以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
<作業管理システム>
図1は、本発明の実施形態に係る作業管理装置100を含む作業管理システムSの全体概略図である。当該作業管理システムSは、作業機101の作業を管理するためのシステムであり、作業管理装置100、測位衛星102、観測衛星103、基地局104、及び、外部装置70を有している。作業管理システムSでは、作業管理装置100、作業機101、基地局104、及び、外部装置70は、情報通信ネットワークNを介して情報通信が可能となっている。
測位衛星102は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システムに対応する衛星である。測位衛星102は、地表に向けた電波発振を介して、衛星信号を作業機101に送出する。この衛星信号に基づいて、地表における作業機101を測位可能となっている。
観測衛星103は、情報収集衛星、気象観測衛星、商業衛星等の地表を観測するための人工衛星である。観測衛星103は、電波、赤外、可視光等の種々の波長領域にて、地表を観測可能となっている。観測衛星103では、例えば、合成開口レーダ、光学センサ等により、所定のエリアにおける地表の観測データ(観測情報)が取得される。当該取得された観測データは、観測衛星103から基地局104を介して、作業管理装置100へ送出される。他方、作業管理装置100による観測に関する指示信号も、基地局104を介して観測衛星103へ送出されるようになっている。観測衛星103は、作業管理装置100からの指示に応じて、予め設定されたエリアにおける地表の観測データを取得する。
作業管理装置100、及び、外部装置70は、サーバ等の設置型のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の携帯型のコンピュータ等であり、作業機101に適用される。本実施形態では、作業管理装置100はサーバであり、外部装置70はタブレットであるとして、説明を進める。作業管理装置100は、外部装置70の画面を介して、作業機101の作業計画、観測衛星103での観測エリア、観測データの取得周期を設定可能となっている。作業管理装置100は、観測衛星103から送出された観測データを画像に変換し、作業機101の作業計画に反映する。また、作業管理装置100は、作業計画の情報を作業機101に送信する。
ここにおいて、作業計画としては、作業機101による作業の対象となる作業場(圃場など)、作業機101の現在地から作業場までの走行ルート、作業場での作業機101の作業内容等があげられる。作業計画は、例えば、種々条件に応じて、最適な作業機101の作業効率を達成可能なよう、実際の作業の実行前に予め設定されるようになっている。作業計画の設定プロセスについては、後に詳述する。
即ち、作業管理システムSでは、観測衛星103による観測データが、作業管理装置100に集約されて作業計画に反映される。作業計画の情報は、作業管理装置100から作業機101に送出されるようになっている。送出された情報に基づいて、作業機101では、自動運転制御等が実行される。
<作業機>
図17は、作業機101の全体の側面図を示している。作業機101は、走行車両1と、作業装置2とを備えている。本実施形態の場合、走行車両1はトラクタであるため、以下、走行車両1をトラクタ1として説明する。但し、走行車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや田植機等の農業車両であっても、建設車両等であってもよい。
図17に示すように、トラクタ1は、走行装置7を有する走行車体3と、原動機4と、変速装置5と、を備えている。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等である。原動機4は、走行車体3の前部に配置されており、変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。走行車体3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
また、走行車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された昇降装置8が設けられている。昇降装置8には、作業装置2が着脱可能である。作業装置2を昇降装置8に連結することによって、走行車体3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、苗を植え付ける移植装置、灌水を行う灌水装置、農薬を散布する農薬散布装置、種を散布する播種散布装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
図3に示すように、昇降装置8は、リフトアーム8a、ロアリンク8b、トップリンク8c、リフトロッド8d、リフトシリンダ8eを有している。リフトアーム8aの前端部は、変速装置5を収容するケース(ミッションケース)の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム8aは、リフトシリンダ8eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ8eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ8eは、制御弁36を介して油圧ポンプと接続されている(図2を参照)。制御弁36は、電磁弁等であって、リフトシリンダ8eを伸縮させる。
ロアリンク8bの前端部は、変速装置5の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク8cの前端部は、ロアリンク8bよりも上方において、変速装置5の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド8dは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。ロアリンク8bの後部及びトップリンク8cの後部には、作業装置2が連結される。リフトシリンダ8eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム8aが昇降するとともに、リフトロッド8dを介してリフトアーム8aと連結されたロアリンク8bが昇降する。これにより、作業装置2がロアリンク8bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。
図2に示すように、トラクタ1は、操舵装置29を備えている。操舵装置29は、ハンドル(ステアリングホイール)30と、ハンドル30の回転に伴って回転する回転軸(操舵軸)31と、ハンドル30の操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)32と、を有している。補助機構32は、油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33から吐出した作動油が供給される制御弁34と、制御弁34により作動するステアリングシリンダ35とを含んでいる。制御弁34は、制御装置60の制御信号に基づいて作動する電磁弁である。制御弁34は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁34は、操舵軸31の操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ35は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)に接続されている。
したがって、ハンドル30を操作すれば、当該ハンドル30に応じて制御弁34の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁34の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ35が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵装置29は一例であり、上述した構成に限定されない。
図2に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケース(ミッションケース)に回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタの前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
前変速部5fは、第1クラッチ17と、第2クラッチ18とを有している。第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、推進軸5aからの動力が伝達可能であって、例えば、シャトル12の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1クラッチ17及び第2クラッチ18からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、油圧クラッチ等で構成されている。第1クラッチ17には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプから吐出した作動油が供給される第1作動弁25に接続されている。第1クラッチ17は、第1作動弁25の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2クラッチ18には油路が接続され、当該油路には第2作動弁26に接続されている。第2クラッチ18は、第2作動弁26の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第1作動弁25及び第2作動弁26は、例えば、制御装置60の制御信号に基づいて作動する電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
第1クラッチ17が切断状態で且つ第2クラッチ18が接続状態である場合、第2クラッチ18を通じてシャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪7F及び後輪7Rが動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪7Fと後輪7Rとの回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1クラッチ17が接続状態で且つ第2クラッチ18が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪7Fの回転速度が後輪7Rの回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。また、第1クラッチ17及び第2クラッチ18が切断状態である場合、シャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達されないため、後輪7Rが動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
図2に示すように、変速装置5のミッションケースにおいて、後車軸21Rの軸支箇所にサイドブレーキ11が設けられている。サイドブレーキ11は、右左の後輪7Rを独立に制動可能となっている。このサイドブレーキ11は、操作シリンダ13及び連係ロッド14を介して、ブレーキペダル12と接続され、ブレーキペダル12の操作によって作動可能となっている。ブレーキペダル12には、バネ12a、及び、ストッパー12bが設けられている。ブレーキペダル12は、バネ12aにより解除位置側に付勢されており、ストッパー12bは、ブレーキペダル12を解除位置で止めるようになっている。操作シリンダ13には、バネ13aが内装されている。操作シリンダ13は、バネ13aにより伸張側に付勢されており、作動油が供給されることで収縮作動するようになっている。操作シリンダ13の作動油は、制御弁21によって給排操作される。制御弁21は、制御装置60の制御信号に基づいて作動する。
図1、及び、図2に示すように、トラクタ1は、測位装置40を備えている。測位装置40は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星102)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置40は、測位衛星102から送信された衛星信号(測位衛星102の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて、トラクタ1の位置(例えば、緯度、経度)、即ち、車体位置を検出する。測位装置40は、受信装置41と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)42とを有している。
受信装置41は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置42とは別に走行車体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置41は、走行車体3、即ち、キャビン9に取付けられている。なお、受信装置41の取付箇所は、実施形態に限定されない。慣性計測装置42は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。走行車体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置42によって、走行車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
図1、及び、図2に示すように、トラクタ1は、記憶装置50を備えている、記憶装置50は、不揮発性のメモリ等から構成されている。作業管理装置100から作業機101に向けて、作業計画に対応する情報が送信された場合、当該情報は、通信装置45Aを介して記憶装置50に記憶されるようになっている。記憶装置50に記憶された作業計画は、制御装置60により読み出され、作業計画に基づいて走行系の制御、及び、作業系の制御が実行される。
図1、及び、図2に示すように、トラクタ1は、通信装置45Aを備えている。通信装置45Aは、CAN等の車両用通信ネットワークN1を介して、測位装置40、記憶装置50、及び、制御装置60と接続されている。トラクタ1における各種信号、データは、車両用通信ネットワークN1を介して通信装置45Aへ送出可能となっている。また、通信装置45Aは、外部の情報通信ネットワークNを介して、作業管理装置100、及び、外部装置70とも接続されており、これら装置との情報通信が可能となっている。通信装置45Aは、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Lo w Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置45Aは、例えば、LTE(Long term evolution)、第4、第5世代通信システム等の、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。
<自動運転制御>
次に、自動運転制御について詳述する。図1に示すように、トラクタ1は、制御装置60を備えている。制御装置60は、トラクタ1における走行系の制御、作業系の制御等を行う装置であり、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。
図2に示すように、制御装置60には、運転切換スイッチ65、及び、センサ67が接続されている。運転切換スイッチ65は、ON/OFFに切り換え可能なスイッチであって、ONである場合に制御装置60を自動運転モードに設定することができ、OFFである場合に制御装置60を手動運転モードに設定することができる。
センサ67は、トラクタ1の周囲の状況を検出する非接触方式のセンサである。センサ67は、走行車体3の前方であって、前輪7Fよりも前側に設けられている(図17を参照)。本実施形態では、センサ67は、レーザセンサ(ライダー(LiDAR: Light Detection And Ranging))であり、1秒間に何百万回ものパルス状の赤外線等を前方へ照射し、センサ67に跳ね返って戻ってくるまでの時間を測定するものである。これにより、センサ67は、トラクタ1の進行を阻害する障害物、及び、トラクタ1の離間距離が所定距離以下である場合に、当該障害物を検知可能となっている。なお、センサ67としては、レーザセンサに限られず、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラ等の他の形式の光学センサが用いられてもよいし、光学センサに加え、走行車体3の前方及び側方にソナーを設けてもよい。
図2に示すように、制御装置60は、自動運転制御部63、及び、制動制御部64を備えている。自動運転制御部63、及び、制動制御部64は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。
自動運転制御部63は、走行車体3の自動運転を制御する。自動運転制御部63は、自動運転モードになっている場合に自動運転を開始する。図4に示すように、トラクタ1が自動運転を行っている状況下において、車体位置と走行予定ルートL1との偏差が閾値未満である場合、自動運転制御部63は、操舵軸(回転軸)31の回転角を維持する。車体位置と走行予定ルートL1との偏差が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ルートL1に対して左側に位置している場合は、自動運転制御部63は、トラクタ1の操舵方向が右方向となるように操舵軸31を回転する。車体位置と走行予定ルートL1との偏差が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ルートL1に対して右側に位置している場合は、自動運転制御部63は、トラクタ1の操舵方向が左方向となるように操舵軸31を回転する。
なお、上述した実施形態では、車体位置と走行予定ルートL1との偏差に基づいて操舵装置29の操舵角を変更していたが、走行予定ルートL1の方位とトラクタ1(走行車体3)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)とが異なる場合、即ち、走行予定ルートL1に対する車体方位の角度が閾値以上である場合、自動運転制御部63は、角度が零となる(車体方位F1が走行予定ルートL1の方位に一致する)ように操舵角を設定してもよい。また、自動運転制御部63は、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位(方位偏差)に基づいて求めた操舵角とに基づいて、自動操舵における最終の操舵角を設定してもよい。上述した実施形態における自動操舵における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
なお、自動運転制御部63は、走行予定ルートL1と車速とが対応付けられている場合、現在のトラクタ1の車速が走行予定ルートL1に対応した車速に一致するように変速装置5の変速段、原動機4の回転数等を自動的に変更する。
なお、本実施形態においては、走行予定ルートL1は、所定の場所に位置するトラクタ1が作業場に到達するための通路(公道、農道等)における走行ルートや、作業場(圃場等)において作業機101が作業するための走行ルートであってもよい。自動運転制御は、トラクタ1に運転手が乗車しない状態にて実行されてもよく、運転手が乗車しない場合にも、自動運転制御部63により、トラクタ1は、上述した走行ルートに沿って自動運転にて走行可能となっている。また、これに代えて、トラクタ1に運転手が乗車しない状態にて実行されてもよい。
制動制御部64は、トラクタ1(走行車体3)が自動運転されている状態において、センサ67が障害物を検知したと判定した場合、トラクタ1を制動する。ここにおいて、障害物としては、例えば、トラクタ1の走行を阻害する物体であって、仮に走行しているトラクタ1と衝突した場合において、トラクタ1の走行継続が困難となったり、トラクタ1が走行予定ルートL1から離脱し復帰が困難となる事象を引き起こす物体があげられる。また、障害物としては、例えば、走行するトラクタ1と障害物とのすれ違いが困難となる事象を引き起こす物体があげられる。より具体的には、障害物は、例えば、地表(圃場など)の凹凸、地表における載置物、トラクタ1とは異なる車両等の移動体であってもよい。
制動制御部64によるトラクタ1の制動としては、本実施形態では、右左の後輪7Rのサイドブレーキ11を作動させて、トラクタ1を停止させる。より具体的には、制動制御部64は、センサ67が障害物を検知したと判定された場合、制動方向に操作シリンダ13が操作されるよう、制御弁21に制御信号を送出する(図2を参照)。なお、サイドブレーキ11の作動に代えて、又は、サイドブレーキ11の作動に加えて、変速装置5が減速方向に変速するよう、変速装置5が制御されてもよい。この場合、制動制御部64は、センサ67が障害物を検知したと判定された場合、第1作動弁25及び第2作動弁26に制御信号を送出する。また、制動制御部64は、センサ67が障害物を検知したと判定された場合、原動機4を停止するよう制御してもよい。
<作業計画の設定>
図1に示すように、サーバである作業管理装置100は、作業機101の作業計画を設定し、設定された作業計画の情報を記憶するとともに、情報通信ネットワークNを介して、作業計画が作業管理装置100から作業機101へ送出されるようになっている。本実施形態では、作業計画は、タブレットである外部装置70からの入力を介して、管理作業装置100にて設定可能となっている。トラクタ1は、管理作業装置100から設定された作業計画を取得可能となっている。
図1に示すように、作業管理装置100は、作業計画設定部110Aと、記憶部112Bと、を備えている。作業計画設定部110Aは、作業管理装置100に設けられた電気電子回路、作業管理装置100に格納されたプログラム等でそれぞれ構成されている。記憶部112Bは、不揮発性のメモリ、作業管理装置100に格納されたプログラム等で構成されている。作業計画設定部110Aは、作業計画を設定する。本実施形態においては、作業計画には、作業機101による作業の対象となる作業場、トラクタ1が作業場に到達するための走行予定ルートL1、及び、どのトラクタ1でどの作業を行うかを示す情報等が含まれている。
図5に示すように、タブレットである外部装置70が作業管理装置100に接続され、外部装置70において所定の操作が行われると、外部装置70の表示部70Aに、設定画面M1が表示される。設定画面M1には、作業場を入力する作業場入力部110と、作業を入力する作業入力部111と、作業装置2を入力する機械入力部112と、時間を入力する時間入力部113が表示される。
作業場入力部110には、作業場を特定する特定情報を入力することができる。特定情報とは、例えば、作業場の名称、作業場の位置(緯度、経度)、作業場の管理番号等を入力することができる。なお、図5に示すように、設定画面M1に作業場を示す作業場マップを表示して、作業場マップ上の作業場の中から所定の作業場を選択することにより、作業場を特定してもよい。
作業場マップは、例えば、道路、農道、圃場等の作業場、建物などを含む地図であり、緯度、経度等の位置情報が含まれているようになっている。当該地図は、地図のデータを提供する地図提供会社から取得した地図であってもよいし、外部装置70等によって作成した地図であってもよいし限定されない。なお、地図は、地表に対し上面視となる2次元地図であり、外部装置70の表示部70Aにおける操作等にて、走査的に範囲を選択したり、選択範囲を拡大・縮小することが、可能となっている。
より具体的には、作業場入力部110は、例えば、矩形状に構成されていてもよく、その内側の領域にて、作業場マップとして、複数の作業場(作業場A、作業場B、作業場C)と、作業機101と、作業機101が走行する道路及び農道を含む通路Rと、が表示されるようになっている。作業場入力部110においては、作業場マップを表示する場合に、複数の作業場のうち選択・特定された作業場は、他の作業場と識別できるように表示される。本実施形態では、選択・特定された作業場が、例えば、作業場Aである場合、作業場Aが作業機101の作業の対象となり、作業計画に含まれる作業予定の場所となる。当該作業場Aの色彩を、他の作業場B、Cの色彩と異ならせることで、作業場Aを識別できるようにしてもよい。
また、測位装置40によって測位した車体位置の情報は、トラクタ1から通信装置45Aを介して、作業管理装置100に送出される。作業場入力部110では、測位された車体位置が参照され、作業場マップ上の車体位置に対応する位置に、トラクタ1(トラクタ1を模した図形D1)が表示されるようになっている。通路Rにおける走行予定ルートL1は、作業場入力部110に表示される作業場Aの位置(緯度、経度)、及び、トラクタ1の位置(緯度、経度)に基づいて設定される。
より具体的には、本実施形態では、作業場入力部110に表示される通路において、図形D1の位置から作業場Aの入口A1の位置に至るまでの経路のうち、最短となるものが走行予定ルートL1として設定される。即ち、走行予定ルートL1が、D1~A1までの最短経路となるよう自動的に設定される。なお、これに代えて、作業場入力部110にて、走行予定ルートL1が、複数のD1~A1の経路のうちから選択・特定されるようにしてもよい。
作業入力部111には、床土作り、畦塗り、耕耘、播種、施肥、田植え、代掻き、溝切り、除草、追肥、収穫等の作業を入力する。機械入力部112には、作業装置2の型番、型式、名称等を入力可能である。時間入力部113には、作業を行う作業日、作業時刻等などの時間を入力する。設定画面M1において作業場、作業、作業装置2、時間等を入力して、所定の操作を行うと、作業計画設定部110Aは、設定画面M1に入力された作業場、作業、作業装置2、時間、走行予定ルートL1等を作業計画として設定し、設定した作業計画(作業場、作業、作業装置、時間、走行予定ルートL1等)を、記憶部112Bに記憶するようになっている。
<作業計画の変更>
上述のように、作業計画としての走行予定ルートL1は、作業計画設定部110Aにて、地図等の作業場マップが用いられて設定される。このように設定された走行予定ルートL1においては、実際の通路Rでは、トラクタ1の交通に適さない事象が生じている場合がある。この場合、作業計画設定部110Aによる作業計画の設定のみでは、走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さない状態となる事象を検知したり、判定することは困難である。このような事象を鑑みて、必要に応じて作業計画が変更されることが好ましい。従って、本実施形態では、観測衛星103にて得られる通路Rの観測情報に基づいて、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1を変更可能となっている。
図1に示すように、作業管理装置100は、作業計画変更部110Cと、観測エリア設定部111Cと、観測指示部113Cと、を備えている。作業計画変更部110C、観測エリア設定部111C、及び、観測指示部113Cは、作業管理装置100に設けられた電気電子回路、作業管理装置100に格納されたプログラム等でそれぞれ構成されている。
作業計画変更部110Cは、地表を観測可能な観測衛星103を利用して観測されるエリアの範囲内における作業場、又は、通路Rの観測情報に基づいて、設定された作業計画を変更する。より具体的には、本実施形態では、作業計画変更部110Cは、通路Rの観測情報に基づいて、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さないものであると判定された場合、設定された走行予定ルートL1を変更する。
走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さない場合としては、例えば、走行予定ルートL1に対応する通路Rに障害物が存在したり、通路R(農道)に崩れが生じる等によりトラクタ1の走行が阻害される場合や、通路Rに駐車車両が存在しトラクタ1とのすれ違い走行が困難となる場合等があげられる。また、走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さない場合としては、例えば、走行予定ルートL1に対応する通路Rに駐停車可能な領域が設けられており、トラクタ1の駐停車を予定する場合であって、当該領域が既に他の車両により占有されている場合等もあげられる。
観測エリア設定部111Cは、観測衛星103による地表の観測エリア150、及び、観測データを取得する周期tを設定する。更に、観測エリア設定部111Cは、走行予定ルートL1に対応する走行予定ルートエリア(図7の一点鎖線の領域を参照)も設定する。具体的には、図6に示すように、外部装置70が作業管理装置100に接続され、作業計画設定部110Aにて作業計画が設定された後に、外部装置70において所定の操作が行われると、表示部70Aに、設定画面M1に代えて設定画面M2が表示される。
図6に示すように、設定画面M2は、地図を表示する地図表示部125と、観測タイミング入力部126とを含んでいる。地図表示部125にて表示される地図は、上述した設定画面M1にて設定された作業場マップと同じものであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、地図表示部125にて、設定画面M1にて設定された地図と同じものが、引続き表示されるものとする。観測タイミング入力部126は、観測データの取得周期tを入力できるようになっている。
観測エリア設定部111Cは、地図表示部125に表示される地図の四隅に対応する緯度・経度LA1・LO1,LA2・LO2,LA3・LO3,LA4・LO4を決定する。決定された緯度LA1~LA4、経度LO1~LO4にて規定される矩形の領域が、観測エリア150として設定される。また、観測エリア設定部110Bは、地図表示部125から決定された緯度LA1~LA4、経度LO1~LO4、及び、観測タイミング入力部126に入力された周期tを、記憶部112Bに記憶する。
また、観測エリア設定部111Cは、観測エリア150内における走行予定ルートエリアを設定する。図7に示すように、例えば、設定画面M2の地図表示部125における四隅の1点(例えば、左下の端点)を原点Oとし、横軸X、縦軸Yとした2次元座標系を構成した上で、トラクタ1の走行予定ルートとなる通路Rを囲む領域が、走行予定ルートエリアとして設定されてもよい。この場合、2次元座標系における作業場Aの入口A1に対応する座標(X1,Y1)、トラクタ1の図形D1に対応する座標(X2,Y2)、及び、通路Rの距離・道幅・曲がり角の座標等に基づいて、走行予定ルートエリアの輪郭を規定してもよい。
走行予定ルートエリアは、作業場マップの通路Rにおいて、トラクタ1が走行可能な複数のルートに対応するよう設定されてもよい。本実施形態においては、目的地を作業場Aの入口A1(X1,Y1)とし、出発地をD1(X1,Y2)として、図7(a),(b),(c),(d)の一点鎖線で囲まれた領域として示すように、4通りのルートに対応した走行予定ルートエリアL1a,L1b,L1c,L1dが設定される。本実施形態においては、走行予定ルートエリアL1aは、最短距離であるとして、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1に対応している。このように設定された観測エリア150内における各走行予定ルートエリアL1a~L1dの輪郭及び位置は、記憶部112Bにそれぞれ記憶される。
観測指示部113Cは、記憶部112Bに記憶されている緯度LA1~LA4、経度LO1~LO4、及び、周期tを読み出し、これらの情報を指示信号として、情報通信ネットワークNを介して基地局104へ送出する。当該指示信号は、基地局104から観測衛星103に送出されて、観測衛星103は、緯度・経度LA1・LO1,LA2・LO2,LA3・LO3,LA4・LO4の4点にて規定される矩形区画の地表を、設定された周期t毎に撮像し取得するようになっている。撮像された地表の観測データは、取得される毎に、即ち、周期t毎に、観測衛星103から基地局104を介して作業管理装置100に逐次送出されていく。そして、観測データは、記憶部112Bに逐次記憶されていく。
記憶部112Bに逐次記憶されていく観測データには、各走行予定ルートエリアL1a~L1dに対応するデータも含まれる(図7を参照)。即ち、走行予定ルートL1に対応する通路Rの観測データも記憶部112Bに記憶されることになる。記憶部112B(観測情報記憶部に相当)は、当該観測データを、複数の作業機にて共有可能なように記憶する。なお、観測衛星103からの観測データを記憶するための処理、及び、記憶された観測データを共有するための処理は、記憶部112Bにて実行される。
より具体的には、図1に示すように、作業管理システムSにおいて、作業機101とは別体の複数の作業機101aが、それぞれ対応する複数の端末100aを介し、情報通信ネットワークNに接続されていてもよい。端末100aは、作業機101aの作業計画を設定するとともに、作業機101aに対し設定された作業計画を送信可能なサーバ(クラウドサーバ等)であってもよい。端末100aは、情報通信ネットワークNを介して作業管理装置100にアクセス可能となっており、端末100aからアクセスがあった場合、作業管理装置100は、記憶部112Bに記憶されている観測データを端末100aに提供する。そして、端末100aは、当該観測データを、作業管理装置100と同様に作業計画に反映し、作業機101aに作業計画を送信する。このように、上記観測データは、端末100aでの作業計画への反映を経て、複数の作業機101aにて共有される。なお、端末100aを介さずに、作業管理装置100から作業機101aに観測データが提供されるようにしてもよい。
作業計画変更部110Cは、図8~図11に示すように、作業管理装置100に逐次送出されてきた観測データを、それぞれ画像に変換する。当該画像は上記矩形区画に対応する形状で示され、四隅の1点(例えば、左下の端点)を原点Oとし、横軸X、縦軸Yとした2次元座標系を、当該画像にフィットさせる。次いで、作業計画変更部110Cは、変換された画像に対し、観測エリア設定部111Cにて設定された走行予定ルートエリアL1a、L1b、L1c、L1dの領域を重ね合わせる。走行予定ルートエリアL1a~L1dの領域に対応する画像が、走行予定ルートL1の変更のための判断に用いられる。そして、当該画像に対し、2値化処理等の所定の画像処理を施すことにより、障害物O1の輪郭に対応する領域を識別し、障害物O1の中央位置に2次元座標系における座標(X3,Y3)を割り当てる。
より具体的には、例えば、作業計画変更部110Cでは、周期t毎にて生成される観測エリア150の画像において、走行予定ルートエリアL1a、L1b、L1c、L1dの画像をその都度機械学習していく。図7(a),(b),(c),(d)に示すように、障害物O1が通路Rに存在しておらず、走行予定ルートエリアL1a~L1dのそれぞれの画像から認識される状態の変化が殆どない場合の画像が、教師データとして利用される。作業計画変更部110Cでは、機械学習の結果と、最新の走行予定ルートエリアL1a~L1dの画像とが比較されて、走行予定ルートエリアL1a~L1dの画像から認識される状態の変化がある否かが、判断される。
なお、画像の状態変化を判断するのに代えて、例えば、作業計画変更部110Cは、2次元座標系において、障害物O1の座標(X3,Y3)が、走行予定ルートエリアL1a、L1b、L1c、L1dの領域内にあるか否かが、判断されるようにしてもよい。
図8に示すように、2次元座標系において、例えば、走行予定ルートエリアL1a,L1bの領域内であって、L1c,L1dの領域外の位置に、障害物O1が存在するものとする。この場合、図8(a),(b)に示すように、走行予定ルートエリアL1a,L1bにおいて、図7(a),(b)の状態から、座標(X3,Y3)近傍の画素に変化が生じたものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1は設定されない。
一方、図8(c),(d)に示すように、走行予定ルートエリアL1c,L1dにおいて、図7(c),(d)の状態から画像に変化が生じていないものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1を設定する。この場合、作業計画設定部110Aにて、走行予定ルートエリアL1aに対応する走行予定ルートL1が設定されていたが、作業計画変更部110Cにて、走行予定ルートL1が、L1c又はL1dに対応するものとなるよう、変更される。
図9に示すように、2次元座標系において、例えば、走行予定ルートエリアL1a,L1dの領域内であって、走行予定ルートエリアL1b,L1cの領域外の位置に、障害物O1が存在するものとする。この場合、図9(a),(d)に示すように、走行予定ルートエリアL1a,L1dにおいて、図7(a),(d)の状態から、座標(X3,Y3)近傍の画素に変化が生じたものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1は設定されない。
一方、図9(b),(c)に示すように、走行予定ルートエリアL1b,L1cにおいて、図7(b),(c)の状態から画像に変化が生じていないものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1を設定する。この場合、作業計画設定部110Aにて、走行予定ルートエリアL1aに対応する走行予定ルートL1が設定されていたが、作業計画変更部110Cにて、走行予定ルートL1が、L1b又はL1cに対応するものとなるよう、変更される。
図10に示すように、2次元座標系において、例えば、走行予定ルートエリアL1a,L1b,L1dの領域内であって、走行予定ルートエリアL1cの領域外の位置に、障害物O1が存在するものとする。この場合、図10(a),(b),(d)に示すように、走行予定ルートエリアL1a,L1b,L1dにおいて、図7(a),(b),(d)の状態から、座標(X3,Y3)近傍の画素に変化が生じたものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1は設定されない。
一方、図10(c)に示すように、走行予定ルートエリアL1cにおいて、図7(c)の状態から画像に変化が生じていないものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1を設定する。この場合、作業計画設定部110Aにて、走行予定ルートエリアL1aに対応する走行予定ルートL1が設定されていたが、作業計画変更部110Cにて、走行予定ルートL1が、L1cに対応するものとなるよう、変更される。
図11に示すように、2次元座標系において、例えば、走行予定ルートエリアL1b,L1c,L1dの領域内であって、走行予定ルートエリアL1aの領域外の位置に、障害物O1が存在するものとする。この場合、図11(b),(c),(d)に示すように、走行予定ルートエリアL1b,L1c,L1dにおいて、図7(b),(c),(d)の状態から、座標(X3,Y3)近傍の画素に変化が生じたものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1は設定されない。
一方、図10(a)に示すように、走行予定ルートエリアL1aにおいて、図7(a)の状態から画像に変化が生じていないものとして、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1の設定が維持される。
<実際の作動>
図12は、作業管理装置100の作動を示すフローチャートである。測位衛星102、及び、観測衛星103は、それぞれ常時駆動しているとともに、作業管理装置100、作業機101、基地局104、及び、外部装置70は、既に情報通信ネットワークNに接続され、情報通信可能となっているものとする(図1を参照)。また、トラクタ1が作業場から離れた通路R上の場所に、位置しているものとする(図5等を参照)。
測位装置40にてトラクタ1の車体位置が検出されて(S1)、検出された車体位置は、通信装置45Aから作業管理装置100へ送信される(S2)。外部装置70の表示部70Aに表示される設定画面M1を介して、作業計画設定部110Aにて、作業計画として、対象となる作業場を作業場Aに設定し、トラクタ1の車体位置に相当する図形D1から、作業場Aの入口A1までの走行予定ルートL1が設定される(S3、図5を参照)。外部装置70の表示部70Aに表示される設定画面M2を介して、観測エリア設定部111Cにて、観測衛星103による地表の観測エリア150、観測データを取得する周期t、及び、走行予定ルートエリアL1a,L1b,L1c,L1dが設定される(S4、図6及び図7を参照)。
観測指示部113Cにて、設定された観測エリア150、及び、周期tに基づく指示信号が、基地局104を介して観測衛星103に送出される(S5)。観測衛星103より、トラクタ1、作業場A、走行予定ルートエリアL1a~L1dを含む観測エリア150に対応する観測データが、周期t毎に取得されて(S6)、取得された観測データが作業管理装置100に逐次送信されて、記憶部112Bにて複数の作業機101,101aで共有可能なように記憶されていく(S7)。
次いで、作業計画変更部110Cにて、送信されてきた観測データが画像に変換され、上記設定された走行予定ルートエリアL1a,L1b,L1c,L1dの画像が機械学習される(S8、図7を参照)。上記設定された走行予定ルートL1に対応する通路Rが、トラクタ1の交通に適しているか否かが判定される(S9)。より具体的には、走行予定ルートエリアL1aの画像における学習結果と、最新の走行予定ルートエリアL1aの画像とが比較されて、走行予定ルートエリアL1aの画像に変化があるか否かが判定される。
ステップS9にて「No」と判定された場合、走行予定ルートエリアL1aの領域に障害物O1が存在し、上記設定された走行予定ルートL1に対応する通路Rがトラクタ1の交通に適していないとして、作業計画変更部110Cにて、走行予定ルートL1が変更される(S10、図8、図9、及び、図10を参照)。
より具体的には、走行予定ルートエリアL1aの画像が変化している一方で,走行予定ルートエリアL1b,L1c,L1dのうち、画像に変化が見られないものに対して走行予定ルートL1を設定する(図8(c),(d)、図9(b),(c)、及び、図10(c))。即ち、走行予定ルートエリアL1aに対応する走行予定ルートL1が、走行予定ルートエリアL1b,L1c,L1dのうち何れかに対応するものに変更される。画像に変化が見られない走行予定ルートエリアが複数通りある場合には、例えば、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)の経路が最短距離となるよう、走行予定ルートエリアを選択して走行予定ルートL1が設定されてもよい。
作業計画変更部110Cにて変更された走行予定ルートL1を含む作業計画が、作業管理装置100から作業機101に送信され(S11)、送信された作業計画に基づいて、トラクタ1が走行予定ルートL1に沿って走行するよう自動運転制御される。
一方、ステップS9にて「Yes」と判定された場合、走行予定ルートエリアL1aの領域に障害物O1が存在せず、上記設定された走行予定ルートL1に対応する通路Rがトラクタ1の交通に適しているとして、走行予定ルートエリアL1aに対応する走行予定ルートL1がそのまま維持される(図11を参照)。
この場合、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1を含む作業計画が、作業管理装置100から作業機101に送信され(S11)、送信された作業計画に基づいて、トラクタ1が走行予定ルートL1に沿って走行するよう自動運転制御される。
[第2実施形態]
上記第1実施形態においては、作業計画変更部110Cにて、観測データから変換された走行予定ルートエリアL1aの画像に、変化があるか否かが判定される。走行予定ルートエリアL1aの領域に障害物Oが存在し、走行予定ルートエリアL1aの画像に変化があると判定された場合、対応する通路Rがトラクタ1の交通に適していないとして、走行予定ルートL1が変更されるようになっていた。
上記第1実施形態と同様に第2実施形態においても、作業計画として設定される作業場は、作業計画設定部110Aにて、地図等の作業場マップが用いられて設定される(図5を参照)。このように設定された作業場においては、実際の作業場では、作業機101の作業に適さない事象が生じている場合がある。この場合、作業計画設定部110Aによる作業計画の設定のみでは、作業場が作業機101の作業に適さない状態となる事象を検知したり、判定することは困難である。このような事象を鑑みて、必要に応じて作業計画が変更されることが好ましい。
従って、本発明の第2実施形態に係る作業管理装置100においては、作業場の観測データに基づいて、作業計画設定部110Aにて設定された作業場が作業機101の作業に適さないものであると判定された場合、設定された作業場、及び、設定された走行予定ルートL1をそれぞれ変更する。この点についてのみ、第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態の第1実施形態と異なる点について説明する。
図13に示すように、第2実施形態の観測エリア設定部111Cは、観測エリア150内において、走行予定ルートエリアを設定するのに代えて、作業場エリアを設定する。例えば、設定画面M2の地図表示部125における四隅の1点(例えば、左下の端点)を原点Oとし、横軸X、縦軸Yとした2次元座標系を構成した上で、作業場を囲む領域が、作業場エリアとして設定されてもよい。
作業場エリアは、作業場マップにおいて、作業機101の作業対象となり得る複数の作業場A,B,Cに対応するよう設定されてもよい。本実施形態においては、図13(a),(b),(c)の一点鎖線で囲まれた領域として示すように、3つの作業場A,B,Cに対応した作業場エリアF1a,F1b,F1cが設定される。本実施形態においては、作業場エリアF1aは、作業計画設定部110Aにて設定された作業場Aに対応している。このように設定された観測エリア150内における各作業場エリアF1a~F1cの輪郭及び位置は、記憶部112Bにそれぞれ記憶される。
作業計画変更部110Cは、図14、及び、図15に示すように、作業管理装置100に逐次送出されてきた観測データを、それぞれ画像に変換する。当該画像は上記矩形区画に対応する形状で示され、四隅の1点(例えば、左下の端点)を原点Oとし、横軸X、縦軸Yとした2次元座標系を、当該画像にフィットさせる。次いで、作業計画変更部110Cは、変換された画像に対し、観測エリア設定部111Cにて設定された作業場エリアF1a、F1b、F1cの領域を重ね合わせる。作業場エリアF1a~F1cの領域に対応する画像が、作業場、及び、走行予定ルートL1の変更のための判断に用いられる。
そして、当該画像に対し、2値化処理等の所定の画像処理を施すことにより、作業不適部O2の輪郭に対応する領域を識別し、作業不適部O2の中央位置に2次元座標系における座標(X4,Y4)を割り当てる。なお、作業不適部O2は、作業場の一部であって、例えば、ぬかるみ状等を呈している部位である。作業不適部O2が作業場に発生する場合には、作業不適部O2を含む作業場は、作業機101による作業に適さない作業場であるといえる。
より具体的には、例えば、作業計画変更部110Cでは、周期t毎にて生成される観測エリア150の画像において、作業場エリアF1a、F1b、F1cの画像をその都度機械学習していく。図13(a),(b),(c)に示すように、作業不適部O2が作業場A,B,C内に存在しておらず、作業場エリアF1a~F1cのそれぞれの画像から認識される状態の変化が殆どない場合の画像が、教師データとして利用される。作業計画変更部110Cでは、機械学習の結果と、最新の作業場エリアF1a~F1cの画像とが比較されて、作業場エリアF1a~F1cの画像から認識される状態の変化がある否かが、判断される。
なお、画像の状態変化を判断するのに代えて、例えば、作業計画変更部110Cは、2次元座標系において、作業不適部O2の座標(X4,Y4)が、作業場エリアF1a、F1b、F1cの領域内にあるか否かが、判断されるようにしてもよい。
図14に示すように、2次元座標系において、例えば、作業場エリアF1aの領域内であって、F1b,F1cの領域外の位置に、作業不適部O2が存在するものとする。この場合、図14(a)に示すように、作業場エリアF1aにおいて、図13(a)の状態から、座標(X4,Y4)近傍の画素に変化が生じたものとして、作業対象として作業場Aは設定されず、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)(トラクタ1の図形D1から作業場Aの入口A1)までの走行予定ルートL1も、設定されない。
一方、図14(a)に示すように、作業場エリアF1b,F1cにおいて、図13(b),(c)の状態から画像に変化が生じていないものとして、作業対象として作業場B又は作業場Cが設定される。作業場Bが設定される場合、D1(X2,Y2)~B1(X5,Y5)(トラクタ1の図形D1から作業場Bの入口B1)までの走行予定ルートL1を設定する。また、作業場Cが設定される場合、D1(X2,Y2)~C1(X6,Y6)(トラクタ1の図形D1から作業場Cの入口C1)までの走行予定ルートL1を設定する。
このように、作業計画設定部110Aにて作業場Aが設定されていたが、作業計画変更部110Cにて、作業機101による作業の対象として、設定されていた作業場Aが、作業場B又は作業場Cに変更される。また、作業計画設定部110Aにて、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)までの走行予定ルートL1が設定されていたが、作業計画変更部110Cにて、作業場の変更に伴って、走行予定ルートL1が、D1(X2,Y2)~B1(X5,Y5)、又は、D1(X2,Y2)~C1(X6,Y6)に変更される。
なお、画像に変化が見られない作業場エリアが複数箇所ある場合には、例えば、D1(X2,Y2)から各作業場の入口B1(X5,Y5)、C1(X6,Y6)までの経路のうち、経路が最短距離となる作業場を選択して、作業対象となる作業場、及び、走行予定ルートL1が設定されてもよい。また、作業対象となる作業場を複数選択して、選択された作業場をトラクタ1が順々に到達するように、複数の走行予定ルートL1,L2が設定されてもよい。
例えば、図14(b),(c)に示すように、作業場エリアF1b,F1cにおいて、図13(b),(c)の状態から画像に変化が生じていないものとして、作業対象として作業場B及び作業場Cの両方が設定されてもよい。作業機101を、先に作業場Bにて作業させて、次いで作業場Cにて作業させる場合には、図14(b)に示すように、D1(X2,Y2)~B1(X5,Y5)(トラクタ1の図形D1から作業場Bの入口B1)までの走行予定ルートL1、及び、B2(X7,Y7)~C1(X6,Y6)(作業場Bの出口B2から作業場Cの入口C1)までの走行予定ルートL2が、設定されてもよい。他方、作業機101を、先に作業場Cにて作業させて、次いで作業場Bにて作業させる場合には、図14(C)に示すように、D1(X2,Y2)~C1(X6,Y6)(トラクタ1の図形D1から作業場Cの入口C1)までの走行予定ルートL1、及び、C2(X8,Y8)~B1(X5,Y5)(作業場Cの出口C2から作業場Bの入口B1)までの走行予定ルートL2が、設定されてもよい。
また、図15に示すように、2次元座標系において、例えば、作業場エリアF1a,F1b,F1cのうち2つの領域内の位置に、作業不適部O2,O3が存在するものとする。図15(a)に示すように、作業場エリアF1a,F1cにおいて作業不適部O2,O3が存在し、図13(a),(c)の状態から、座標O2(X4,Y4),O3(X9,Y9)近傍の画素に変化が生じたものとする。この場合、作業場エリアF1bのみ、図13(b)の状態から変化が生じていないため、作業計画設定部110Aにて設定されていた作業場Aが、作業計画変更部110Cにて作業場Bに変更される。走行予定ルートL1の経路も、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)から、D1(X2,Y2)~B1(X5,Y5)に変更される。
図15(b)に示すように、作業場エリアF1a,F1bにおいて作業不適部O2,O3が存在し、図13(a),(b)の状態から、座標O2(X4,Y4),O3(X9,Y9)近傍の画素に変化が生じたものとする。この場合、作業場エリアF1cのみ、図13(c)の状態から変化が生じていないため、作業計画設定部110Aにて設定されていた作業場Aが、作業計画変更部110Cにて作業場Cに変更される。走行予定ルートL1の経路も、D1(X2,Y2)~A1(X1,Y1)から、D1(X2,Y2)~C1(X6,Y6)に変更される。
図15(c)に示すように、作業場エリアF1b,F1cにおいて作業不適部O2,O3が存在し、図13(b),(c)の状態から、座標O2(X4,Y4),O3(X9,Y9)近傍の画素に変化が生じたものとする。この場合、作業場エリアF1aのみ、図13(a)の状態から変化が生じておらず、作業計画設定部110Aにて設定されていた作業場A、及び、走行ルートL1は変更されずに、維持される。
図16に示すように、第2実施形態の作動を示すフローチャートにおいては、図12のステップS4に代えて、外部装置70の表示部70Aに表示される設定画面M2を介して、観測エリア設定部111Cにて、観測衛星103による地表の観測エリア150、観測データを取得する周期t、及び、作業場エリアF1a,F1b,F1cが設定される(S13)。図12のステップS8に代えて、作業計画変更部110Cにて、送信されてきた観測データが画像に変換され、上記設定された作業場エリアF1a,F1b,F1cの画像が機械学習される(S14、図13を参照)。
次いで、図12のステップS9に代えて、作業計画変更部110Cにて、上記ステップS3にて設定された作業場(本実施形態では、作業場A)が、作業機101の作業に適しているか否かが判定される(S15)。より具体的には、作業場エリアF1aの画像における学習結果と、最新の作業場エリアF1aの画像とが比較されて、作業場エリアF1aの画像に変化があるか否かが判定される。
ステップS15にて「No」と判定された場合、作業場エリアF1aの領域に作業不適部O2が存在し、上記設定された作業場Aが作業機101の作業に適していないとして、作業計画変更部110Cにて、作業対象の作業場、及び、走行予定ルートL1が変更される(S16、図14、及び、図15(a),(b)を参照)。
より具体的には、作業場エリアF1aの画像が変化している一方で,作業場エリアF1b,F1cのうち、画像に変化が見られないものに対応する作業場を、作業対象として設定する。これとともに、設定された作業場にトラクタ1が到達可能となるよう、走行予定ルートL1が設定される(図14、及び、図15(a),(b)を参照)。即ち、作業場エリアF1aに対応する作業場Aが、作業場エリアF1b,F1cのうち画像に変化が見られないものに対応する作業場(作業場B又は作業場C)に変更される。
画像に変化が見られない作業場エリアが複数箇所ある場合には、例えば、D1(X2,Y2)から各作業場の入口B1(X5,Y5)、C1(X6,Y6)までの経路のうち、経路が最短距離となる作業場を選択して、作業対象となる作業場、及び、走行予定ルートL1が設定されてもよい。また、作業対象となる作業場を複数選択して、選択された作業場をトラクタ1が順々に到達するように、複数の走行予定ルートL1,L2が設定されてもよい(図14(b),(c)を参照)。
一方、ステップS15にて「Yes」と判定された場合、作業場エリアF1aの領域に作業不適部O2が存在せず、上記ステップS3にて設定された作業場(本実施形態では、作業場A)が作業機101の作業に適しているとして、作業場エリアF1aに対応する作業場Aが、作業対象としてそのまま維持される(図15(c)を参照)。なお、図16において、図12に示すステップと同じものについては、同じ符号を付すことで作動の説明を省略する。
<まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態に係る作業管理装置100(作業管理システムS)は、作業計画設定部110A、及び、作業計画変更部110Cを備える。作業計画設定部110Aは、少なくとも、作業機101による作業の対象となる作業場と、トラクタ1が作業場に到達するための走行予定ルートL1と、を含む作業計画を設定する。作業計画変更部110Cは、地表を観測可能な観測衛星103を利用して観測される観測エリア150の範囲内における作業場、又は、走行予定ルートL1に対応する通路Rの観測情報に基づいて、設定された作業計画を変更する。
これによれば、観測衛星103の利用により、実際の作業場、又は、実際の通路の観測情報を容易に取得できる。このため、作業計画設定部110Aにて設定された作業場が、作業機101の作業に適さない状態であったり、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1が、トラクタ1の交通に適さない状態となる事象を、容易に検知したり、容易に判定することができる。従って、作業に適さない状態の作業場や、交通に適さない状態の走行予定ルートL1を、作業計画から除外して、適切な作業場や、走行予定ルートL1に変更できるため、作業効率の低下を抑制することができる。
作業計画変更部110Cは、通路Rの観測情報に基づいて、作業計画設定部110Aにて設定された走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さないものであると判定された場合、設定された走行予定ルートL1を変更する。
ここにおいて、走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さない場合としては、例えば、走行予定ルートL1に対応する通路Rに障害物が存在したり、通路R(農道)に崩れが生じる等によりトラクタ1の走行が阻害される場合や、通路Rに駐車車両が存在しトラクタ1とのすれ違い走行が困難となる場合等があげられる。また、走行予定ルートL1がトラクタ1の交通に適さない場合としては、例えば、走行予定ルートL1に対応する通路Rに駐停車可能な領域が設けられており、トラクタ1の駐停車を予定する場合であって、当該領域が既に他の車両により占有されている場合等もあげられる。上記構成によれば、トラクタ1の交通に適さない状態の走行予定ルートL1を、作業計画から除外して、適切な走行予定ルートL1に変更できる。
作業計画変更部110Cは、作業場の観測情報に基づいて、作業計画設定部110Aにて設定された作業場が作業機101の作業に適さないものであると判定された場合、設定された作業場、及び、設定された走行予定ルートL1をそれぞれ変更する。
ここにおいて、作業場が作業機101の作業に適さない場合としては、例えば、作業場に障害物が存在したり、作業場の一部が作業不適部となっている場合等があげられる。作業不適部は、作業場の一部であって、例えば、ぬかるみ状等を呈している部位である。上記構成によれば、作業機101の作業に適さない状態の作業場を、作業計画から除外して、適切な作業場に変更できる。
作業管理装置100は、走行予定ルートL1に対応する通路Rの観測情報を、複数の作業機101,101aにて共有可能なように記憶する記憶部112B(観測情報記憶部)を備えている。これによれば、複数の作業機101,101aにて、観測衛星103の観測情報を利用できる。このため、複数の作業機101,101aでの各作業計画に、観測衛星103の観測情報を反映することができ、それぞれの作業機101,101aにて、作業効率の低下を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。