JPH0111747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、レース編装置と二色同時編込編など
の模様編装置との両装置を備えたキヤリジと、着
脱交換可能な編地押えに関するものである。

（従来の技術） 従来の手編機においては、一般にレース編成と
二色同時編込編などの模様編成とでは、使用する
キヤリジが異り、夫々に当該編成に対応した編地
押えが使用された。従つて、何れかの一方のキヤ
リジで双方の編成をまかない得ぬ不便があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案では上記従来の欠陥を解消すべく、単一
のキヤリジにて、編地押えを交換配置するのみで
レース編と模様編双方の編成を可能とし、編成切
替え時ダイヤル操作ミスでのキヤリジ摺動に伴つ
て生ずる、編目落ちや、編針のフツク、ベラ等の
破損発生の防止を計つたものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 前記問題点の解決手段として、本考案では単一
のキヤリジに、レース編と模様編の両装置を組込
み、所望の編成態様に応じて、これに適応するレ
ース編と模様編の編地押えを交換配置するように
した。そして模様切替えをするダイヤルと前記レ
ース編用編地押えとの間に、相互間の作動規制手
段を設けた。

（作用） 従つて、レース編成用の編地押えを用いている
ときは、作動規制手段をして模様切替ダイヤルの
レース編・寄せ目編の作用範囲以外への回動を阻
止することができ、編成態様が他の模様編になる
ことはない。

（実施例） 第１〜３図において、１はキヤリジ台板で、２
は該キヤリジ中央部に設けられた軸、３は軸２に
装着された該軸を中心に回動する模様切替えダイ
ヤルである。前記台板１の手前両端部には凸部４
と締めネジ５が設けられ、模様切替えダイヤル３
の下部には、レース編、寄せ目編時にのみレース
編用編地押え６と作用する切欠き孔３ａが設けら
れている。一方レース編用の編地押え６には、前
記切欠き孔３ａ内に進入可能に〓形の突起部７が
ネジ８で固定されている。そしてまた、前端両側
には前記ネジ５を受け入れるＵ字溝６ａとギヤリ
ジの凸部４に係合する位置決め孔６ｂが設けられ
る。

次に作用について述べる。

今、レース編成に際してキヤリジ１の模様切替
えダイヤル３を当該レース編にセツトすると、該
ダイヤル３の切欠き孔３ａセンター部は手前正面
方向へ位置される。この編成ではレース編用編地
押えが配置されるが、その突起部７がダイヤル３
の切欠き孔３ａに進入し、位置決め孔６ｂがキヤ
リジ１の凸部４と係合して締めネジ５により固定
され、レース編成される。レース編編成後模様切
替えダイヤル３を時計方向一杯に回動すると、模
様は寄せ目編となる。この際ダイヤル３の切欠き
孔３ａ内では、その右端と突起部７の右端とが当
接し、それ以上にはダイヤル３の時計方向回動は
阻止される。

第１図示状態において、逆にダイヤル３を反時
計方向へ回動しようとしても、前記突起部７の左
端とダイヤル３の切欠き孔３ａの左端部が干渉し
ダイヤルは回動し得ない。

従つて、レース編用編地押え６を使用している
ときは、模様切替えダイヤル３は、レース編、寄
せ目編の作用範囲外には回動せず、編機編成態様
が他の模様編になることがない。

次に模様切替えダイヤル３を二色同時編込編な
どの模様編にセツトして、当該編成を行うとき
は、当然に模様編用編地押えに交換されるべきで
ある。このとき交換を失念してレース用のそれを
取付けようとしても、ダイヤルの切欠き孔３ａは
正面位置に在位いないため、突起部７がダイヤル
の外周３ｂに当り、位置決め孔６ｂも凸部４に係
止できなくて、装着不能となり、作業者は容易に
手順の間違いを知り得るものである。

〔考案の効果〕

上記した如く、模様切替えダイヤルに突起部を
持つレース編用編地押えを取付けたときは、前記
ダイヤルはレース編、寄せ目編の操作以外では回
転せず、他の模様編へセツトされ得ることがな
い。また逆に模様編にセツトされたダイヤルに
は、レース編用編地押えが取付がないので、作業
者は懸念なく製品作りに専念できる。

この相互の動き規制手段（ダイヤルの切欠き孔
とレース編用編地押えの突起部）を備えない場合
は、レース編用の編地押えを用いてのレース編成
途中から、寄せ目編へ切替えるとき、ダイヤルの
回転方向を間違えて模様編にしてキヤリジを通す
ことがある。レース編用編地押えで模様編を編む
と針通路が異るため、前記したように、編目が落
ちたり、編地押えに取付けられた針カム等で編針
のフツクやベラが破損する危険がある。

本考案のものでは、簡単な作動規制手段の付加
により上記欠点が解消され、その製作費もまた安
直で利するところが多い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のキヤリジとレース編用編地押
えとを組合せた平面図、第２図は第１図の部分的
説明斜視図、第３図は第１図の中央縦断面図、第
４図はレース編用と模様編用の編地押え対比外観
示図である。 １……キヤリジ、３……模様切替えダイヤル、
３ａ……切欠き孔、６……レース編用編地押え、
７……突起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レース編装置と、二色同時編込編、タツク編な
   どの模様編装置との両装置を備えた手編機キヤリ
   ジにおいて、前記レース編と模様編とで夫々異な
   る編地押えを取付けるようにし、前記レース編時
   用の編地押え中央付近に突起部を設け、レース
   編、二色同時編込編等の模様を切替するダイヤル
   に、前記レース編用編地押えの突起部を受入れる
   切欠き孔を設けてなる手編機のキヤリジ。