WO2024143107A1 - 経路生成装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

経路生成装置及びコンピュータプログラム

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WO2024143107A1
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健二 玉谷
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株式会社クボタ
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Abstract

経路生成装置80は、作業車両10が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する。経路生成装置80は、前記作業地において作業車両10が作業を行う対象となる対象領域7の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、対象領域7を作業車両10が自動運転により走行して作業するための作業経路Rを生成する生成処理部とを有する。前記生成処理部は、作業経路Rの作業終点Peよりも、作業経路Rの作業始点Psを、前記作業地の境界付近であって且つ作業車両10が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定する。

Description

経路生成装置及びコンピュータプログラム
 本発明は、経路生成装置及びコンピュータプログラムに関する。本出願は、2022年12月26日出願の日本出願第2022-208229号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての内容を援用するものである。
 自動運転により走行しながら作業を行う作業車両が提案されている(例えば特許文献1参照)。自動運転のために、走行目標となる走行経路がコンピュータによって生成される。
特開2016-31649号公報
 本開示の一態様に係る経路生成装置は、作業車両が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置であって、前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成処理部と、を有し、前記生成処理部は、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点を、前記作業地の境界付近であって且つ前記作業車両が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定する。
図1は、本開示の経路生成装置を有する作業車両の実施の一形態を示す側面図である。 図2は、システム構成を示すブロック図である。 図3は、操作端末及び操作スイッチ群の一例を示す斜視図である。 図4は、経路生成処理を説明するフロー図である。 図5は、作業地の一例を示す説明図である。 図6は、生成される作業経路の一例を示す説明図である。 図7は、第二の例として、生成される作業経路の一例を示す説明図である。 図8は、第二の例の場合の経路生成処理を説明するフロー図である。 図9は、第二の例の場合の作業地の一例を示す説明図である。 図10は、自動運転のための制御の一例を示すフローチャートである。 図11は、自動運転により走行する作業車両の説明図である。 図12は、生成される従来の作業経路の説明図である。
 <本開示が解決しようとする課題>
 図12は、生成される従来の作業経路の説明図である。例えば圃場等の作業地において、作業車両が作業を行う対象となる対象領域Aが予め設定される。その対象領域Aにおいて作業車両が作業する際の作業経路Rが生成される。作業経路Rは、複数の直進経路r1と、2つの直進経路r1を繋ぐ旋回経路r2とを有する。従来、作業経路Rの作業終点Peは、作業地の出入口100の近くに設定される。これは、作業を終えて作業終点Peに到着した作業車両は、出入口100を通じて作業地の外へ、作業の完了地を荒らすことなく、退出するためである。
 ここで、例えば、作業車両による作業が、圃場(作業地)を耕耘する作業である場合、耕耘深さは、作業前に設定される。設定値とおりの耕耘深さが得られることを確認するためには、実際に作業車両が圃場を走行して作業することが必要である。
 従来、作業経路Rの作業終点Peが、出入口100の近くに設定されることから、作業経路Rの作業始点Psは、出入口100から離れた位置となる。運転者が作業車両に乗車する手動運転の場合、その運転者は、作業始点Psから運転を開始した後、一次停車し、降車し、作業内容(耕耘深さ)を目視により確認することは可能である。しかし、運転者が作業車両に乗車しない自動運転の場合、作業内容を目視により確認するためには、管理者が、出入口100から離れた作業始点Ps側の位置に出向く必要があり、作業効率が低下する場合がある。
 なお、作業地によっては、出入口が明確に設定されていない場合がある。この場合であっても、作業車両が道路と作業地との間で移動する際に通過する場所(通過場所)に、管理者が居ることが多い。従来、その通過場所の近くに、作業経路の作業終点が設定され、その通過場所から離れた位置が、作業経路の作業始点に設定される。この場合も同様に、自動運転の場合、管理者は、作業内容を目視により確認するために、遠く離れた作業始点側の位置に出向く必要がある。
 そこで、本開示では、自動運転により作業車両が走行するための経路を生成する装置であって、作業効率の向上が可能となる経路を生成する経路生成装置、及び、そのような経路生成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムを提供する。
 <本開示の効果>
 本開示の経路生成装置及びコンピュータプログラムを用いて生成された作業経路によれば、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすく、作業効率の向上が可能となる。
 <本開示の実施形態の概要>
 以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
 (1)本実施形態の経路生成装置は、作業車両が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置であって、前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成処理部と、を有し、前記生成処理部は、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点を、前記作業地の境界付近であって且つ前記作業車両が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定する。
 作業地において、自動運転により作業車両が走行して作業する場合、管理者は、作業地の境界付近であって且つ作業車両が作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所付近に居ることが多い。前記経路生成装置によれば、作業経路の作業始点は、前記通過場所の近くに設定される。このため、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。
 (2)好ましくは、前記生成処理部は、前記取得処理部が取得した前記対象領域に、前記作業地と前記道路とを繋ぎ且つ前記作業車両が通過するための出入口が含まれている場合に、前記作業経路の作業始点を、前記出入口の近い位置に設定する。
 管理者は、前記通過場所として、出入口付近に居ることが多い。前記経路生成装置によれば、作業するための作業経路の作業始点は、出入口に近い位置に設定される。このため、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。
 (3)本実施形態の経路生成装置は、作業車両が自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置であって、前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、作業の管理者の位置を示す情報が入力される入力部と、前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成処理部と、を有し、前記生成処理部は、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点を、前記管理者の位置の近くに設定する。
 前記経路生成装置によれば、作業するための作業経路の作業始点は、管理者の位置の近くに設定される。このため、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。
 (4)好ましくは、前記生成処理部は、前記作業車両が作業するための前記作業経路の前記作業終点を、前記対象領域の前記作業始点から離れた位置に設定する。
 例えば対象領域の基本形状が矩形である場合、作業終点は、作業始点から離れた対角側の位置に設定される場合がある。
 (5)好ましくは、前記(1)の経路生成装置は、前記作業地の地図情報とGNSSによる前記作業車両の位置情報との照合により、前記作業車両が前記通過場所に居ることを確認する位置確認部を、有し、前記作業車両が前記通過場所に居ることが確認されると、自動運転により前記作業地を走行するための経路を生成する処理を開始する。
 この構成によれば、作業車両が前記通過場所に到着すると、その通過場所に近い位置が作業始点となる作業経路の生成が開始される。
 (6)好ましくは、前記(1)から(5)のいずれか一つの経路生成装置において、前記生成処理部は、前記作業車両が前記作業始点から短距離について走行する前記作業経路上の位置を、一次停車位置に設定する。
 この構成によれば、作業車両は、作業経路の作業始点から走行を開始して短距離について走行すると、一次停車する。管理者は、その短距離の間に作業車両が行った作業の内容を目視で確認することが可能となる。
 (7)好ましくは、前記(1)の経路生成装置において、前記生成処理部は、前記作業車両を前記作業終点から前記通過場所付近まで走行させるための経路であって、前記作業終点から前記作業地の畦ぎわに沿って走行させる経路を含む帰還経路を生成する。
 この構成によれば、作業車両が作業終点から前記通過場所付近に戻るための帰還経路が生成される。
 (8)本実施形態のコンピュータプログラムは、作業車両が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得ステップと、前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成ステップと、を有し、前記生成ステップにおいて、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点が、前記作業地の境界付近であって且つ前記作業車両が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定される。
 作業地において、自動運転により作業車両が走行して作業する場合、管理者は、作業地の境界付近であって且つ作業車両が作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所付近に居ることが多い。前記の経路生成用のコンピュータプログラムによれば、作業するための作業経路の作業始点は、前記通過場所の近くに設定される。このため、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。
 (9)本実施形態のコンピュータプログラムは、作業車両が自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得ステップと、作業の管理者の位置を示す情報が入力される入力ステップと、前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成ステップと、を有し、前記生成ステップにおいて、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点が、前記管理者の位置の近くに設定される。
 前記の経路生成用のコンピュータプログラムによれば、作業するための作業経路の作業始点は、管理者の位置の近くに設定される。このため、管理者は、作業車両が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。
<本開示の実施形態の詳細>
 以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔経路生成装置について〕
 図1は、本開示の経路生成装置を有する農業機械の実施の一形態を示す側面図である。本開示の経路生成装置は、農業機械が自動運転により作業地を走行するため、走行目標となる走行経路を生成する装置である。
 前記走行経路は、作業地において農業機械が作業するための作業経路と、その作業地において作業を終えた農業機械が例えば作業開始位置に帰還するための帰還経路とを含む。帰還経路については、作業経路と別に生成されてもよく、又は、生成されなくてもよい。
 農業機械は、農業用途で使用される機械である。農業機械に、例えば、トラクタ、収穫機、田植機、乗用管理機、野菜移植機、草刈機、播種機、施肥機、及び農業用移動ロボット等が含まれる。例えばトラクタのように、作業車両が単独で「農業機械」として機能する場合だけでなく、作業車両に装着される作業器具(インプルメント)と作業車両の全体が一つの「農業機械」として機能する場合がある。
 図1に示す農業機械は、トラクタであり、農作業を行う作業車両10である。図1は、作業車両10に作業器具50が連結された状態を示す。
 本開示の技術は、トラクタに限らず、他の種類の農業機械にも適用可能である。
 以下、農業機械を、作業車両10として説明する。そして、作業車両10は制御装置70を有しており、その制御装置70が経路生成装置80の機能を有する。
 作業車両10は、運転者の操縦による手動運転モードと、運転者の操縦によらない自動運転モードとの両方を実行するための機能を備える。作業車両10は、圃場内と圃場外となる道路(農道)との両方で、自動運転及び手動運転が可能である。
 手動運転とは、作業車両10が有する運転席20に着座する運転者の手動操作により、作業車両10の動作(走行を含む)を行う運転である。
 自動運転とは、運転者の手動操作によらず、作業車両10が有する制御装置70の機能により、作業車両10の動作(走行を含む)を行う運転である。
 自動運転は、運転席20に運転者が着座していない無人の状態のみならず、運転席20に運転者が着座している有人の状態でも行われる。
 自動運転は、制御装置70(後述の運転制御用の制御ユニット73)の機能により実現される。制御装置70は、作業車両10の移動に必要な操舵、移動速度の調整、移動の開始及び停止の少なくとも1つを制御し得る。
 自動運転の場合、作業車両10の走行制御に加えて、作業器具50の動作制御も、運転者の操縦によらないで実行される。つまり、作業車両10は自動で走行しながら、作業器具50により自動で作業が実行される。
 作業車両10は、後に説明するが、GNSS受信機を含む測位装置37を有する。制御装置70(運転制御用の制御ユニット73)は、測位装置37によって特定された作業車両10の位置と、記憶装置79(図2参照)が記憶する走行経路(目標経路)に基づいて、作業車両10を自動で走行させる。
 作業車両10は、運転席20に着座する運転者以外の者による、遠隔操作による運転も可能である。そのために、作業車両10は通信装置16を有する(図2参照)。作業車両10と管理所のコンピュータ(図2に示す管理サーバ92)との間で、無線通信が用いられることで、作業車両10は遠隔操作される。なお、遠隔操作の際、運転席20は無人であってよいが、有人であってもよい。遠隔操作が手動操作よりも優先されてもよい。
 作業車両10は、車両本体11、原動機12、変速装置13、走行装置14、操舵装置15、連結装置40、及び、制御装置70を有する。
 車両本体11は、車両の骨格となるシャーシ21、外装となるボディ22、及び、運転席20を有する。運転席20に、運転者が操作するステアリングホイール30、運転者が操作する操作端末及び操作スイッチ群を含む操作部(操作インターフェース)31が設けられている。
 原動機12は、エンジン又はモータであり、本実施形態の場合、ディーゼルエンジンである。
 走行装置14は、車輪として前輪14a及び後輪14bを有する。原動機12の回転力が、変速装置13によって変速され、その回転力が前記車輪に伝わり、作業車両10は走行する。作業車両10が圃場内を走行して作業を行う場合、走行装置14は、前輪及び後輪の一方又は両方として、クローラを有していてもよい。
 操舵装置15は、ステアリングホイール30によって回転するステアリングシャフト25を有する。操舵装置15は、車輪(前輪14a)の転がり方向を変更し、作業車両10の走行方向を変更する。操舵装置15は、補助機構(パワーステアリング装置)を有する。補助機構は、油圧又は電動によって、運転者によるステアリングホイール30の操作力を補助する。自動運転の場合、補助機構により操舵が行われ、走行方向が変更される。
 変速装置13は、複数のギア等を有して構成される。変速装置13は、作業車両10の推進力及び移動速度を変化させる。変速装置13は、作業車両10の前進と後進とを切り換えることもできる。
 作業車両10は、パワーテイクオフ機構(以下、「PTO機構」と言う。)を有する。本実施形態の場合、変速装置13がPTO機構を有する。PTO機構は、変速装置13の出力軸の一つであるPTO軸17を有する。原動機12の動力により、PTO軸17は回転する。PTO軸17の回転力によって、作業器具50が有する各種駆動部が動作する。PTO軸17は、作業器具50を動作させるための出力軸となる。
 連結装置40は、作業器具50を車両本体11に連結する。連結装置40は、車両本体11(シャーシ21)の後部に搭載されている。連結装置40は、作業器具50を昇降可能として支持する昇降リンク機構を有する。昇降リンク機構は、例えば三点リンク機構により構成される。作業器具50は連結装置40により作業車両10に着脱可能である。前記昇降リンク機構は、例えば油圧装置等のアクチュエータによって、作業器具50の高さ位置を変化させたり、作業器具50の姿勢を変化させたりする。
 図1に示す作業器具50は、ロータリ耕耘機である。これに限らず、作業器具50は、例えば、播種機、施肥機、移植機、草刈機、レーキ、集草機、収穫機等であってもよい。連結装置40は、所望の作業器具50を作業車両10に接続する。作業車両10は、作業器具50を牽引しながら、作業器具50に所定の作業を行わせる。連結装置40は、車両本体11の前部に設けられていてもよい。
 作業車両10は、撮影装置を有する。本実施形態の撮影装置はカメラ35である。カメラ35は、作業車両10の例えば前後左右に設けられていて、作業車両10の周囲の環境を撮影する。カメラ35は、例えば、CCDイメージセンサを搭載したCCDカメラ、又は、CMOSイメージセンサを搭載したCMOSカメラである。カメラ35は、イメージセンサから出力された信号を処理する処理回路を有し、その処理回路により、周囲の画像情報が取得される。
 カメラ35は、作業車両10が道路又は圃場を走行する場合に、白線、標識、表示等を認識する場合のみならず、周囲の障害物を認識する場合にも用いられる。
 カメラ35は、可視光画像を生成する可視カメラと、赤外線画像を生成する赤外カメラとの一方又は双方であればよい。赤外カメラの場合、夜間における物体(障害物)の検出が容易となる。
 カメラ35により取得された画像情報は、制御装置70に送信される。画像情報は、自動運転の制御に用いられる他に、手動運転の場合にも用いられる。制御装置70は、画像情報を、他の情報(後述のセンサデータ)と併せて用いることで、作業車両10の周囲の障害物を検出し、その障害物に対して作業車両10を回避走行させることが可能である。
 作業車両10は、三次元測域センサを有する。本実施形態の三次元測域センサは、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサ36である。LiDARセンサ36は、例えば車両本体11の前面下部に配置される。LiDARセンサ36は、他の位置に設けられていてもよい。LiDARセンサ36は、周囲に存在する物体における各計測点の距離及び方向を示すセンサデータ、及び、周囲に存在する物体における各計測点の二次元又は三次元の座標値を示すセンサデータを取得し出力する。LiDARセンサ36により取得されたセンサデータは、制御装置70に送信される。
 LiDARセンサ36のセンサデータは、周囲の障害物の検出に用いられる。制御装置70は、センサデータを、他の情報(前記画像情報)と併せて用いることで、作業車両10の周囲の障害物を検出し、その障害物に対して作業車両10を回避走行させることが可能である。
 カメラ35及びLiDARセンサ36は、周囲の障害物を検出する障害物センサ(検出装置)として機能する。
 LiDARセンサ36のセンサデータは他にも用いられる。制御装置70は、センサデータに基づいて、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのアルゴリズムを利用して、環境地図の生成処理を実行可能である。なお、環境地図の生成処理は、作業車両10と通信可能である外部の管理装置等のコンピュータ(図2に示す管理サーバ92)で実行されてもよい。
 作業車両10は、測位装置37を有する。測位装置37は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいて測位を行う。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:例えば「みちびき」)、GLONASS(ロシア)、Galileo(欧州)、及びBeiDou(中国)などの衛星測位システムの総称である。
 測位装置37は、衛星信号を受信する受信機37aと、プロセッサ(演算処理部)37bとを有する。受信機37aは、GNSS衛星からの信号を受信するアンテナを有する。プロセッサ37bは、そのアンテナが受信した信号に基づいて作業車両10の位置(座標)を計算して求める。受信機37aは、例えば、運転席20の上に配置される。作業車両10の位置を示す情報は、制御装置70に送信され、自動運転等に用いられる。
 測位装置37は、カメラ35及びLiDARセンサ36が取得したデータを用いて、衛星信号に基づく作業車両10の位置情報を補正又は補完する。より高い精度で作業車両10の位置が特定される。
 作業車両10は、慣性計測装置38を有する。慣性計測装置38は、三軸のジャイロセンサ及び三方向の加速度センサを有する。慣性計測装置38は、作業車両10の傾き及び動作を検出する。慣性計測装置38が取得した信号は、制御装置70に送信される。慣性計測装置38による検出信号は、作業車両10の位置情報の補完のために用いられる。これにより、測位精度が高まる。
〔操作部(操作インターフェース)31〕
 前記のとおり、作業車両10は、運転者が操作する操作端末及び操作スイッチ群を含む操作部31を有する。図3は、運転席の前方に設置される、操作端末32及び操作スイッチ群33の一例を示す斜視図である。
 操作スイッチ群33は、変速段の選択スイッチ、自動運転モードと手動運転モード等のモード切り替えスイッチ、前進と後進を切り替える前後スイッチ、及び作業器具50を上昇又は下降させる昇降スイッチなどを含む。
 操作端末32は、作業車両10の走行、及び、作業器具50の動作に関する操作を実行可能とする端末であり、バーチャルターミナル(VT)とも称される。
 本実施形態の操作端末32は、タッチパネル等の表示装置32aを備えるタブレット型の端末装置である。表示装置32aは、例えば液晶又は有機発光ダイオード等のディスプレイとしての機能を有する。
 作業車両10は、運転者又は管理者等のユーザの入力操作を受け付ける入力装置を有する。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル等である。本実施形態の場合、操作端末32が、入力装置(入力部)としての機能を有する。
 ユーザは、操作端末32を操作することにより、例えば自動運転モードのオン/オフの切り替え、環境地図の記録又は編集、走行経路の生成補助、及び、作業器具50のオン/オフの切り替え等の種々の操作を実行することができる。
 表示装置32aは、記憶装置32に記憶されている地図情報を表示可能であり、例えば、作業車両10の現在位置を含む領域を表示可能である。表示装置32aに表示される地図情報に基づく地図中において、作業の管理者等のユーザの位置が入力される。入力された位置の情報が、操作端末32から制御装置70に送信される。
 操作端末32は、作業車両から着脱自在に構成することもできる。この場合、取り外された操作端末32は、例えば近距離の通信方式により、作業車両10の制御装置70と通信する。
〔作業車両10のシステム構成について〕
 図2は、作業車両10のシステム構成を示すブロック図である。
 制御装置70は、プロセッサ(演算処理装置)及びRAM、ROM等よりなるメモリを含む制御ユニット(コンピュータ)により構成される。プロセッサは、コンピュータプログラムをメモリから読み出して実行し、これにより制御装置70の各機能が実行される。制御装置70は、1つの制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されていてもよく、複数の制御ユニットにより構成されていてもよい。制御装置70が複数の制御ユニットにより構成される場合、これら制御ユニット間で情報通信が可能である。
 本実施形態の場合、制御装置70は、速度制御用の制御ユニット71、操舵用の制御ユニット72、運転制御用の制御ユニット73、及び、経路生成処理用の制御ユニット74を有する。運転制御用の制御ユニット73を、以下、運転制御ユニット73と称する。経路生成処理用の制御ユニット74を、以下、経路生成ユニット74と称する。
 制御装置70は、各種情報を記憶する不揮発性メモリ等からなる記憶装置(記憶部)79を備える。記憶装置79に、前記制御ユニットを機能させるための各種のコンピュータプログラムが記憶される。記憶装置79に、自動運転に用いることが可能である地図情報、自動運転のための走行経路の情報、及び、データベース等が記憶される。
 速度制御用の制御ユニット71は、生成する駆動信号を、原動機12、変速装置13、及び、ブレーキ装置に与え、作業車両10の走行速度の調整及び停止等の制御を行う。
 操舵用の制御ユニット72は、生成する操舵信号を操舵装置15に与える。制御ユニット72は、ステアリングシャフト25の回転センサの計測値に基づいて、操舵装置15の補助機構が有する油圧装置又は電動モータを制御して、作業車両10の操舵を制御する。
〔運転制御ユニット73〕
 運転制御ユニット73は、作業車両10の自動走行を含む走行に関する統括的な制御を行う。運転制御ユニット73による制御は、速度制御用の制御ユニット71及び操舵用の制御ユニット72との協働により実現されてもよい。運転制御ユニット73は、自動運転、遠隔運転、及び、手動運転それぞれに関する制御を行うことが可能である。
〔経路生成ユニット74〕
 経路生成ユニット74は、作業車両10が自動運転により作業地を走行するための経路を生成する処理を行う。そのために、経路生成ユニット74は、取得処理、経路生成処理、及び、位置確認処理を実行可能である。
 前記取得処理は、後に説明するティーチング走行を通じて、例えば(図5及び図9参照)圃場7等の作業地において、作業車両10が作業を行う対象となる対象領域9の基本形状に関する情報(以下、「基本形状情報」という。)を取得する処理である。
 前記経路生成処理は、対象領域9を作業車両10が自動運転により走行して作業するための作業経路Rを生成する処理である。
 経路生成ユニット74が生成する走行経路は、圃場7等の作業地において、作業車両10が作業(農作業)するための作業経路Rと、その作業地において作業を終えた作業車両10が例えば作業開始位置に帰還するための帰還経路Rbとを含む。
 前記位置確認処理は、作業地の地図情報とGNSS(測位装置37)による作業車両10の位置情報とを照合することにより、作業車両10が所定の場所に居ることを確認する処理である。前記所定の場所とは、後に説明するが、作業地の境界付近であって且つ作業車両10が作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所である。具体的には、図6に示すように、前記通過場所は、作業地である圃場7と道路8とを繋ぐ場所であって、作業車両10が通過するための出入口Eである。つまり、前記通過場所は、圃場7と道路8との間の出入口Eである。
 以下、自動運転により作業車両10が作業地を走行するための経路を生成するために、経路生成ユニット74が行う各処理の具体例を説明する。
 図4は、経路生成ユニット74による経路生成処理を説明するフロー図である。この経路生成処理は、基本形状情報を取得する前記取得処理(取得ステップS10)と、作業車両10による作業のための作業経路Rを生成する形成生成処理(生成ステップS20)とを有する。
 図4に示す例の場合、更に、経路生成処理に、作業車両10を一時停止させる位置を設定する処理(ステップS30)と、帰還経路を生成する処理(ステップS40)とが含まれる。なお、ステップS30及びステップS40は省略可能である。
 各ステップにおける処理は、特に説明しない場合、経路生成ユニット74が行う処理である。
 図5は、作業地の一例を示す説明図である。図5に示す作業地は、平面視において矩形の圃場7である。圃場7と、その圃場7に隣接する道路8との間で作業車両10が通行するための通路となる出入口Eは、北東の角に位置する。なお、圃場7の形状、及び、出入口Eの位置は、様々である。
 <取得ステップ(ステップS10)>
 経路生成ユニット74は、基本形状情報を取得する。その基本形状情報を取得するため、本実施形態の場合、操作端末32(図3参照)が用いられる。
 ここで、作業車両10(図5参照)に予め照準点Tが規定されている。照準点Tは、例えば、作業車両10の前方右端、前方左端、後方右端、及び、後方左端に設定されている。作業車両10は、複数の照準点を有するが、有効とする照準点Tは、一つであり、操作端末32における入力操作により選択可能である。
 作業車両10は、測位装置37により、自車位置(座標)を取得可能である。自車位置は、作業車両10の基準点Vにおける座標である。作業車両10において、照準点Tと基準点Vとの位置関係は既知である。このため、照準点Tの座標は、基準点Vから算出可能である。
 作業車両10は、道路8を通って目的の圃場7に到着すると、その圃場7において、作業可能となる対象領域9の形状(前記基本形状情報)を求めるために、次に説明するティーチング走行を行う。
 運転者は手動運転により作業車両10を操縦し、有効とした照準点Tを、出入口Eの近傍位置に一致させる。その状態で、運転者は、操作端末32において、地点の登録操作として、登録ボタンを押す。これにより、出入口Eの近傍位置が始点P0として登録される。
 運転者は、作業車両10を進め、圃場7の形状特徴点(図例では矩形の頂点)となる北西端に照準点Tを一致させる。その状態で、操作端末32において、地点の登録操作が行われる。北西端が第1経過点P1として登録される。
 運転者は、作業車両10を進め、次の形状特徴点となる南西端に照準点Tを一致させる。その状態で、操作端末32において、地点の登録操作が行われる。南西端が第2経過点P2として登録される。
 運転者は、作業車両10を進め、次の形状特徴点となる南東端に照準点Tを一致させる。
その状態で、操作端末32において、地点の登録操作が行われる。南東端が第3経過点P3として登録される。
 運転者は、圃場7の東側の畦(道路8との境界)Uに沿って作業車両10を進める。出入口Eの別の近傍位置に照準点を一致させる。操作端末32において、地点の登録操作が行われる。この位置は、ティーチング走行の開始位置に近い。このため、経路生成ユニット74は、出入口Eの前記別の近傍位置を終点P4とみなして登録する。又は、運転者が、操作端末32に対して、登録操作と共に、ティーチング走行の終点を示す指示操作を行い、これにより、その位置が終点であるとして登録されてもよい。
 経路生成ユニット74は、測位装置37による自車位置の情報(座標)に基づいて、始点P0、経過点P1、P2、P3、及び、終点P4それぞれの位置座標を算出する。これらの点を結んで得られる範囲が、作業車10が作業可能となる対象領域9となり、その基本形状が得られる。経路生成ユニット74は、これらの点(座標)を含む情報を、前記基本形状情報として取得する。
 上述した実施形態では、始点P0、経過点P1、P2、P3、及び、終点P4それぞれの登録は、操作端末32の操作により行われるが、圃場7の外周に沿って作業車両10が走行した際の複数の自車位置の情報(座標)から、自動的に圃場7の輪郭である基本形状が取得されてもよい。この場合、始点P0、経過点P1、P2、P3、及び、終点P4それぞれを登録しなくても、複数の自車位置の情報(座標)を結んだ線の変曲点が、圃場7のコーナに位置する点(始点P0、経過点P1、P2、P3、及び、終点P4)として自動的に登録される。
 以上の操作が、ティーチング走行である。
 基本形状情報が取得されると、経路生成ユニット74は、次のステップ20に進む。
 <生成ステップ(ステップS20)>
 図6は、生成される作業経路Rの一例を示す説明図である。
 図6における一点鎖線間の間隔は、作業器具50の作業幅を表す。作業幅は、予め設定され、記憶装置79に記憶される。作業幅は、ユーザが操作端末32を操作することによって、制御装置70に入力される。作業幅は、作業器具50を作業車両10に接続した際に自動で認識され、制御装置70に入力されてもよい。
 本実施形態の場合、並列する複数の主経路r1と、2つの主経路r1を繋ぐ旋回経路r2とを含む作業経路Rの形状(線形)が生成される。隣り合う主経路r1の間隔は、前記作業幅に合わせて設定される。
 この際、出入口Eの近傍位置を起点として、作業経路Rが生成される。つまり、対象領域9の範囲において、出入口Eの近傍位置から始まる一つの主経路r1が決定され、残りの主経路r1、及び、旋回経路r2が決定される。出入口Eの近傍位置となる前記起点が、作業経路Rの作業始点Psとなる。
 主経路r1及び旋回経路r2は、前記基本形状情報に基づいて決定される。複数の主経路r1を含む作業経路Rの形状(線形)は、対象領域9の全体を通過する(カバーする)ように生成される。図6に示す例の場合、主経路r1の方向は、南北方向であるが、東西方向であってもよい。なお、対象領域9は、農作業を行う領域であって、圃場7の内側に設定される領域であり、操作端末32の操作によって設定可能である。
 このような経路を作成するアルゴリズムが、経路生成ユニット74において設定されている。図6に示す主経路r1は直線状であるが、主経路r1は曲線状の部分を含んでもよい。
 経路生成ユニット74は、作業経路Rの形状を生成する処理にあわせて、その作業経路Rの作業始点Ps及び作業終点Peを設定する。作業始点Psは、作業経路Rに沿って走行する作業車両10が作業を開始する地点である。作業終点Peは、作業経路Rに沿って走行する作業車両10が作業を終了する地点である。
 経路生成ユニット74は、作業終点Peよりも、作業始点Psを、圃場7への通過場所の近くに設定する。前記通過場所は、圃場7の道路8との境界付近であって且つ作業車両10が圃場7から道路8へ向けて移動する際に通過する場所である。
 本実施形態の場合、圃場7の地図情報が記憶装置79に記憶されている。経路生成ユニット74は、その地図情報と基本形状情報とを参照する。地図情報によれば、圃場7と道路8との間に、前記通過場所として、出入口Eが存在している。
 経路生成ユニット74は、基本形状情報が示す対象領域9に、圃場7と道路8とを繋ぎ且つ作業車両10が通過するための出入口Eが含まれていることを確認可能である。そこで、経路生成ユニット74は、作業終点Peよりも、作業始点Psを、その出入口Eの近い位置に設定することが可能である。
 以上より、作業始点Psを出入口Eに近い位置とする作業経路Rが生成される。生成した作業経路Rは、記憶装置79に記憶され、操作端末32の表示装置32aに表示される。
 圃場7等の作業地において、実際に、自動運転により作業車両10が走行して作業する場合、作業の管理者は、前記通過場所(出入口E)付近に居ることが多い。本実施形態の場合、前記のとおり、作業経路Rの作業始点Psは、前記通過場所(出入口E)の近くに設定される。このため、生成された作業経路Rに基づいて作業車両10による自動運転が作業始点Psから開始されると、管理者は、作業車両10が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。
 本実施形態の場合、圃場7の畦(道路8との境界)Uに沿って、作業始点Psから延びる主経路r1が設定される。これにより、管理者は、道路8に沿って移動して、作業の内容を確認することも可能となる。
 仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。作業内容が不十分である場合、作業器具50を調整して、改めて自動運転が行われる。
 本実施形態の場合、一つの主経路r1を第一方向に向かって走行した後、その隣に位置する主経路r1を第一方向と反対となる第二方向に向かって走行する作業経路Rを生成する。このため、図6に示すように、作業終点Peは、対象領域9の作業始点Psから離れた位置に設定される。特に、対象領域9の基本形状が矩形である。このため、作業終点Peは、作業始点Psから離れた対角側の位置に設定される。
 <ステップS30>
 作業始点Psを出入口Eに近い位置とする作業経路Rが生成されると、経路生成ユニット74は、図4に示すステップS30の処理を実行する。ステップS30の処理は、作業車両10が作業始点Psから短距離について走行する作業経路R上の位置を、一次停車位置に設定する処理である。図6では、一次停車位置を「Pp」として示す。
 前記短距離は、例えば、作業始点Psから始まる主経路r1の10%の距離としたり、10メートル等の一定値としたりすることができる。なお、前記短距離は、変更自在であり、例えば、作業器具50が行う作業内容に応じて変更される。
 一次停車位置Ppが作業経路Rに設定されることで、作業車両10は、作業始点Psから走行を開始して短距離について走行すると、一次停車する。管理者は、その短距離の間に作業車両10(作業器具50)が行った作業の内容を目視で確認することが可能となる。
 <ステップS40>
 ステップS20において生成される作業経路Rは、主経路r1と旋回経路r2とからなる内側作業経路である。作業経路Rは、対象領域9に対して、作業車両10(作業器具50)が、例えば耕耘等の作業を行うための経路である。
 経路生成ユニット74は、このような作業経路Rの他に、対象領域9の外周領域に沿って走行するための帰還経路Rbを生成する(ステップS40)。図6において、帰還経路Rbを二点鎖線で示す。
 帰還経路Rbは、作業車両10を作業終点Peから前記通過場所(出入口E)付近まで走行させるための経路である。帰還経路Rbは、作業終点Peから作業地である圃場7の畦ぎわに沿って走行させる経路を含む。
 この帰還経路Rbでは、自動運転により走行する作業車両10は、作業器具50による作業を行わない状態にあってもよく、作業器具50による作業を行う状態にあってもよい。作業器具50による作業を行わない状態とは、例えば、作業器具50を上昇させ、作業器具50が地面に接さないようにした状態である。
 <作業経路Rの生成の第二の例>
 図4、図5及び図6に示す例(第一の例)の場合、作業地において出入口Eが設定されている。作業地によっては、出入口が明確に設定されていない場合がある。図7は、第二の例として、出入口が設定されていない作業地(圃場7)の場合に生成される作業経路Rの一例を示す説明図である。この作業経路Rの生成を、第二の例として、以下説明する。
 図8は、第二の例の場合の経路生成処理を説明するフロー図である。ステップS10は、経路生成ユニット74が基本形状情報を取得するステップ(取得ステップ)である。これは、図9に示すティーチング走行を伴う処理であり、図4に示す第一の例のステップS10と同じである。
 ただし、図5に示す第一の例の場合、出入口Eの近傍位置が始点P0に登録される。
 これに対して、図9に示す第二の例の場合、作業車両10が道路8から任意の場所を通じて圃場7に進入する。その進入した位置の近傍が、始点P0として登録される。始点P0は畦Uの途中の位置となる。圃場7の形状が第一の例(図5)と同じ矩形であっても、図9に示すように、経過点が第一の例よりも増加する(経過点はP1からP4)。
 図8に示すステップS15は、入力ステップである。制御装置70に対して、圃場7又は対象領域9における作業の管理者の位置を示す情報が入力される。なお、ステップS15は、ステップS10の前に行われてもよく、ステップS10の途中で行われてもよい。
 本実施形態の場合、管理者の位置の入力は、管理者が操作端末32を通じて行う。例えば、操作端末32(図3参照)の表示装置32aに、作業車両10が作業を行う圃場7の地図が表示される。その地図に対して管理者が入力操作して、管理者の位置が入力される。その情報は、記憶装置79に記憶される。図7において、管理者の位置を符号「Pm」として示す。
 ステップS10で基本形状情報が取得され、ステップS15で管理者の位置が制御装置70に入力されると、経路生成ユニット74は、次の生成ステップ(図8のステップ20)に進む。
 ステップS20では、第一の例と同様、作業経路Rの形状(線形)が生成されると共に、その作業経路Rの作業始点Ps及び作業終点Peが設定される。
 作業経路Rの形状(線形)の生成アルゴリズムは、図6に示す第一の例と同じである。ただし、第二の例の場合、図7に示すように、管理者の位置Pmの近傍位置を起点として、作業経路Rが形成される。管理者の位置Pmの情報は、ステップS15で、既に取得されている。つまり、管理者の位置Pmの近傍位置から始まる一つの主経路r1が決定され、残りの主経路r1、及び、旋回経路r2が決定される。管理者の位置Pmの近傍位置となる前記起点が、作業経路Rの作業始点Psとなる。
 経路生成ユニット74は、作業経路Rの形状を生成する処理にあわせて、その作業経路Rの作業始点Ps及び作業終点Peを設定する。経路生成ユニット74は、作業終点Peよりも、作業始点Psを、管理者の位置Pmの近くに設定する。
 以上より、作業始点Psを管理者の位置Pmに近い位置とする作業経路Rが生成される。生成した作業経路Rは、記憶装置79に記憶され、操作端末32の表示装置32aに表示される。
 このように生成された作業経路Rに基づいて作業車両10による自動運転が作業始点Psから開始されると、管理者は、作業車両10が開始した作業の内容を目視で確認しやすい。
 本実施形態の場合、圃場7の畦(道路8との境界)Uに沿って、作業始点Psから延びる主経路r1が設定される。これにより、管理者は、道路8に沿って移動して、作業の内容を確認することも可能となる。
 仮に、管理者は、作業の内容が不十分であると判断する場合、作業のやり直し等、迅速に対応することが可能となる。作業内容が不十分である場合、作業器具50を調整して、改めて自動運転が行われる。
 図8に示す第二の例においても、図4に示す第一の例と同様に、ステップS30及びステップS40が行われる。ステップS40では、経路生成ユニット74は、帰還経路Rbを生成する。図7において、帰還経路Rbを二点鎖線で示す。その帰還経路Rbは、作業車両10を作業終点Peから管理者の位置Pm付近まで走行させるための経路である。管理者の位置Pmの情報は、ステップS15で、既に取得されている。帰還経路Rbは、作業終点Peから作業地である圃場7の畦ぎわに沿って走行させる経路を含む。
 この帰還経路Rbでは、自動運転により走行する作業車両10は、作業器具50による作業を行わない状態にあってもよく、作業器具50による作業を行う状態にあってもよい。ただし、作業経路Rのみでは、対象領域9において作業の残りが生じる場合、帰還経路Rbのうち、その作業の残りの経路Rrについては、作業を行うようにして、作業車両10は走行してもよい。
 <作業経路Rの生成タイミング>
 以上の第一の例及び第二の例それぞれにおいて、作業経路Rは、作業車両10が圃場7に到着する前に生成されてもよい。
 第一の例の場合であって、作業車両10が作業経路Rを生成する場合、経路生成ユニット74は、圃場7の地図情報と測位装置37による作業車両10の位置情報(自車位置)とを照合する。これにより、経路生成ユニット74は、作業車両10が所定の場所に居ることを確認する(位置確認処理)。前記所定の場所は、出入口Eの領域である。
 経路生成ユニット74は、作業車両10が出入口Eの領域に居ることを確認すると、自動運転により作業地(圃場7)を走行するための経路を生成する処理として(図4参照)、前記ステップS10からの処理を開始する。
 なお、前記「出入口Eの領域」とは、厳密に出入口Eの位置でなくてもよく、出入口Eの近傍を含む。作業車両10が出入口Eの近傍に到着すると、その出入口Eに近い位置が作業始点Psとなる作業経路Rの生成が開始される。
 <経路生成ユニット74について>
 以上のように、経路生成ユニット74は、図5及び図9に示すように、作業地(圃場7)において作業車両10が作業を行う対象となる対象領域9の基本形状に関する情報(基本形状情報)を取得する取得処理部としての機能を有する。
 経路生成ユニット74は、図6及び図7に示すように、対象領域9を作業車両10が自動運転により走行して作業するための作業経路Rを生成する生成処理部としての機能を有する。
 経路生成ユニット74は、作業地(圃場9)の地図情報とGNSSによる作業車両10の位置情報との照合により、作業車両10が出入口Eの領域に居ることを確認する位置確認部としての機能を有する。
 なお、取得処理部、生成処理部、及び、位置確認部は、別の制御ユニットによって実現されてもよい。
〔作業車両10の自動運転〕
 以上のようにして生成された走行経路(作業経路R)により作業車両10が行う自動走行について説明する。
 図6及び図7それぞれに示すように、作業車両10は、作業経路Rに沿って、作業始点Psから作業終点Peまで自動で走行する。図10は、自動運転のための制御の一例を示すフローチャートである。
 運転制御ユニット73は、作業車両10の走行中、図10に示すステップS101からS105の処理を実行することにより、自動操舵を行う。作業車両10の走行速度は、予め設定された値に維持されるが、途中で自動的に変更されてもよい。
 運転制御ユニット73は、作業車両10の走行中、測位装置37により得られた作業車両10の位置情報を取得する(ステップS101)。位置情報は、作業車両10の現在位置を示す情報である。運転制御ユニット73は、作業車両10の現在位置と作業経路Rとの偏差Eを求める(ステップS102)。
 図11は、自動運転により走行する作業車両10の説明図である。偏差Eは、作業車両10の現在位置と作業経路Rとの差であり、例えば距離である。運転制御ユニット73は、偏差Eが閾値を超えるか否かを判定する(図10のステップS103)。
 偏差Eが閾値を超える場合(ステップS103「Yes」の場合)、運転制御ユニット73は、偏差Eを小さくするため、司令信号を操舵用の制御ユニット72に出力する。操舵用の制御ユニット72は、司令信号を受けると、操舵装置15に与える制御パラメータを変更し、操舵角を変更する(ステップS104)。偏差Eが、閾値以下となるまで、操舵角は変更される。
 ステップS103において、偏差Eが閾値以下である場合、ステップS104はスキップされる。
 本実施形態の場合(図11参照)作業車両10の現在位置と作業経路Rとの偏差Eに基づいて、操舵装置15が制御されるが、方位の偏差を更に加えて制御してもよい。例えば、運転制御ユニット73は、測位装置37及び慣性計測装置38の一方又は双方によって特定された作業車両10の向きと、作業経路Rの方向との角度差が、予め設定された閾値を超えるか否かを判定する。なお、前記角度差が、方位の偏差である。角度差が閾値を超える場合、その偏差に応じて操舵装置15の制御パラメータ(例えば操舵角)が変更される。
 図10のテップS105は、運転制御ユニット73が動作終了の指令を受けたか否かを判定するステップである。動作終了の指令は、例えば次の場合に出される。
 1)管理者(ユーザ)が例えば遠隔操作で自動運転の停止を指示
 2)作業車両10が目的地に到達
 図6又は図7に示す形態の場合、作業車両10が目的地である作業終点Peに到達すると、運転制御ユニット73は、動作終了の司令信号を受ける。
 運転制御ユニット73は、動作終了の指令を受信しない場合(ステップS105「No」の場合)、ステップS101に戻り、以下、同様の処理を実行する。運転制御ユニット73は、動作終了の指令を受信するまで、ステップS101からS105の動作を繰り返す。
〔その他〕
 経路生成装置80は、農業機械である作業車両10に用いられる他に、他の装置に用いられてもよい。例えば、農作業のための管理システムを運営する事業者が所有する管理装置が、経路生成装置80を有してもよい。管理装置は、サーバコンピュータであり、管理サーバ92(図2参照)と呼ばれる。前記事業者は、例えば、農業機械メーカー又は情報関連企業等である。
 管理サーバ92は、ネットワーク91を通じて、作業車両10と無線通信可能である。管理サーバ92は、農業機械に関連するデータを一元的に管理し、そのデータを活用した農作業の支援を行う。管理サーバ92は、例えば、作業車両10から受信した情報を用いて、その作業車両10又は別の作業車両等の農業機械に実行させる自動運転計画を作成可能である。
 管理サーバ92(図2参照)が経路生成装置80を有する場合、前記取得ステップ(図4及び図8のステップS10)のためのティーチング走行は、作業車両10が行う。そのティーチング走行により得られる情報は、その作業車両10から管理サーバ92に送信される。これにより管理サーバ92は、前記基本形状情報を取得する。管理サーバ92は、作業車両10による作業のための作業経路Rを生成する形成生成処理(図4及び図8のステップS20)を行う。更に、管理サーバ92は、ステップS30及びステップS40を実行してもよい。
 作業車両10は、生成された走行経路(作業経路R)の情報を、管理サーバ92から通信装置16を介して取得する。作業車両10は、受信した情報を用いて自動運転を行う。
 以上の前記実施形態における、経路生成装置80、及び、自動運転の制御を行う装置を、それらの機能を有しない農業機械に後から取り付けることもできる。これらの装置は、農業機械とは独立して製造及び販売され得る。
 これらの装置で使用されるコンピュータプログラムも、農業機械とは独立して製造及び販売され得る。コンピュータプログラムは、例えばコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供される場合がある。コンピュータプログラムは、電気通信回線(例えばインターネット)を介してダウンロードによって提供される場合がある。
 前記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、前記実施形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更を含む。
 7 圃場(作業地)
 9 対象領域
 10 作業車両
 32 操作端末(入力部)
 80 経路生成装置
 E 出入口
 Ps 作業始点
 Pe 作業終点
 Pm 管理者の位置
 Pp一次停車位置
 R 作業経路
 Rb 帰還経路
 

Claims (9)

  1.  作業車両が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置であって、
     前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、
     前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成処理部と、
     を有し、
     前記生成処理部は、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点を、前記作業地の境界付近であって且つ前記作業車両が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定する、
     経路生成装置。
  2.  前記生成処理部は、前記取得処理部が取得した前記対象領域に、前記作業地と前記道路とを繋ぎ且つ前記作業車両が通過するための出入口が含まれている場合に、前記作業経路の作業始点を、前記出入口の近い位置に設定する、
     請求項1に記載の経路生成装置。
  3.  作業車両が自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置であって、
     前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得処理部と、
     作業の管理者の位置を示す情報が入力される入力部と、
     前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成処理部と、
     を有し、
     前記生成処理部は、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点を、前記管理者の位置の近くに設定する、
     経路生成装置。
  4.  前記生成処理部は、前記作業車両が作業するための前記作業経路の前記作業終点を、前記対象領域の前記作業始点から離れた位置に設定する、
     請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の経路生成装置。
  5.  前記作業地の地図情報とGNSSによる前記作業車両の位置情報との照合により、前記作業車両が前記通過場所に居ることを確認する位置確認部を、有し、
     前記作業車両が前記通過場所に居ることが確認されると、自動運転により前記作業地を走行するための経路を生成する処理を開始する、
     請求項1に記載の経路生成装置。
  6.  前記生成処理部は、前記作業車両が前記作業始点から短距離について走行する前記作業経路上の位置を、一次停車位置に設定する、
     請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の経路生成装置。
  7.  前記生成処理部は、前記作業車両を前記作業終点から前記通過場所付近まで走行させるための経路であって、前記作業終点から前記作業地の畦ぎわに沿って走行させる経路を含む帰還経路を生成する、
     請求項1又は請求項2に記載の経路生成装置。
  8.  作業車両が、自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
     前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得ステップと、
     前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成ステップと、
     を有し、
     前記生成ステップにおいて、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点が、前記作業地の境界付近であって且つ前記作業車両が前記作業地から道路へ向けて移動する際に通過する通過場所の近くに設定される、
     コンピュータプログラム。
  9.  作業車両が自動運転により作業地を走行するための経路を生成する装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
     前記作業地において前記作業車両が作業を行う対象となる対象領域の基本形状に関する情報を取得する取得ステップと、
     作業の管理者の位置を示す情報が入力される入力ステップと、
     前記対象領域を前記作業車両が自動運転により走行して作業するための作業経路を生成する生成ステップと、
     を有し、
     前記生成ステップにおいて、前記作業経路の作業終点よりも、前記作業経路の作業始点が、前記管理者の位置の近くに設定される、
     コンピュータプログラム。
     
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