JPH0116031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスラグ流動長測定用溶融スラグチヤー
ジ装置に関し、例えば金属酸化物および弗化物等
から成る連続鋳造用添加剤として用いられるスラ
グの流動長を測定する場合に最適なチヤージ装置
に係る。 連続鋳造用添加剤として用いるスラグの流動長
を測定する器具としては、例えば特公昭48−
25865号公報の第２図に示すものが見受けられる。
実際の流動長の測定は、ルツボに固形スラグを入
れ、これを電気炉等の高温雰囲気中で溶解せし
め、しかる後溶解スラグを流動長測定器に流し込
む方法が採られていた。 しかし、スラグの溶解と流動長測定器とが分離
した構成の従来方式では、スラグの流動長を実用
的且つ精度よく測定することは、非常に難しく、
又再現性の乏しい測定方法であるとされていた。 即ち、従来方法の欠陥は、溶解装置と流動長
測定器とが離れている事に起因して温度降下巾の
変動すること、ルツボから測定器にスラグをチ
ヤージする際、ルツボ高さが一定せず、スラグ排
出速度が変動すること、等が挙げられる。 そこで、特に測定の精度を高めようとする場
合、スラグ溶解法の画一化とスラグを流動長測定
器にチヤージする際のスラグ流を定常化する必要
があることが、種々の実験により判明した。又、
スラグの流動長測定操作の迅速化を図り、例えば
スラグ物性の判定方法として、生産ラインの検査
用等に実用化する場合、従来の測定方法の中で最
も大きな時間率を占めるスラグの溶解時間を短縮
する必要が生じる。 本考案は、上記した点に鑑み、スラグ溶解温度
を降下させることなくスラグの溶解と排出を可能
とし、スラグ溶解時間の短縮化を図り、併せてス
ラグ流動長の精度高い連続測定を可能とすること
を目的とする。この目的を達成するための本考案
のスラグチヤージ装置は、スラグ流動長測定器を
直接組込み可能にしたものであつて、スラグ溶解
室と、この上部に分離可能に装着されるスラグ装
入・ストツパ部とから構成される。 以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。 第１図は本考案のチヤージ装置の一例を示す断
面図であり、断熱レンガ３−２にて形成される炉
体３は支柱等に保持されるが、該炉体３の中央部
には適宜の空所が設けられ、この空所内にはスラ
グを溶解するための溶解部２が設置される。該ス
ラグ溶解部２は耐火材にて壁面をつくり内部に溶
解室２−１および該溶解室２−１の底面に連通す
るノズル部２−２を有している。また該溶解部２
の周囲には電気的手段等による発熱体３−１が配
置され、加熱し得るようになつている。 さらに、前記スラグ溶解部２の上部には、炉体
３に嵌合する如くスラグ装入・ストツパ部（以下
スラグ装入部とする）１が設置される。該スラグ
装入部１はその下端に一体的に棒状ストツパ１−
４を有しており、該ストツパ１−４は前記溶解部
２のノズル部２−２を閉塞可能にしている。また
スラグ装入部１の内部には溶解前の固形スラグ基
材を収容するスラグチヤージ室１−２が形成さ
れ、その上部はスラグ投入のため脱着自在にした
蓋１−１が設けられ、他方チヤージ室１−２の底
部には該チヤージ室１−２と前記溶解室２−１間
を連通させるチヤージ孔１−３が設けられる。該
チヤージ孔１−３は第２図および第３図に示す如
く、上部は１個で始まり最終的にはスラグを溶解
室２−１内にほぼ均等に装入するように三個に分
岐した形状にしている。 前記溶解部２のノズル部２−２の鉛直線下に
は、固定治具（ストツパ等）４−３によつて位置
決めされたスラグ流動長測定器４が配置されてい
る。該測定器４はノズル部２−２に対向する漏斗
部４−１およびランナー部４−２を有している。
第４図はこの測定器４を上方から見た図である。 なお、５は溶解室２−１内の溶融スラグ温度を
測定するための熱電対で、例えば蓋５に取付けて
溶解室２−１まで貫装している。 上記の装置を使用する場合には、まず一定量の
固形スラグをチヤージ室１−２内に装入して蓋１
−１を締める。装入されたスラグはチヤージ孔１
−３を通つて溶解室２−１へ落下されるが、次い
で溶解室２−１周囲の発熱体３−１を作用させて
固形スラグを溶解させる。所望温度の溶融スラグ
になつたことを熱電対５で確認してから、スラグ
装入部１全体を上昇させてストツパ１−４を持ち
上げ、ノズル部２−２を開口する。ノズル部２−
２を通つた溶融スラグは下方のスラグ流動長測定
器４によつて流動長が測定される。 ノズルと同一構造体としたスラグ溶解室は黒鉛
の単一構造体として構成される。ノズルは、流出
口径に対し少くとも４倍長以上の長さを与えてス
ラグ流出流を棒状流とし、1300℃３ポイズのスラ
グ100grに対し、流出口径10mmφを与えた場合、
３秒の流出時間で、棒状流を得る。この場合、流
動長測定器は所定部位に対する出入れが可能な限
りにおいて、可及的にノズル部流出口に近ずける
事により、ノズルからのスラグ流出流の流動長測
定器漏斗部の所定位置に対する狙いを正確にする
のが望ましい。この様にして求められるノズル流
出端と流動長測定器上端間距離は、200mm以下と
すべきである。 又、本装置で使用されるストツパーは、溶解ス
ラグと接触するストツパ部ならびにスラグ溶解室
との接合部は黒鉛構造とするが、頭部については
他の部材の適用も可能である。 次に本考案になる装置を用い、従来法と比較し
た実施例を示す。 固形スラグ100grを秤量し、1300℃で溶体化せ
しめ、流動長測定器により流動長を測定した。試
行回数は各10回である。下記表に示す如く、本考
案によつて測定時間の短縮ならびに測定精度の向
上が図られ、スラグの高温物性の把握に大きく貢
献する。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は第１図Ａ−Ａ断面図、第３図は第１図Ｂ−Ｂ
断面図、第４図は第１図Ｃ−Ｃ断面図である。 １……スラグ装入部、１−１……蓋、１−２…
…スラグチヤージ室、１−３……チヤージ孔、１
−４……ストツパ、２……スラグ溶解部、２−１
……溶解室、２−２……ノズル部、３……炉体、
３−１……発熱体、３−２……レンガ、４……流
動長測定器、４−１……漏斗部、４−２……ラン
ナー、４−３……固定治具、５……熱電対。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方に配置したスラグ流動長測定器４に一致す
   る底部位置に開口を形成した炉体３と、該炉体３
   内の中央部に、前記炉体開口と連絡するノズル部
   ２−２を下端に有し周囲に発熱体３−１を配置し
   た溶解室２−１を設けてなるスラグ溶解部２と、
   該溶解部２の上方に脱着可能に設置されかつ下端
   に前記ノズル部２−２を開閉するストツパ１−４
   を一体的に有すると共に内部に前記溶解室２−１
   と連通しスラグ基材を装入するスラグチヤージ室
   １−２を形成したスラグ装入部１とから構成して
   なるスラグ流動長測定用溶融スラグチヤージ装
   置。