JPH0112155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、抄紙機や塗工機等においてウエブの
乾燥を行うエアードライヤに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、特に抄紙機等においては、ウエブの乾燥
を主にドラムドライヤによつて行うようにしてい
るが、水分むらが発生することが避けられず、そ
のために過乾燥にしてウエブ全体が所定以上の乾
燥状態となるようにしている。このため、従来に
おいては一定の乾燥が得られないことによる品質
上の問題及び高温の乾燥用エアーを必要以上に消
費するために大変不経済である、等の問題を有し
ていた。またこのために、乾燥用エアーを吹き付
けるようにした複数のノズルをウエブの幅方向に
並設して、ウエブの幅方向水分量に応じてエアー
の量を変えることによりウエブの幅方向を均一に
乾燥させようとしたものがある。しかしこの方式
においても上記調整を行おうとした場合、第６図
に示す如く各ノズルからのエアーの流量が境界部
においてシヤープに段々状に現われてしまい、こ
のためにやはりウエブの幅方向の乾燥にむらが生
じてしまう問題を有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、ウエブの乾燥を、ウエブ幅方向に均
一に行わせようとしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、水分計からの検出値により流入する
乾燥用エアーの量を別個に調整し得るようになつ
ており、かつウエブ幅方向に複数個並設されたヘ
ツダーと、該ヘツダーに取付けられ、ウエブ流れ
方向に複数個並設されたノズル装置を備え、かつ
該ノズル装置は、前記各ヘツダーに個別に連通す
る部屋と、該部屋の夫々にオリフイスを介して連
通し、かつ幅方向に伸びる連通室と、該連通室に
接続しウエブに対向してスリツト状に開口するノ
ズルとよりなることを特徴とするエアードライ
ヤ、に係るものである。

〔実施例〕

以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一例を示すもの
で、湿つたウエブ１を巻き付けるようにしたドラ
ム２の外周に、該ドラム２の略半外周面を包囲
し、且つ該ドラム２の軸長手方向（ウエブの幅方
向）に所要の間隔を有して複数個並設してなるヘ
ツダー３を設ける。該ヘツダー３の入口ダクトに
は夫々コントロールダンパ４が設けられており、
乾燥後のウエブ１のライン上に幅方向に設けた水
分計５からの幅方向の水分量信号６により、調節
計７を介して前記コントロールダンパ４の開度調
整が行われて、各ヘツダー３に対する乾燥用エア
ーの供給量の調整が別個に行われるようになつて
いる。

前記各ヘツダー３におけるドラム２対向面に
は、ドラムの軸長手方向にウエブ１の幅寸法より
長い長さを有したノズル装置８が、ドラム２の周
方向に沿い所要の間隔を有して複数個取付けられ
ている。

第３図及び第４図は上記ノズル装置８の詳細を
示すもので、ノズル装置８は長手方向（ウエブ幅
方向）においてその内部が前記ヘツダー３に対応
して複数の部屋９に区画されており、夫々の部屋
９の一端が導入口１０を介して各ヘツダー３に接
続されている。上記部屋９の他端側は仕切板１１
によつて仕切られており、且つ該仕切板１１の部
屋９の反対側には連通室１２を形成するノズル形
成パイプ１３が設けられており、前記各部屋９と
連通室１３とが仕切板１１に設けたオリフイス１
４を介して連通させるようになつている。又前記
ノズル形成パイプ１３の幅方向両側部には、前記
仕切板１１と一体のスカート部材１５によつて、
前記連通室１２に連なるスリツト状のノズル１６
が形成されている。上記連通室１２及びノズル１
６はノズル装置８の全長に亘つて一体に形成され
ている。図中１７はノズル装置８の相互間隔から
なる乾燥用エアーの戻り部、１８は前記ヘツダー
３全体を覆うように設けた断熱パネルを示す。

上記構成によれば、ウエブ１の幅方向水分量が
水分計５によつて検出され、その検出値に基づい
て調節計７によりコントロールダンパ４の開度が
調節される。このため各ヘツダー３に供給される
乾燥用エアーの流量がウエブ１の水分プロフイル
に応じて自動的に各個に調整されてノズル装置８
からウエブ１の外表面に吹き付けられるようにな
る。

上記各ヘツダー３からの調整された乾燥用エア
ーは、そのヘツダーに対応した幅方向位置におけ
るノズル装置８の部屋９に導かれ、その後オリフ
イス１４を介して連通室１２に導入される。この
とき、乾燥用エアーはオリフイス１４を通ること
により流れの乱れが消されて安定させられ、また
連通室１２は他の部屋９に設けられたオリフイス
１４のすべてに連通しているために、前記ヘツダ
ー３からのエアー流量の格差は干渉し合つて弱め
られ、第５図に示すようになだらかな連続した勾
配となつてノズル１６からウエブ１表面に吹き付
けられる。これにより、ウエブは水分むらを生じ
ることなく均一に乾燥されることになる。吹き付
けられた乾燥用エアーは矢印で示すようにスカー
ト部材１５の外側を通りノズル装置８相互間のエ
アー戻り部１７から外部に導かれる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、オリフイス、ノズル形成パイプの形状
等は種々変更できること、その他本考案の要旨を
逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
と、等は勿論である。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案のエアードライヤによ
れば、ウエブの幅方向に流量差をつけられるよう
にした乾燥用エアーを、別個にオリフイスを通し
た後、連通室において連通させてからスリツト状
のノズルより吹き出させるようにしたので、乾燥
用エアーの流れの安定とウエブ幅方向の流量のな
だらかな制御が可能となり、よつてウエブに水分
むらを生じさせることなく均一な乾燥を行わせる
ことができる優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の全体を示す側面
図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図に
おけるノズル装置部の拡大詳細図、第４図は第３
図の−矢視図、第５図は本考案における乾燥
用エアーの流量制御状態を示す線図、第６図は従
来方式における乾燥用エアーの流量制御状態を示
す線図である。 １はウエブ、２はドラム、３はヘツダー、４は
コントロールダンパ、５は水分計、７は調節計、
８はノズル装置、９は部屋、１２は連通室、１３
はノズル形成パイプ、１４はオリフイス、１６は
ノズルを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水分計からの検出値により流入する乾燥用エア
   ーの量を別個に調整し得るようになつており、か
   つウエブ幅方向に複数個並設されたヘツダーと、
   該ヘツダーに取付けられ、ウエブ流れ方向に複数
   個並設されたノズル装置を備え、かつ該ノズル装
   置は、前記各ヘツダーに個別に連通する部屋と、
   該部屋の夫々にオリフイスを介して連通し、かつ
   幅方向に伸びる連通室と、該連通室に接続しウエ
   ブに対向してスリツト状に開口するノズルとより
   なることを特徴とするエアードライヤ。