JP7874728B2 - 冷却液及び鋼板の冷却方法 - Google Patents

冷却液及び鋼板の冷却方法

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Description

本開示は、冷却液及び鋼板の冷却方法に関する。
鋼板の製造工程において、高温の鋼板を冷却することがある。
例えば特許文献1には、鋼帯の連続熱処理ラインにおいて、溶融金属めっき処理を行う前に、液体又は気液混合流体を鋼帯に吹き付けることにより、鋼帯を冷却することが記載されている。特許文献1では、冷却流体を用いた冷却時における鋼材の酸化を抑制するため、冷却流体として、酸化鉄等の金属酸化物に対する酸洗特性を有する物質が用いられている。
国際公開第2015/083047号
特許文献1記載の方法では、鋼板を冷却するための液体として酸洗特性を有する物質(酸性物質)を用いるため、鋼板表面に酸化皮膜の生成を抑制することができると考えられるが、その一方で、酸性の液体により機器や鋼板を腐食するおそれがある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することが可能な冷却液及び鋼板の冷却方法を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る冷却液は、
鋼板を冷却するための冷却液であって、
分解により還元性ガスを発生する第1物質に溶液中で変化し得る第1イオンと、
酸化鉄と反応して鉄を含むイオン化合物を形成し得る第2イオンと、
を含み、
前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が0.5重量%以上6重量%以下であり、
前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上28重量%以下である。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る鋼板の冷却方法は、
鋼板を冷却するための冷却方法であって、
前記鋼板に上述の冷却液を供給して前記鋼板を冷却するステップを備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することが可能な冷却液及び鋼板の冷却方法が提供される。
幾つかの実施形態に係る冷却液又は冷却方法が適用される装置の一例としての連続熱処理設備を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(冷却液/冷却方法が適用される装置の構成)
図1は、幾つかの実施形態に係る冷却液又は冷却方法が適用される装置の一例の概略構成図であり、鋼板を連続的に熱処理するための連続熱処理設備100を示す図である。
図1に示す連続熱処理設備100は、帯状の鋼板Sを連続的に焼鈍処理するための連続焼鈍炉10を備え、該連続焼鈍炉10は、予熱帯12と、加熱帯14と、冷却帯16と、を含む。予熱帯12、加熱帯14及び冷却帯16には複数の搬送ロール18が設けられており、搬送ロール18を介して鋼板Sに張力を与えることで、この張力に応じた搬送速度(ライン速度)で鋼板Sが搬送されるようになっている。
予熱帯12は、鋼板Sの搬送方向において加熱帯14及び冷却帯16の上流側に設けられており、加熱帯14の入口における鋼板Sの温度のばらつきを抑えるために、加熱帯14に入る前の鋼板Sを不図示のバーナ等によって予熱するように構成される。加熱帯14は、鋼板Sの搬送方向において予熱帯12の下流側かつ冷却帯16の上流側に設けられており、不図示のバーナ等によって鋼板Sを加熱するように構成される。加熱帯14の温度は、例えば、バーナへの燃料供給量を増減させることにより調節可能となっている。冷却帯16は、鋼板Sの搬送方向において予熱帯12及び加熱帯14の下流側に位置し、加熱帯14で加熱された鋼板Sの表面に、冷却ノズル22等の冷却手段によって冷却流体を噴き付けて、鋼板Sを徐冷又は急冷するように構成される。連続焼鈍炉10の内部には、還元性又は非酸化性のガスが供給されるようになっていてもよい。
連続焼鈍炉10では、上述の予熱帯12、加熱帯14及び冷却帯16を鋼板Sが通過することにより、鋼板Sの焼鈍処理が行われるようになっている。
図1に示すように、連続焼鈍炉10で焼鈍処理された鋼板Sは、連続めっき処理設備30に送られるようになっていてもよい。連続めっき処理設備30は、鋼板Sを連続的にめっき処理するための設備であって、溶融金属のめっき浴34を形成するポット32(溶融金属ポット)と、ポット32の内部に設けられるシンクロール36と、鋼板Sへのめっき液(溶融金属)の付着量を調節するためのワイピングノズル38と、を備えている。ポット32の内部にめっき液として貯留される溶融金属は、亜鉛、アルミニウム、又は、亜鉛又はアルミニウムを含む合金を含んでもよい。
連続焼鈍炉10で焼鈍処理された鋼板Sは、連続焼鈍炉10の出口部に設けられたブライドルロール20によって張力を与えられながら、連続焼鈍炉10の出口部とポット32との間に設けられたスナウト24を介して、溶融金属のめっき浴34に導かれるようになっている。
上述の連続焼鈍炉10の冷却帯16において、鋼板Sを冷却するために使用される冷却流体(すなわち、冷却手段によって鋼板Sに供給される冷却流体)は、以下に説明する冷却液を含んでいてもよい。冷却手段は、以下に説明する冷却液、又は、該冷却液とガスとの混合流体を、冷却手段によって鋼板Sの表面に供給するように構成されていてもよい。
なお、幾つかの実施形態に係る冷却液及び冷却方法は、鋼板製造プロセスにおける連続焼鈍工程以外の工程に適用されてもよい。すなわち、幾つかの実施形態に係る冷却液及び冷却方法は、連続焼鈍炉10以外の設備において鋼板Sを冷却するために用いられてもよい。
(冷却液)
次に、幾つかの実施形態に係る冷却液について説明する。
幾つかの実施形態に係る冷却液は、分解により還元性ガスを発生する第1物質に溶液中で変化し得る第1イオンと、酸化鉄と反応して鉄を含むイオン化合物を形成し得る第2イオンと、を含む。冷却液中の第1イオンの濃度は0.5重量%以上6重量%以下であり、冷却液中の第2イオンの濃度は1.0重量%以上28重量%以下である。なお、冷却液は水を含む。本明細書におけるイオンの濃度は、室温(25℃)における濃度である。
上述の実施形態に係る冷却液は、上述の第1イオンを含むので、冷却液中において第1物質の分解により還元性ガスが発生する。このため、該冷却液を用いた鋼板Sの冷却中に、鋼板Sの表面における鉄の酸化反応を抑制することができ、これにより鋼板Sの表面における酸化皮膜(スケール、酸化鉄)の生成を抑制することができる。また、上述の実施形態に係る冷却液は、上述の第2イオンを含むので、該冷却液を用いた鋼板Sの冷却中に、仮に鋼板Sの表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、第2イオン酸化鉄との反応によりイオン化合物を形成して、酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。また、上述の実施形態に係る冷却液は、第1イオンの濃度が0.5重量%以上であり、第2イオンの濃度が1.0重量%以上であるので、これらの効果が得られやすい。また、上述の実施形態に係る冷却液は、第1イオンの濃度が6重量%以下であり、第2イオンの濃度が28重量%以下であるので、鋼板冷却時の冷却液の蒸発濃縮による鋼材表面への溶質成分の残留を抑制することができる。また、上述の実施形態に係る冷却液は、第1イオンの濃度が0.5重量%以上6重量%以下であるとともに、第2イオンの濃度が1.0重量%以上28.0重量%以下であるので、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(例えば塩酸等)に比べてpHが高くなりやすい。このため、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を抑制することができる。よって、上述の実施形態に係る冷却液によれば、機器や鋼板Sの腐食、及び、鋼板Sの表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板Sを冷却することができる。
幾つかの実施形態では、冷却液中の前記第1イオンと前記第2イオンの合計濃度が2.0重量%以上33.0重量%以下であってもよい。
上述の実施形態によれば、第1イオンと第2イオンの合計濃度が2.0重量%以上であるので、鋼板Sの表面における酸化皮膜の生成を抑制する効果が比較的高い。また、上述の合計濃度が33.0重量%以下であるので、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸など)に比べてpHが高くなりやすい。よって、機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制するとともに、鋼板Sの表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。
上述したように、第1イオンは、分解により還元性ガスを発生する第1物質に溶液中で変化し得るイオンである。還元性ガスは、例えば水素(H2)ガスである。
第1イオンは、窒素原子(N)を含むイオンであってもよい。第1イオンは、窒素原子(N)及び水素原子(H)を含むイオンであってもよい。
第1イオンは、例えば、アンモニウムイオン(NH4 +)、ヒドラジンのイオン(N2H5 +又はN2H6 +)、又は、アルコールアミン類のイオン(例えば、エタノールアミンのイオン又はトリエタノールアミンのイオン等)であってもよい。
第1イオンとしてのアンモニウムイオンは、溶液(冷却液)中でアンモニア(NH3;第1物質)に変化し得る。また、アンモニアは、分解により還元性ガスである水素ガスを発生する。
即ち、下記式(A)で示すように、溶液中には、アンモニアとアンモニウムイオンが電離平衡の状態で存在する。
NH4 + + OH- ⇔ NH3 + H2O …(A)
そして、溶液中に溶解しているアンモニアは、下記式(B)により分解して水素ガスが発生する。
2NH3 → N2 + 3H2 …(B)
すなわち、上記式(A)及び(B)で示されるとおり、アンモニウムイオンを含む冷却液中において、還元性ガスである水素ガスが発生し得る。
なお、アンモニア(及びアンモニウムイオン)を含む溶液(冷却液)が鋼板Sの表面に供給される場合、鋼板Sの表面に存在する鉄(Fe)が上記式(B)で表される反応において触媒として作用する。このため、上記式(B)の反応(すなわち、水素ガスの発生)が促進される。
第1イオンとしてのヒドラジンのイオンは、溶液(冷却液)中でヒドラジン(N2H4;第1物質)に変化し得る。また、ヒドラジンは、分解により還元性ガスである水素ガスを発生する。
第1イオンとしてのアルコールアミン類のイオンは、溶液(冷却液)中でアルコールアミン(第1物質)に変化し得る。また、アルコールアミン類は、分解により還元性ガスである水素ガスを発生する。
第1イオンを含む冷却液は、例えば、第1イオンに対応する第1物質(第1イオンとしてのアンモニアに対応するアンモニア等)、又は、第1イオンを含むイオン化合物(塩)を水に溶解させることで得ることができる。
既に述べたように、第1物質は、第1イオンが溶液中で変化して得られる物質であり、分解して還元性ガスを発生する物質である。第1物質は、窒素原子を含む窒素化合物であってもよい。あるいは、第1物質は、窒素原子及び水素原子を含む化合物であってもよい。なお、上述した第1イオンであるアンモニウムイオン、ヒドラジンのイオン及びアルコールアミン類のイオンに対応する第1物質は、それぞれ、アンモニア、ヒドラジン及びアルコールアミン類である。これらの第1物質は、それぞれ、窒素原子及び水素原子を含む化合物である。
第1イオンがアンモニウムイオンを含む場合、冷却液中のアンモニウムイオンの濃度は、0.5重量%以上5.3重量%以下であってもよい。冷却液中のアンモニウムイオンの濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態に係る冷却液は、アンモニアを含んでもよい。すなわち、冷却液は、水にアンモニアを溶解させたものであってもよい。なお、アンモニアを含む冷却液は、予めアンモニアを溶解させた所定濃度のアンモニア水を水に混合することで得ることができる。この場合、冷却液中の第1イオンはアンモニウムイオンである。冷却液中のアンモニア濃度は、1.8重量%以上4.5重量%以下であってもよい。冷却液中のアンモニア濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
上述したように、第2イオンは、酸化鉄と反応して鉄を含むイオン化合物を形成し得るイオンである。なお、該イオン化合物は錯体であってもよい。鉄を含むイオン化合物は、一般に水に可溶である。すなわち、第2イオンと酸化鉄とを反応させることにより、酸化鉄を溶解することができる。
第2イオンは、例えば、有機酸イオン(例えば酢酸イオン(CH3COO-)等)、イオン化したアミノ酸(例えばグリシンがイオン化したもの(H3 +NCH2COO-)等)、硫酸イオン(SO4 2-)又は塩化物イオン(Cl-)を含んでもよい。
例えば、第2イオンとしての有機酸イオン(R-COO-)は、水溶液(冷却液)中において有機酸が電離することにより生じるが、下記反応式(C)で示すように、酸化鉄との反応により鉄の有機酸塩(R-COOFe)を生成する。鉄の有機酸塩(例えば酢酸鉄)は、水に可溶である。
2R-COOH + FeO → (R-COO)2Fe + H2O …(C)
また例えば、第2イオンとしての硫酸イオン(SO4 2-)は、水溶液(冷却液)中において硫酸塩(例えば硫酸アンモニウム)等が電離することにより生じるが、下記反応式(D)で示すように、酸化鉄との反応により鉄の硫酸塩(FeSO4)を生成する。鉄の硫酸塩(硫酸鉄)は水に可溶である。
(NH4)2SO4 + FeO → 2NH4 + FeSO4 …(D)
第2イオンを含む冷却液は、例えば、溶液中にて第2イオンに変化し得る物質を水に溶解させることで得ることができる。第2イオンが有機酸イオン(酢酸イオン等)、イオン化したアミノ酸(グリシンがイオン化したもの等)、硫酸イオン又は塩化物イオンである場合、該第2イオンを含む冷却液は、有機酸(酢酸等)、アミノ酸(グリシン等)、硫酸化合物又は塩化物を水に溶解させることで得ることができる。
第2イオンが硫酸イオンを含む場合、冷却液中の硫酸イオンの濃度は、1.5重量%以上14.0重量%以下であってもよい。冷却液中の硫酸イオンの濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
第2イオンが酢酸イオンを含む場合、冷却液中の酢酸イオンの濃度は、7.2重量%以上17.8重量%以下であってもよい。冷却液中の酢酸イオンの濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
第2イオンがイオン化したグリシンを含む場合、冷却液中のイオン化したグリシンの濃度は、1.0重量%以上10.0重量%以下であってもよい。冷却液中のイオン化したグリシンの濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態に係る冷却液は、硫酸アンモニウムを含んでもよい。すなわち、冷却液は、水に硫酸アンモニウムを溶解させたものであってもよい。この場合、冷却液中の第1イオンはアンモニウムイオンであり、第2イオンは硫酸イオンである。冷却液中の硫酸アンモニウム濃度は、2.0重量%以上19.3重量%以下であってもよい。冷却液中の硫酸アンモニウム濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態に係る冷却液は、塩化アンモニウムを含んでもよい。すなわち、冷却液は、水に塩化アンモニウムを溶解させたものであってもよい。この場合、冷却液中の第1イオンはアンモニウムイオンであり、第2イオンは塩化物イオンである。冷却液中の硫酸アンモニウム濃度は、1.5重量%以上15.7重量%以下であってもよい。冷却液中の塩化アンモニウム濃度がこの範囲内であれば、冷却液のpHが、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)に比べて高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、冷却液のpHが5以上である。幾つかの実施形態では、冷却液のpHは5以上14以下であってもよい。
上述の実施形態では、冷却液のpHは、鋼板Sの酸洗に用いられる酸性の液体(塩酸等)のpHに比べて高い。
このため、冷却液の付着による機器や鋼板Sの腐食を効果的に抑制することができる。よって、機器や鋼板Sの腐食、及び、鋼板Sの表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板Sを冷却することができる。
(冷却液の作製方法)
幾つかの実施形態に係る冷却液は、第1イオン又は第2イオンの由来となる溶質を水に溶解させることで得ることができる。
例えば、第1イオンとしてアンモニウムイオンを含む冷却液は、アンモニア若しくはアンモニア水を水に溶解させることで得られる。また、例えば、第2イオンとして酢酸イオン又はイオン化したグリシンを含む冷却液は、酢酸イオン又はグリシンを水に溶解させることで得られる。また、例えば、第1イオンとしてアンモニウムイオンを含み、第2イオンとして硫酸イオンを含む冷却液は、硫酸アンモニウムを水に溶解させることで得られる。
(鋼板の冷却方法)
幾つかの実施形態に係る鋼板の冷却方法は、鋼板の表面に上述の冷却液を供給することで鋼板を冷却するステップを備える。
幾つかの実施形態では、鋼板の焼鈍工程において、上述の冷却液を供給して鋼板を冷却してもよい。鋼板の焼鈍処理は、例えば、上述した連続焼鈍炉10を用いて実施することができる。冷却液は、例えば上述した連続焼鈍炉10の冷却帯16に設けられる冷却手段(冷却ノズル22等)を用いて鋼板Sの表面に供給することができる。
上述の実施形態では、比較的高温の腐食が起きやすい条件下で、上述の冷却液を用いて鋼板を冷却する。よって、このような条件下において、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
幾つかの実施形態では、鋼板に冷却液を供給しながら、鋼板の温度を300℃以上低下させてもよい。
上述の実施形態では、比較的高温の腐食が起きやすい条件下で、上述の冷却液を用いて鋼板を冷却する。よって、このような条件下において、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
表1及び表2に示す例1~例25の冷却液を作製し、以下に説明する試験及び評価を行った。
(冷却液の作製方法)
例4~例25の冷却液は、それぞれ、表1及び表2に記載の溶質(アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸及び/又はグリシン)を、表1及び表2に記載の濃度となるように水に溶解させることで作製した。なお、例1~例3の冷却液は、溶質を含まない水である。
(冷却液の組成及びpH)
例1~例25の冷却液について、冷却液中の第1イオンの種類及び濃度、並びに、第2イオンの種類及び濃度は、表1及び表2に示すとおりである。また、例1~例25の冷却液について、pHは表1及び表2に示すとおりである。なお、例8~11及び18の冷却液のpHは試験紙による測定結果であり、例1~3、7、16及び17の冷却液のpHは計算ソフト(OLI stream analyzer)による計算結果である。
(試験方法)
例1~例25の各々について、4%水素+窒素雰囲気で800℃に熱した普通鋼のサンプル(厚さ1.6mm)を、常温のアルゴンガス雰囲気下で、表1及び表2に記載の既定長さの時間(浸漬時間)の間、冷却液に浸漬させた。なお、800℃に熱した鋼板のサンプルの表面には、酸化皮膜が形成されていた。
(評価方法)
サンプルの外観観察(目視)と、サンプルのEDS(エネルギー分散型X線分光法)による元素分析結果に基づき、例1~例26の各サンプルについてA,Bの二段階で評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:外観において酸化皮膜が殆どなくなっており、かつ、EDS分析の結果窒素(N)のピークが確認されなかった。
B:外観において酸化皮膜が殆ど残存している、又は、EDS分析の結果窒素(N)のピークが確認された。
なお、鋼板のサンプルを800℃に熱する前は、鋼板のサンプルはグレーがかった白色であり、800℃に熱した状態(酸化皮膜が形成された状態)では、鋼板サンプルの表面が濃いグレー色である。よって、目視によって、酸化皮膜が残存しているか、減っているかを判断できる。
(評価結果)
例1~例25について、評価結果は表1及び表2に示すとおりである。
本発明の実施例である例7~14及び16~25では、評価結果はAであり、冷却液浸漬前に比べて鋼板サンプルの表面の酸化皮膜が明らかに減少していた。したがって、これらの例に係る冷却液を用いて鋼板を冷却することにより、鋼板の酸化皮膜を除去できる、あるいは、酸化皮膜の生成を抑制できることが分かった。
また、これらのうち、例16,18,19及び20では、冷却液へのサンプルの浸漬時間が0.6秒と比較的短いにもかかわらず、冷却液浸漬前に比べて鋼板サンプルの表面の酸化皮膜が明らかに減少していた。したがって、これらの例に係る冷却液は、鋼板の酸化皮膜を除去する効果、あるいは、酸化皮膜の生成を抑制する効果が特に高いことが分かった。
一方、本発明の比較例である例1~3では、サンプルの外観観察(目視)において、酸化皮膜が殆ど残存している結果となった。したがって、これらの例に係る冷却液では、酸化皮膜を効果的に除去したり、あるいは酸化皮膜の生成を効果的に抑制したりすることはできないことが分かった。また、本発明の比較例である例4~6、15では、サンプルの外観観察(目視)において、酸化皮膜はある程度除去されたが、EDS分析の結果、サンプルの表面において窒素(N)のピークが見られ、サンプル表面が窒化していることが分かった。したがって、これらの例に係る冷却液では、仮に酸化皮膜の生成をある程度抑制できたとしても、鋼板の表面が窒化してしまい、製品品質が悪化する恐れがあることがわかった。
なお、サンプルの外観観察の結果、例1~例25において腐食の兆候は見られず、また、試験片の顕著な質量減量も見られなかった。
以上より、本願発明の実施形態に係る冷却液により、鋼板の冷却時に鋼板表面における酸化皮膜の生成や腐食を効果的に抑制可能であることがわかる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る冷却液は、
鋼板を冷却するための冷却液であって、
分解により還元性ガスを発生する第1物質に溶液中で変化し得る第1イオンと、
酸化鉄と反応して鉄を含むイオン化合物を形成し得る第2イオンと、
を含み、
前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が0.5重量%以上6重量%以下であり、
前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上28重量%以下である。
上記(1)の冷却液は、上述の第1イオンを含むので、冷却液中において第1物質の分解により還元性ガスが発生する。このため、該冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を抑制することができ、これにより鋼板表面における酸化皮膜(酸化鉄)の生成を抑制することができる。また、上記(1)の冷却液は、上述の第2イオンを含むので、該冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、第2イオンと酸化鉄との反応により酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。また、上記(1)の冷却液は、第1イオンの濃度が0.5重量%以上であり、第2イオンの濃度が1.0重量%以上であるので、これらの効果が得られやすい。また、上記(1)の冷却液は、第1イオンの濃度が6重量%以下であり、第2イオンの濃度が28重量%以下であるので、鋼板冷却時の冷却液の蒸発濃縮による鋼材表面への溶質成分の残留を抑制することができる。また、上記(1)の冷却液は、第1イオンの濃度が0.5重量%以上6重量%以下であるとともに、第2イオンの濃度が1.0重量%以上28.0重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高い。このため、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を抑制することができる。
よって、上記(1)の構成によれば、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記冷却液中の前記第1イオンと前記第2イオンの合計濃度が2.0重量%以上33.0重量%以下である。
上記(2)の構成によれば、第1イオンと第2イオンの合計濃度が2.0重量%以上であるので、鋼板の表面における酸化皮膜の生成を抑制する効果が比較的高い。また、上述の合計濃度が33.0重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、機器や鋼板の腐食を効果的に抑制するとともに、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第1物質は、窒素化合物を含む。
上記(3)の構成によれば、分解により還元性ガス(水素ガス等)を発生する第1物質が窒素化合物を含むので、該第1物質を溶解させた冷却液のpHが大きくなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記第1物質は、アンモニア、ヒドラジン又はアルコールアミン類を含む。
上記(4)の構成によれば、分解により還元性ガスを発生する第1物質がアンモニア、ヒドラジン又はアルコールアミン類を含むので、該第1物質を溶解させた冷却液のpHが大きくなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。なお、アンモニア、ヒドラジン又はアルコールアミン類は、分解することにより還元性ガスである水素(H2)ガスを発生する第1物質である。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記第2イオンは、有機酸イオン、イオン化したアミノ酸、硫酸イオン又は塩化物イオンを含む。
上記(5)の構成によれば、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、有機酸イオン、イオン化したアミノ酸、硫酸イオン又は塩化物イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成をより効果的に抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記第1イオンはアンモニウムイオンを含み、
前記冷却液中の前記アンモニウムイオンの濃度が0.5重量%以上5.3重量%以下である。
上記(6)の構成によれば、溶液中でアンモニウムイオンから変化したアンモニアの分解により還元性ガスである水素ガスが発生するので、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を水素ガスによって抑制することができる。また、冷却液中のアンモニウムイオン濃度が0.5重量%以上5.3重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記第2イオンは硫酸イオンを含み、
前記冷却液中の前記硫酸イオンの濃度が1.5重量%以上14.0重量%以下である。
上記(7)の構成によれば、溶液中に硫酸イオンが存在するため、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、硫酸イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を硫酸鉄として溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。また、冷却液中の硫酸イオン濃度が1.5重量%以上14.0重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記冷却液はアンモニアを含み、
前記冷却液中のアンモニアの濃度が1.8重量%以上4.5重量%以下である。
上記(8)の構成によれば、溶液中に存在するアンモニアの分解により還元性ガスである水素ガスが発生するので、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を水素ガスによって抑制することができる。また、冷却液中のアンモニアイオン濃度が1.8重量%以上4.5重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記冷却液は硫酸アンモニウムを含み、
前記冷却液中の硫酸アンモニウムの濃度が2.0重量%以上19.3重量%以下である。
上記(9)の構成によれば、溶液中でアンモニウムイオンから変化したアンモニアの分解により還元性ガスである水素ガスが発生するので、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を水素ガスによって抑制することができる。また、溶液中に硫酸イオンが存在するため、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、硫酸イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。また、冷却液中の硫酸アンモニウム濃度が2.0重量%以上19.3重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記冷却液は塩化アンモニウムを含み、
前記冷却液中の塩化アンモニウムの濃度が1.5重量%以上15.7重量%以下である。
上記(10)の構成によれば、溶液中でアンモニウムイオンから変化したアンモニアの分解により還元性ガスである水素ガスが発生するので、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を水素ガスによって抑制することができる。また、溶液中に塩化物イオンが存在するため、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、塩化物イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。また、冷却液中の塩化アンモニウム濃度が1.5重量%以上15.7重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記第2イオンは酢酸イオンを含み、
前記冷却液中の前記酢酸イオンの濃度が7.2重量%以上17.8重量%以下である。
上記(11)の構成によれば、溶液中に酢酸イオンが存在するため、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、酢酸イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を酢酸鉄として溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。また、冷却液中の酢酸イオン濃度が7.2重量%以上17.8重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記第2イオンはイオン化したグリシンを含み、
前記冷却液中の前記イオン化したグリシンの濃度が1.0重量%以上10.0重量%以下である。
上記(12)の構成によれば、溶液中にイオン化したグリシンが存在するため、冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、イオン化したグリシンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)をイオン化したグリシンとのイオン化合物として溶解して除去することができる。よって、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制することができる。また、冷却液中のイオン化したグリシンの濃度が1.0重量%以上10.0重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高くなりやすい。よって、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(12)の何れかの構成において、
前記冷却液のpHが5以上である。
上記(13)の構成によれば、冷却液のpHが5以上であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高い。
このため、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を効果的に抑制することができる。よって、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係る鋼板の冷却方法は、
鋼板を冷却するための冷却方法であって、
前記鋼板に前記(1)乃至(13)の何れか一項に記載の冷却液を供給して前記鋼板を冷却するステップを備える。
上記(14)の方法によれば、冷却液が上述の第1イオンを含むので、冷却液中において第1物質の分解により還元性ガスが発生する。このため、該冷却液を用いた鋼板の冷却中に、鋼板表面における鉄の酸化反応を抑制することができ、これにより鋼板表面における酸化皮膜(酸化鉄)の生成を抑制することができる。また、上記(14)の方法によれば、冷却液が上述の第2イオンを含むので、該冷却液を用いた鋼板の冷却中に、仮に鋼板表面に酸化皮膜(酸化鉄)が生成したとしても、第2イオンとの反応により酸化皮膜(酸化鉄)を溶解して除去することができる。また、上述の冷却液は、第1イオンの濃度が0.5重量%以上6重量%以下であるとともに、第2イオンの濃度が1.5重量%以上28.0重量%以下であるので、鋼板の酸洗に用いられる酸性の液体に比べてpHが高い。
このため、冷却液の付着による機器や鋼板の腐食を抑制することができる。よって、上記(14)の方法によれば、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
(14’)幾つかの実施形態では、上記(14)の方法において、
前記冷却するステップでは、前記冷却液を供給しながら、前記鋼板の温度を300℃以上低下させる。
上記(14’)の方法によれば、比較的高温の腐食が起きやすい条件下で、上述の冷却液を用いて鋼板を冷却する。よって、このような条件下において、機器や鋼板の腐食、及び、鋼板表面における酸化皮膜の生成を効果的に抑制しながら、鋼板を冷却することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)又は(14’)の方法において、
前記冷却方法は、
アンモニア、硫酸アンモニウム、酢酸又はグリシンの少なくとも1つを水に加えて前記冷却液を得るステップを備え、
前記冷却するステップでは、前記冷却液を前記鋼板に供給して前記鋼板を冷却する。
上記(15)の構成によれば、アンモニア、硫酸アンモニウム、酢酸又はグリシンを水に加えることにより、容易に冷却液を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
10 連続焼鈍炉
12 予熱帯
14 加熱帯
16 冷却帯
18 搬送ロール
20 ブライドルロール
22 冷却ノズル
24 スナウト
30 連続めっき処理設備
32 ポット
34 めっき浴
36 シンクロール
38 ワイピングノズル
100 連続熱処理設備
S 鋼板

Claims (9)

  1. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    有機酸イオン又はイオン化したアミノ酸を含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が1.9重量%以上4.8重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上27.8重量%以下である
    冷却液。
  2. 前記冷却液中の前記第1イオンと前記第2イオンの合計濃度が5.8重量%以上32.6重量%以下である
    請求項1に記載の冷却液。
  3. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    硫酸イオンを含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が0.5重量%以上5.3重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記硫酸イオンの濃度が1.5重量%以上14.0重量%以下である
    冷却液。
  4. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    硫酸イオンを含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が0.5重量%以上5.3重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.5重量%以上14.0重量%以下である
    冷却液。
  5. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    有機酸イオン又はイオン化したアミノ酸を含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が1.9重量%以上4.8重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が7.2重量%以上27.8重量%以下であり、
    前記第2イオンは酢酸イオンを含み、
    前記冷却液中の前記酢酸イオンの濃度が7.2重量%以上17.8重量%以下である
    冷却液。
  6. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    有機酸イオン又はイオン化したアミノ酸を含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が1.9重量%以上4.8重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上27.8重量%以下であり、
    前記第2イオンはイオン化したグリシンを含み、
    前記冷却液中の前記イオン化したグリシンの濃度が1.0重量%以上10.0重量%以下である
    冷却液。
  7. 鋼板を冷却するための冷却液であって、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    有機酸イオン、イオン化したアミノ酸又は硫酸イオンを含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が1.9重量%以上5.3重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上27.8重量%以下であり、
    前記冷却液のpHが5以上である
    冷却液。
  8. 鋼板を冷却するための冷却方法であって、
    前記鋼板に請求項1乃至7の何れか一項に記載の冷却液を供給して前記鋼板を冷却するステップを備える
    鋼板の冷却方法。
  9. 鋼板を冷却するための冷却方法であって、
    アンモニア、硫酸アンモニウム、酢酸又はグリシンの少なくとも1つを水に加えて冷却液を得るステップと、
    前記鋼板に前記冷却液を供給して前記鋼板を冷却するステップと、
    を備え、
    前記冷却するステップでは、前記冷却液を前記鋼板に供給して前記鋼板を冷却し、
    前記冷却液は、
    アンモニウムイオンを含む第1イオンと、
    有機酸イオン、イオン化したアミノ酸又は硫酸イオンを含む第2イオンと、
    を含み、
    前記冷却液中の前記第1イオンの濃度が0.5重量%以上5.3重量%以下であり、
    前記冷却液中の前記第2イオンの濃度が1.0重量%以上27.8重量%以下である
    鋼板の冷却方法。
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