比較的少数な同軸コネクタ組立体を供するにあ
る。

本発明の一目的は、経済的に生産される型打ち
成形された接触片および絞り加工による本体部材
を含む同軸コネクタ組立体を供するにある。

本発明の他の一目的は、組立てに便利であり改
良されたばね保持手段並びに該ばね保持手段を保
護する手段を含む同軸コネクタ組立体を供するに
ある。

本発明のさらに他の目的は、経済的且つ容易に
生産され組立ての容易な同軸コネクタ組立体を供
するにある。

本発明の他の一目的は、同軸コネクタ組立体の
他の構成部品との弾力的プレス挿入・嵌合組立て
を容易ならしめる手段を持つ誘電体プラグを含む
同軸コネクタ組立体を供するにある。

本発明の他の一目的は、ケーブルの終端構成に
よつて生じるインピーダンス不整合のインピーダ
ンス補償を行う複合誘電体プラグを含む同軸コネ
クタ組立体を供するにある。

本発明の他の目的は、接触子をプラグ内で容易
に弾性保持する改良された手段を持つ誘電体プラ
グを含む同軸コネクタ組立体を供するにある。

本発明のもう一つの目的はコネクタ外殻へのプ
ラグ自体のプレス挿入組立てと接触部材のプラグ
へのプレス挿入組立てとを容易ならしめる誘電体
プラグ並びにケーブルの外殻および接触子との終
端構成によつて生じるインピーダンス不整合の補
償手段を含む同軸コネクタ組立体供するにある。

以下、本発明の実施例を示す図面について本発
明を説明し上記その他の目的および利点を明らか
にする。

実施例 第１図に示す実施例は、貫通軸穴３を有する中
空筒状の導電性ばねエレメント２、貫通軸穴５を
有する誘電体プラグ４と、貫通軸穴７を有する導
電性外殻６と、導電性中心接触子８と、導電性の
圧着フエルール１０とを含む同軸コネクタ組立体
の構成部品を包含する。同軸伝送ケーブルは誘電
体層１４に取囲まれた中心導体１２と、誘電体層
１４を取囲む外部導電性シールド１６と、外部絶
縁外被１７とを含む。筒状のばねエレメント２は
比較的小径の後部円筒部分１８と、該部分１８に
肩部１９で一体に連なる比較的大径の前部円筒部
分２０とを含む。複数個の円周方向に間隔をおい
て形成されるばねフインガ２２は円筒部分２０と
一体であつて該部分から前方に突出している。各
ばねフインガ２２は円筒部分２０に一体に面なる
内側ばね片２４を構成しさらに逆方向に湾曲して
Ｕ形端とし、外側ばね片２６を形成している。内
側ばね片２４には半径方向に突出する係止隆起２
８が設けられている。これらのばねフインガ２は
工業的に周知の方法で型打ち成形されたものであ
る。

誘電体プラグ４は単体構成であつて、後方に位
置する同軸状の外側円筒スリーブ３２および内側
円筒スリーブ３４と連なる前部円筒スリーブ３０
を含む。同軸状スリーブ３２，３４は、第４図に
明示するように、空気空間誘電部３３によつて半
径方向に同軸的空間によつて相隔てられている。
内側円筒スリーブ３４にはまた貫通軸穴５に半径
方向内向きに突出する環状の係止突条３５が設け
られている。また、第１図に示すように、誘電体
プラグ４は後端に環状の半径方向外方に突出した
フランジ３６を有する。

外殻６は絞り加工された金属の単体構成であ
り、比較的大径の前部フード３８が肩部４４を介
して中間円筒部分４０および比較的小径の後部４
２に連なる。フード３８の前端には半径方向内向
きに突出する内巻きリツプ６６が設けられてい
る。

第１図において、中心接触子８は電気栓受け型
であり軸穴９を持つ後部圧着筒４６と環状保持溝
４８が設けられた中間部分と前方に延びた雌ピン
型の栓受け部分５０とを含む。圧着フエルール１
０は後端に圧着筒５２を有し前端に外向きの環状
フランジ５４を有する。

誘電体プラグ４は、ばねエレメント２内にプレ
ス挿入され、そのフランジ３６はばねエレメント
２の後部円筒部分１８の後端から突出するように
する。空気空間３３は外側スリーブ３２を薄肉に
形成することを可能にし、これに弾性（可橈性）
を持たせると共に、スリーブ３２がばねエレメン
トにプレス挿入されるときにスリーブ３２が空気
空間側に弾性変形を起こしうるようにしている。

第４図に示すように、ばねエレメント２の肩部
１９は外殻６の肩部４４に当接し、各ばねフイン
ガ２２の外側バネ２６がフード３８の内周面に接
触する。

ばねエレメント２と誘電体プラグ４は外殻６内
にその前端（第１図の右端）から挿入される。ば
ねエレメントはフード３８の前端にプレス挿入さ
れる。その後は半径方向内向きに突出する内巻き
リツプ６６がばねエレメント２のＵ形フインガ部
分にかぶさつてばねエレメントを外殻６内に保持
する。

第１、第２両図に示すように、同軸ケーブルは
圧着フエルール１０に通され、最先端の露出導体
１２に続いて露出誘電体層１４と外部導電シール
ド１６の前端露出部分が続く。中心導体１２は接
触子８の圧着筒４６の軸穴９に挿入され通常の方
法によつて圧着接続される。

第２、第４両図に見るように、中心接触子８は
誘電体プラグの軸穴５に挿入され、突条３５が接
触子の溝４８に弾性的に嵌合することによつて接
触子８をその位置に保持する。この際接触子８が
内側スリーブ３４を空間３３側に弾性変形させ
る。この空気空間３３を設けることで内側スリー
ブ３４を構成して弾性をもたせる。これによつて
得られるばね特性でスリーブ３４は中心接触子を
一定位置に保持する。また、空気空間３３は空気
誘電部として機能し固体構成の誘電体スリーブ３
２，３４と協働し同軸ケーブルとコネクタ組立体
の外殻６および接触子８との複数個の接続に起因
するインピーダンス不整合を補償する。

次に第３図を参照して、外殻６の後端部分４２
は同軸ケーブルの外部導電シールド１６の下（内
側）に挿入され、圧着フエルール１０は前方に移
動されて導電シールドの露出部分を外殻部分４２
の周りに押さえ込む。圧着筒５２は常法により周
囲を圧着する。

上記の同軸コネクタ組立体は相手方同軸コネク
タ組立体５６と結合するが、後者は雄ピン型の中
心接触子５８と導電性外殻６０と、外殻６０を中
心接触子５８から電気的に絶縁する誘電体６２と
を含み、導電性外殻６０には組立体５６の前端か
ら所定距離後方に下がつた位置に環状の保持溝６
４が設けられている。

第４図で示す別々に離れた結合前の組立体が第
５図では互いに結合した状態で示されている。ば
ねフインガ２２の係止隆起２８は外殻６０の前端
を乗越えて保持溝６４に弾性的に係合する。外殻
６０の前端はフード３８の内端付近に位置する。
内巻きリツプ６６は内側ばね片２４の中心に外殻
６０を案内する導入口となり、ばねフインガ２２
の端に外殻６０が衝突するのを防ぐ。またリツプ
６６は外殻６０に接触するストツパとなつて結合
時あるいは結合後の組立体５６が側方に動かされ
る限度を規定する。このように、内巻きリツプ６
６はばねフインガ２２に組立体５６が衝突するの
を防ぎ、組立体５６によつてばねフインガ２２が
過度に変形することがないようにしている。

以上の説明は本発明をもつぱらその精神および
範囲内において例示したものである。第６図に示
す別の一対の同軸コネクタ組立体は上述の組立体
に類似しているが、リツプ６６を有せず組立体結
合時にばねフインガが部分２４が保護されない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による同軸コネクタ組立体の分
解斜視図、第２図は第１図に示された部品の一部
を組立てた状態の分解斜視図、第３図は第１、第
２両図の同軸コネクタ組立体の全部品を組立てた
状態を一部切欠いて示す斜視図、第４図は第３図
に示す組立体の前端部分だけを相手方同軸コネク
タ組立体の前端部分と共に示す縦断立面図、第５
図は第４図の別々の組立体を互いに結合させた状
態を示す、第４図と同様の断面図、第６図は本発
明の特徴を具えない一対の同軸コネクタ組立体が
結合を妨げる状態を示す一部縦断立面図である。 ２，３……導電性ばねエレメントとその貫通軸
穴、４，５……誘電体とその貫通軸軸穴、６，７
……導電性外殻とその貫通軸穴、８……中心接触
子、１０……導電性圧着フエルール、１２，１
４，１６，１７……同軸ケーブルの中心導体誘電
体層、外部導電シールドおよび絶縁外被、２２…
…ばねフインガ、３２，３４……誘電体部材４の
外側および内側ばね性スリーブ、３３……スリー
ブ間の空気空間誘電部、３５……半径方向内向き
に突出する突状、３６……内側ばね性スリーブの
拡大端部、４８……環状保持溝（凹み）、５６…
…相手方同軸コネクタ組立体、６６……外殻６の
内巻きリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気的同軸ケーブルの外部導体１６に一端で
   接続し他端で相手方同軸コネクタ組立体５６に結
   合接続される導電性外殻６と、前記ケーブルの中
   心導体１２に接続される導電性中心接触子８と、
   前記外殻６に挿入接続される中空筒状の導電性ば
   ねエレメント２と、空気空間誘電部３３を包含し
   前記ばねエレメント２にプレス挿入組立てされる
   単体の誘電体プラグ４とを含み、前記中心接触子
   ８が前記誘電体プラグ４にプレス挿入される同軸
   コネクタ組立体において、前記ばねエレメント２
   が折返し部分を有して前記外殻６の前記他端にお
   ける内周面上に配列されるばねフインガ２２を含
   み、前記外殻６が前記ばねフインガ２２の前記折
   返し部分の少なくとも一部にかぶさるように該外
   殻６の半径方向内向きに突出するリツプ６６を有
   することを特徴とする電気的同軸コネクタ組立
   体。 ２ 前記プラグ４が、前記外殻６にプレス挿入さ
   れる固体誘電体の外側弾性スリーブ３２と、前記
   中心接触子８がプレス挿入される固体誘電体の内
   側弾性スリーブ３４とを含み、前記空気空間誘電
   部３３が前記両スリーブ３２，３４間に同軸的に
   介在することを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項に記載の同軸コネクタ組立体。 ３ 前記外殻６の前記他端が半径方向内向きに突
   出するリツプ６６を含むことを特徴とする、特許
   請求の範囲第１項または第２項に記載の同軸コネ
   クタ組立体。 ４ 前記誘電体プラグ４が、前記ばねエレメント
   ２にプレス挿入されたとき、前記ばねエレメント
   から突出する周径拡大端部３６を有することを特
   徴とする、特許請求の範囲第１項または第２項に
   記載の同軸コネクタ組立体。 ５ 前記中心接触子８が外周に環状凹み４８を有
   し、前記内側ばね性スリーブ３４が前記中心接触
   子８の前記環状凹み４８に整合しうる半径方向内
   向きに突出する突条３５を有することを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   同軸コネクタ組立体。