JPH01155967A - 塗装前処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は部品の塗装に際して行われる前処理方法に関し
、特に配電盤や制御盤ないしこれらの周辺部品に電着塗
装を実施する際の前処理方法に関する。

（従来の技術） 配電盤や制御盤ないしこれらの周辺部品に電着塗装を行
う場合は、他の一般的な塗装とは異なり比較的厳格な表
面調整が必要である。たとえば、従来の電着塗装ならび
にその前処理は種々の繁雑な工程を含むものであり、通
常の部品の場合、具体的には、部品表面の脱脂（約１５
分）→水洗（約０．５分）→表面調整（約１分）→化成
波膜形成（約３分）→水洗（約０．５分）呻純水による
水洗（約０．５分）→電着塗装工程、の順に行われてい
る。そして、これらの各工程は、各々別個の処理槽内で
行う必要があり、しかも前処理のための処理時間に少な
くとも２０〜３０分程度を要していた。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したように、従来の塗装前処理工程においては、前
処理に要する時間が長く、生産性に劣り、繁雑な工程を
余儀なくされるものであった。しかも、処理槽の数も多
く必要とし、そのため前処理のために広い作業スペース
を確保する必要があった。

本発明はこのような従来技術に伴う問題点に鑑みてなさ
れたものであり、工程の簡略化、処理時間の短縮ならび
に作業スペースの削減を図ることができ、形成される塗
膜性能にもすぐれた塗装前処理方法を提供することを目
的としている。

〔発明の概要〕

（問題点を解決するための手段および作用）発明の概要 本発明の塗装前処理方法は、部品の表面に塗装を行うに
先立って、該部品表面の塗装部分を、塩化メチレンを含
有する非水系組成物溶液で処理することを特徴としてい
る。

発明の詳細な説明 本発明の前処理工程を具体的に説明すると以下の通りで
ある。

本発明の処理対象となる部品は、主として、配電盤や制
御盤ないしこれらの周辺部品などの電着塗装を行う部品
であるが、本発明においてはこれらに限定されるもので
はなく、その他の部品、部材に対しても適用可能である
。

本発明の前処理工程は、特定の非水系組成物溶液で部品
表面を処理することによって部品表面に化成被膜を形成
させる工程を含むものである。

第２図に示す断面図は、本発明の前処理工程で用いる処
理槽であり、この処理槽は、槽２０内に、本発明で用い
る非水系組成物の液相ゾーン２１と蒸気ゾーン２２が設
けられ、蒸気ゾーン２２の上部には、蒸気を冷却するた
めの冷却コイル２３が設けられている。また、冷却コイ
ル２３の上部には空間（フリーボード）２４が設けられ
、この空間において被処理物のスプレー洗浄などを行う
ことができ、この場合は、液相ゾーン２１から上部空間
２４へ向けてスプレーノズル２５が形成されている。

以下、この処理装置を用いた本発明の処理方法について
説明する。

（１）脱脂 まず、第１図（ａ）に示すように、被塗装物である部品
１の表面には通常、油分などの不純物が付着している。

したがって、まず、部品を、第２図における、アルコー
ル／メチレンクロライドの共沸蒸気ゾーン２２において
蒸気洗浄することによって部品表面を脱脂して、第１図
（ｂ）に示すような清浄表面を得る。このような脱脂処
理は、１５〜３０秒程度で充分である。また、この場合
の共沸蒸気温度は３８〜４０℃程度マあるので、比較的
低温度で処理が可能であり、処理装置にかける熱的な負
担は少ない。

（２）溶液処理 次いで、塩化メチレンを含有する非水系組成物溶液で部
品表面を処理する。この処理は、たとえば、塩化メチレ
ン、アルコール、リン酸を含有する溶液を沸騰させたも
の、すなわち、第２図の液相ゾーン２１に部品を浸漬す
ることによって行われ得る。３０〜２００秒程度浸漬す
ることによって第１図（ｃ）に示すように、部品表面に
化成被膜２が形成される。

（３）洗浄 次に、上記のようにして化成被膜が形成された部品を前
記脱脂工程における共沸蒸気ゾーン２２に戻して、さら
にスプレーノズル２５で、塩化メチレン、アルコール、
リン酸を含有する溶液をかけて洗浄する。このような洗
浄処理に要する時間は、１５〜３０程度である。

上記のような処理ののち、ただちに常法に従って電着塗
装を実施し、塗膜３を形成する（第１図（ｄ））。

このように、本発明の塗装前処理工程においては、第２
図に示すように、単一の処理槽で前処理が可能になるの
で、極めて効率的にしかも迅速に前処理を行うことがで
きるので、生産性の向上を図ることができる。

（実施例） 配線盤、制御盤および周辺部品に、エポキシ樹脂系カチ
オン電着塗装を実施するにあたり、塩化メチレン含有り
ん酸塩化組成物液を用いて、前処理工程の脱脂から化成
被膜形成までを第２図に示すような一つの槽内で行ない
ただちに電着塗装を実施した。塩化メチレン含ａりん酸
塩化組成物液の組成（重量％）は、下記に示す通りであ
る。なお、この処理液の沸点は３８℃である。

メチレンクロライド・・・７６％、アルコール・・・２
１％、りん酸・・・２％、その他添加剤・・・１％この
溶液を、沸点温度である３８℃に加温し、前述した工程
に従って前処理を行なった。

一方、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料の液組−成（重
量％）は、下記に示す通りである。

アミノ変性エポキシ樹脂・・・１２．６％、顔料・・・
７．５％、セロソルブ系溶剤・・・４５％、中和剤・・
・０．３％、純水・・・７５６２％ なお、電着塗装条件は、塗料液温２７〜２９℃、塗装電
圧１６０〜１８０Ｖ、通電時間３分で行ない、塗装膜厚
２０〜２２μｍを得た。

上記前処理においては、まず最初に被処理物を、第２図
に示す処理槽の蒸気ゾーン２２に２０秒保持することに
より、脱脂が行なわれる。次に、これを液相ゾーン２１
に１５０秒浸漬することにより、第１図（Ｃ）に示すよ
うな化成処理被膜２を形成する。部品が鉄系金属の場合
、りん酸鉄系被膜が形成される。次いで、再び、蒸気ゾ
ーン２２に部品を引き上げ、凝縮液のスプレーを２０秒
施してからただちに上記条件で電着塗装を実施し、エポ
キシ樹脂系カチオン電着塗装膜を形成させた。

このようにして、均一な電着塗膜が形成される。

形成された電着塗膜性能を調べるため、まず初期物性試
験−密着性試験を実施した。廿盤目＋セロテープ試験（
ＡＳＴＭ３３５９）は、５Ｂ（＋００７１００）で良好
であった。

一方、防食性試験として下記の項目を実施した。

（＋）塩水噴霧試験（ＪＩＳ２３７１）・・・５００時
間 （２）耐湿試験（５０℃、９８％Ｒ１１）・・・５００
時間（３）耐熱アンモニアガス試験（５０ｐｐａ＋、４
０℃、９０％ＲＨ）・・・５００時間 （４）耐塩素ガス試験（ｌｐｐＩＩｌ、４０℃、９０％
Ｒ１１）・・・２５０時間 試験後の評価結果は、以下の通りである。

外観二上記（１）〜（４）項目について、錆・フクレは
発生せず、良好であった。

廿盤目十セロテープ試験＝（１）〜（４）項目について
、５Ｂで良好であった。

上記の様に、本発明においては、脱脂および化成膜形成
を同一の溶液で行ない、電着塗膜を形成することにより
、良好な塗膜性能が得られた。

また、前処理を単一の槽で実施することができるので、
工程が簡略化され、処理時間の短縮およびスペースの削
減がなされた。上記実施例の場合、処理時間は約３分前
後である。

本発明の前処理方法は、電着塗膜のみならずスプレー塗
装等の他の塗装の前処理方法としても使用できる。

〔発明の効果〕

本発明の方法においては、塩メチレンを含有する非水系
組成物溶液で部品を処理するようにしたので、塗膜性能
にすぐれた塗装膜を得ることができる。更に本発明にお
いては、前処理を一つの槽内で実施することができるの
で、処理時間の短縮化、工程の簡略化、作業スペースの
削減の点でもすぐれた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の詳細な説明する工程断面図、第２図は
本発明の方法を実施する場合に用いる処理槽の断面図で
ある。 １・・・部品、２・・・化成膜、３・・・塗装膜、２０
・・・処理槽、２１・・・液相ゾーン、２２・・・蒸気
ゾーン、２５・・・ノズル。 出願人代理人　　佐　　藤　　−雄

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、部品の表面に塗装を行うに先立って、該部品表面の
   塗装部分を、塩化メチレンを含有する非水系組成物溶液
   で処理することを特徴とする、塗装前処理方法。 ２、前記非水系組成物溶液が、塩化メチレン、リン酸お
   よびアルコールを含有する組成物溶液からなる、特許請
   求の範囲第１項に記載の塗装前処理方法。