JP7828104B2 - 自動車用電動機類emcノイズ試験方法およびそのためのソフトウエア - Google Patents

自動車用電動機類emcノイズ試験方法およびそのためのソフトウエア

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Description

本発明は、自動車用電動機類のEMC(Electromagnetic Compatibility)ノイズ測定に関する。
より詳しくは、自動車の運転状況に即した自動車用電動機類の動作パラメーターとEMCノイズとの関係を詳細かつ簡便に測定可能とすることができる、自動車用電動機類EMCノイズ試験方法およびそのためのソフトウエアに関する。
特許文献1には、「システム設計の上流段階で、EMC解析を実用時間で、かつ低価格計算処理で終わらせるために必要なノイズ等価回路」(要約)が開示されており、「1つ以上のエネルギー源と、エネルギー源からのエネルギーが伝搬する伝搬経路として、ケーブルなどによる伝導経路に加えて、他の電子機器、ケーブルなどとの電界および磁界の結合による電磁界結合経路および、システムと接続されるGNDポートがあり、それぞれのポートがノイズ電圧源あるいはノイズ電流源と内部インピーダンスから表現されているノイズ等価回路であることを特徴とする。このノイズ等価回路を用いることで、外部に接続されている負荷あるいは、外部装置およびケーブルとの距離などにより変化する外部インピーダンスを決定することにより、システム全体のノイズを解析可能になる」というものであるが、そもそも自動車用電動機類がEMC解析対象ではない上に、実測によるエネルギー源の動作パラメーターとEMCノイズとの関係を測定するものではなく、設計段階における等価回路の利用をおこなうものでしかなかった。
特許文献2には、一般的に妨害電波に対する機器の影響を測定する技術が開示されてはいるものの、これは妨害電波とその影響との関係を測定するものであり、自動車用電動機類のEMC測定における動作パラメーターとは無関係であり、ましてや実際に使用中の自動車の使用状態におけるEMC測定は全く想定していないものであった。
特許文献3には、部品検査システムにおける、予備検査情報に基づき詳細検査を行う技術が開示されている。
国際公開第2013/031874号 特開2006-203474号公報 特開平10-135288号公報
これら従来技術には、電気モーターを駆動源とする自動車の、駆動モーター単独での制御における電流、電圧、発生パワーおよびトルク、制御応答性能等の相互関係を、モーター単独で測定および/または試験することはあっても、実際に走行している電気自動車の状態および状態変化からもたらされるEMCノイズの変化を、駆動モーターの走行状態の関数として詳細に測定および/または試験するものではなかった。
すなわち、従来技術におけるEMCノイズ測定においては、電気自動車の駆動源として使用する電気モーターやインバーター等の装置が単独で動作する状態でのEMCノイズ測定はおこなっていたが、実走行状態での電気自動車において多様な走行状態の関数としての、実際に発生するノイズを、実走行状態におけるモーター制御状態の関数として、EMCノイズを精密に測定しようとするものは無かった。
すなわち、従来、電気モーターやインバーター等の装置のEMC試験においては、被試験装置の動作状態についての制御をおこなう際に用いるダイナモシステムの電流、電圧、回転速度、トルクといった制御状態は、EMC試験を行う際に適宜設定した制御状態で行っていたのであり、実走行状態で実際に発生する制御状態の下での、発生する不要電磁波の周波数と電磁界強度と、実運転状態における各種パラメーターとの、詳細かつ精密に関連付けた記録を実行することは無かった。
つまり、被試験装置の動作の状態は、EMCノイズ測定を行うにあたり、適宜ダイナモシステムの一定の動作条件を設定してはEMCノイズ測定値を得るようにしていたにすぎず、被試験装置の、電気自動車の実走行状態における動作状態の精密な把握とその制御状態の変化を精密に模擬してEMC試験をおこなうことによる、EMCノイズ値の変化と実走行状態の変化とを精密に関連付けて試験しようとする発想はなく、実現できる装置は存在しなかった。
なお、本出願においては、「ダイナモシステム」の語は、電気モーターを駆動して回転力を得る装置であって、電気的パラメーターと回転運動の機械的パラメーターとの関係を測定および/または監視するため装置のことをいう。
本発明者らは、電気自動車の実走行状態における駆動源電気モーターの制御状態を、EMCノイズの発生ときめ細かく関係づけて測定することが、電気自動車等のモーター駆動される車両の不要電磁波ノイズの改善に大きく資することに着目した。
すなわち、EMCノイズは、電気モーターを自動車の実走行状態とは関係なく制御して測定しただけでは、実走行状態における電気自動車から発生するEMCノイズの完全把握からは程遠く、電気自動車の実走行状態、たとえば、停止状態、平坦路での発進、坂道での発進、加速中、減速中、回生ブレーキ動作中、等々、実際の電気自動車の実走行中におけるEMCノイズは、多くの要因が複雑に影響し合って発生するものであることを、発見した。
本発明は、したがって、電気自動車の駆動源たる電気モーターの、実走行状態における制御状態とEMCノイズとの関係をきめ細かく関連させ簡便に測定および/または試験することを課題とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1] 車両のモーターおよび/またはインバーターのEMCノイズ試験において、被試験モーターおよび/またはインバーターの駆動条件である制御パラメーターを実走行時実測値に基づいて変化させ、変化の経過期間中のEMCノイズ測定値を電気的駆動条件の変化に伴いリアルタイムに制御パラメーターと関係づけて記録するように、ダイナモシステムおよびEMC測定装置の制御をおこなう、EMCノイズ試験方法。
[2] 前記制御パラメーターの変化が連続的であり、EMC測定値を連続的に記録することによって、EMCノイズ測定値と制御パラメーターとの関係を、連続的に記録および/または表示することができる、[1]に記載の方法。
[3] ダイナモシステムの動作パラメーターが、回転数、トルク、電圧、および電流であり、さらにそれらに加え任意選択的に、被試験機器の温度および/または振動状態である、[2]に記載の方法。
[4] 車両のモーターおよび/またはインバーターが、複数個存在する、[1]に記載の方法。
[5] 動作パラメーター変化に伴うノイズの極小値、極大値、不連続変化点値、および所定の領域の境界値、における被試験機器の制御パラメーターを表示可能である、[1]に記載の方法。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載の方法を実行するための、EMCノイズ試験用装置。
[7] [1]~[5]のいずれか一項に記載の方法を実行するための、EMCノイズ試験用ソフトウエア。
本発明は、電気自動車等の駆動源たる電気モーターの制御状態を電流、電圧、発生トルク、回転速度、および、任意選択的に、温度、機械的振動量(これら量を、本明細書においては、電気モーターの制御のパラメーターと称する)の変化に応答してEMCノイズがどのように変化するかを、電気モーターの制御のパラメーターである、電圧、電流、トルク、回転速度をリアルタイムで測定しつつ、実走行状態における実測した電気自動車の制御状態に基づいた制御をおこなって変化させ、変化に応じたEMCノイズの測定値をリアルタイムで記録すること、および、記録したEMCノイズの、極大値をもたらす電圧値、電流値、トルク値および回転速度値を抽出表示すること、選択したEMCノイズ値を与える電圧値、電流値、トルク値および回転速度を表示すること、を含む試験方法の発明、および、その方法を実行させるソフトウエアの発明である。
電気自動車の実際の走行状態における、電気モーターの制御のパラメーターをあらかじめ測定しておき、測定した制御状態にしたがって、EMC測定装置において電気モーターを運転して、リアルタイムでEMCノイズを測定することによって、実際の運転状態におけるEMCノイズの発生状態を正確かつ簡便に把握することが可能となる。
本発明のEMCノイズ試験方法を用いることによって、電気自動車等の車両駆動用の電気モーターの制御状況とそれによるEMCノイズの状態をより正確および簡便に測定および把握可能となる。そのため、電気自動車の実走行状態における実際の電気モーター運転状況とEMCノイズとの関係を、より正確および簡便に測定し表示することが可能となる。
たとえば、ハイブリッド車で加速時には内燃エンジンとモーターを併用した実走行状態が生じるが、その状態におけるEMC測定をおこなうためには、実際の実走行状態におけるEMC試験対象機器の制御パラメーター群を、エンジン+モーターで加速中の状態のパラメーターとしたうえでEMC試験をしなければならない。本発明はそのようなパラメーター設定が可能であり、そのような実走行状態におけるEMC試験が正確に行えることとなる。定常走行時、回生ブレーキ使用時、低速モーター走行時、等、多様な走行モードを再現する試験対象機器の制御パラメーターの設定を可能とし、EMC試験をきめ細かく実施することが可能となる。
なお、本明細書では、電気自動車、の語で測定対象を記述しているが、EMC試験の対象となりうる大電流電動機を用いた車両等であれば、いかなるEMC試験の対象装置でも、本発明の対象となることは言うまでもない。
図1は、装置の一例を用いて本発明の方法の基本原理を示すための図である。 図2は、実際の運転時に運転制御パラメーターが得られる状況を示す図である。 図3は、図2の実際の運転時に則した運転制御パラメーターの値の変化を想定したグラフである。縦軸はトルク、馬力、電圧、電流値であり、横軸は回転速度である。実際の走行では回転数の変化に伴って、例えばこのような図に示す変化となる。 図4は、本発明の方法で得られる運転制御パラメーターとEMCノイズ値の表示状況の一例を示す図である。 図5は、本発明を実施する対象が、複数のモーターを用いる場合の、実施対象を説明する図である。
図1に、装置の一例を用いて本発明の方法の基本原理を示す。
図1の左下のダイナモシステムブロックには、被検電気モーターおよびインバーターの制御をおこなう機器が収容され、計測室からダイナモシステムの制御機器への制御信号が規定する運転制御パラメーターに基づいてダイナモシステムの制御がおこなわれ、被検電気モーターおよびインバーターの駆動がなされる。
ダイナモシステムにより制御される運転制御パラメーターは、電圧、電流、回転数、トルクであるが、他に任意選択的に、被検電気モーターおよびインバーターの温度や、機械的振動状態も制御パラメーターとして使用可能である。
この、運転制御パラメーターは、車両が実運転状態にあるときの制御パラメーター値を用いる。実測値そのものでなければならない、という訳ではなく、車両の実運転状態における制御パラメーターを取得し、その取得値に基づいたパラメーター値であればよい。但し、必ず実運転状態における各パラメーター値を実測し、その値の変化に基づいて再現したパラメーター値の変化を行わせて運転を制御するものである。
図1の右下にはEMC検査用の電波暗室が示されている。電波暗室内には、被検電気モーターおよびインバーターが収容され、制御パラメーターに基づいてダイナモシステムによって駆動される被検電気モーターおよびインバーターのEMC試験が行われる。電波暗室内には、EMC試験をおこなうために必要な機器、例えば電波暗室内に設置したアンテナ、プリアンプ等の、通常のEMC試験において測定を行うために必要な装置が設けられ、さらにEMC試験のためのEMC試験制御装置およびEMC用測定装置が設けられている。
EMC試験の測定結果は、制御パラメーターに基づき駆動を行うダイナモシステム制御データと共に、制御パラメーターとEMC測定によって得られたEMCノイズ値との両者を処理する、本発明の方法を実行する情報処理装置である情報処理ブロックに入力される。ダイナモシステムの制御およびEMC試験のための信号処理装置は、機能として別々に表現してはいるが、全体として一つの情報処理装置がダイナモシステムとEMC試験装置の両方の情報処理を行うものであっても、別々に設けられていてもよい。
ダイナモシステムの制御を行う際に、実際の電気自動車走行状態を模擬した運転状態でのEMC試験をおこなうように制御することが必要であり、この走行状態に対応した制御パラメーターで被検電気モーターおよびインバーターを運転し、その際のEMCノイズ測定を、リアルタイムで行い記録することによって、EMCノイズがどのような状況になるとEMCノイズが極大になるか、好ましいノイズレベルの極小が得られる条件は、どのような制御パラメーターであるときであるのか、等の精緻な情報が得られる。
そのためには、実際の走行状態、例えば加速、減速、力行、回生などを模擬した制御パラメーターを予め推定し、そのパラメーターに従った制御を行いつつEMC試験をおこなうことによって、EMC試験結果と走行状態との精緻な対応関係の測定が出来るのが本発明の特徴の一つである。
制御パラメーターを実際に測定する、または、想定したパラメーターで、図2に示すように運転状況を時間を追ってダイナモシステムによって連続再現し、その際のEMCノイズ測定をリアルタイムで実行し、測定結果を記憶、蓄積していく。
図2の実際の運転時に則した運転制御パラメーターの値の変化を想定すると、図3に示すように、制御パラメーターの組み合わせが、走行状態に対応して、得られる。この、制御パラメーターの組み合わせは、走行状態に応じて決まるものであり、走行状態と対応したパラメーターの組み合わせを求め、それに従ってEMCノイズ測定をおこなう。
図4に示すのは、制御パラメーターの時間変化を行わせ、その変化に対してリアルタイムにEMCノイズの測定値を記録していった結果の表示の一例である。
図4において、上段にEMCノイズのリアルタイム変化の実測値グラフ(4)が画面に示され、下段に制御パラメーターの変化のグラフ(5)が画面に表示されている。この図において、上段に示されるEMCノイズの特定の状態の位置にカーソルを合わせると、それに対応した制御パラメーターの各値は下段の対応する位置での各パラメーター値が最下段画面(6)に表示されるようにすることが出来る。
EMCノイズのリアルタイム実測値が所定の領域の範囲内であるための、制御パラメーターの値を知ることなども、簡単におこなうことができる。
驚くべきことに、運転制御パラメーターの変化の履歴によって、EMCノイズのふるまいは、予想外のものとなる。測定対象機器によって具体的ふるまいは異なるが、例えば加速中におけるあるパラメーター値と同じパラメーター値であっても、回生ブレーキにより減速中である場合はEMCノイズが異なったり、実運転状況の経過の仕方の違いにより、同じパラメーター値の組み合わせであってもEMCノイズが異なる、という現象が生じている。
また、図5に示すように、1台の車両が、複数の大電力モーターを使用するものも増えてきている。複数モーターである場合、機器の組み合わせによる機器間の影響の仕方の違いによるEMCノイズのふるまいの違い、また、複数モーターの実運転時の制御パラメーターのふるまいの如何に起因するEMCノイズの状態自体も、実運転状況によって複雑に異なるのが現実であり、この状況を再現したEMC試験をおこなうことによって、EMCノイズの変化が、実際に、どのような条件でどのように発生するのか、について、従来に無い精緻さで、試験し、検出および/または記録を行うことが可能となる。
複数モーターが存在する場合、実車両への搭載の態様によって、どの機器がどのような状態になるのかは異なるのであり、複数モーターが存在する場合、搭載の態様の如何がそれぞれのモーターへの駆動負担や発電状態の状況を様々な異なったものにするのである。
本発明によれば、機器単独の単純な試験では決して把握できない、実運転状態におけるEMCノイズの状態を、運転パラメーターの実運転状態に基づいた制御によって再現し、正確なEMC試験結果を取得および/または記録することが可能となり、いずれの機器がどのような運転状態においてEMCノイズにより大きく寄与するか等も把握することが可能となる。
本発明の方法は、EMC試験によってノイズ測定が行われる被検電気モーターおよびインバーターの運転制御状態を、制御パラメーターの時間を追った変化の精緻な制御によって自在に設定し、かつ、EMC試験結果を制御パラメーターの制御とその結果としてのEMCノイズの発生状態とのリアルタイム測定および記録、さらに制御パラメーターとノイズ測定結果とを関連付けて表示することができるので、EMC試験の精緻な測定結果の簡便な取得、表示が実現できる。
さらに本発明は、EMC試験のための被試験機器の運転状態を制御する機能と、運転状態と関連付けてEMC試験結果を記録、表示する機能を併せ持ったソフトウエアによって試験の実施が可能であるため、運転状態の自動再現およびその状態に関連付けたEMC試験結果のリアルタイム取得が可能となり、従来に比較して格段に精密なEMC試験結果が、簡便に得られるという優れた効果がある。
本発明は、上記のEMCノイズ試験用ソフトウェアおよび該ソフトウェアを搭載したEMCノイズ試験用装置にも関する。
ソフトウエアの発明は、上述した方法を実行するためのEMCノイズ試験装置に搭載すると、上述の方法が実行されることとなるソフトウエアであり、EMCノイズ試験装置の発明は、各図において示した装置であって、上述した方法を実行する装置である。
1: EMC電波暗室
2: ダイナモシステム
3: 情報処理ブロック
4: 実測ノイズ値画面
5: 制御パラメーター画面
6: カーソル位置における値の表示画面
310: トルク
320: 出力
330: 端子電圧
340: 電流
501: エンジン
502: モーター
503: バッテリー
504: インバーター
505: 燃料タンク
506: デファレンシャルギア
507: 回転力の流れ
508: 電気の流れ
509: 燃料の流れ

Claims (7)

  1. 車両のモーターおよび/またはインバーターのEMCノイズ試験において、被試験モーターおよび/またはインバーターの駆動条件である制御パラメーターを実走行時実測値に基づいて変化させ、変化の経過期間中のEMCノイズ測定値を電気的駆動条件の変化に伴いリアルタイムに制御パラメーターと関係づけて記録するように、ダイナモシステムおよびEMC測定装置の制御をおこなう、EMCノイズ試験方法。
  2. 前記制御パラメーターの変化が連続的であり、EMC測定値を連続的に記録することによって、EMCノイズ測定値と制御パラメーターとの関係を、連続的に記録および/または表示することができる、請求項1に記載の方法。
  3. ダイナモシステムの動作パラメーターが、回転数、トルク、電圧、および電流であり、さらにそれらに加え任意選択的に、被試験機器の温度および/または振動状態である、請求項2に記載の方法。
  4. 車両のモーターおよび/またはインバーターが、複数個存在する、請求項1に記載の方法。
  5. 動作パラメーター変化に伴うノイズの極小値、極大値、不連続変化点値、および/または所定の領域の境界値、における被試験機器の制御パラメーターを表示可能である、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するための、EMCノイズ試験用装置。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するための、EMCノイズ試験用ソフトウエア。
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