JP7866176B2 - フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents
フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法Info
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Description
その結果、耐テンパーカラー性には製造工程で生じる表層におけるCr、Siのカチオン濃度に加え、Cuのカチオン濃度も影響することを知見した。また、ステンレス鋼表面の明度指数、粗さも影響することを知見し、それが製造工程中におけるC、Sの付着に起因していると推定した。これらの知見に基づき、耐テンパーカラー性に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法を発明するに至った。
[1] 鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.030%以下、
N:0.030%以下、
Si:0.01%以上、5.00%以下、
Mn:0.01%以上、3.00%以下、
P:0.050%以下、
S:0.0100%以下、
Cr:8.0%以上、25.0%以下、
Ni:0.001%以上、2.00%以下、
Cu:0.001%以上、2.00%以下、
Mo:0.001%以上、4.00%以下、
Al:0.001%以上、0.80%以下、
V:0.01%以上、0.30%以下、
B:0.0001%以上、0.0050%以下、
O:0.0001%以上、0.0050%以下を含有し、更に、Ti:0.40%以下、Nb:0.80%以下の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
鋼の表面に酸化被膜があり、
下記式(i)~(v)を満たす、フェライト系ステンレス鋼板。
[Ti]+[Nb]≧0.03 ・・・式(i)
18.0≦[*Cr]+[*Si]×[Si]≦35.0 ・・・式(ii)
0<[*Cu]-[Cu]≦5.00 ・・・式(iii)
表面Ra≦1.20μm ・・・式(iv)
L * ≧55 ・・・式(v)
但し、式(i)~式(iii)中の[元素記号]は、当該元素の鋼中の含有量(質量%)であり、[*元素記号]は、前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるC、N、S、P、Oを除いたカチオン濃度における当該元素の平均含有量(質量%)である。式(iv)の表面Raは、鋼板表面の算術平均粗さRaである。式(v)のL * は、明度指数である。
[2] 鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.020%未満、
N:0.020%未満、
Si:0.10%超、3.00%以下、
Mn:0.01%以上、0.40%未満、
P:0.050%以下、
S:0.0020%未満、
Cr:10.0%超、21.0%以下、
Ni:0.001%以上、0.60%未満、
Cu:0.001%以上、0.30%未満、
Mo:0.001%以上、2.20%以下、
Al:0.001%以上、0.80%以下、
V:0.01%以上、0.30%以下、
B:0.0001%以上、0.0050%以下、
O:0.0001%以上、0.0050%以下を含有し、更に、Ti:0.24%未満、Nb:0.55%以下、の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
鋼の表面に酸化被膜があり、
下記式(i)~(v)を満たす、フェライト系ステンレス鋼板。
[Ti]+[Nb]≧0.08 ・・・式(i)
19.5≦[*Cr]+[*Si]×[Si]≦33.0 ・・・式(ii)
0.02≦[*Cu]-[Cu]≦4.00 ・・・式(iii)
表面Ra≦1.20μm ・・・式(iv)
L * ≧60 ・・・式(v)
但し、式(i)~式(iii)中の[元素記号]は、当該元素の鋼中の含有量(質量%)であり、[*元素記号]は、前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるC、N、S、P、Oを除いたカチオン濃度における当該元素の平均含有量(質量%)である。式(iv)の表面Raは、鋼板表面の算術平均粗さRaである。式(v)のL * は、明度指数である。
[3] 鋼板表面が酸洗仕上げである、[1]または[2]に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
[4] 前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるSの平均含有量が0.3質量%以下であり、Cの平均含有量が6質量%以下である、[1]乃至[3]の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
[5] 質量%にて、Feの一部に代えて、
W:0.001%以上、0.50%以下、
Y:0.001%以上、0.50%以下、
REM:0.001%以上、0.50%以下、
Ca:0.0001%以上、0.0050%以下、
Zr:0.001%以上、0.50%以下、
Hf:0.001%以上、1.0%以下、
Sn:0.001%以上、0.05%未満、
Mg:0.0001%以上、0.0050%以下、
Co:0.001%以上、1.0%以下、
Sb:0.001%以上、1.0%以下、
Bi:0.001%以上、1.0%以下、
Ta:0.001%以上、1.0%以下、
Ga:0.0001%以上、0.50%以下、
の1種または2種以上を含有する、[1]乃至[4]の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
[6] [1]乃至[5]の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
最終焼鈍前の脱脂工程と、前記脱脂工程後の最終焼鈍工程と、前記最終焼鈍工程後の最終電解酸洗工程とを少なくとも備え、
前記最終焼鈍工程は、焼鈍雰囲気が2~15体積%の水素と残部窒素の雰囲気であり、焼鈍温度が800~1200℃であり、400℃以上700℃以下の範囲における昇温時間が5秒以上、200秒以下であり、800℃以上1200℃以下の範囲での保持時間が20秒以上、200秒以下であり、400℃以上700℃以下の範囲における昇温時間が800℃以上1200℃以下の範囲での保持時間より短く、
前記最終酸洗工程は、50g/L以上、300g/L以下の硫酸と、200mg/L以下のCuイオンを含む酸洗液による3秒以上、60秒以下の電解酸洗である、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
Cは、耐酸化性を低下させる元素で耐テンパーカラー性を低下させるため、C含有量は0.030%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、C含有量は0.020%未満とすることが好ましい。成形性、耐食性を考慮すると、0.015%以下とすることがより好ましい。さらに好ましくは、0.010%以下である。但し、過度な低減は精錬コストの増加に繋がるため、C含有量は0.0001%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.0010%であり、さらに好ましくは、0.0020%以上である。
Nは、Cと同様、耐酸化性を低下させる元素で耐テンパーカラー性を低下させるため、N含有量は0.030%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、N含有量は0.020%未満とすることが好ましい。成形性、耐食性を考慮すると、0.015%以下とすることがより好ましい。さらに好ましくは、0.010%以下である。但し、過度な低減は精錬コストの増加に繋がるため、N含有量は0.0001%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.0010%であり、さらに好ましくは、0.0020%以上である。
Siは、脱酸剤として含有される元素であるとともに、耐酸化性を向上する元素で耐テンパーカラー性を向上するため、Si含有量は0.01%以上とする。上記特性をさらに向上することを考慮すると、Si含有量は0.10%超とすることが好ましく、0.30%以上とすることがより好ましい。耐食性を考慮すると、0.50%以上とすることがより好ましい。しかし、過度なSiの含有は、加工性の低下を招くため、Si含有量は5.00%以下とする。原料コストや製造コストの観点から経済性を考慮すると、Si含有量は3.00%以下とすることが好ましい。製造性を考慮すると、Si含有量は1.60%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.20%以下であり、さらに好ましくは、0.80%以下である。
Mnは、脱酸剤として含有される元素であり、Mn含有量は、0.01%以上とする。精錬コストを考慮すると、Mn含有量は0.05%以上が好ましい。より好ましくは0.10%以上であり、さらに好ましくは0.15%以上である。しかし、過度なMnの含有は、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性の低下させるため、Mn含有量は、3.00%以下とする。耐食性を考慮すると、Mn含有量を1.10%以下とすることが好ましい。耐テンパーカラー性の低下をさらに抑制することを考慮すると、Mn含有量を0.40%未満とすることがより好ましい。
Pは、製鋼精錬時に主として原料から混入する不純物であり、その含有量が高くなると、靭性や溶接性が低下するため、その含有量は少ないほど良い。そのため、P含有量は0.050%以下とする。また、製造性および製造コストを考慮すると、P含有量は0.040%以下とすることが好ましい。加工性を考慮すると、P含有量は0.035%以下とすることがより好ましい。さらに好ましくは、0.030%以下である。但し、過度な低減は精錬コストの増加に繋がるため、P含有量は0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.005%以上であり、さらに好ましくは、0.010%以上である。
Sは、製鋼精錬時に主として原料から混入する不純物であり、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性を低下させるため、S含有量は0.0100%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、S含有量は、0.0020%未満とすることが好ましい。製造性や耐食性を考慮すると、S含有量は0.0014%以下とすることがより好ましい。但し、過度な低減は精錬コストの増加に繋がるため、S含有量は0.0001%以上とすることが好ましい。S含有量は、より好ましくは、0.0003%以上である。
Crは、耐酸化性を向上する元素で耐テンパーカラー性を向上するため、Cr含有量は、8.0%以上とする。上記特性をさらに向上することを考慮すると、Cr含有量を10.0%超とすることが好ましい。耐食性を考慮すると、Cr含有量は10.5%以上とすることがより好ましい。さらに好ましくは、15.0%以上である。しかし、過度なCrの含有は、製造性や加工性の低下を招くため、Cr含有量は25.0%以下とする。原料コストの観点から経済性を考慮すると、Cr含有量は21.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、18.0%未満である。
Niは、耐食性を向上する元素であり、Ni含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは、0.05%以上である。しかし、過度なNiの含有は、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性を低下させるため、Ni含有量は2.00%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、Ni含有量は0.60%未満とすることが好ましい。原料コストや製造性を考慮すると、Ni含有量は0.50%以下とすることがより好ましい。さらに好ましくは0.40%以下である。
Cuは、耐食性や高温強度を向上する元素であり、Cu含有量は0.001%以上とする。好ましくは、0.005%以上であり、より好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なCuの含有は、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性を低下させるため、Cu含有量は2.00%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、Cu含有量は0.30%未満とすることが好ましい。より好ましくは、0.20%以下である。
Moは、耐食性や高温強度を向上する元素であり、Mo含有量は0.001%以上とする。好ましくは、0.005%以上であり、より好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なMoの含有は、製造性や加工性の低下を招くため、Mo含有量は4.00%以下とする。原料コストの観点から経済性を考慮すると、Mo含有量は2.20%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.20%以下であり、さらに好ましくは0.20%未満である。
Alは、脱酸剤として含有される元素であり、Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは、0.005%以上であり、より好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なAlの含有は、製造性の低下を招くため、Al含有量は0.80%以下とする。加工性や溶接性を考慮すると、Al含有量は0.60%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.30%以下であり、さらに好ましくは0.20%以下である。
Vは、耐酸化性を向上する元素で耐テンパーカラー性を向上するため、V含有量は0.01%以上とする。耐食性や高温強度を考慮すると、V含有量は0.02%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.03%以上である。しかし、過度なVの含有は析出物の粗大化による高温強度の低下を招くため、V含有量は0.30%以下とする。鋼の表面性状、製造性を考慮すると、V含有量は0.20%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.15%未満であり、さらに好ましくは0.10%以下である。
Bは、耐酸化性を向上する元素で耐テンパーカラー性を向上するため、B含有量は0.0001%以上とする。製造性や高温強度を考慮すると、B含有量は0.0002%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.0003%以上であり、更に好ましくは0.001%以上である。しかし、過度なBの含有は熱間加工性の低下や鋼表面の表面性状の低下を招く。したがって、B含有量は0.0050%以下とする。また、製造性や成型性を考慮すると、B含有量は0.0030%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.0015%以下である。
Oは、不可避的に含まれる不純物であり、気泡や介在物による表面疵の原因となる。また、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性を低下させるため、O含有量は、0.0050%以下とする。また、製造性を考慮すると、O含有量は0.0040%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.0035%以下である。但し、過度なOの低減は精錬コストの増加に繋がる。また、鋼の表層部には酸化被膜以外にもSi、Alの内部酸化物があり、耐テンパーカラー性の向上に寄与していると考えている。そのため、O含有量は0.0001%以上とする。好ましくは、0.0003%以上であり、さらに好ましくは、0.0005%以上である。ここで、O含有量は、鋼に固溶している酸素および鋼中に介在する酸化物の酸素を含む合計の含有量を意味する。
Tiは、C、N、Sと結合して耐酸化性を向上する元素であり、また、耐テンパーカラー性を向上する元素である。耐食性、耐粒界腐食性、深絞り性を考慮すると、Ti含有量は0.09%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.120%以上である。しかし、過度なTiの含有は、耐酸化性の低下を招き、耐テンパーカラー性を低下させるため、Ti含有量は0.40%以下とする。上記特性の低下をさらに抑制することを考慮すると、Ti含有量は0.24%未満とすることが好ましい。原料コストの低減や均一伸び、穴広げ加工性、製造性を考慮すると、Ti含有量は0.23%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.22%以下である。Tiを含有しない場合の下限は0%でもよい。
Nbは、C、N、Sと結合して耐酸化性を向上する元素であり、耐テンパーカラー性を向上する元素である。耐食性、耐粒界腐食性、高温強度を考慮すると、Nb含有量は0.01%以上とすることが好ましい。より好ましくは、0.05%以上であり、さらに好ましくは、0.05%超である。しかし、過度なNbの含有は、製造性や加工性の低下を招くため、Nb含有量は0.80%以下とする。原料コストの観点から経済性を考慮すると、Nb含有量は0.55%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.35%未満であり、さらに好ましくは0.25%以下である。Nbを含有しない場合の下限は0%でもよい。
Wは、高温強度、耐食性、耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.01%以上であり、さらに好ましくは、0.05%以上である。しかし、過度のWの含有は、原料コストの上昇、加工性、靭性、製造性の低下を招く場合があるため、W含有量は0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.40%以下であり、さらに好ましくは、0.30%以下である。
Yは、耐銹性、熱間加工性、耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは0.01%以上である。しかし、過度のYの含有は、原料コストの上昇、製造性の低下を招く場合があるため、Y含有量を0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.20%以下であり、さらに好ましくは、0.10%以下である。
REM(Rare earth metal;希土類元素)は、耐銹性、熱間加工性、耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なREMの含有は、原料コストの上昇、製造性の低下を招く場合があるため、REM含有量を0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.20%以下であり、さらに好ましくは、0.10%以下である。REMは、スカンジウム(Sc)とランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。REMとして、上記元素のうちの1種を単独で含有しても良いし、2種以上を含有しても良い。REMとして上記元素のうち2種以上を含有する場合、REM含有量は、それらの元素の合計含有量である。
Caは、耐食性、耐酸化性、製造性を改善する元素であり、必要に応じて0.0001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.0002%以上であり、さらに好ましくは0.0003%以上である。しかし、過度なCaの含有も耐食性、製造性の低下を招く場合があるため、Ca含有量を0.0050%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.0030%以下であり、さらに好ましくは、0.0020%以下である。
Zrは、耐食性、耐粒界腐食性、高温強度、耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.01%以上であり、さらに好ましくは、0.03%以上である。しかし、過度なZrの含有は、原料コストの上昇、製造性の低下を招く場合があるため、Zr含有量を0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.30%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。
Hfは、耐食性、耐粒界腐食性、高温強度、耐酸化性を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なHfの含有は、原料コストの上昇、製造性の低下を招く場合があるため、Hf含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.50%以下であり、さらに好ましくは、0.30%以下である。
Snは、耐食性、高温強度を改善する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度のSnの含有は、原料コストの上昇、靭性、製造性の低下による製造コストの上昇を招く場合があるため、Sn含有量を0.05%未満とすることが好ましい。より好ましくは、0.04%未満である。
Mgは、脱酸元素として含有させる場合がある他、成型性、耐酸化性を改善する元素でもあり、必要に応じて0.0001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.0003%以上であり、さらに好ましくは、0.0005%以上である。しかし、過度なMgの含有は、耐食性、溶接性、表面品質の低下を招く場合があるため、Mg含有量は0.0050%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.0030%以下であり、さらに好ましくは、0.0020%以下である。
Coは、高温強度を向上する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。よりより好ましくは、0.01%以上であり、さらに好ましくは、0.03%以上である。しかし、過度なCoの含有は、原料コストの上昇、加工性、靭性、製造性の低下を招く場合があるため、Co含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.50%以下であり、さらに好ましくは、0.30%未満である。
Sbは、高温強度を向上する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.005%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なSbの含有は、溶接性、靭性の低下を招く場合があるため、Sb含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.50%以下であり、さらに好ましくは、0.40%以下である。
Biは、冷間圧延時に発生するローピングを抑制し、製造性を向上する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なBiの含有は、原料コストの上昇、加工性、熱間加工性の低下を招く場合があるため、Bi含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.50%以下であり、さらに好ましくは、0.30%以下である。
Taは、高温強度を向上する元素であり、必要に応じて0.001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.003%以上であり、さらに好ましくは、0.01%以上である。しかし、過度なTaの含有は、原料コストの上昇、靭性、製造性の低下を招く場合があるため、Ta含有量を1.0%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.50%以下であり、さらに好ましくは、0.30%以下である。
Gaは、耐食性、耐水素脆化特性を向上する元素であり、必要に応じて0.0001%以上含有することが好ましい。より好ましくは、0.0003%以上であり、さらに好ましくは、0.001%以上である。しかし、過度なGaの含有は、原料コストの上昇、製造性の低下を招く場合があるため、Ga含有量を0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.30%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。
また、GDS測定によって得られた全ての発光強度を積算し、検出された全元素の合計を100質量%とした場合の、CおよびSの含有率を求め、Sの平均含有量およびCの平均含有量を求めた。
Claims (6)
- 鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.030%以下、
N:0.030%以下、
Si:0.01%以上、5.00%以下、
Mn:0.01%以上、3.00%以下、
P:0.050%以下、
S:0.0100%以下、
Cr:8.0%以上、25.0%以下、
Ni:0.001%以上、2.00%以下、
Cu:0.001%以上、2.00%以下、
Mo:0.001%以上、4.00%以下、
Al:0.001%以上、0.80%以下、
V:0.01%以上、0.30%以下、
B:0.0001%以上、0.0050%以下、
O:0.0001%以上、0.0050%以下を含有し、更に、Ti:0.40%以下、Nb:0.80%以下の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
鋼の表面に酸化被膜があり、
下記式(i)~(v)を満たす、フェライト系ステンレス鋼板。
[Ti]+[Nb]≧0.03 ・・・式(i)
18.0≦[*Cr]+[*Si]×[Si]≦35.0 ・・・式(ii)
0<[*Cu]-[Cu]≦5.00 ・・・式(iii)
表面Ra≦1.20μm ・・・式(iv)
L * ≧55 ・・・式(v)
但し、式(i)~式(iii)中の[元素記号]は、当該元素の鋼中の含有量(質量%)であり、[*元素記号]は、前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるC、N、S、P、Oを除いたカチオン濃度における当該元素の平均含有量(質量%)である。式(iv)の表面Raは、鋼板表面の算術平均粗さRaである。式(v)のL * は、明度指数である。 - 鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.020%未満、
N:0.020%未満、
Si:0.10%超、3.00%以下、
Mn:0.01%以上、0.40%未満、
P:0.050%以下、
S:0.0020%未満、
Cr:10.0%超、21.0%以下、
Ni:0.001%以上、0.60%未満、
Cu:0.001%以上、0.30%未満、
Mo:0.001%以上、2.20%以下、
Al:0.001%以上、0.80%以下、
V:0.01%以上、0.30%以下、
B:0.0001%以上、0.0050%以下、
O:0.0001%以上、0.0050%以下を含有し、更に、Ti:0.24%未満、Nb:0.55%以下、の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
鋼の表面に酸化被膜があり、
下記式(i)~(v)を満たす、フェライト系ステンレス鋼板。
[Ti]+[Nb]≧0.08 ・・・式(i)
19.5≦[*Cr]+[*Si]×[Si]≦33.0 ・・・式(ii)
0.02≦[*Cu]-[Cu]≦4.00 ・・・式(iii)
表面Ra≦1.20μm ・・・式(iv)
L * ≧60 ・・・式(v)
但し、式(i)~式(iii)中の[元素記号]は、当該元素の鋼中の含有量(質量%)であり、[*元素記号]は、前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるC、N、S、P、Oを除いたカチオン濃度における当該元素の平均含有量(質量%)である。式(iv)の表面Raは、鋼板表面の算術平均粗さRaである。式(v)のL * は、明度指数である。 - 鋼板表面が酸洗仕上げである、請求項1または請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
- 前記酸化被膜の表面から深さ40nmまでの間におけるSの平均含有量が0.3質量%以下であり、Cの平均含有量が6質量%以下である、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
- 質量%にて、Feの一部に代えて、
W:0.001%以上、0.50%以下、
Y:0.001%以上、0.50%以下、
REM:0.001%以上、0.50%以下、
Ca:0.0001%以上、0.0050%以下、
Zr:0.001%以上、0.50%以下、
Hf:0.001%以上、1.0%以下、
Sn:0.001%以上、0.05%未満、
Mg:0.0001%以上、0.0050%以下、
Co:0.001%以上、1.0%以下、
Sb:0.001%以上、1.0%以下、
Bi:0.001%以上、1.0%以下、
Ta:0.001%以上、1.0%以下、
Ga:0.0001%以上、0.50%以下、
の1種または2種以上を含有する、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
最終焼鈍前の脱脂工程と、前記脱脂工程後の最終焼鈍工程と、前記最終焼鈍工程後の最終電解酸洗工程とを少なくとも備え、
前記最終焼鈍工程は、焼鈍雰囲気が2~15体積%の水素と残部窒素の雰囲気であり、焼鈍温度が800~1200℃であり、400℃以上700℃以下の範囲における昇温時間が5秒以上、200秒以下であり、800℃以上1200℃以下の範囲での保持時間が20秒以上、200秒以下であり、400℃以上700℃以下の範囲における昇温時間が800℃以上1200℃以下の範囲での保持時間より短く、
前記最終酸洗工程は、50g/L以上、300g/L以下の硫酸と、200mg/L以下のCuイオンを含む酸洗液による3秒以上、60秒以下の電解酸洗である、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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