JPH0114690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は経糸に対して一定長に切断した緯糸を
挿入して製織する無杼織機に設けられる耳縁形成
装置の固定装置の改良に関する。

［従来の技術］ 無杼織機に設けられる耳縁形成装置として、特
開昭57−143538号に経糸の両側にそれぞれ四本の
耳糸を設けるものが開示されている。その装置は
隣接する二つの第一及び第二綜絖枠のヘルドバー
に取付けられる。第一綜絖枠のヘルドバーには二
本の針が上下のブロツクを介して先端を対向する
ように固定され、その針先に針孔があけられ、端
から二番目と三番目の耳糸がその針孔から並列に
引出される。第二綜絖枠のヘルドバーにスライダ
駆動部材が接続部材を介して固定され、そのスラ
イダ駆動部材には90゜に開く八字形に上下二個の
スロツトがあけられる。そのスライダ駆動部材に
スライダが摩擦制動を受けながら上下摺動自在に
取付けられ、そのスライダには逆に90゜に開く八
字形に上下二個のスロツトがあけられる。端から
一番目と四番目の耳糸はこのスライダ駆動部材と
スライダの上下のスロツトからそれぞれ引出され
る。緯糸挿入のつど、第一綜絖枠は上昇又は下降
し、第二綜絖枠は第一綜絖枠に対して上下する。
スライダがスライダ駆動部材に対して上昇したと
き、両者の上側の二個のスロツトは上下の一方の
端部が重合し、下側の二個のスロツトは上下の他
方の端部が重合するので、製織中、一番目と四番
目の耳糸は緯糸とその緯糸一本ごとに浮き沈みす
る二番目と三番目の耳糸を両側から交互に絡めあ
わせて織物の耳縁を形成する。上側の針を支持す
る上ブロツクは締付けねじによりヘルドバーに固
定されるが、下側の針を支持する下ブロツクは整
緯糸の下側になるため、ねじで締付け固定するこ
とは容易ではない。そこで、通常、金属板に板ば
ねを添着して二又状にして、ヘルドバーにはめた
り、金属板の下端をＪ字形にしてその上に弾性加
圧片を添着してヘルドバーをＪ字形の金属板と加
圧片で上下から挟持したりしていた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、二本の針を支持する上下のブロツクを
上下のヘルドバーに固定すると、二本の針の全長
が上下のヘルドバーの間隔よりも小さくなり、そ
れだけ、耳糸の開口も小さくなるため、緯糸の挿
入に支障をきたすおそれがあつた。又、下側のヘ
ルドバーに固定する下ブロツクに板ばねを添着し
て二又状にしたものは、ヘルドバーに上からはめ
るだけであるから、取付けは容易であるが、固定
具合がゆるく振動しやすいという問題があつた。
Ｊ字形の金属板と弾性加圧片でヘルドバーを上下
に挟持するものは、固定具合はよいが、取付けは
やはり容易ではないという問題があつた。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するため本考案の特徴とする手
段は、上側の針を支持する上ブロツクを綜絖枠に
締付けねじで固定し、下側の針を支持する下ブロ
ツクを二又部に形成し、その二又部の内面の一方
に板ばねを取付け、板ばねと二又部の他方の内面
の間でヘルドバーを挟持するようにしたことにあ
る。

［作用］ 針を支持する上ブロツクは綜絖枠に、下ブロツ
クは下側のヘルドバーに取付けられるので、二本
の針の全長は綜絖枠の上枠と下のヘルドバーの間
隔に相応するから、上下のヘルドバーの間に取付
けられた従来のものよりも長くなり、耳糸の開口
もその分だけ大きくなる。したがつて、開口が小
さくて緯糸の挿入に支障をきたすおそれはない。

下ブロツクは二又部をヘルドバーに上からはめ
ることができるので取付けは著しく容易であり、
板ばねは上下が二又部の一方の内面に接し、中央
の凸部と二又部の他方の内面の間でヘルドバーを
強固に挟持する。

［実施例］ 本考案の装置を図面に示す実施例に基づいて説
明する。第１図及び第２図に示すように、第一綜
絖枠１に上ブロツク３を、その下側のヘルドバー
４０に下ブロツク４をそれぞれ取付け、このブロ
ツク３，４に二本の針７，８を中央において先端
が対向するように垂直に取付ける。針７，８の先
端には針孔５，６を設ける。同じく上下ブロツク
３，４に一対のサイドステー１１，１２を取付
け、針７，８を両側から囲む。サイドステー１
１，１２にスライダ駆動部材１９を垂直に摺動自
在に取付ける。その駆動部材１９の内側にスライ
ダ１８を垂直に摺動自在にはめる。サイドステー
１１には耳糸の給糸ガイド１３が設けられる。第
二綜絖枠２には接続部材２５が取付けられ、その
接続部材の先端にはスライダ駆動部材１９を保持
するクツシヨン材３３，３４が付設される。

上ブロツク３は前後に二つに割れる形状であ
り、締付けねじでその間に第一綜絖枠１の上枠の
下端部を強固に挟持する。下ブロツク４には二又
部４１が形成され、その二又部４１は上からヘル
ドバー４０にはまる。

第３図に示すように、下側のブロツク４の二又
部４１の一方は他方よりも長く、一方には板ばね
４２がリベツト止めされる。板ばね４２の両端は
二又部４１の一方の内面に接し、板ばね４２の凸
部と二又部４１の他方の内面の間でヘルドバー４
０を挟持する。二又部内のヘルドバー４０の位置
が多少変動しても板ばね４２と二又部４１の他方
の内面の間の把持力は不変であるから、下ブロツ
ク４は板ばね４２によりヘルドバー４０に確実に
固定される。したがつて、ヘルドバー４０が昇降
しても下ブロツク４が支持している針やサイドス
テーが振動するおそれはない。

［考案の効果］ 上記の通り、本考案の装置は上側が綜絖枠にね
じを介して固定され、下側がヘルドバーに上から
はめ込まれて固定されるから、上下の間隔は従来
の上下共にヘルドバーに固定されたものよりも長
いから、それだけ開口を大きくすることが可能で
あり、ヘルドバーに上からはめ込まれた下側は二
又部になりその内側に板ばねが付設されているた
め、ヘルドバーを強固に杷持する。したがつて、
本考案の装置の取付けは容易な上に強固であり、
振動で位置がずれるおそれはないという優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例の装置の
正面及び側面図、第３図は下側のブロツクを拡大
して示す側面図である。 図において符号１は第一綜絖枠、３は上ブロツ
ク、４は下ブロツク、７，８は針、１１，１２は
サイドステー、４０はヘルドバー、４１は二又
部、４２は板ばねをそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 隣接する第一及び第二綜絖枠と、前記第一綜
   絖枠に直接又はそのヘルドバーを介して垂直に
   針先が対向するように配設された二本の針と、
   各針の先端部に設けられた針孔と、第一綜絖枠
   に直接又はそのヘルドバーを介して前記針を左
   右から囲むように設けられた一対のサイドステ
   ーとを備えた耳縁形成装置において、上側の前
   記針と前記一対のサイドステーの上端部はそれ
   ぞれ上ブロツクに固定され、前記上ブロツクは
   締付けねじを介して第一綜絖枠の上枠に固定さ
   れ、下側の前記針と前記一対のサイドステーの
   下端部は下ブロツクに固定され、前記下ブロツ
   クは下側が二又部に形成され、前記二又部の一
   方の内面に板ばねが添着され、それらにより前
   記二又部を前記第一綜絖枠の下側のヘルドバー
   にはめると前記板ばねと前記二又部の他方の内
   面が前記ヘルドバーを挟持して前記下ブロツク
   を前記ヘルドバーに固定することを特徴とする
   耳縁形成装置の固定装置。 ２ 板ばねは下端が二又部の一方にリベツト止め
   され、上端が前記二又部の一方の内面に接し、
   中間部が凸状にふくらむことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の耳縁形成装置
   の固定装置。