JPH0118158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はミシンのボビンケースに関する。

従来、下糸張力の調節を容易にするためボビン
ケース外面に下糸押圧バネによるバネ効果の異な
る二つの下糸引出し用孔を設け、この下糸引出し
孔を二者択一的に選択することによつて二つの異
なる下糸張力を得るようにしたボビンケースが知
られている。

しかしながら、これらの二つの下糸引出し孔は
それぞれボビンケース外面から出る下糸出口がボ
ビンケースのボビン支持軸との平行直線に沿つて
配置されておらずボビンケースの外周方向に沿つ
て配置されている。

下糸出口から出た下糸は接線方向に引張られて
一つの針板の糸孔へ案内されるのがよいわけであ
るが、前述のように下糸出口が配置されていると
一方の下糸出口から出た下糸は接線方向には引張
られず、ボビンケース外周面との接触部分が多く
なり、このため下糸にかかる張力は、下糸押圧バ
ネだけでなくボビンケース外周面との摩擦が加わ
るという欠点があつた。

この考案はこのような欠点を解消することので
きるボビンケースを提供するにある。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図において、１は中釜（図示せず）の支持
軸（図示せず）に支持したボビンケースで、ボビ
ンケース１の外周面には一つの下糸案内孔２から
分岐した第１下糸案内長孔３と第２下糸案内長孔
４が設けてあり、それらの閉端部３ａ，４ａを前
記支持軸に平行な直線に沿つて配置してある。

５は前記閉端部３ａ，４ａを覆う板バネで、ボ
ルト６によりボビンケース１に取付けてある。こ
の板バネ５にはその中央に段部５ａが形成され、
閉端部３ａを覆う部分の板バネ５Ａは閉端部３ａ
を押圧し、閉端部４ａを覆う部分の板バネ５Ｂは
閉端部４ａと下糸の径よりも少ない間隙Ｓ第２図
参照を有している。そしてこの間隙Ｓにより第２
下糸案内長孔４における下糸には第１下糸案内長
孔３における下糸の張力よりも弱い張力が板バネ
５によつて付与され下糸の張力を布あるいは糸の
種類によつて二者択一的に変更できるようになつ
ている。

この実施例に係るボビンケースを使用するにあ
つては上糸の張力に応じて下糸の張力を弱くした
い場合には第２下糸案内長孔４に下糸を案内すれ
ば板ばね５と第２下糸案内長孔４間に形成した間
隙Ｓによつて下糸にかかる板ばね５の押圧力が弱
くなりこのため下糸張力も弱くなる。

また下糸の張力を強くしたい場合には第１下糸
案内長孔３に下糸を導入すれば板ばね５との間に
はすき間がないので板ばね５押圧力が強くなり第
２下糸案内長孔４に比べて下糸張力を強くでき
る。

尚、第３図、第４図はこの考案の他の実施例を
示すものである。この実施例では前記実施例で述
べた段差のある板ばね５の代りに段差のない平板
状の板ばね５を用いている。そして第２案内長孔
４と板ばね５との間に間隙Ｓを形成するために第
２案内長孔４の閉端部４ａ先端に深さを前記間隙
Ｓの深さとした溝部７を形成したものであり、前
記実施例同様の作用・効果を奏する。

また、第１図、第２図で示した一枚の板ばね５
に代えて第１、第２案内長孔３，４を覆い且つ押
圧するばね常数の異なる別々の板ばねを取付けて
もよい。

以上述べたようにこの考案によれば縫製条件の
変化に応じて二つの下糸張力を選択できるので、
美麗な縫目を形成することができる。

また、第１下糸案内長孔と第２下糸案内長孔の
夫々の端部はボビスケースの支持軸に平行な直線
に沿つて配置してあるので、安定した下糸張力が
得られるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の正面図、第２図
は第１図の−線要部断面図、第３図は他の実
施例の正面図、第４図は第３図−線要部断面
図。 １……ボビンケース、３……第１下糸案内長
孔、４……第２下糸案内長孔、５……バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外周面において内部に支持したボビンから外周
   面へ下糸を引き出すように開口した長孔と、その
   下糸を外周面との間に挾む弾性を有し長孔を含む
   外周面に沿つて固定したばね５を設けたボビンケ
   ース１において、 第１，２の下糸案内長孔３，４をボビン支持軸
   と平行する一平行線上で互いに離隔して設け、両
   長孔付近の外周面とばねとをして両者の間隙に差
   を設けるように構成したことを特徴とするボビン
   ケース。