以下、実施形態に係る触覚提示装置について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1~図4を参照して、本実施形態に係る触覚提示装置100を説明する。触覚提示装置100は、ユーザーに対して、振動による触感をフィードバックする。触覚提示装置100は、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、車両等に搭載される。
触覚提示装置100は、図1に示すように、ベース110と可動部120とガイド部140とアクチュエータ150と制御部160とを備える。ベース110は、可動部120を変位可能に支持する。可動部120は、第1主面120aに平行な所定の一軸方向に変位することにより、ユーザーに触覚を提示する。ガイド部140は、所定の一軸方向に摺動することにより、可動部120の変位方向を所定の一軸方向に規制する。アクチュエータ150は、可動部120を所定の一軸方向に変位させる。制御部160は、各部を制御する。本明細書では、理解を容易にするため、図1における触覚提示装置100の右方向(紙面の右方向)を+X方向、上方向(紙面の上方向)を+Z方向、+X方向と+Z方向に垂直な方向(紙面の奥方向)を+Y方向として説明する。また、所定の一軸方向をX軸方向とする。
次に、触覚提示装置100の具体的な構成について、説明する。
触覚提示装置100のベース110は、ガイド部140を介して、可動部120を後述する可動部120の第2主面120bの側から、変位可能に支持する。ベース110は、図2と図3に示すように、+Z方向に開口した箱形形状で、底板112と4つの側板114a~114dとを有する。ベース110は、例えば、ステンレス材から形成される。なお、図2と図3では、理解を容易にするため、後述する可動部120の表示部130とタッチパネル131とを省略している。以下の図においても、適宜、表示部130とタッチパネル131とを省略している。
底板112は矩形形状を有する平板である。底板112の+Z側の主面112aが、後述する可動部120の第2主面120bと対向する、ベース110の第3主面110aに相当する。-X側に位置する側板114aと+X側に位置する側板114bとの間には、後述するガイド部140のシャフト142a、142bが設けられる。
触覚提示装置100の可動部120は、X軸方向(所定の一軸方向)に変位することにより、ユーザーに触覚を提示する。可動部120は、アクチュエータ150を駆動源として、X軸方向に変位する。
可動部120は、図1に示すように、キャリア121と表示部130とタッチパネル131とを備える。キャリア121は、ガイド部140を介してベース110に接続し、表示部130とタッチパネル131とを支持する。表示部130は文字、画像等を表示する。タッチパネル131はユーザーがタッチ操作により接触面131aに接触した位置(接触位置)を検出する。
キャリア121は、図2と図3に示すように、-Z方向に開口した箱形形状を有する。キャリア121の外形はベース110の内形よりも小さく、キャリア121はベース110の内側でベース110の+Z側に位置している。キャリア121は、上板122と側板124a~124dとを有する。キャリア121は、例えば、アルミニウム合金から形成される。
上板122は、矩形形状を有する平板で、第1主面122aと、第1主面122aと反対側の第2主面122bとを有する。上板122の第1主面122aは、XY平面(X軸)に平行で+Z側に位置し、可動部120の第1主面120aに相当する。上板122の第2主面122bは、-Z側に位置し、可動部120の第2主面120bに相当する。上板122の第2主面122bは、ベース110の第3主面110aに対向している。なお、上板122の第1主面122aはキャリア121の第1主面にも相当し、上板122の第2主面122bはキャリア121の第2主面にも相当する。
-X側に位置する側板124aには、後述するガイド部140の軸受け144a、144bが設けられる。また、+X側に位置する側板124bには、後述するガイド部140の軸受け144c、144dが設けられる。
表示部130は、上板122の第1主面122aの上に設けられる。表示部130は、例えば、液晶表示パネルである。
タッチパネル131は、表示部130の上に配置される。タッチパネル131は、ユーザーが接触した位置を検出し表示部130の表示に対するユーザーのタッチ操作による指示を受け付ける、インターフェースとして機能する。触覚提示装置100は、タッチパネル131により検出されたユーザーの接触位置に応じて、可動部120を所定の一軸方向(X軸方向)に変位させることにより、タッチパネル131の接触面131aを触覚提示面として、振動による触覚をユーザーにフィードバックする。
触覚提示装置100のガイド部140は、図3に示すように、可動部120の第2主面120b(キャリア121の上板122の第2主面122b)とベース110の第3主面110aとの間に配置されて、ベース110と可動部120(キャリア121)とを接続する。さらに、ガイド部140は、X軸方向に摺動することにより可動部120の変位方向をX軸方向に規制する。ガイド部140は、図2に示すように、シャフト142a、142bと軸受け144a~144dとを有する。
シャフト142a、142bは、X軸方向に延びる棒状の部材であり、例えば、ステンレス材から形成される。シャフト142a、142bのそれぞれの一端はベース110の側板114aに固定され、シャフト142a、142bのそれぞれの他端はベース110の側板114bに固定される。これにより、シャフト142a、142bは、側板114aと側板114bとの間に設けられる。シャフト142aとシャフト142bは、+Z方向から平面視した場合に、後述する可動部120の対称軸Mを挟んで、+Y側と-Y側とに対称に配置されている。
軸受け144a~144dは、例えば、すべり軸受けである。軸受け144a、144bはキャリア121の側板124aに設けられ、軸受け144c、144dはキャリア121の側板124bに設けられる。軸受け144aと軸受け144cは、対向して配置され、シャフト142aに挿通される。また、軸受け144bと軸受け144dは、対向して配置され、シャフト142bに挿通される。
本実施形態では、ベース110の側板114aと側板114bとの間に設けられX軸方向に延びるシャフト142aが、キャリア121の側板124aに設けられた軸受け144aとキャリア121の側板124bに設けられた軸受け144cを挿通している。また、ベース110の側板114aと側板114bとの間に設けられX軸方向に延びるシャフト142bが、キャリア121の側板124aに設けられた軸受け144bとキャリア121の側板124bに設けられた軸受け144dを挿通している。したがって、ガイド部140のシャフト142a、142bと軸受け144a~144dは、ベース110と可動部120(キャリア121)を接続し、軸受け144a~144dがシャフト142a、142bをX軸方向に摺動することにより、可動部120の変位方向をX軸方向に規制できる。ガイド部140が可動部120の変位方向をX軸方向に規制するので、可動部120のX軸方向以外の方向への変位が抑えられて、アクチュエータ150により発生する力が可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換される。したがって、触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させることができる。
また、本実施形態では、ベース110の側板114aと側板114bとの間に設けられX軸方向に延びるシャフト142a、142bを含むガイド部140が、可動部120の第2主面120b(キャリア121の上板122の第2主面122b)とベース110の第3主面110aとの間に配置され、可動部120とベース110とを接続している。これにより、タッチパネル131の接触面131aが、ユーザーにより強く押下されても、ガイド部140が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。
触覚提示装置100のアクチュエータ150は、可動部120をX軸方向に変位させる駆動源である。アクチュエータ150は、可動部120のキャリア121のX軸方向の一端側に配置され、X軸方向の一端側から可動部120をX軸方向に変位させる。本実施形態では、アクチュエータ150は、図1に示すように、キャリア121の-X側の端部とベース110の側板114aとの間に配置されて、-X側から可動部120を+X方向と-X方向に変位させている。
アクチュエータ150は、ピエゾアクチュエータ、ソレノイド、リニア共振アクチュエータ等である。アクチュエータ150がピエゾアクチュエータ又はソレノイドである場合、固定子と可動子のうちの一方がキャリア121の-X側の端部に結合し、固定子と可動子のうちの他方がベース110の側板114aに結合している。また、アクチュエータ150がリニア共振アクチュエータである場合、アクチュエータ150はキャリア121の-X側の端部に設けられる。
さらに、+Z方向から平面視すると、アクチュエータ150は、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置している。本実施形態における可動部120の対称軸Mは、図4に示すように、X軸方向に平行で、可動部120の重心Pを通過する。この場合、アクチュエータ150が、X軸方向の力を可動部120に加えると、図4と下記の式(1)~式(3)に示すように、XY平面に平行な平面における重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmは零となる。ここで、iはX軸方向の単位ベクトルを、jはY軸方向の単位ベクトルを、F1は可動部120に加わる力のベクトルを、r1は重心Pから力の作用点Qへのベクトルを表す。
したがって、アクチュエータ150は、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。これにより、触覚提示装置100は、強い振動をユーザーに与えることができる。
触覚提示装置100の制御部160は、表示部130の表示を制御すると共に、タッチパネル131におけるユーザーの接触位置を求める。また、制御部160は、求められたユーザーの接触位置に応じて、アクチュエータ150を制御し、可動部120をX軸方向に変位させる。制御部160は、各種の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、プログラムとデータとを記憶しているROM(Read Only Memory)、データを記憶するRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部160の機能は、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することによって、実現される。
以上のように、触覚提示装置100では、シャフト142a、142bを含むガイド部140が可動部120とベース110とを接続し、ガイド部140が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。また、触覚提示装置100を搭載した装置、車両等の振動に対する耐久性を高めることもできる。さらに、ガイド部140が可動部120の変位方向をX軸方向に規制するので、触覚提示装置100は、可動部120のX軸方向以外の方向への変位を抑えて、アクチュエータ150により発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させることができる。
アクチュエータ150は、+Z方向から平面視した場合に、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置しているので、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させ、強い振動をユーザーに与えることができる。さらに、可動部120のX軸方向以外の方向への変位を抑えられるので、ノイズ、不要な振動等を抑制できる。
<実施形態2>
実施形態1の触覚提示装置100では、ガイド部140のシャフト142a、142bがベース110の側板114a、114bに固定され、ガイド部140の軸受け144a~144dがキャリア121の側板124a、124bに設けられている。ガイド部140のシャフト142a、142bがキャリア121の側板124a、124bに固定され、ガイド部140の軸受け144a~144dがベース110の側板114a、114bに設けられてもよい。
本実施形態の触覚提示装置100は、実施形態1の触覚提示装置100と同様に、ベース110と可動部120とガイド部140とアクチュエータ150と制御部160とを備える。
本実施形態のベース110は、実施形態1のベース110と同様に、+Z方向に開口した箱形形状で、底板112と4つの側板114a~114dとを有する。本実施形態では、図5と図6に示すように、ベース110の外形は可動部120のキャリア121の内形よりも小さく、ベース110はキャリア121の内側に位置している。また、ガイド部140の軸受け144a、144bが-X側に位置する側板114aに設けられ、ガイド部140の軸受け144c、144dが+X側に位置する側板114bに設けられている。本実施形態のベース110のその他の構成は、実施形態1のベース110と同様である。
本実施形態の可動部120は、実施形態1の可動部120と同様に、キャリア121と表示部130とタッチパネル131とを有する。本実施形態の表示部130とタッチパネル131の構成は、実施形態1と同様であるので、ここでは、本実施形態のキャリア121を説明する。
本実施形態のキャリア121は、実施形態1のキャリア121と同様に、-Z方向に開口した箱形形状であり、上板122と側板124a~124dとを有する。本実施形態では、キャリア121の内形はベース110の外形よりも大きく、キャリア121の側板124a~124dはベース110を囲んでいる。また、ガイド部140のシャフト142a、142bが、-X側に位置する側板124aと+X側に位置する側板124bとの間に設けられている。本実施形態のキャリア121のその他の構成は、実施形態1の可動部120と同様である。
本実施形態のガイド部140は、実施形態1のガイド部140と同様に、シャフト142a、142bと軸受け144a~144dとを有する。本実施形態のシャフト142a、142bは、キャリア121の側板124aと側板124bとの間に設けられる。また、本実施形態では、軸受け144a、144bはベース110の側板114aに設けられ、軸受け144c、144dはベース110の側板114bに設けられる。軸受け144aと軸受け144cは、対向して配置され、シャフト142aに挿通される。軸受け144bと軸受け144dは、対向して配置され、シャフト142bに挿通される。本実施形態のシャフト142a、142bと軸受け144a~144dのその他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態では、キャリア121の側板124aと側板124bとの間に設けられX軸方向に延びるシャフト142aが、ベース110の側板114aに設けられた軸受け144aとベース110の側板114bに設けられた軸受け144cを挿通している。また、キャリア121の側板124aと側板124bとの間に設けられX軸方向に延びるシャフト142bが、ベース110の側板114aに設けられた軸受け144bとベース110の側板114bに設けられた軸受け144dを挿通している。
したがって、本実施形態のガイド部140は、実施形態1のガイド部140と同様に、ベース110と可動部120(キャリア121)を接続し、可動部120の変位方向をX軸方向に規制できる。また、ガイド部140が可動部120の変位方向をX軸方向に規制するので、触覚提示装置100は、可動部120のX軸方向以外の方向への変位が抑えられて、アクチュエータ150により発生する力が可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換される。したがって、触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させることができる。さらに、シャフト142a、142bを含むガイド部140が可動部120とベース110とを接続しているので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。ガイド部140が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。
本実施形態のアクチュエータ150は、実施形態1のアクチュエータ150と同様に、可動部120の-X側の端部とベース110の側板114aとの間に配置されて、-X側から可動部120を+X方向と-X方向に変位させる。本実施形態のアクチュエータ150のその他の構成も、実施形態1と同様である。
本実施形態の制御部160は、実施形態1の制御部160と同様に、表示部130の表示を制御すると共に、タッチパネル131におけるユーザーの接触位置を求める。また、本実施形態の制御部160は、求められたユーザーの接触位置に応じて、アクチュエータ150を制御し、可動部120をX軸方向に変位させる。
以上のように、本実施形態においても、シャフト142a、142bを含むガイド部140が可動部120とベース110とを接続しているので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。ガイド部140が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。また、ガイド部140が可動部120の変位方向をX軸方向に規制するので、本実施形態の触覚提示装置100は、可動部120のX軸方向以外の方向への変位を抑えて、アクチュエータ150により発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させることができる。さらに、実施形態1の触覚提示装置100と同様に、アクチュエータ150は、+Z方向から平面視した場合に、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置しているので、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、本実施形態の触覚提示装置100は、可動部120を強く振動させ、強い振動をユーザーに与えることができる。
<実施形態3>
実施形態1と実施形態2の触覚提示装置100では、1つのアクチュエータ150が可動部120をX軸方向に変位させている。触覚提示装置100は、複数の出力が等しいアクチュエータ150を備えてもよい。+Z方向から平面視すると、複数の出力が等しいアクチュエータ150は、可動部120の対称軸Mに対して対称に配置される。ここでは、アクチュエータ150の数が2つの場合とアクチュエータ150の数が3つの場合について、説明する。なお、本実施形態の触覚提示装置100の構成は、アクチュエータ150の数と可動部120のX軸方向の一端側におけるアクチュエータ150の位置とを除き、実施形態1の触覚提示装置100と同様である。
出力が等しいアクチュエータ150の数が2つの場合、図7に示すように、2つのアクチュエータ150は、+Z方向から平面視した場合に、対称軸Mを挟んで対称に配置される。すなわち、対称軸Mの+Y側に位置するアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L1と対称軸Mの-Y側に位置するアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L2は、等しい(L1=L2=a)。以下では、対称軸Mの+Y側に位置するアクチュエータ150を+Y側アクチュエータ150と、対称軸Mの-Y側に位置するアクチュエータ150を-Y側アクチュエータ150と記載する。
2つの力が等しいアクチュエータ150が、対称軸Mを挟んで対称に配置されると、図7と下記の式(4)~式(7)に示すように、XY平面に平行な平面における重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmは零となる。ここで、iはX軸方向の単位ベクトルを、jはY軸方向の単位ベクトルを表す。また、F1は+Y側アクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r1は重心Pから+Y側アクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。F2は-Y側アクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r2は重心Pから-Y側アクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。
したがって、2つの力が等しいアクチュエータ150は、+Z方向から平面視した場合に、対称軸Mを挟んで対称に配置されることにより、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。
出力が等しいアクチュエータ150の数が3つの場合、図8に示すように、3つのアクチュエータ150は、+Z方向から平面視した場合に、対称軸Mを挟んで対称に配置される。すなわち、3つのアクチュエータ150のうちの1つは対称軸Mの上に配置され、残りの2つのアクチュエータ150のそれぞれは、対称軸Mを挟んで、対称軸Mからの垂直距離L3、L5が等しい位置に配置される(L3=L5=b)。
3つの力が等しいアクチュエータ150が、対称軸Mを挟んで対称に配置されると、図8と下記の式(8)~式(12)に示すように、XY平面に平行な平面における重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmは零となる。ここで、F3は+Y側アクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r3は重心Pから+Y側アクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。F4は対称軸Mの上に配置されたアクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r4は重心Pから対称軸Mの上に配置されたアクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。F5は-Y側アクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r5は重心Pから-Y側アクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。
したがって、3つの力が等しいアクチュエータ150は、対称軸Mを挟んで対称に配置されることにより、出力が等しいアクチュエータ150の数が2つの場合と同様に、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。
以上のように、複数の出力が等しいアクチュエータ150を、+Z方向から平面視した場合に、可動部120の対称軸Mに対して対称に配置することにより、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、アクチュエータ150は可動部120を強く振動させることができる。したがって、本実施形態の触覚提示装置100は、強い振動をユーザーに与えることができる。
<実施形態4>
実施形態1~実施形態3では、シャフト142a、142bと軸受け144a~144dとを有するガイド部140により、ベース110と可動部120とを接続している。ベース110と可動部120は、ゴムブッシュ172を用いて接続されてもよい。
本実施形態の触覚提示装置100は、図9~図11に示すように、ベース110と可動部120とブッシュ部170と2つのアクチュエータ150と制御部160とを備える。本実施形態の制御部160の構成は、実施形態1と同様であるので、ベース110と可動部120とブッシュ部170と2つのアクチュエータ150について説明する。なお、図10と図11では、可動部120の表示部130とタッチパネル131を省略している。
本実施形態のベース110は、ブッシュ部170を介して、可動部120を変位可能に支持する。本実施形態のベース110は、図12と図13に示すように、+Z方向に開口した箱形形状で、底板112と4つの側板114a~114dとを有する。
底板112は、矩形形状の平板で、可動部120に対向する主面112aに4つの凸部116が設けられている。4つの凸部116のそれぞれは、後述する下板126の貫通孔127a~127dのそれぞれに対応する位置に設けられている。凸部116は、後述するブッシュ部170の接続ピン174の軸部174bが嵌め込まれる、雌穴116aを有している。
本実施形態の可動部120は、X軸方向に変位することにより、ユーザーに触覚を提示する。本実施形態の可動部120は、実施形態1の可動部120と同様に、キャリア121と表示部130とタッチパネル131とを備える。表示部130とタッチパネル131の構成は、実施形態1と同様であるので、ここでは、本実施形態のキャリア121を説明する。
本実施形態のキャリア121は、図14に示すように、上板122と下板126と接続部128a、128bとを有する。キャリア121の外形はベース110の内形よりも小さく、キャリア121はベース110の内側に位置している。
本実施形態の上板122は、矩形形状を有する平板で、第1主面122aと、第1主面122aと反対側の第2主面122bとを有する。本実施形態の上板122の第1主面122aは、XY平面(X軸)に平行で+Z側に位置し、可動部120の第1主面120aに相当する。また、本実施形態では、上板122の第2主面122bを可動部120の第2主面120bとする。
下板126は、上板122と同形の平板である。下板126は、上板122のベース110側(-Z側)に位置し、接続部128a、128bによって上板122に接続されている。下板126には、図15に示すように、4つの貫通孔127a~127dが設けられている。+Z方向から平面視すると、貫通孔127aと貫通孔127bは、可動部120の重心Pを通過する対称軸Mの+Y側で対称軸Mと平行な直線上に位置し、貫通孔127cと貫通孔127dは、対称軸Mの-Y側で対称軸Mと平行な直線上に位置している。また、貫通孔127aと貫通孔127cは対称軸Mを挟んで対称に位置し、貫通孔127bと貫通孔127dは対称軸Mを挟んで対称に位置している。貫通孔127a~貫通孔127dには、ブッシュ部170のゴムブッシュ172が嵌め込まれる。
接続部128a、128bのそれぞれは、上板122と下板126の-X側の端部と+X側の端部のそれぞれで、上板122と下板126とを接続している。
触覚提示装置100のブッシュ部170は、図11に示すように、ゴムブッシュ172と接続ピン174とを有する。ゴムブッシュ172は、円環状の弾性体で、可動部120の下板126の貫通孔127a~127dのそれぞれに嵌め込まれる。ゴムブッシュ172は、可動部120の変位に伴って弾性変形する。
接続ピン174は、頭部174aと軸部174bとを有する。接続ピン174の軸部174bは、貫通孔127a~127dに嵌め込まれたゴムブッシュ172を下板126側から挿通し、底板112の凸部116の雌穴116aに固定される。これにより、可動部120(キャリア121)とベース110(ベース110の底板112)が接続される。なお、接続ピン174の軸部174bは、ブッシュ部170の軸部の一例である。
本実施形態では、可動部120が変位する場合に、軸部174bに挿通されたゴムブッシュ172が弾性変形するので、ブッシュ部170を介して可動部120を支持するベース110は、可動部120を変位可能に支持できる。
また、ベース110がブッシュ部170を介して可動部120を支持しているので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。さらに、ベース110は可動部120を可動部120の第2主面120b側から支持している。したがって、タッチパネル131の接触面131aがユーザーにより強く押下されても、ベース110が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。
本実施形態の2つのアクチュエータ150の出力は等しい。図10に示すように、本実施形態の2つのアクチュエータ150は、可動部120の-X側の端部とベース110の側板114aとの間に配置される。+Z方向から平面視すると、本実施形態の2つのアクチュエータ150のそれぞれは、実施形態3の2つのアクチュエータ150と同様に、可動部120の対称軸Mを挟んで対称に配置される。したがって、本実施形態の2つのアクチュエータ150は、実施形態3の2つのアクチュエータ150と同様に、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。
以上のように、本実施形態では、ベース110がブッシュ部170を介して可動部120を変位可能に支持するので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。また、ベース110が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支持するので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。さらに、2つの出力が等しい2つのアクチュエータ150が、可動部120の対称軸Mに対して対称に配置されているので、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。これにより、本実施形態の触覚提示装置100は、強い振動をユーザーに与えることができる。
<実施形態5>
実施形態4の触覚提示装置100では、ブッシュ部170のゴムブッシュ172が、可動部120に設けられている。ブッシュ部170のゴムブッシュ172は、ベース110に設けられてもよい。
本実施形態の触覚提示装置100は、実施形態4の触覚提示装置100と同様に、ベース110と可動部120とブッシュ部170と2つのアクチュエータ150とを備える。2つのアクチュエータ150の構成は実施形態4と同様であるので、ベース110と可動部120とブッシュ部170とを説明する。
本実施形態のベース110は、実施形態4のベース110と同様に、ブッシュ部170を介して可動部120を変位可能に支持する。本実施形態のベース110は、図16と図17に示すように、+Z方向に開口した箱形形状で、底板112と4つの側板114a~114dとを有する。本実施形態の底板112には、図18に示すように、4つの貫通孔118が設けられている。4つの貫通孔118のそれぞれは、後述するキャリア121の凸部132a~132dのそれぞれに対応する位置に設けられている。貫通孔118には、ブッシュ部170のゴムブッシュ172が嵌め込まれる。
本実施形態の可動部120は、実施形態4の可動部120と同様に、X軸方向に変位することにより、ユーザーに触覚を提示する。本実施形態の可動部120は、実施形態1の可動部120と同様に、キャリア121と表示部130とタッチパネル131とを備える。表示部130とタッチパネル131の構成は、実施形態1と同様であるので、ここでは、本実施形態のキャリア121を説明する。本実施形態のキャリア121は、図19に示すように、上板122と凸部132a~132dとを有する。
本実施形態の上板122は、矩形形状の平板で、第1主面122aと、第1主面122aと反対側の第2主面122bとを有する。本実施形態の上板122の第1主面122aは、XY平面(X軸)に平行で+Z側に位置し、可動部120の第1主面120aに相当する。本実施形態の上板122の第2主面122bは、-Z側に位置し、可動部120の第2主面120bに相当する。
本実施形態の凸部132a~132dは、上板122の第2主面122bに設けられる。+Z方向から平面視すると、凸部132aと凸部132bは、可動部120の重心Pを通過する対称軸Mの+Y側で対称軸Mと平行な直線上に位置し、凸部132cと凸部132dは、対称軸Mの-Y側で対称軸Mと平行な直線上に位置している。また、凸部132aと凸部132cは対称軸Mを挟んで対称に位置し、凸部132bと凸部132dは対称軸Mを挟んで対称に位置している。凸部132a~132dのそれぞれは、ブッシュ部170の接続ピン174の軸部174bが嵌め込まれる、雌穴133を有している。
本実施形態のブッシュ部170は、実施形態4のブッシュ部170と同様に、ゴムブッシュ172と接続ピン174とを有する。本実施形態のゴムブッシュ172は、円環状の弾性体で、図17に示すように、底板112の貫通孔118のそれぞれに嵌め込まれる。本実施形態のゴムブッシュ172は、可動部120の変位に伴って弾性変形する。
本実施形態の接続ピン174は、実施形態4の接続ピン174と同様に、頭部174aと軸部174bとを有する。接続ピン174の軸部174bは、底板112の貫通孔118に嵌め込まれたゴムブッシュ172を、底板112側から挿通し、可動部120の凸部132a~132dの雌穴133に固定される。これにより、可動部120(キャリア121)とベース110が接続される。
本実施形態では、可動部120が変位すると共に、接続ピン174の軸部174b(接続ピン174)が変位し、軸部174bに挿通されたゴムブッシュが弾性変形する。したがって、ブッシュ部170を介して可動部120を支持するベース110は、可動部120を変位可能に支持できる。
また、ベース110がブッシュ部170を介して可動部120を支持しているので、実施形態4と同様に、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。さらに、ベース110は可動部120を可動部120の第2主面120b側から支持している。したがって、タッチパネル131の接触面131aがユーザーにより強く押下されても、ベース110が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支えるので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。
以上のように、実施形態4と同様に、ベース110がブッシュ部170を介して可動部120を変位可能に支持するので、ユーザーのタッチ操作に対する強度を強くできる。また、ベース110が可動部120を可動部120の第2主面120b側から支持するので、ユーザーのタッチ操作に対する強度をさらに強くできる。さらに、実施形態4と同様に、2つの出力が等しい2つのアクチュエータ150が、+Z方向から平面視した場合に、可動部120の対称軸Mに対して対称に配置されているので、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
実施形態1と実施形態2では、キャリア121は箱形形状であるが、キャリア121の形状は箱形形状に限られない。例えば、図20に示すように、実施形態1のキャリア121は、平板状の上板122に脚部202を有してもよい。この場合、軸受け144a~144dが脚部202に設けられる。上板122の外形は、図20に示すように、ベース110の外形よりも大きくともよい。
さらに、図21と図22に示すように、実施形態1のキャリア121は平板状であってもよい。この場合、ガイド部140の軸受け144a~144dの代わりに、例えば、ガイド部140のU字状の軸受け204がキャリア121の第1主面に設けられる。
実施形態1と実施形態2では、シャフト142aとシャフト142bは、+Z方向から平面視した場合に、可動部120の対称軸Mを挟んで、+Y側と-Y側とに対称に配置されている。シャフト142aとシャフト142bは、+Z方向から平面視した場合に、可動部120の対称軸Mを挟んで、+Y側と-Y側とに対称に配置されていなくともよい。すなわち、ガイド部140は、+Z方向から平面視した場合に、可動部120の対称軸Mを挟んで、+Y側と-Y側とに対称に配置されていなくともよい。
実施形態4と実施形態5では、キャリア121の上板122と下板126は同形であるが、上板122と下板126は同形に限られない。また、キャリア121は、上板122と下板126と接続部128a、128bから形成されるとは、限られない。例えば、実施形態4と実施形態5のキャリア121は、上板122のみから形成されてもよい。
実施形態4と実施形態5では、ブッシュ部170(貫通孔127a~127d又は凸部132a~132d)は対称に配置されている。ブッシュ部170は、対称に配置されていなくともよい。
実施形態1~実施形態5では、ベース110は箱形形状であるが、ベース110の形状は箱形形状に限られない。例えば、実施形態1のベース110は、図23に示すように、平板状の底板112と、シャフト142a、142bを設けられる側板114a、114bとを有してもよい。
さらに、実施形態1では、シャフト142a、142bを設けられる側板114a、114bが、他の部材(触覚提示装置100を搭載する装置の筐体又は回路基板、触覚提示装置100を搭載する装置に設けられた支持部材等)と共にベース110を構成してもよい。実施形態2では、軸受け144a~144dを設けられる側板114a、114bが、他の部材と共にベース110を構成してもよい。
実施形態1と実施形態2のガイド部140は、可動部120の第2主面120bとベース110の第3主面110aとの間に配置されているが、ガイド部140の配置はこれに限られない。例えば、図24に示すように、ガイド部140のシャフト142aがキャリア121の上板122の側面122cに平行に位置し、ガイド部140のシャフト142bがキャリア121の上板122の側面122cに平行に位置してもよい。この場合、凸部206a、206cが上板122の+Y側の側面122cに設けられ、ガイド部140の軸受け144a、144cのそれぞれが凸部206a、206cのそれぞれに設けられる。シャフト142aは軸受け144a、144cを挿通する。また、凸部206b、206dが上板122の-Y側の側面122dに設けられ、ガイド部140の軸受け144b、144dのそれぞれが凸部206b、206dのそれぞれに設けられる。シャフト142bは軸受け144b、144dを挿通する。
触覚提示装置100のガイド部140は、シャフト142a、142bと軸受け144a~144dの組み合わせに限られない。例えば、ガイド部140は、図25に示すように、ベース110の底板112に設けられX軸方向に延びるレール146と、キャリア121の上板122の第2主面122bに取り付けられレール146上を移動するブロック148と、を有するリニアガイドであってもよい。
可動部120の表示部130は、液晶表示パネルに限られない。表示部130は、有機EL(Electro Luminescence)表示パネル、印刷物等であってもよい。
実施形態1~実施形態5では、可動部120はキャリア121と表示部130とタッチパネル131から構成されているが、可動部120の構成はこれに限られない。例えば、可動部120は、表示部130とタッチパネル131から構成されてもよい。この場合、表示部130とベース110が、ガイド部140又はブッシュ部170により、接続される。また、可動部120はキャリア121と表示部130とから構成されてもよく、可動部120はキャリア121とタッチパネル131とから構成されてもよい。さらに、可動部120は、キャリア121と表示部130とタッチパネル131のいずれか1つのみから構成されてもよい。例えば、可動部120が表示部130のみから構成される場合、表示部130とベース110が、ガイド部140又はブッシュ部170により、接続される。
触覚提示装置100は、4隅にフォースセンサ240を備えてもよい。例えば、フォースセンサ240は、図26に示すように、ベース110の底板112と、可動部120を支持するベース110の側板114a~114dとの間に設けられる。フォースセンサ240は、ユーザーがタッチパネル131の接触面131aを押下する力(-Z方向の力)を検出する。この場合、制御部160は、フォースセンサ240によって検出された力に応じて、可動部120の振動強度を制御する。制御部160は、例えば、フォースセンサ240が所定の設定値以上の荷重を検出すると、ユーザーにクリック感を提示するように可動部120の振動強度を制御する。
実施形態4と実施形態5の触覚提示装置100は、実施形態1と実施形態2の触覚提示装置100と同様に、複数(3つ以上)の出力が等しいアクチュエータ150を備えてもよい。この場合、+Z方向から平面視すると、複数の出力が等しいアクチュエータ150が、可動部120の対称軸Mに対して対称に配置される。
実施形態1~実施形態5の触覚提示装置100は、出力が互いに異なる複数のアクチュエータ150を備えてもよい。例えば、触覚提示装置100が2つの出力が異なるアクチュエータ150を備える場合、+Z方向から平面視すると、2つのアクチュエータ150は、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mを挟んで、一方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L6=cと、他方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L7=dとの比が、一方のアクチュエータ150の出力S1と他方のアクチュエータ150の出力S2(S1>S2)との比の逆比となる位置に配置される。
この場合、図27と下記の式(13)~式(18)に示すように、XY平面に平行な平面における重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmは零となる。したがって、発生する力を可動部120のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換でき、可動部120を強く振動させることができる。ここで、F6は一方(出力S1)のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r6は重心Pから一方のアクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。F7は他方(出力S2)のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、r7は重心Pから他方のアクチュエータ150によって加わる力の作用点Qへのベクトルを表す。
本開示の特徴を、他の側面から説明する。m個(mは1以上の整数)のアクチュエータ150を備え、可動部120がX軸方向(所定の一軸方向)に変位する触覚提示装置100では、m個のアクチュエータ150のそれぞれは、下記の式(19)と式(20)とを満たし、X軸方向(所定の一軸方向)の力が主となるように配置される。ここでFmはm番目のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力のベクトルを、kはZ軸方向の単位ベクトルを表す。
さらに、m個のアクチュエータ150のそれぞれは、下記の式(21)と式(22)とを満たすように配置される。ここでrmは可動部120の重心Pに関する力Fmの作用点Qmの位置ベクトルを表す。
ここで、可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmを求める。
m番目のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力Fmと、可動部120の重心Pに関する力Fmの作用点Qmの位置ベクトルrmは、下記の式(23)と式(24)のように表すことができる。
m番目のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力Fmについて、可動部120の重心Pに関する回転モーメントNmは、下記の式(25)によって表される。
ここで、上述のように、m個のアクチュエータ150のそれぞれは、式(19)と式(20)とを満たし、X軸方向(所定の一軸方向)の力が主となるように配置されることから、下記の式(26)と式(27)のように近似できる。
式(26)と式(27)の近似を式(25)に適用すると、m番目のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力Fmについて、可動部120の重心Pに関する回転モーメントNmは、下記の式(28)によって表すことができる。
また、上述のように、m個のアクチュエータ150のそれぞれは式(22)を満たすように配置されることから、下記の式(29)のように近似できる。
式(29)の近似を式(28)に適用すると、m番目のアクチュエータ150によって可動部120に加わる力Fmについて、可動部120の重心Pに関する回転モーメントNmは、下記の式(30)によって表すことができる。
以上より、m個のアクチュエータ150を備える触覚提示装置100では、可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmは、下記の式(31)により表される。本開示において、m個のアクチュエータ150のそれぞれは、可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和ΣNmが零となるように、可動部120に対して配置される。
実施形態1~実施形態5の対称軸Mは可動部120の重心Pを通過する軸である。対称軸Mは、図28に示すように、X軸方向(所定の一軸方向)に平行で、可動部120の第1主面120aを平面視した場合に可動部120の第1主面120aを2等分する軸であってもよい(L8=L9=e)。
(変形例1)
実施形態1~実施形態5では、アクチュエータ150は、キャリア121の-X側の端部とベース110の側板114aとの間に配置されている。アクチュエータ150は他の位置に配置されてもよい。本変形例の触覚提示装置100の構成は、アクチュエータ150の配置を除き、実施形態1と同様である。
図29と図30に示すように、+Z方向から平面視した場合、アクチュエータ150は、キャリア121の-X側の端部と+X側の端部と-Y側の端部と+Y側の端部で囲まれる領域302の内(可動部120とベース110の底板112との間)に配置される。アクチュエータ150は、例えば、ピエゾアクチュエータである。本変形例では、アクチュエータ150の固定子と可動子のうちの一方が、キャリア121の第2主面122b(可動部120の第2主面120b)に接続している。また、アクチュエータ150の固定子と可動子のうちの他方が、ベース110の第3主面110aに接続している。
アクチュエータ150は、例えば、金属製のアダプタ312を介して、キャリア121の第2主面122bに接続される。また、アクチュエータ150は、例えば、金属製のアダプタ314を介して、ベース110の第3主面110aに接続される。
触覚提示装置100が1つのアクチュエータ150を備える場合、+Z方向から平面視すると、アクチュエータ150は、図29に示すように、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置する。また、触覚提示装置100が2つのアクチュエータ150を備え、2つのアクチュエータ150の出力が異なる場合、+Z方向から平面視すると、2つのアクチュエータ150は、一方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L6と、他方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L7との比が、一方のアクチュエータ150の出力S1と他方のアクチュエータ150の出力S2との比の逆比となる位置に配置される。さらに、触覚提示装置100が複数のアクチュエータ150を備え、複数のアクチュエータ150の出力が等しい場合、+Z方向から平面視すると、複数のアクチュエータ150は対称軸Mに対して対称に位置する。これらのアクチュエータ150の配置において、可動部120の第1主面120aに平行な平面における可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和は、零である。
(変形例2)
変形例1では、アクチュエータ150はピエゾアクチュエータである。アクチュエータ150は、ソレノイドであってもよい。本変形例の触覚提示装置100の構成と変形例1の触覚提示装置100の構成では、アクチュエータ150の接続と弾性部材316、318を有することが、異なる。本変形例の触覚提示装置100のその他の構成は、変形例1と同様である。
図31と図32に示すように、+Z方向から平面視した場合、アクチュエータ(ソレノイド)150は、キャリア121の-X側の端部と+X側の端部と-Y側の端部と+Y側の端部で囲まれる領域302の内に配置される。アクチュエータ150は、例えば、ソレノイドである。アクチュエータ150の固定子と可動子のうちの一方が、キャリア121の側板124aに接続している。また、アクチュエータ150の固定子と可動子のうちの他方が、ベース110の第3主面110aに接続している。
アクチュエータ150は、例えば、金属製のアダプタ312を介して、キャリア121の側板124aに接続される。また、アクチュエータ150は、例えば、金属製のアダプタ314を介して、ベース110の第3主面110aに接続される。
図31と図32に示すように、弾性部材316は、例えば、ベース110の側板114aとキャリア121の側板124aとの間と、ベース110の側板114bとキャリア121の側板124bとの間と、ベース110の側板114cとキャリア121の側板124cとの間と、ベース110の側板114dとキャリア121の側板124dとの間と、に配置される。また、弾性部材318は、例えば、ベース110の第3主面110aとキャリア121の側板124aとの間と、ベース110の第3主面110aとキャリア121の側板124bとの間と、ベース110の第3主面110aとキャリア121の側板124cとの間と、ベース110の第3主面110aとキャリア121の側板124dとの間と、に配置される。弾性部材316、318は、アクチュエータ150によって変位された可動部120を、弾性力により、変位前の位置に戻す。弾性部材316、318は、合成ゴム、バネ等である。
触覚提示装置100が1つのアクチュエータ150を備える場合、+Z方向から平面視すると、アクチュエータ150は、図31に示すように、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置する。また、触覚提示装置100が2つのアクチュエータ150を備え、2つのアクチュエータ150の出力が異なる場合、+Z方向から平面視すると、2つのアクチュエータ150は、一方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L6と、他方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L7との比が、一方のアクチュエータ150の出力S1と他方のアクチュエータ150の出力S2との比の逆比となる位置に配置される。さらに、触覚提示装置100が複数のアクチュエータ150を備え、複数のアクチュエータ150の出力が等しい場合、+Z方向から平面視すると、複数のアクチュエータ150は対称軸Mに対して対称に位置する。これらのアクチュエータ150の配置において、可動部120の第1主面120aに平行な平面における可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和は、零である。
(変形例3)
変形例2では、アクチュエータ150はソレノイドである。アクチュエータ150は、リニア共振アクチュエータであってもよい。本変形例の触覚提示装置100の構成と変形例2の触覚提示装置100の構成では、アクチュエータ150の位置が異なる。本変形例の触覚提示装置100のその他の構成は、変形例2と同様である。
図33と図34に示すように、+Z方向から平面視した場合、アクチュエータ(リニア共振アクチュエータ)150は、キャリア121の-X側の端部と+X側の端部と-Y側の端部と+Y側の端部で囲まれる領域302の内で、例えば、キャリア121の第2主面122b(可動部120の第2主面120b)に設けられる。
触覚提示装置100が1つのアクチュエータ150を備える場合、+Z方向から平面視すると、アクチュエータ150は、図33に示すように、可動部120のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置する。また、触覚提示装置100が2つのアクチュエータ150を備え、2つのアクチュエータ150の出力が異なる場合、+Z方向から平面視すると、2つのアクチュエータ150は、一方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L6と、他方のアクチュエータ150と対称軸Mとの垂直距離L7との比が、一方のアクチュエータ150の出力S1と他方のアクチュエータ150の出力S2との比の逆比となる位置に配置される。さらに、触覚提示装置100が複数のアクチュエータ150を備え、複数のアクチュエータ150の出力が等しい場合、+Z方向から平面視すると、複数のアクチュエータ150は対称軸Mに対して対称に位置する。これらのアクチュエータ150の配置において、可動部120の第1主面120aに平行な平面における可動部120の重心Pに関する回転モーメントの和は、零である。
(変形例4)
実施形態1では、可動部120は、キャリア121と表示部130とタッチパネル131とから構成されている。可動部120は、表示部130から構成されてもよい。例えば、U字状の軸受け204が表示部130のケース322に設けられて、表示部130のケース322がキャリア121の機能を備えてもよい。本変形例の触覚提示装置100の構成と実施形態1、変形例1等の触覚提示装置100の構成では、可動部120の構成が異なる。本変形例の触覚提示装置100のその他の構成は、実施形態1、変形例1等と同様である。
本変形例では、可動部120は、図35に示すように、透過型液晶表示パネル324と、バックライト326と、ケース322と、保護カバー328とを有する表示部130である。透過型液晶表示パネル324は、バックライト326からの光を変調して、文字、画像等を表示する。バックライト326は、透過型液晶表示パネル324に光を照射する。バックライト326は、例えば、白色LED(Light emitting diode)、反射シート等を有する、直下型バックライトである。バックライト326は、ケース322の底板322aに固定され、バックライト326と透過型液晶表示パネル324はガスケット329により固定されている。ケース322は、透過型液晶表示パネル324とバックライト326とを収容する。保護カバー328は、ケース322の側板322bに設けられて、透過型液晶表示パネル324を保護する。保護カバー328は、例えば、ガラスから形成される。
ケース322は、+Z側が開口した箱形形状を有する。ケース322は、例えば、アルミダイカストから形成される。ケース322は、ベース110の第3主面110aに対向する、底板322aの主面322cに、4つのU字状の軸受け204を有する。U字状の軸受け204のそれぞれは、ベース110に設けられているシャフト142a、142bのそれぞれに挿通される。U字状の軸受け204とシャフト142a、142bは、ベース110と表示部130(可動部120)とを接続し、X軸方向に摺動することにより表示部130(可動部120)の変位方向をX軸方向に規制する、ガイド部140を形成する。なお、ケース322の底板322aの主面322cは、可動部120の第2主面120bに相当する。
本変形例では、シャフト142a、142bを含むガイド部140が表示部130(可動部120)とベース110とを接続しているので、ユーザーの接触に対する強度を強くできる。ガイド部140が表示部130をケース322の主面322c(可動部120の第2主面120b)側から支えるので、ユーザーの接触に対する強度をさらに強くできる。また、ガイド部140が表示部130の変位方向をX軸方向に規制するので、本変形例の触覚提示装置100は、表示部130のX軸方向以外の方向への変位を抑えて、アクチュエータ150により発生する力を表示部130のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、本変形例の触覚提示装置100は、表示部130を強く振動させることができる。さらに、実施形態1の触覚提示装置100と同様に、アクチュエータ150は、表示部130(可動部120)のX軸方向に平行な対称軸Mの上に位置しているので、発生する力を表示部130のX軸方向の変位(振動)に高効率で変換できる。したがって、本変形例の触覚提示装置100は、表示部130を強く振動させ、強い振動をユーザーに与えることができる。
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。