JP7761135B2 - 発汗分析装置および方法 - Google Patents
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Description
本発明は、人体に装着して、着用者の発汗量および汗中電解質濃度を測定する発汗分析装置および方法に関するものである。
地球温暖化に伴い、世界のほとんどの地域で、熱波の発生件数が増加している。近年の日本では、猛暑の頻度の増加に伴い、熱中症の発生率が増加している。熱中症搬送者数は2018年をピークに高水準を維持しており、社会問題となっている(非特許文献1参照)。
熱中症とは、高温下や激しい運動下で引き起こされる多臓器不全の状態を表している。一般的に、人の体温は、視床下部前葉による体温調節のプロセスを経て、約37℃に維持されている。気化、熱放射、対流、熱伝導といった発汗に関連した物理現象は、体表面を冷却するために機能している。
体温が上昇すると、皮膚血管拡張により皮膚血流が増加し、温熱性発汗が開始される。皮膚血管拡張は、血管内容積の相対的な減少を引き起こし、熱失神の原因となる。汗による塩分と水分の損失は、脱水と塩分枯渇を引き起こし、熱疲労と痙攣を伴う。塩分と水分がさらに失われると、体温調節機能が低下し、続いて中枢循環から皮膚や筋肉へのシャントにより内臓の血流が低下し、臓器不全に陥り、いわゆる熱中症と呼ばれる状態となる(非特許文献2参照)。
上記のように、人の体内の水分と塩分は、体温調節に重要な役割を果たしている。熱疲労の原因となる脱水症状を防ぐには、適切な量の水分と塩分を補給することが重要である。汗に含まれる塩分濃度は、発汗量の増加と共に線形に増加することが多くの文献で報告されている。ただし、塩分濃度の増加率は、人の発汗能力や汗腺での塩分再吸収能力によって変化するため、個人差がある。また、個人の発汗能力、塩分再吸収能力は、人の暑熱順化の影響を受けて変化することも知られている。そのため、水分と塩分の損失を監視するには、人の発汗量と汗に含まれる塩分濃度の両方を連続的に監視することが有効と考えられる。
この監視を実現する先行技術として、発汗量と電解質濃度を同時計測するウェアラブルセンサが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
この監視を実現する先行技術として、発汗量と電解質濃度を同時計測するウェアラブルセンサが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
図13は特許文献1に開示されたウェアラブルセンサの断面図、図14は図13の拡大図である。ウェアラブルセンサ1は、液体の流路となる貫通孔11と貫通孔11の出口側の端部と連通する凹部12とを有する基材10と、貫通孔11の入口側の端部が開口する基材10の面に配置された電極14と、貫通孔11の出口側の開口から凹部12に流出した液体と接触するように基材10の出口側の面(上面)に配置された吸水構造体15と、吸水構造体15の基材10と向かい合う面に、貫通孔11の出口側の開口と向かい合うように配置された吸水性の電極16とを備えている。図13の13は基材10の下面に形成された凹部、100はウェアラブルセンサ1の着用者の皮膚、101は着用者の汗腺である。
ウェアラブルセンサ1を利用すれば、貫通孔11から凹部12に流出した汗102による電極14と16間の通電特性に基づいて、ウェアラブルセンサ1の着用者の発汗量と汗中の電解質濃度とを算出することができる。
図15は特許文献2に開示されたウェアラブルセンサの断面図、図16は図15の拡大図である。ウェアラブルセンサ1aは、貫通孔11と凹部12とを有する基材10と、吸水構造体15と、凹部12内に配置され、基材10の出口側の面に沿って貫通孔11の出口側の開口上の位置を通る凹部12内の経路に光を放射するレーザーダイオード(LD)18と、凹部12内に、貫通孔11の出口側の開口上の位置を挟んでLD18と向かい合うように配置され、LD18からの光を受光するフォトダイオード(PD)19とを備えている。図15の103はLD18から出射した光を示している。
ウェアラブルセンサ1aを利用すれば、LD18からの光を受光するPD19の受光特性に基づいて、ウェアラブルセンサ1aの着用者の発汗量と汗中の電解質濃度とを算出することができる。
このように特許文献1、2に開示されたウェアラブルセンサ1,1aによれば、着用者の発汗量と汗中の電解質濃度とを算出することができるが、発汗量が微小なケースでは、貫通孔11から凹部12に流出した汗の蒸発による影響が大きくなり、発汗量を少なく見積る可能性や電解質濃度を高く見積もる可能性があった。
A. Hirata,T. Miyazawa,R. Uematsu,S. Kodera,Y. Hashimoto,K. Takagahara,Y. Higuchi,H. Togo,T. Kawahara,H. Tanaka,"Body Core Temperature Estimation Using New Compartment Model With Vital Data From Wearable Devices",IEEE Access 2021,9,124452-124462.(DOI:10.1109/ACCESS.2021.3110252)
T. Hifumi,Y. Kondo,K. Shimizu,Y. Miyake,"Heat stroke",Journal of Intensive Care,2018,6,1-8,<https://doi.org/10.1186/s40560-018-0298-4>
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、汗の蒸発による影響を考慮して補正を行うことで、発汗量と電解質濃度の計測誤差を低減することができる発汗分析装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の発汗分析装置は、着用者の皮膚から分泌される汗の発汗量と電解質濃度とに由来する電気信号を出力するように構成されたウェアラブルセンサと、前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出するように構成された発汗量算出部と、前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出するように構成された電解質濃度算出部と、前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値と汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値と電解質濃度の真値とを算出するように構成された補正部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量に基づいて蒸発による汗の減量分を算出し、前記発汗量測定値に前記汗の減量分を加えた値を前記発汗量の真値として算出し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量測定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記液滴の動的接触角の時間微分の式と前記電流のピーク間の期間における蒸発による汗の減量分の積分の式とを解くことにより、前記発汗量の真値を算出し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、前記補正部は、所定の範囲内で前記発汗量の真値の推定値を複数設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記推定値とに基づいて、前記電流のピーク間の期間における前記液滴の動的接触角を前記推定値毎に算出し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量測定値と前記推定値と前記電流のピークの周期と前記動的接触角の算出結果とに基づいて、前記推定値の正しさを評価するための評価関数を前記推定値毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値を前記発汗量の真値として確定し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量に基づいて蒸発による汗の減量分を算出し、前記発汗量測定値に前記汗の減量分を加えた値を前記発汗量の真値として算出し、所定の範囲内で前記電解質濃度の真値の推定値を複数設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量の真値と前記推定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記電解質濃度測定値に相当する理論値を前記推定値毎に算出し、前記電解質濃度測定値と前記理論値とに基づいて前記推定値の正しさを評価するための評価関数を前記推定値毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値を、前記電解質濃度の真値として確定することを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、前記補正部は、所定の範囲内で前記電解質濃度の真値の推定値と前記発汗量の真値の推定値との組を複数組設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記電解質濃度の真値の推定値と前記発汗量の真値の推定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記電解質濃度測定値に相当する第1の理論値と前記液滴の静的接触角に相当する第2の理論値とを前記推定値の組毎に算出し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量の真値の推定値と前記第1、第2の理論値とに基づいて、前記発汗量測定値に相当する第3の理論値を前記推定値の組毎に算出し、前記電解質濃度の測定値と前記第1の理論値と前記発汗量測定値と前記第3の理論値とに基づいて、前記推定値の組の正しさを評価するための評価関数を前記推定値の組毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値の組を、前記電解質濃度の真値と前記発汗量の真値として確定することを特徴とするものである。
また、本発明の発汗分析装置の1構成例において、前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、前記電解質濃度算出部は、前記電流のピークの値に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出することを特徴とするものである。
本発明の発汗分析方法は、着用者の皮膚から分泌される汗の発汗量と電解質濃度とに由来する電気信号をウェアラブルセンサによって検出する第1のステップと、前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出する第2のステップと、前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出する第3のステップと、前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値と汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値と電解質濃度の真値とを算出する第4のステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、ウェアラブルセンサと発汗量算出部と電解質濃度算出部と補正部とを設け、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値と電解質濃度の真値とを補正部によって算出することにより、発汗量を少なく見積る可能性や電解質濃度を高く見積もる可能性を低減することができる。その結果、本発明では、発汗量と電解質濃度の高精度な計測を実現することができる。
[第1の補正方法]
本発明では、特許文献1、2に開示された発汗分析装置によってウェアラブルセンサの着用者の発汗量と汗中の電解質濃度とを測定する。着用者の発汗量の測定値をQ[L/s]、発汗量の真値をQ’[L/s]、着用者の汗中の電解質濃度の測定値をC[mol/L]、電解質濃度の真値をC’[mol/L]とする。本発明の第1の補正方法では、発汗量の真値Q’、電解質濃度の真値C’を、式(1)、式(2)のように算出することができる。
本発明では、特許文献1、2に開示された発汗分析装置によってウェアラブルセンサの着用者の発汗量と汗中の電解質濃度とを測定する。着用者の発汗量の測定値をQ[L/s]、発汗量の真値をQ’[L/s]、着用者の汗中の電解質濃度の測定値をC[mol/L]、電解質濃度の真値をC’[mol/L]とする。本発明の第1の補正方法では、発汗量の真値Q’、電解質濃度の真値C’を、式(1)、式(2)のように算出することができる。
式(1)の右辺第2項は、蒸発による汗の減量分を示す項である。つまり、式(1)は、発汗量測定値Qに、蒸発による汗の減量分を加えた値を発汗量の真値Q’とすることを意味している。
式(1)のD[m2/s]は測定された電解質濃度がCのときの汗における水蒸気の既知の拡散係数、Cv,0[kg/m3]は図13~図16の貫通孔11の開口部に生じる汗の液滴102aの気液界面近傍における水蒸気の既知の密度、Cv,∞[kg/m3]は汗の液滴102aの気液界面から十分な遠方における水蒸気の既知の密度、ρ[kg/m3]は水の既知の密度である。
r[m]は貫通孔11の開口部の寸法(開口部の断面が円の場合は直径)の1/2、θc[rad]は電極16の表面または吸水構造体15の表面と汗の液滴102aの表面とのなす角(静的接触角)である。水蒸気の拡散係数Dと、水蒸気の密度Cv,0,Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、静的接触角θcとは、汗の蒸発に関係する既知の物理量である。
[第2の補正方法]
本発明の第2の補正方法では、式(3)、式(4)を発汗量の真値Q’について解き、式(2)により電解質濃度の真値C’を算出する。
本発明の第2の補正方法では、式(3)、式(4)を発汗量の真値Q’について解き、式(2)により電解質濃度の真値C’を算出する。
式(3)は、汗の液滴102aが電極16または吸水構造体15に着液してから連続的に変化する状態における動的接触角θ[rad]の時間微分の式である。T[s]は図13の電極14と16間に流れる電流の上向きのピークの周期の測定値、または図15のPD19を流れる光電流の下向きのピークの周期の測定値である。式(4)は周期Tの期間中の蒸発による汗の減量分の積分の式である。
特許文献1に開示されたウェアラブルセンサで計測される、電極間に流れる電流値の変化の1例を図1に示す。上記で説明したとおり、図13、図14に示した構造では、電極14と16間に汗の液滴102aが存在する期間、電流が流れ続けることになり、ウェアラブルセンサに流入する汗の流量、つまり発汗量の多寡に応じて通電する周期が変化し、電解質濃度の多寡に応じて通電時のピーク電流が変化する。
一方、特許文献2に開示されたウェアラブルセンサでは、汗102の液滴102aが形成されると、PD19の光電流が低下し、液滴102aが消失すると、PD19の光電流が増加する。つまり、発汗量の多寡に応じてPD19の光電流の下向きのピークの周期が変化し、電解質濃度の多寡に応じてピーク電流が変化する。
[第3の補正方法]
次に、本発明の第3の補正方法について説明する。時刻tにおける汗の液滴102aの動的接触角θをθ(t)とする。時刻t=0における動的接触角の初期値θ(0)として、非零の微小な値(例えば、0.1degや1deg)を設定する。さらに、発汗量の真値Q’の推定値として、発汗量の測定値Q以上、かつ発汗量所定値以下の範囲内の値を設定して、以下の式(5)、式(6)の計算を行う。
次に、本発明の第3の補正方法について説明する。時刻tにおける汗の液滴102aの動的接触角θをθ(t)とする。時刻t=0における動的接触角の初期値θ(0)として、非零の微小な値(例えば、0.1degや1deg)を設定する。さらに、発汗量の真値Q’の推定値として、発汗量の測定値Q以上、かつ発汗量所定値以下の範囲内の値を設定して、以下の式(5)、式(6)の計算を行う。
上記の発汗量所定値としては、蒸発の影響が無視できる発汗量、あるいは発汗量の上限値Qmaxがある。上限値Qmaxとしては、過去の測定で得られた結果から、実際に即した値を予め設定しておけばよい。
ここで、Δt[s]は計算間隔、f(Q’)は発汗量の真値Q’の推定値の正しさを評価するための評価関数である。式(6)は、電流ピーク周期Tの期間中の発汗量の真値Q’の推定値の総量(=Q’T)と発汗量測定値Qの総量(=QT)との差から、周期Tの期間中の蒸発による汗の減量分を引いた値を、評価関数f(Q’)とすることを意味している。
予め定められた発汗量のステップ幅(例えば、0.01μL/min)で真値Q’の推定値を変更しながら、真値Q’の推定値毎に式(5)、式(6)の計算を行う。そして、真値Q’の推定値毎に算出した評価関数f(Q’)の2乗f(Q’)2が最小となる推定値を、発汗量の真値Q’とする。さらに、式(2)により電解質濃度の真値C’を算出する。
[第4の補正方法]
本発明の第4の補正方法では、発汗量の真値Q’を式(1)により算出する。図14、図16に示した汗の液滴102aが形成される前の時刻を0[s]とする。時刻0[s]から時間がNΔt(Nは0以上の整数)経過した際の、形成中の液滴102a内の電解質濃度CNΔtを、式(1)で算出した発汗量の真値Q’に基づいて式(7)、式(8)により算出する。
本発明の第4の補正方法では、発汗量の真値Q’を式(1)により算出する。図14、図16に示した汗の液滴102aが形成される前の時刻を0[s]とする。時刻0[s]から時間がNΔt(Nは0以上の整数)経過した際の、形成中の液滴102a内の電解質濃度CNΔtを、式(1)で算出した発汗量の真値Q’に基づいて式(7)、式(8)により算出する。
ここで、θNΔt[rad]は時刻NΔtにおける汗の液滴102aの動的接触角、D[x][m2/s]は汗中の電解質濃度がx(xは任意の値)のときの汗における水蒸気の既知の拡散係数、Δtは計算間隔である。
時刻0[s]における動的接触角の初期値θ0として、非零の微小な値(例えば、0.1degや1deg)を設定する。また、電解質濃度の真値の推定値C0として、濃度所定値以上、かつ電解質濃度の測定値C以下の範囲内の値を設定して、式(7)、式(8)の計算を行う。上記の濃度所定値としては、汗中の電解質濃度の下限値Cminがある。下限値Cminとしては、過去の測定で得られた結果から、実際に即した値を予め設定しておけばよい。
予め定められた電解質濃度のステップ幅(例えば、1mM)で電解質濃度の真値の推定値C0を変更しながら、推定値C0毎に式(7)、式(8)の計算を行う。なお、式(7)は、時刻0[s]から時間が(N+1)Δt経過した際の液滴102a内の電解質濃度C(N+1)Δtを示している。一方、実際に求めるのは、発汗量の測定値Qに対応する電流ピーク周期と経過時間NΔtとが一致したときの電解質濃度CNΔtである。電解質濃度CNΔtは、電解質濃度の測定値Cに相当する理論値である。
そして、電解質濃度の測定値Cと理論値CNΔtとの差の2乗(C-CNΔt)2が最小となる推定値C0を、電解質濃度の真値C’とする。
[第5の補正方法]
次に、本発明の第5の補正方法について説明する。時刻0[s]における動的接触角の初期値θ0として、非零の微小な値(例えば、0.1degや1deg)を設定する。また、電解質濃度の真値の推定値C0として、上記の濃度所定値以上、かつ電解質濃度の測定値C以下の範囲内の値を設定する。さらに、発汗量の真値の推定値Q0として、発汗量の測定値Q以上、かつ上記の発汗量所定値以下の範囲内の値を設定して、式(9)、式(10)の計算を行う。
次に、本発明の第5の補正方法について説明する。時刻0[s]における動的接触角の初期値θ0として、非零の微小な値(例えば、0.1degや1deg)を設定する。また、電解質濃度の真値の推定値C0として、上記の濃度所定値以上、かつ電解質濃度の測定値C以下の範囲内の値を設定する。さらに、発汗量の真値の推定値Q0として、発汗量の測定値Q以上、かつ上記の発汗量所定値以下の範囲内の値を設定して、式(9)、式(10)の計算を行う。
予め定められた電解質濃度のステップ幅(例えば、1mM)で電解質濃度の真値の推定値C0を変更し、また予め定められた発汗量のステップ幅(例えば、0.01μL/min)で発汗量の真値の推定値Q0を変更しながら、推定値Q0,C0の組毎に式(9)、式(10)の計算を、発汗量の測定値Qに対応する電流ピーク周期と時間NΔtとが一致するまで行う。電流ピーク周期と一致した時間NΔtをNmaxΔtとする。
式(9)、式(10)の計算により、時間NmaxΔtよりも1Δt前の時点での電解質濃度C(Nmax-1)Δtと時間NmaxΔtよりも1Δt前の時点での液滴102aの動的接触角θ(Nmax-1)Δtとが、推定値Q0,C0の組毎に得られる。電解質濃度C(Nmax-1)Δtは、電解質濃度の測定値Cに相当する理論値である。動的接触角θ(Nmax-1)Δtは、静的接触角θcに相当する理論値である。
式(11)により、発汗量の測定値Qに相当する理論値Q”を算出することができる。式(11)は、発汗量の真値の推定値Q0から、蒸発による汗の減量分を引いた値を、理論値Q”とすることを意味している。
そして、電解質濃度の測定値Cと理論値CNmaxΔtとの差を測定値Cで割った値の2乗{(C-CNmaxΔt)/C}2と、発汗量の測定値Qと理論値Q”との差を測定値Qで割った値の2乗{(Q-Q”)/Q}2との和{(C-CNmaxΔt)/C}2+{(Q-Q”)/Q}2が最小となる推定値Q0,C0の組を求め、このときの推定値Q0を発汗量の真値Q’とし、推定値C0を電解質濃度の真値C’とする。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る発汗分析装置の構成を示すブロック図である。発汗分析装置は、ウェアラブルセンサ1と、AFE(Analog Front End)部2と、データ記録部3と、記憶部4と、MCU(Micro Control Unit)部5と、通信部6と、電源部7とを備えている。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る発汗分析装置の構成を示すブロック図である。発汗分析装置は、ウェアラブルセンサ1と、AFE(Analog Front End)部2と、データ記録部3と、記憶部4と、MCU(Micro Control Unit)部5と、通信部6と、電源部7とを備えている。
ウェアラブルセンサ1は、着用者の皮膚から分泌される汗の発汗量と電解質濃度とに由来する電気信号(例えば図1に示した波形の電流)を出力する。
AFE部2は、アナログフロントエンドを備えており、ウェアラブルセンサ1から出力された微弱な電気信号を増幅する。
AFE部2は、アナログフロントエンドを備えており、ウェアラブルセンサ1から出力された微弱な電気信号を増幅する。
データ記録部3は、ADC(Analog Digital Converter)を備えており、AFE部2によって増幅されたアナログ信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換して記憶部4に格納する。
記憶部4は、データ記録部3から出力されたデジタルデータを記憶する。記憶部4は、フラッシュメモリに代表される不揮発性メモリや、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような揮発性メモリ等で実現される。
MCU部5は、記憶部4に格納されているデジタルデータから発汗量および電解質濃度を算出する信号処理を担う回路である。
通信部6は、MCU部5によって得られた計測結果および分析結果を、スマートフォン等の外部装置(不図示)に無線または有線により送信する回路を含む。無線通信の規格としては、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などがある。また、有線通信の規格としては、例えばイーサネット(登録商標)などがある。
電源部7は、発汗分析装置への電源供給の役割を担う回路である。
電源部7は、発汗分析装置への電源供給の役割を担う回路である。
本実施例におけるウェアラブルセンサ1は、特許文献1に開示されたものと同じなので、図13、図14を用いてウェアラブルセンサ1の構造について説明する。
ウェアラブルセンサ1は、貫通孔11と貫通孔11の出口側の端部と連通する凹部12とを有する基材10と、貫通孔11の入口側の端部が開口する基材10の面に配置された電極14と、貫通孔11の出口側の開口から凹部12に流出した液体と接触するように基材10の出口側の面(上面)に配置された吸水構造体15と、吸水構造体15の基材10と向かい合う面に、貫通孔11の出口側の開口と向かい合うように配置された吸水性の電極16とを備えている。
ウェアラブルセンサ1は、貫通孔11と貫通孔11の出口側の端部と連通する凹部12とを有する基材10と、貫通孔11の入口側の端部が開口する基材10の面に配置された電極14と、貫通孔11の出口側の開口から凹部12に流出した液体と接触するように基材10の出口側の面(上面)に配置された吸水構造体15と、吸水構造体15の基材10と向かい合う面に、貫通孔11の出口側の開口と向かい合うように配置された吸水性の電極16とを備えている。
基材10としては、例えば親水性のガラス材料または樹脂材料からなるものがある。また、撥水性の材料の表面および貫通孔11の内面に親水性を付与する表面処理が施されたものを基材10としてもよい。基材10の上面には、上面を窪ませた形状の凹部12が貫通孔11と連通するように形成されている。反対に、基材10の下面には、下面を窪ませた形状の凹部13が貫通孔11と連通するように形成されている。
電極14は、例えば貫通孔11の入口側の端部が開口する基材10の面(下面)に形成された金属薄膜からなる。吸水構造体15の例としては、綿、絹等の繊維や、多孔質セラミック基板等を挙げることができる。電極16の例としては、吸水構造体15の表面に例えばめっき技術によって形成した多孔質金属薄膜や、導電性高分子を吸水構造体15の繊維に含浸させたもの、導電繊維を編みこんだもの等を挙げることができる。
ウェアラブルセンサ1は、図13に示すように基材10の下面が着用者の皮膚100と向かい合うように着用者の身体に装着される。図13の101は着用者の汗腺である。
着用者が発汗すると、汗102は、毛細管現象により基材10の凹部13内から貫通孔11内に導入されていく。さらに、発汗量の増加により、汗102は、貫通孔11内を上昇して、凹部12に到達する。
着用者が発汗すると、汗102は、毛細管現象により基材10の凹部13内から貫通孔11内に導入されていく。さらに、発汗量の増加により、汗102は、貫通孔11内を上昇して、凹部12に到達する。
図14の拡大図で示すように、凹部12の内面には撥水部17が設けられている。基材10に親水性の材料を用いる場合には、凹部12の内面に撥水性の表面処理を施すようにして、撥水部17を形成すればよい。基材10に撥水性の材料を用いる場合には、凹部12の内面のみ撥水性の材料のままとすることにより、撥水部17を設けることができる。
汗102は、凹部12に到達すると、図14に示すように球状の液滴102aとなる。さらに、発汗量が増加すると、液滴102aは、その直径が増して、遂には電極16と吸水構造体15とに到達する。電極16と吸水構造体15とに到達した液滴102aは、毛細管現象により電極16の多数の孔および吸水構造体15の多数の孔を通って、吸水構造体15内を移動しながら蒸発する。これにより、液滴102aが消失する。こうして、液滴102aの形成と消失により、ウェアラブルセンサ1の電極14と16間の通電が繰り返し発生する。
なお、本実施例では、ウェアラブルセンサ1の構造として、図13、図14の構造を例に挙げて説明しているが、これに限るものではない。着用者の発汗によってウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により電極間に断続的に電流が流れるものであれば、他の構造のウェアラブルセンサを用いてもよい。
図3は本実施例のMCU部5の機能ブロック図である。MCU部5は、発汗量算出部50と、電解質濃度算出部51と、補正部52として機能する。
発汗量算出部50は、ウェアラブルセンサ1の電極間の通電特性に基づいて着用者の発汗量の測定値Qを算出する。
電解質濃度算出部51は、ウェアラブルセンサ1の電極間の通電特性に基づいて着用者の汗中の電解質濃度の測定値Cを算出する。
電解質濃度算出部51は、ウェアラブルセンサ1の電極間の通電特性に基づいて着用者の汗中の電解質濃度の測定値Cを算出する。
補正部52は、発汗量の測定値Qと電解質濃度の測定値Cと汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値Q’と電解質濃度の真値C’とを算出する。
図4は本実施例の発汗分析装置の動作を説明するフローチャートである。AFE部2は、ウェアラブルセンサ1の電極14と16間に流れる電流を検出する(図4ステップS1)。
データ記録部3は、AFE部2によって検出され増幅された信号を所定のサンプリングレートでデジタルデータに変換して(図4ステップS2)、記憶部4に格納する(図4ステップS3)。このとき、データ記録部3は、デジタルデータにサンプリング時刻の情報を付加して記憶部4に格納する。こうして、記憶部4には、電流の時系列データが記憶される。
発汗量算出部50は、記憶部4に格納されたデジタルデータに基づいて、ウェアラブルセンサ1の着用者の発汗量の測定値Q[L/s]を算出する(図4ステップS4)。具体的には、発汗量算出部50は、汗の液滴102aの体積V[L]を、直前の電流ピークから最新の電流ピークまでの周期T[s]で除することにより、発汗量の測定値Q[L/s]を算出することができる。
特許文献1に記載されているとおり、ウェアラブルセンサ1の電極14と16間に生じる汗の液滴102aの体積Vは、実際に即した値を予め求めておくことが可能である。
電解質濃度算出部51は、着用者の汗中の電解質濃度C[mol/L]により変化する汗の電気抵抗率Rρを算出し、この電気抵抗率Rρから汗中の電解質濃度の測定値C[mol/L]を算出する(図4ステップS5)。
具体的には、電解質濃度算出部51は、AFE部2が電極14と16間に印加する既知の電圧の値を、記憶部4に格納されたデジタルデータが示す最新の通電時の電流ピーク値で除することにより、抵抗を算出する。そして、電解質濃度算出部51は、抵抗と、電極14と16間の既知の距離と、電極14と16間の汗の断面積とに基づいて電気抵抗率Rρを算出する。汗の断面積については、電極14と16間の汗の断面積を一定とみなしたときの規定値を使用すればよい。
汗の電気抵抗率Rρと汗中の電解質濃度C(主としてNaClの濃度)との間には直線的な関係があることが知られている。電解質濃度算出部51は、電気抵抗率Rρと電解質濃度Cとの既知の関係に基づいて、電気抵抗率Rρから電解質濃度の測定値C[mol/L]を算出する。
次に、補正部52は、発汗量算出部50によって算出された発汗量の測定値Qと、電解質濃度算出部51によって算出された電解質濃度の測定値Cとを補正する(図4ステップS6)。図5は補正部52の動作を説明するフローチャートである。
補正部52は、電解質濃度算出部51によって算出された電解質濃度がCのときの汗における水蒸気の既知の拡散係数Dと、ウェアラブルセンサ1の貫通孔11の開口部に生じる汗の液滴102aの気液界面近傍における水蒸気の既知の密度Cv,0と、液滴102aの気液界面から十分遠方における水蒸気の既知の密度Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法(開口部の断面が円の場合は直径)の1/2の値rと、液滴102aの既知の静的接触角θcとに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値Q’を式(1)により算出する(図5ステップS100)。静的接触角θcとしては、例えば事前の実験によって求めた値を設定しておけばよい。また、水蒸気の密度は、厳密には温度に応じて変化するが、想定利用環境である高温多湿環境下で、実測値に最も近くなるように値を設定しておけばよい。
さらに、補正部52は、発汗量の真値Q’と発汗量の測定値Qと電解質濃度の測定値Cとに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した電解質濃度の真値C’を式(2)により算出する(図5ステップS101)。
通信部6は、発汗量算出部50の算出結果と電解質濃度算出部51の算出結果と補正部52の補正結果とをスマートフォン等の外部装置(不図示)に送信する(図4ステップS7)。
発汗分析装置は、例えば着用者から測定終了の指示があるまで(図4ステップS8においてYES)、ステップS1~S7の処理を繰り返し実行する。
以上、説明したように、本実施例によれば、補正部52を設けることにより、発汗量の真値と電解質濃度の真値とを算出することができ、発汗量を少なく見積る可能性や電解質濃度を高く見積もる可能性を低減することができる。
[第2の実施例]
第1の実施例では、第1の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正した。本発明の第2の実施例では、第2の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図6を用いて説明する。
第1の実施例では、第1の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正した。本発明の第2の実施例では、第2の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図6を用いて説明する。
補正部52は、発汗量測定値Qと、電解質濃度がCのときの汗における水蒸気の拡散係数Dと、ウェアラブルセンサ1の貫通孔11の開口部に生じる汗の液滴102aの気液界面近傍における水蒸気の密度Cv,0と、液滴102aの気液界面から十分遠方における水蒸気の密度Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、発汗量算出部50が発汗量測定値Qの算出に用いた電流ピーク周期Tとに基づいて、汗の液滴102aの動的接触角θの時間微分の式(3)と周期Tの期間中の蒸発による汗の減量分の積分の式(4)とをQ’について解くことにより、発汗量の真値Q’を算出する(図6ステップS200)。
さらに、補正部52は、発汗量の真値Q’と発汗量の測定値Qと電解質濃度の測定値Cとに基づいて、電解質濃度の真値C’を式(2)により算出する(図6ステップS201)。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
[第3の実施例]
本発明の第3の実施例では、第3の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図7を用いて説明する。
本発明の第3の実施例では、第3の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図7を用いて説明する。
補正部52は、時刻t=0における汗の液滴102aの動的接触角の初期値θ(0)として非零の微小な値を設定する(図7ステップS300)。また、補正部52は、発汗量の真値Q’の推定値として、発汗量の測定値Q以上、かつ予め定められた発汗量所定値以下の範囲内の値を設定する(図7ステップS301)。
補正部52は、動的接触角の初期値θ(0)と、発汗量の真値Q’の推定値と、電解質濃度がCのときの汗における水蒸気の拡散係数Dと、汗の液滴102aの気液界面近傍における水蒸気の密度Cv,0と、液滴102aの気液界面から十分遠方における水蒸気の密度Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rとに基づいて、発汗量算出部50が発汗量測定値Qの算出に用いた電流ピーク周期Tの期間における液滴102aの動的接触角θを式(5)により計算間隔Δt毎に算出する(図7ステップS302)。
続いて、補正部52は、発汗量測定値Qと、発汗量の真値Q’の推定値と、発汗量算出部50が発汗量測定値Qの算出に用いた電流ピーク周期Tと、ステップS302の算出結果とに基づいて、式(6)のように、電流ピーク周期Tの期間中の真値Q’の推定値の総量(=Q’T)と発汗量測定値Qの総量(=QT)との差から、周期Tの期間中の蒸発による汗の減量分を引いた値を、発汗量の真値Q’の推定値の正しさを評価するための評価関数f(Q’)として算出する(図7ステップS303)。
補正部52は、発汗量の真値Q’の推定値の全てについてステップS302,S303の算出処理を終えていない場合(図7ステップS304においてNO)、ステップS301に戻り、発汗量の真値Q’の推定値を変更する。上記のとおり、補正部52は、予め定められた発汗量のステップ幅で推定値を変更する。こうして、補正部52は、発汗量の真値Q’の複数の推定値のそれぞれについて評価関数f(Q’)を算出する。
補正部52は、予め定められた個数の推定値についてステップS302,S303の算出処理を終えた時点、あるいは発汗量測定値Qから開始した推定値が予め定められた発汗量所定値(例えば上限値Qmax)に達した時点で、ステップS302,S303の算出処理終了と判定する。
補正部52は、発汗量の真値Q’の推定値毎に算出した評価関数f(Q’)のうち、最良の評価関数f(Q’)が得られる推定値を、発汗量の真値Q’として確定する(図7ステップS305)。具体的には、補正部52は、評価関数f(Q’)の2乗f(Q’)2が最小となる推定値を、発汗量の真値Q’とする。
さらに、補正部52は、発汗量の真値Q’と発汗量の測定値Qと電解質濃度の測定値Cとに基づいて、電解質濃度の真値C’を式(2)により算出する(図7ステップS306)。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例では、第4の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図8を用いて説明する。
本発明の第4の実施例では、第4の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作である。本実施例の補正部52の動作を図8を用いて説明する。
補正部52は、電解質濃度算出部51によって算出された電解質濃度がCのときの汗における水蒸気の拡散係数Dと、汗の液滴102aの気液界面近傍における水蒸気の密度Cv,0と、液滴102aの気液界面から十分遠方における水蒸気の密度Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、液滴102aの静的接触角θcとに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値Q’を式(1)により算出する(図8ステップS400)。
補正部52は、時刻0[s]における動的接触角の初期値θ0として、非零の微小な値を設定する(図8ステップS401)。また、補正部52は、電解質濃度の真値の推定値C0として、予め定められた濃度所定値以上、かつ電解質濃度の測定値C以下の範囲内の値を設定する(図8ステップS402)。
補正部52は、発汗量の真値Q’と、動的接触角の初期値θ0と、電解質濃度の真値の推定値C0と、水蒸気の密度Cv,0,Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、汗中の電解質濃度がx(xはC0,CΔt,CNΔtのいずれか)のときの汗における水蒸気の既知の拡散係数D[x]とに基づいて、汗の液滴102a内の電解質濃度CNΔtを算出する式(7)と液滴102aの動的接触角θを算出する式(8)とにより、液滴102aが形成される前の時刻0[s]から電流ピーク周期T=NΔtが経過したときの電解質濃度CNΔtを算出する(図8ステップS403)。電解質濃度CNΔtは、電解質濃度の測定値Cに相当する理論値である。
補正部52は、電解質濃度の真値の推定値C0の全てについてステップS403の算出処理を終えていない場合(図8ステップS404においてNO)、ステップS402に戻り、推定値C0を変更する。上記のとおり、補正部52は、予め定められた電解質濃度のステップ幅で推定値C0を変更する。こうして、補正部52は、複数の推定値C0のそれぞれについて理論値CNΔtを算出する。
補正部52は、予め定められた個数の推定値C0についてステップS403の算出処理を終えた時点、あるいは予め定められた濃度所定値(例えば下限値Cmin)から開始した推定値C0が電解質濃度の測定値Cに達した時点で、ステップS403の算出処理終了と判定する。
そして、補正部52は、電解質濃度の測定値Cと理論値CNΔtとに基づいて、電解質濃度の真値の推定値C0の正しさを評価するための評価関数を推定値C0毎に算出し、最良の評価関数が得られる推定値C0を、電解質濃度の真値C’として確定する(図8ステップS405)。具体的には、補正部52は、電解質濃度の測定値Cと理論値CNΔtとの差の2乗(C-CNΔt)2が最小となる推定値C0を、電解質濃度の真値C’とする。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
[第5の実施例]
本発明の第5の実施例では、第5の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作なので、本実施例の補正部52の動作を図9を用いて説明する。
本発明の第5の実施例では、第5の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正する。本実施例と第1の実施例との違いは補正部52の動作なので、本実施例の補正部52の動作を図9を用いて説明する。
補正部52は、時刻0[s]における動的接触角の初期値θ0として非零の微小な値を設定する(図9ステップS500)。また、補正部52は、電解質濃度の真値の推定値C0として、予め定められた濃度所定値以上、かつ電解質濃度の測定値C以下の範囲内の値を設定する(図9ステップS501)。さらに、補正部52は、発汗量の真値の推定値Q0として、発汗量の測定値Q以上、かつ予め定められた発汗量所定値以下の範囲内の値を設定する(図9ステップS502)。
補正部52は、動的接触角の初期値θ0と、電解質濃度の真値の推定値C0と、発汗量の真値の推定値Q0と、水蒸気の密度Cv,0,Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、汗中の電解質濃度がx(xはC0,CΔt,CNΔtのいずれか)のときの汗における水蒸気の既知の拡散係数D[x]とに基づいて、汗の液滴102a内の電解質濃度CNΔtを算出する式(9)と液滴102aの動的接触角θを算出する式(10)とにより、時刻0[s]からの経過時間が電流ピーク周期T=NΔtに達する直前の電解質濃度C(Nmax-1)Δtと動的接触角θ(Nmax-1)Δtとを算出する(図9ステップS503)。電解質濃度C(Nmax-1)Δtは、電解質濃度の測定値Cに相当する理論値である。動的接触角θ(Nmax-1)Δtは、静的接触角θcに相当する理論値である。
補正部52は、発汗量の真値の推定値Q0と、水蒸気の密度Cv,0,Cv,∞と、水の密度ρと、貫通孔11の開口部の寸法の1/2の値rと、汗中の電解質濃度がC(Nmax-1)Δtのときの汗における水蒸気の既知の拡散係数D[C(Nmax-1)Δt]と、液滴102aの動的接触角θ(Nmax-1)Δtとに基づいて、発汗量の測定値Qに相当する理論値Q”を式(11)により算出する(図9ステップS504)。
補正部52は、電解質濃度の真値の推定値C0と発汗量の真値の推定値Q0の全ての組み合わせについてステップS503,S504の算出処理を終えていない場合(図9ステップS505においてNO)、ステップS501に戻り、電解質濃度の真値の推定値C0と発汗量の真値の推定値Q0のうち少なくとも一方を変更する。
上記のとおり、補正部52は、予め定められた電解質濃度のステップ幅で推定値C0を変更し、予め定められた発汗量のステップ幅で推定値Q0を変更する。こうして、補正部52は、推定値Q0,C0の複数の組のそれぞれについて理論値CNmaxΔt,θ(Nmax-1)Δt,Q”を算出する。補正部52は、推定値C0,Q0がとり得る全ての組み合わせについてステップS503,S504の処理を終えた時点で、算出処理終了と判定する。
そして、補正部52は、電解質濃度の測定値Cと理論値CNmaxΔtと発汗量の測定値Qと理論値Q”とに基づいて、電解質濃度の真値の推定値C0と発汗量の真値の推定値Q0の正しさを評価するための評価関数を推定値Q0,C0の組毎に算出し、最良の評価関数が得られる組み合わせの推定値Q0を発汗量の真値Q’とし、最良の評価関数が得られる組み合わせの推定値C0を電解質濃度の真値C’として確定する(図9ステップS506)。
具体的には、補正部52は、電解質濃度の測定値Cと理論値CNmaxΔtとの差を測定値Cで割った値の2乗{(C-CNmaxΔt)/C}2と、発汗量の測定値Qと理論値Q”との差を測定値Qで割った値の2乗{(Q-Q”)/Q}2との和{(C-CNmaxΔt)/C}2+{(Q-Q”)/Q}2が最小となる推定値Q0,C0の組を求め、このときの推定値Q0を発汗量の真値Q’とし、推定値C0を電解質濃度の真値C’とする。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
発汗分析装置の他の構成は第1の実施例と同じである。
[第6の実施例]
図10は本発明の第6の実施例に係る発汗分析装置の構成を示すブロック図である。発汗分析装置は、ウェアラブルセンサ1aと、AFE部2と、データ記録部3と、記憶部4と、MCU部5aと、通信部6と、電源部7とを備えている。
図10は本発明の第6の実施例に係る発汗分析装置の構成を示すブロック図である。発汗分析装置は、ウェアラブルセンサ1aと、AFE部2と、データ記録部3と、記憶部4と、MCU部5aと、通信部6と、電源部7とを備えている。
本実施例におけるウェアラブルセンサ1aは、特許文献2に開示されたものと同じなので、図15、図16を用いてウェアラブルセンサ1aの構造について説明する。
ウェアラブルセンサ1aは、貫通孔11と凹部12とを有する基材10と、吸水構造体15と、凹部12内に配置され、基材10の出口側の面に沿って貫通孔11の出口側の開口上の位置を通る凹部12内の経路に光を放射するLD18と、凹部12内に、貫通孔11の出口側の開口上の位置を挟んでLD18と向かい合うように配置され、LD18からの光を受光するPD19とを備えている。
ウェアラブルセンサ1aは、貫通孔11と凹部12とを有する基材10と、吸水構造体15と、凹部12内に配置され、基材10の出口側の面に沿って貫通孔11の出口側の開口上の位置を通る凹部12内の経路に光を放射するLD18と、凹部12内に、貫通孔11の出口側の開口上の位置を挟んでLD18と向かい合うように配置され、LD18からの光を受光するPD19とを備えている。
吸水構造体15の例としては、綿、絹等の繊維や、多孔質セラミック基板等を挙げることができる。なお、吸水構造体15は、貫通孔11の出口側の開口と凹部12の全面を覆う必要はなく、貫通孔11の出口側の開口から凹部12に流出した液滴に接触できるように配置されていればよい。
ウェアラブルセンサ1aは、図15に示すように基材10の下面が着用者の皮膚100と向かい合うように着用者の身体に装着される。
着用者が発汗すると、汗102は、毛細管現象により基材10の凹部13内から貫通孔11内に導入されていく。さらに、発汗量の増加により、汗102は、貫通孔11内を上昇して、貫通孔11と連通するように基材10の上面に設けられた凹部12に到達する。
着用者が発汗すると、汗102は、毛細管現象により基材10の凹部13内から貫通孔11内に導入されていく。さらに、発汗量の増加により、汗102は、貫通孔11内を上昇して、貫通孔11と連通するように基材10の上面に設けられた凹部12に到達する。
図16の拡大図で示すように、凹部12の内面には撥水部17が設けられている。汗102は、凹部12に到達すると、図16に示すように球状の液滴102aとなる。さらに、発汗量が増加すると、液滴102aは、その直径が増して、遂には吸水構造体15に到達する。吸水構造体15に到達した液滴102aは、毛細管現象により吸水構造体15の多数の孔を通って、吸水構造体15内を移動しながら蒸発する。これにより、液滴102aが消失する。
発光素子であるLD18は、発汗量の計測時に、図15、図16に示すように基材10の出口側の面(上面)に沿って貫通孔11の出口側の開口上の位置を通る凹部12内の経路に光を放射する。
受光素子であるPD19は、LD18からの光を受光する。
受光素子であるPD19は、LD18からの光を受光する。
汗102の液滴102aが形成されると、LD18から出射した光103は、凹部12内の空気、液滴102a、凹部12内の空気という順番で各媒質中を伝搬しPD19に入射する。液滴102aが消失すると、光103は、凹部12内の空気中を伝搬してPD19に入射する。液滴102aが再び形成されると、光103は、凹部12内の空気、液滴102a、凹部12内の空気という順番で各媒質中を伝搬しPD19に入射する。こうして、光103が伝搬する媒質の違いがPD19での受光量に反映される。すなわち、液滴102aの形成と消失により、PD19を流れる光電流が変化する。
発汗分析装置のAFE部2とデータ記録部3と記憶部4と通信部6と電源部7の構成は第1の実施例と同様である。AFE部2は、PD20の出力信号(光電流)を増幅すればよい。
図11は本実施例のMCU部5aの機能ブロック図である。MCU部5aは、発汗量算出部50aと、電解質濃度算出部51aと、補正部52aとして機能する。
発汗量算出部50aは、PD19の受光特性に基づいて着用者の発汗量の測定値Qを算出する。
電解質濃度算出部51aは、PD19の受光特性に基づいて着用者の汗中の電解質濃度の測定値Cを算出する。
電解質濃度算出部51aは、PD19の受光特性に基づいて着用者の汗中の電解質濃度の測定値Cを算出する。
補正部52aは、発汗量の測定値Qと電解質濃度の測定値Cと汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値Q’と電解質濃度の真値C’とを算出する。
本実施例の発汗分析装置の処理の流れは第1の実施例と同様であるので、図4を用いて発汗分析装置の動作を説明する。
AFE部2は、ウェアラブルセンサ1aのPD19の光電流を検出する(図4ステップS1)。
AFE部2は、ウェアラブルセンサ1aのPD19の光電流を検出する(図4ステップS1)。
データ記録部3は、AFE部2によって検出され増幅された信号を所定のサンプリングレートでデジタルデータに変換して(図4ステップS2)、記憶部4に格納する(図4ステップS3)。
発汗量算出部50aは、記憶部4に格納されたデジタルデータに基づいて、ウェアラブルセンサ1aの着用者の発汗量の測定値Qを算出する(図4ステップS4)。具体的には、発汗量算出部50は、汗の液滴102aの体積Vを、直前の電流ピークから最新の電流ピークまでの周期Tで除することにより、発汗量の測定値Qを算出する。
本実施例では、凹部12内に汗の液滴102aが形成されると、PD19の光電流が低下し、液滴102aが消失すると、PD19の光電流が増加する。したがって、発汗量算出部50aは、PD19の光電流の下向きのピークの周期Tを用いて、発汗量の測定値Qを算出する。
電解質濃度算出部51aは、PD19の受光量に基づいて着用者の汗中の電解質濃度の測定値Cを算出する(図4ステップS5)。本実施例では、LD18のレーザー波長は、汗中の特定の成分の吸収波長に設定されている。これにより、電解質濃度算出部51aは、極小値となったときの、PD19の受光量に基づいて電解質濃度の測定値Cを算出することが可能である。
補正部52aは、発汗量算出部50aによって算出された発汗量の測定値Qと、電解質濃度算出部51aによって算出された電解質濃度の測定値Cとを補正する(図4ステップS6)。本実施例では、第1の補正方法によって補正を行う。補正部52aの動作は、第1の実施例の補正部52と同じである。
通信部6は、発汗量算出部50aの算出結果と電解質濃度算出部51aの算出結果と補正部52aの補正結果とをスマートフォン等の外部装置に送信する(図4ステップS7)。
発汗分析装置は、例えば着用者から測定終了の指示があるまで(図4ステップS8においてYES)、ステップS1~S7の処理を繰り返し実行する。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様に、発汗量を少なく見積る可能性や電解質濃度を高く見積もる可能性を低減することができる。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様に、発汗量を少なく見積る可能性や電解質濃度を高く見積もる可能性を低減することができる。
本実施例では、第1の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正したが、第2の補正方法に基づいて補正を行ってもよい。この場合、補正部52aの動作は、第2の実施例の補正部52と同様の動作となる。補正部52と違う点は、補正部52aは、電極14と16間に流れる電流のピークの周期の代わりに、PD19の光電流の下向きのピークの周期Tを用いて発汗量の真値Q’を算出することである。
また、第3の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正してもよい。この場合、補正部52aの動作は、第3の実施例の補正部52と同様の動作となる。補正部52と違う点は、補正部52aは、電極14と16間に流れる電流のピークの周期の代わりに、PD19の光電流の下向きのピークの周期Tを用いて評価関数f(Q’)を算出することである。
また、第4の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正してもよい。この場合、補正部52aの動作は、第4の実施例の補正部52と同様の動作となる。補正部52と違う点は、補正部52aは、電極14と16間に流れる電流のピークの周期の代わりに、PD19の光電流の下向きのピークの周期Tを用いて電解質濃度CNΔtを算出することである。
また、第5の補正方法に基づいて発汗量と電解質濃度とを補正してもよい。この場合、補正部52aの動作は、第5の実施例の補正部52と同様の動作となる。補正部52と違う点は、補正部52aは、電極14と16間に流れる電流のピークの周期の代わりに、PD19の光電流の下向きのピークの周期Tを用いて電解質濃度C(Nmax-1)Δtと動的接触角θ(Nmax-1)Δtとを算出することである。
第1~第6の実施例で説明したデータ記録部3と記憶部4とMCU部5,5aと通信部6は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図12に示す。
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(I/F)202とを備えている。I/F202には、データ記録部3のADC等のハードウェアと、通信部6のハードウェア等が接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の発汗分析方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1~第6の実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、人の発汗量と汗中電解質濃度を分析する技術に適用することができる。
1,1a…ウェアラブルセンサ、2…AFE部、3…データ記録部、4…記憶部、5,5a…MCU部、6…通信部、7…電源部、10…基材、11…貫通孔、12,13…凹部、14,16…電極、15…吸水構造体、17…撥水部、18…レーザーダイオード、19…フォトダイオード、50,50a…発汗量算出部、51,51a…電解質濃度算出部、52,52a…補正部。
Claims (8)
- 着用者の皮膚から分泌される汗の発汗量と電解質濃度とに由来する電気信号を出力するように構成されたウェアラブルセンサと、
前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出するように構成された発汗量算出部と、
前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出するように構成された電解質濃度算出部と、
前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値と汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値と電解質濃度の真値とを算出するように構成された補正部とを備えることを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量に基づいて蒸発による汗の減量分を算出し、前記発汗量測定値に前記汗の減量分を加えた値を前記発汗量の真値として算出し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、
前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、
前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量測定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記液滴の動的接触角の時間微分の式と前記電流のピーク間の期間における蒸発による汗の減量分の積分の式とを解くことにより、前記発汗量の真値を算出し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、
前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、
前記補正部は、所定の範囲内で前記発汗量の真値の推定値を複数設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記推定値とに基づいて、前記電流のピーク間の期間における前記液滴の動的接触角を前記推定値毎に算出し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量測定値と前記推定値と前記電流のピークの周期と前記動的接触角の算出結果とに基づいて、前記推定値の正しさを評価するための評価関数を前記推定値毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値を前記発汗量の真値として確定し、前記発汗量の真値と前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値とに基づいて前記電解質濃度の真値を算出することを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、
前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、
前記補正部は、汗の蒸発に関係する既知の物理量に基づいて蒸発による汗の減量分を算出し、前記発汗量測定値に前記汗の減量分を加えた値を前記発汗量の真値として算出し、所定の範囲内で前記電解質濃度の真値の推定値を複数設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量の真値と前記推定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記電解質濃度測定値に相当する理論値を前記推定値毎に算出し、前記電解質濃度測定値と前記理論値とに基づいて前記推定値の正しさを評価するための評価関数を前記推定値毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値を、前記電解質濃度の真値として確定することを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、
前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、
前記補正部は、所定の範囲内で前記電解質濃度の真値の推定値と前記発汗量の真値の推定値との組を複数組設定し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記電解質濃度の真値の推定値と前記発汗量の真値の推定値と前記電流のピークの周期とに基づいて、前記電解質濃度測定値に相当する第1の理論値と前記液滴の静的接触角に相当する第2の理論値とを前記推定値の組毎に算出し、汗の蒸発に関係する既知の物理量と前記発汗量の真値の推定値と前記第1、第2の理論値とに基づいて、前記発汗量測定値に相当する第3の理論値を前記推定値の組毎に算出し、前記電解質濃度の測定値と前記第1の理論値と前記発汗量測定値と前記第3の理論値とに基づいて、前記推定値の組の正しさを評価するための評価関数を前記推定値の組毎に算出し、最良の評価関数が得られる前記推定値の組を、前記電解質濃度の真値と前記発汗量の真値として確定することを特徴とする発汗分析装置。 - 請求項1記載の発汗分析装置において、
前記電気信号は、前記着用者の発汗によって前記ウェアラブルセンサ内に断続的に生じる液滴により変化する電流であり、
前記発汗量算出部は、前記電流のピークの周期に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出し、
前記電解質濃度算出部は、前記電流のピークの値に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出することを特徴とする発汗分析装置。 - 着用者の皮膚から分泌される汗の発汗量と電解質濃度とに由来する電気信号をウェアラブルセンサによって検出する第1のステップと、
前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の発汗量測定値を算出する第2のステップと、
前記ウェアラブルセンサによって得られた電気信号に基づいて前記着用者の汗中の電解質濃度測定値を算出する第3のステップと、
前記発汗量測定値と前記電解質濃度測定値と汗の蒸発に関係する既知の物理量とに基づいて、蒸発による汗の減量の影響を補正した発汗量の真値と電解質濃度の真値とを算出する第4のステップとを含むことを特徴とする発汗分析方法。
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| PCT/JP2022/017089 WO2023195068A1 (ja) | 2022-04-05 | 2022-04-05 | 発汗分析装置および方法 |
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|---|---|
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| WO (1) | WO2023195068A1 (ja) |
Citations (1)
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|---|---|---|---|---|
| WO2021038742A1 (ja) | 2019-08-28 | 2021-03-04 | 日本電信電話株式会社 | ウェアラブルセンサ、発汗分析装置および方法 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2021038742A1 (ja) | 2019-08-28 | 2021-03-04 | 日本電信電話株式会社 | ウェアラブルセンサ、発汗分析装置および方法 |
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Jessica Francis, et al.,Digital nanoliter to milliliter flow rate sensor with in vivo demonstration for continuous sweat rate measurement,Lab on aCihp,2018年12月07日,vol. 19, no. 1,pp. 178-185 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| WO2023195068A1 (ja) | 2023-10-12 |
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