以下に、本開示のプログラム、情報処理方法、及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、情報処理システムの構成例を示す説明図である。本実施形態では、介護施設の各居室で生活している高齢者及び心身障害者等の被介護者の状態を監視し、介護スタッフによる介護ケアが必要である状況を検知した場合に、介護スタッフに通知する情報処理システムについて説明する。以下の説明では、被介護者を監視対象者と呼び、介護スタッフによる介護ケアが必要である状況の発生をイベントの発生と呼ぶ。
本実施形態の情報処理システムは、サーバ10、センサI/F(InterFace)装置20、スタッフ端末30等を含み、サーバ10、センサI/F装置20及びスタッフ端末30はネットワークNを介して通信接続されている。ネットワークNは、インターネットであってもよく、介護施設内に設けられたLAN(Local Area Network)であってもよい。
センサI/F装置20は、例えば監視対象者毎に設けられており、センサI/F装置20には、監視対象者の状態及び監視対象者の周囲の状態を検知するために設けられた複数種類のセンサが接続されている。図1に示す例では、睡眠センサ21、トイレセンサ22、ドアセンサ23、環境センサ24、人感センサ25及び呼出ボタン26が、センサI/F装置20に有線又は無線で接続されている。センサI/F装置20は、各センサ21~25及び呼出ボタン26からの信号を取得し、取得した信号をネットワークN経由でサーバ10へ送信する情報処理装置である。いずれかのセンサ21~25がアナログ信号を出力する場合、センサI/F装置20は、A/D変換を行う構成を有し、センサ21~25からの信号をA/D変換した後にサーバ10へ送信する。
センサI/F装置20、センサ21~25及び呼出ボタン26は、例えば監視対象者が生活している部屋(居室)に設けられるが、1人の監視対象者に対して、センサI/F装置20、センサ21~25及び呼出ボタン26の1セットが設けられる構成に限定されない。例えば1人の監視対象者に対して、複数のセンサI/F装置20を設け、睡眠センサ21とトイレセンサ22とが別々のセンサI/F装置20に接続される構成でもよい。また、1人の監視対象者に対して、複数の環境センサ24又は複数の人感センサ25を設け、複数のセンサ24,25が1つのセンサI/F装置20に接続される構成でもよい。センサI/F装置20は、各センサ21~25及び呼出ボタン26の設置場所に応じた位置に適宜配置されればよく、また、各センサ21~25及び呼出ボタン26に内蔵されていてもよい。なお、図1では、監視対象者Bに対してセンサI/F装置20のみを図示しているが、このセンサI/F装置20にも各センサ21~25及び呼出ボタン26が接続されている。
睡眠センサ21は、1人の監視対象者のベッドに1台設置される。睡眠センサ21は、例えばシート状のセンサであり、ベッドマットレスとシーツとの間に設置され、ベッドに横たわった人物の脈拍、呼吸、体動、体温等を検知する。睡眠センサ21は、例えばコンデンサマイクロホン、ピエゾ抵抗効果を利用した圧力センサ、圧電効果を利用した圧力センサ等を使用し、ベッドに設置されたエアマット内の空気圧を検知することにより、監視対象者の入床及び出床(離床)、在床中(睡眠中)の心拍数、呼吸状態及び体動状態等を検知する。なお、睡眠センサ21は、ベッドの枕元又は部屋の壁に設置され、マイクロ波又は赤外線により監視対象者の入床及び出床、ベッドに横たわった人物の脈拍、呼吸、体動、体温等を検出するセンサを使用してもよい。睡眠センサ21は、検知した信号に基づいて、入床及び出床、体動、無呼吸の発生状態、睡眠深度、中途覚醒の発生状態(睡眠が中断し覚醒状態になっている状態)、心拍数、呼吸数、体温等の睡眠データを解析してセンサI/F装置20へ出力する。また、睡眠センサ21は、監視対象者の血圧、酸素飽和度(血中酸素濃度)を検出できる構成を更に有していてもよい。
トイレセンサ22は、監視対象者の居室内に設けられているトイレに設置されたセンサであり、トイレが使用中であることを検知する。トイレセンサ22は、例えばトイレ(便座)への着座を検知するセンサ、又は、トイレ内の人の動きを検知する人感センサを用いることができ、トイレが使用中であることを検知した場合、検知結果(トイレの使用中)を示す検知信号をセンサI/F装置20へ出力する。ドアセンサ23は、監視対象者の居室に出入りするためのドアに設置されたセンサであり、ドアの開閉又はドアを人物が通過したことを検知する。ドアセンサ23は、ドアの開閉又はドアを人物が通過したことを検知した場合、検知した状態を示す検知信号をセンサI/F装置20へ出力する。
環境センサ24は、監視対象者の居室内の温度及び湿度等の環境データを計測するセンサである。環境センサ24は、例えば居室の壁面等に設置される。環境センサ24は、計測した温度及び湿度等の環境データをセンサI/F装置20へ出力する。人感センサ25は、監視対象者の居室内での人の動きを検知するセンサであり、例えば赤外線、超音波、可視光線等を出射してその反射波を検知することにより人の動きを検知する。人感センサ25は、例えば居室の壁面等に設置される。人感センサ25は、人の動きを検知した場合、居室内に人がいることを示す検知信号をセンサI/F装置20へ出力する。
呼出ボタン26は、監視対象者が自身の判断で救援を希望する場合に手動で操作するボタンであり、例えば監視対象者の居室の壁面等に設置される。呼出ボタン26は、監視対象者によって操作された場合、操作されたことを示す検知信号をセンサI/F装置20へ出力する。
本実施形態では、各監視対象者について、センサI/F装置20、センサ21~25及び呼出ボタン26が設けられており、センサI/F装置20、センサ21~25及び呼出ボタン26のそれぞれに、監視対象者が対応付けられている。このような構成のほかに、1つのセンサ21~25が複数の監視対象者を検知する可能性がある箇所に設置されている場合には、顔認証又はID(IDentification)タグ等を併用することにより、各センサ21~25が検知した監視対象者を特定する構成を備えてもよい。
センサI/F装置20は、各センサ21~25及び呼出ボタン26からの信号を取得し、取得した信号に応じた情報(監視対象者の状態を示す情報)をネットワークN経由でサーバ10へ送信する。サーバ10は、例えば介護施設に設けられており、本実施形態の情報処理システムを利用する介護事業者が管理するサーバである。なお、サーバ10は、本実施形態の情報処理システムを介護施設に提供する事業者が管理するサーバであってもよい。サーバ10は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。サーバ10は、各監視対象者に対して設けられたセンサI/F装置20から逐次受信する監視対象者の情報を蓄積し、介護ケアが必要である状況(イベント)が発生した場合、介護スタッフのスタッフ端末30に、イベントの発生を通知する。
スタッフ端末30は、介護施設の介護スタッフが使用する情報端末であり、例えばパーソナルコンピュータである。なお、スタッフ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコン等の持ち運び可能な通信端末であってもよい。スタッフ端末30は、表示部36(図2参照)を備え、サーバ10から受信した通知情報を表示することにより、各監視対象者の状態及び発生したイベントを介護スタッフに通知する。
図2は、サーバ10及びスタッフ端末30の構成例を示すブロック図である。スタッフ端末30は、制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35、表示部36等を有し、これらの各部はバスを介して接続されている。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部31は、補助記憶部33に記憶されたプログラム33Pを主記憶部32に読み出して実行することにより、スタッフ端末30が行うべき情報処理及び制御処理を実行する。
主記憶部32は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部31による各種のプログラム33Pの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。補助記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶領域であり、制御部31が実行する種々のプログラム33P(プログラム製品)及び各種のデータを記憶している。プログラム33P及び各種のデータは、スタッフ端末30の製造段階において補助記憶部33に書き込まれてもよく、制御部31が通信部34を介して他の装置からダウンロードして補助記憶部33に記憶してもよい。補助記憶部33は、スタッフ端末30に接続された他の記憶装置であってもよい。
通信部34は、有線通信又は無線通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部35は、介護スタッフによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部31へ送出する。表示部36は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部31からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部35の一部及び表示部36は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
本実施形態のスタッフ端末30は、上述した構成に加えて、周囲の音声を収集してデジタルの音声データを生成するマイク、制御部31からの指示に従ってメッセージ又は警告音を音声出力するスピーカ、イヤホン又はヘッドホンを有していてもよい。
サーバ10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14等を有し、これらの各部はバスを介して接続されている。サーバ10の上述した各部11~14は、スタッフ端末30の各部31~34と同様の構成を有するので、構成についての説明は省略する。なお、サーバ10の補助記憶部13は、制御部11が実行する種々のプログラム13P(プログラム製品)に加えて、監視対象者DB13a、センサデータDB13b、及びイベントDB13cを記憶している。監視対象者DB13aは、本システムにおける監視対象者に関する情報を格納するデータベースである。センサデータDB13bは、各センサ21~25が検知した監視対象者の状態及び呼出ボタン26に対する操作状態を格納するデータベースである。イベントDB13cは、各監視対象者に対して発生したイベントに関する情報を格納するデータベースである。監視対象者DB13a、センサデータDB13b、及びイベントDB13cは、サーバ10がネットワークN経由で通信可能な他の記憶装置に記憶されていてもよい。
本実施形態において、サーバ10は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよく、クラウドサーバであってもよい。また、サーバ10は、上述した構成に加えて、操作入力を受け付ける入力部、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等による表示部等を有していてもよい。また、サーバ10は、非一時的なコンピュータ読取可能な可搬型記憶媒体10aを読み取る読取部を備え、読取部を用いて可搬型記憶媒体10aからプログラム13Pを読み取って補助記憶部13に記憶してもよい。また、プログラム13Pは単一のコンピュータ上で実行されてもよく、ネットワークNを介して相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
図3は、監視対象者DB13a、センサデータDB13b及びイベントDB13cのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。監視対象者DB13aは、対象者ID列、氏名列、年齢列、性別列、部屋番号列、アラート設定列、スター設定列、リアルタイム情報列を含む。対象者ID列は、監視対象者に固有に割り当てられたIDを記憶する。氏名列、年齢列、性別列、及び部屋番号列は、対象者IDに対応付けて、監視対象者の氏名、年齢、性別、監視対象者の居室の番号を記憶する。アラート設定列は、監視対象者に発生したイベントのうちで介護スタッフに通知(アラート出力)すべきイベントの情報(例えばイベント名、イベントの識別情報)を記憶する。なお、アラート設定は、時間帯毎の設定が可能に構成されていてもよく、この場合、アラート設定列は、各時間帯と、各時間帯に発生した場合に介護スタッフに通知すべきイベントの情報とを対応付けて記憶する。アラート設定は、例えば監視対象者が介護施設に入居する際等に、監視対象者の病状等に応じて介護スタッフによって設定される。スター設定列は、監視対象者を注目対象者(スター)として扱うか否かを示す設定情報を記憶する。注目対象者は、他の監視対象者よりも注意して介護ケアを行う必要がある監視対象者であり、注目対象者に設定された場合、設定情報として「設定」がスター設定列に記憶される。なお、スター設定は、例えば監視対象者が介護施設に入居する際、又は、入居後に監視対象者の病状等が変化した際に、介護スタッフによって設定されてもよく、監視対象者の属性、診断病名、病状等に応じてサーバ10が自動的に設定してもよい。リアルタイム情報列は、監視対象者のリアルタイムの状態を示す情報を記憶し、具体的には、ステータス列、心拍・呼吸列等を含む。ステータス列は、監視対象者の状態(イベント)を示すステータス情報を記憶する。ステータス情報は、各センサ21~25の検知結果から判定される監視対象者の状態又は監視対象者の周囲の状態を示す。心拍・呼吸列は、例えば1分間における監視対象者の心拍数及び呼吸数を記憶する。サーバ10の制御部11は、センサI/F装置20を介して各センサ21~25から取得した情報に基づいて、リアルタイム情報列の各列を更新する。なお、リアルタイム情報列は、上述した列に加えて、監視対象者の居室内の温度及び湿度を記憶する温湿度列、監視対象者の体温を記憶する体温列を有していてもよい。また、いずれかのセンサ21~25が監視対象者の血圧及び酸素飽和度を計測できる場合、リアルタイム情報列は、監視対象者の血圧及び酸素飽和度を記憶する各列を有してもよい。
イベントは、監視対象者の状態又は監視対象者の周囲の環境に発生する事象であり、通常の状態とは異なる事象、介護スタッフに通知すべき事象、及び介護ケアを要する事象等を含む。例えばイベントは、監視対象者の離床(出床)、入床中(在床中、就寝中)の監視対象者の体動の増加、トイレの使用及び長時間のトイレ滞在、ドアの開放又は人の通過、所定範囲外の室温又は湿度、監視対象者の心拍又は呼吸等の停止、各センサ21~25又はセンサI/F装置20の動作停止、呼出ボタン26の操作等を含む。また、情報処理システムにおいて、介護施設の玄関又は各監視対象者の居室のドア等に、顔認証又はIDタグ等を使用した個人認証端末が設けられている場合、予め登録してある登録者(監視対象者及び介護スタッフ)の検知、未登録者の検知、監視対象者の徘徊等をイベントに含めてもよい。イベントの発生は、サーバ10の制御部11が、センサI/F装置20を介して各センサ21~25及び呼出ボタン26から取得した情報に基づいて判定する。なお、制御部11は、各監視対象者に対するイベントの発生を判定した場合、判定したイベントの情報をイベントDB13cに登録する。
センサデータDB13bは、監視対象者毎に設けられ、監視対象者の対象者IDに対応付けて、各センサ21~25による検知結果及び呼出ボタン26に対する操作情報を記憶する。センサデータDB13bは、日時列、睡眠センサ列、トイレセンサ列、ドアセンサ列、環境センサ列、人感センサ列、呼出ボタン列を含む。日時列は、各センサ21~25による検知日時及び呼出ボタン26に対する操作日時を記憶する。なお、日時列は、サーバ10が各センサ21~25及び呼出ボタン26から検知結果及び操作情報を取得した日時を記憶してもよい。睡眠センサ列は、睡眠センサ21が検知した監視対象者の睡眠時の状態を示す睡眠データを記憶する。睡眠データは、体動の大きさを示す体動データ、無呼吸現象の発生状態を示す無呼吸データ、睡眠深度を示す睡眠深度データ、心拍数を示す心拍数データ、呼吸数を示す呼吸数データ、体温を示す体温データを含む。なお、睡眠データは、監視対象者の睡眠時に取得されたデータに加えて、覚醒時取得されたデータを含む。睡眠データは、日時に対応付けて各データが記憶される構成のほかに、監視対象者の状態の時間的変化を示すグラフのデータが記憶されてもよい。例えば、体動の時間的変化を示すグラフ、無呼吸現象の発生状態の時間的変化を示すグラフ、睡眠深度の時間的変化を示すグラフ、心拍数の時間的変化を示すグラフ、呼吸数の時間的変化を示すグラフ、体温の時間的変化を示すグラフが睡眠センサ列に記憶されてもよい。グラフのデータは、例えば睡眠センサ21が計測を行った時刻と計測した値との組を、計測を行うたびに記録した一連のデータである。なお、無呼吸現象は、睡眠中に口及び鼻の気流が10秒間以上停止する現象である。睡眠深度は、例えば目覚め、浅い眠り及び深い眠りの3段階で検出され、睡眠深度データには、中途覚醒の発生状況及び一日の合計睡眠時間が含まれてもよい。
トイレセンサ列は、トイレセンサ22が監視対象者によるトイレの使用を検知したか否かを示す情報(使用/不使用)を記憶する。ドアセンサ列は、ドアセンサ23がドアの開放又は監視対象者によるドアの通過を検知したか否かを示す情報(開放/動き無し)を記憶する。環境センサ列は、環境センサ24が検知した監視対象者の居室内の温度及び湿度を示す環境データを記憶する。環境データも、日時に対応付けて温度及び湿度が記憶される構成のほかに、温度及び湿度の時間的変化を示すグラフのデータが環境センサ列に記憶されてもよい。人感センサ列は、人感センサ25が監視対象者の動きを検知したか否かを示す情報(居室内に存在/不在)を記憶する。呼出ボタン列は、監視対象者が呼出ボタン26を操作(使用)したか否かを示す情報(使用/不使用)を記憶する。サーバ10の制御部11は、センサI/F装置20を介して各センサ21~25及び呼出ボタン26から取得した情報に基づいて、センサデータDB13bの各列を更新する。なお、トイレセンサ列には、トイレの使用を示す情報(使用)のみが記憶されてもよく、ドアセンサ列には、ドアの開放又は監視対象者の通過を示す情報(開放)のみが記憶されてもよく、人感センサ列には、監視対象者の存在を示す情報(存在)のみが記憶されてもよく、呼出ボタン列には、呼出ボタン26の操作を示す情報(使用)のみが記憶されてもよい。
イベントDB13cは、監視対象者毎に設けられ、監視対象者の対象者IDに対応付けて、監視対象者に発生したイベントの情報を記憶する。イベントDB13cは、日時列、イベント項目列、イベント内容列、進捗情報列、コメント列を含む。日時列は、イベントの発生日時であり、サーバ10の制御部11が、各センサ21~25及び呼出ボタン26から取得した情報に基づいてイベントの発生を判定した日時を記憶する。イベント項目列及びイベント内容列は、発生したイベントに関する項目及びその内容を記憶する。例えば監視対象者に中途覚醒による離床というイベントが発生した場合、イベント項目として「離床」が、イベント内容として「中途覚醒」がそれぞれ登録される。また、所定範囲外の室温というイベントが発生した場合、イベント項目として「室温」が、イベント内容として「30℃(計測した室温)」がそれぞれ登録される。また、長時間のトイレ滞在というイベントが発生した場合、イベント項目として「トイレ」が、イベント内容として「20分(計測した時間)」がそれぞれ登録される。また、入床中における体動の増加というイベントが発生した場合、イベント項目として「体動」が、イベント内容として「増加」がそれぞれ登録される。また、呼出ボタン26の操作というイベントが発生した場合、イベント項目として「呼出」が登録される。進捗情報列は、発生したイベントに対して介護スタッフによる対応(以下では介護ケアという)の進捗状況を示す情報を記憶し、例えば介護ケアが終了した場合「済」が記憶される。コメント列は、イベントに対して介護スタッフがスタッフ端末30を用いて入力したコメントを記憶する。イベントDB13cは図3に示した構成に限定されない。例えばイベントの項目及び内容に対応付けて、当該イベントに対して介護スタッフが監視対象者に処置を行う際に撮影した写真及び動画、並びに録音した音声等がイベントDB13cに記憶される構成でもよい。
サーバ10の制御部11は、センサI/F装置20を介して各センサ21~25及び呼出ボタン26から取得した情報に基づいて、監視対象者DB13aのリアルタイム情報列と、センサデータDB13bの各列とを更新する。また制御部11は、各センサ21~25及び呼出ボタン26から取得した情報に基づいて、監視対象者に何らかのイベントの発生を検知した場合、イベントDB13cの日時列、イベント項目列及びイベント内容列を更新する。また制御部11は、例えばスタッフ端末30を介して、イベントに対する介護スタッフの介護ケアの終了を受け付けた場合、イベントDB13cの進捗情報列に「済」を記憶し、イベントに関するコメントを受け付けた場合、コメント列にコメントを記憶する。なお、制御部11は、介護ケアの終了を受け付けた日時に対応付けて、介護ケアの終了を示す「済」を進捗情報列に記憶してもよい。イベントDB13cには、監視対象者に発生した全てのイベントの情報が登録されるが、発生したイベントのうちで、監視対象者に対してアラート設定してあるイベントについてのみイベントの発生がアラートとして介護スタッフに通知される。イベントDB13cは、全てのイベントの情報が登録される構成のほかに、介護スタッフに通知されたイベント(アラート設定されているイベント)の情報のみが登録される構成でもよい。
図4は、通知画面例を示す説明図である。通知画面は、各監視対象者の状態を介護スタッフに通知するための画面であり、サーバ10の制御部11が監視対象者DB13a及びイベントDB13cの記憶内容に基づいて生成する。制御部11は、生成した通知画面をスタッフ端末30へ送信し、スタッフ端末30の制御部31は、サーバ10から取得した通知画面を表示部36に表示する。スタッフ端末30の制御部31は、表示した通知画面に対して、入力部35を介して操作入力を受け付けた場合、操作内容をサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部11は、操作内容に応じて通知画面の表示状態の変更及び表示内容の切替を行い、更新後の通知画面をスタッフ端末30へ送信する。これにより、更新後の通知画面がスタッフ端末30に表示される。
図4に示す通知画面は、介護施設内の各監視対象者の現在の状態を表示する居室一覧の表示領域と、各監視対象者に対してアラート設定されているイベントの発生履歴を表示するアラート履歴の表示領域とを有する。居室一覧は、複数の個人欄R1を有し、1つの個人欄R1には、監視対象者DB13aに記憶されている1人の監視対象者に関する情報が表示される。具体的には、1人の監視対象者の部屋番号、氏名、居室内の温度及び湿度、体温、呼吸数、心拍数が文字で表示され、監視対象者の現在の状態が、文字及び各状態に対応するアイコンで表示されている。監視対象者の状態を示す文字及びアイコンは、監視対象者DB13aに記憶される各ステータスに対応して予め用意されている。
例えば監視対象者が離床した場合、離床したことを示すアイコンI1と、「離床しました」の文字とが個人欄R1に表示される。監視対象者の状態に対応するアイコンは、アイコンI1に加えて、就寝中であることを示すアイコンI2、トイレにいることを示すアイコンI3、体動があることを示すアイコンI4等がある。このように監視対象者の状態をアイコンにて表示することにより、各監視対象者の状態の把握が容易となる。監視対象者の状態に対応するアイコン及び文字は、例えばプログラム13Pに予め組み込まれており、制御部11が、通知画面を生成する際に、各監視対象者の状態に応じたアイコン及び文字を選択することによって表示できる。また、注目対象者に設定されている場合は、個人欄R1内のいずれかの箇所に、注目対象者に設定(スター設定)されていることを示す指標(マーク)I5が表示される。図4に示す例では、102号室の監視対象者に対応する個人欄R1の右端の位置に指標I5が表示されている。これにより、制御部11は、スター設定された監視対象者に関して個人欄R1に表示される情報(ステータス情報)に対応付けて、スター設定(注目対象者)を示す指標I5をスタッフ端末30に出力できる。居室一覧において、スター設定されている監視対象者の個人欄R1を上部にまとめて表示してもよい。なお、スター設定の登録指示は、例えばスタッフ端末30の入力部35を介して受け付け、サーバ10の制御部11が、監視対象者DB13aのスター設定欄に「設定」を記憶することにより設定が完了する。
居室一覧の表示領域の右端には、スクロールバーが設けられている。スタッフ端末30の入力部35を介してスクロールバーが操作された場合、表示内容(各個人欄R1)が上下にスクロールされた状態の画面が表示される。居室一覧は、「見守り中」タブ、「スターつき」タブ、「すべて」タブを有しており、タブの選択が切り替えられることにより、選択されたタブに応じた居室一覧が表示される。例えば「すべて」タブが選択された場合、監視対象者DB13aに記憶されている全ての監視対象者に対応する個人欄R1が居室一覧に表示される。「見守り中」タブが選択された場合、監視対象者DB13aに記憶されている監視対象者のうちで、見守り中の監視対象者(状態の監視を行っている監視対象者)に対応する個人欄R1が居室一覧に表示される。「スターつき」タブが選択された場合、監視対象者DB13aに記憶されている監視対象者のうちで、スター設定が行われている監視対象者に対応する個人欄R1が居室一覧に表示される。なお、例えば各介護スタッフが担当する監視対象者が固定されている場合、各介護スタッフが担当している監視対象者に対応する個人欄R1が表示された居室一覧に切り替えるためのタブが設けられていてもよい。また、居室一覧は、介護施設内のフロア毎又はエリア毎に切替可能に構成されていてもよく、居室一覧に表示される個人欄R1は、各フロア又は各エリア内の部屋の配置に合わせた位置に表示されてもよい。
図示は省略するが、1つの個人欄R1に対して所定の操作(例えばマウスの右クリック)が行われた場合、この個人欄R1の監視対象者に対する設定処理を行うための操作メニューが表示される。例えば、スター設定及び設定の解除、アラート設定の変更、監視対象者に関する登録情報の変更、監視対象者の監視(見守り)の一時停止及び再開等の処理の選択を受け付けるための操作メニューが表示される。このような操作メニューを介して、各処理の選択を受け付けた場合、それぞれの設定画面が表示され、設定画面を介して設定変更が可能となる。なお、監視対象者の監視(見守り)の一時停止は、例えば介護施設の入居者(監視対象者)が一時的に医療機関に入院する場合、又は、一時的に帰宅する場合等に設定される。
アラート履歴は、複数のアラート欄R2を有し、1つのアラート欄R2には、1人の監視対象者に対して発生した1つのイベントに関する情報が表示される。具体的には、アラート設定されているイベントが発生した監視対象者の部屋番号、氏名、イベント(アラート)の発生日時が文字で表示され、監視対象者の状態(イベントの内容)が、文字及び各イベントに対応するアイコンで表示されている。イベントに対応するアイコンは、例えば居室一覧に使用されるアイコンI1~I4と同様のアイコンを用いる。アラート欄R2においても、スター設定されている監視対象者には指標I5が表示される。即ち、制御部11は、スター設定された監視対象者に関してアラート欄R2に表示される情報(イベント情報)に対応付けて、スター設定(注目対象者)を示す指標I5をスタッフ端末30に出力する。なお、スター設定されている監視対象者に関するアラート欄R2は、所定の色で表示又は点滅させて表示することにより、高い重要度であることを示す表示態様で強調表示してもよい。アラート欄R2には、表示されたアラートが介護スタッフによって確認されていない場合に、未読マークが表示される。なお、アラート欄R2に対して所定の操作(例えばマウスの左クリック)が行われた場合、このアラート欄R2のアラートの詳細内容が表示され、詳細内容が表示された場合に、当該アラートが既読状態となる。既読状態となった場合、アラート欄R2に表示されていた未読マークは表示されなくなる。なお、未読マークが表示されなくなる代わりに、既読状態を示す既読マークが表示されてもよい。
また、アラート欄R2に対して所定の操作(例えばマウスの右クリック)が行われた場合、このアラート欄R2のアラートに対する処理を行うための操作メニュー(図示せず)が表示される。例えば、アラートに対して介護スタッフが行った介護ケアに関する情報及びコメントの入力、未読状態への変更等の処理の選択を受け付けるための操作メニューが表示される。このような操作メニューを介して、アラートに対するコメントの入力が選択された場合、コメントの入力画面が表示され、入力画面を介して入力されたコメントがイベントDB13cに記憶される。また、操作メニューを介して未読状態への変更が選択された場合、当該アラートの既読状態が未読状態に変更される。
アラート履歴の表示領域の右端には、スクロールバーが設けられている。スタッフ端末30の入力部35を介してスクロールバーが操作された場合、表示内容(各アラート欄R2)が上下にスクロールされた状態の画面が表示される。アラート履歴は、「全て」タブ、「未読」タブ、「既読」タブを有しており、タブの選択が切り替えられることにより、選択されたタブに応じたアラート履歴の一覧が表示される。例えば「全て」タブが選択された場合、これまでに通知された全てのアラートに関するアラート欄R2がアラート履歴に表示される。「未読」タブが選択された場合、これまでに通知されたアラートのうちで、未読状態であるアラートに関するアラート欄R2がアラート履歴に表示され、「既読」タブが選択された場合、これまでに通知されたアラートのうちで、既読状態であるアラートに関するアラート欄R2がアラート履歴に表示される。なお、これまでに通知されたアラートに関する情報は、介護スタッフによる確認済みであるか否かを示す情報(未読又は既読)と、介護スタッフによる対応済み(介護ケアの実施済み)であるか否かを示す情報(対応済み又は未対応)とに対応付けて、例えばサーバ10の補助記憶部13に設けられたDBに蓄積される。よって、サーバ10の制御部11は、選択されたタブに応じた情報をDBから読み出すことにより、各タブに応じたアラート履歴を生成できる。また、アラート履歴においても、介護施設内のフロア毎又はエリア毎に切替可能に構成されていてもよい。
上述した構成の通知画面がスタッフ端末30に表示されることにより、介護スタッフは、各監視対象者の現在の状態を把握できると共に、監視対象者に対してアラート設定されたイベントの発生状況を把握できる。図4に示す通知画面において、例えば居室一覧中のいずれかの個人欄R1が選択された場合(例えばマウスの左クリックが行われた場合)、選択された個人欄R1の監視対象者の情報を一覧表示する個人画面がスタッフ端末30に表示される。図5は、個人画面例を示す説明図である。個人画面は、各監視対象者のセンサデータDB13bに記憶されている各情報に基づいてサーバ10の制御部11によって生成される。個人画面は、リアルタイムデータ欄R3、前日の睡眠欄R4、バイタル履歴欄R5等を有する。リアルタイムデータ欄R3は、監視対象者の現在の状態を示すリアルタイムの情報を表示する。リアルタイムデータ欄R3は、「直近12時間」タブ及び「直近30分」タブを有しており、タブの選択が切り替えられることにより、過去の直近12時間分の情報、又は、過去の直近30分の情報が表示される。リアルタイムデータ欄R3には、睡眠状態、呼吸数、心拍数、活動状態、トレイの使用履歴、ドアの開放履歴、室温等の時間的変化を示すグラフが表示される。各グラフの横軸は時刻を示しており、横軸の右端は現在時刻を示す。
睡眠状態は帯グラフで表示され、帯グラフ中のハッチングで示す部分は睡眠中の時間を、空白の部分は覚醒している時間を示す。なお、睡眠状態を示すグラフは、睡眠深度が深い時間と、睡眠深度が浅い時間とが異なるハッチングで示される構成でもよい。呼吸数及び心拍数は折れ線グラフで表示される。活動状態は帯グラフで表示され、帯グラフ中のハッチングで示す部分は、人感センサ25が居室内の監視対象者の動きを検出している時間を示す。トイレの使用履歴は帯グラフで表示され、帯グラフ中のハッチングで示す部分はトイレセンサ22が監視対象者のトイレの使用を検知している時間を示す。ドアの開放履歴は帯グラフで表示され、帯グラフ中のハッチングで示す部分は、ドアセンサ23がドアの開放又は監視対象者の通過を検出している時間を示す。室温は折れ線グラフで表示される。なお、室温と共に湿度を示す折れ線グラフが表示されてもよい。
前日の睡眠欄R4は、前日の睡眠に関して、睡眠時間、疲労回復度、快眠指数、快適環境指数等の情報を表示する。これらの各情報は、センサデータDB13bに記憶されている情報に基づいてサーバ10の制御部11によって算出される。睡眠時間は、睡眠センサ21が検知した睡眠データに基づいて算出された睡眠時間を示す文字と、当該睡眠時間に対応する評価を示すマーク(図5では5つの星)及び文字(図5では「よく眠れています」)とで表示される。疲労回復度も睡眠データに基づいて算出され、睡眠による疲労の回復度合を例えば100点満点で示す。快眠指数も睡眠データに基づいて算出され、快眠度合を例えば100点満点で示す。快適環境指数は、環境センサ24が検知した環境データに基づいて算出され、睡眠時の環境に対する快適度合を例えば100点満点で示す。
バイタル履歴欄R5は、睡眠センサ21が検知した監視対象者のバイタルデータを表示する。図5に示す例では、バイタル履歴欄R5には、体温、血圧、酸素飽和度について、現在の数値と、過去の直近1週間の時間的変化を示すグラフとが表示される。各グラフの横軸は日付(曜日)を示しており、横軸の右端は現在の日付(曜日)を示す。また、バイタル履歴欄R5には、各バイタルデータの現在の数値に対応する監視対象者の状態を示すメッセージが表示されている。例えば体温が37.5℃以上である場合に「発熱しています」のメッセージが表示される。また、血圧が、例えば正常高値血圧、高値血圧、I度高血圧、II度高血圧、III度高血圧等の分類に該当する場合に、各分類に該当することを示すメッセージが表示される。また、酸素飽和度が95%未満である場合に、酸素飽和度が異常値であることを示すメッセージが表示される。
個人画面は、図4に示す画面の表示に戻るための「居室一覧に戻る」ボタンを有しており、スタッフ端末30の入力部35を介して「居室一覧に戻る」ボタンが操作された場合、スタッフ端末30に表示される画面が、図4に示す通知画面に切り替わる。介護スタッフは、図4に示す通知画面と、図5に示す個人画面とを適宜切り替えてスタッフ端末30に表示させることにより、施設全体として監視対象者に対するアラートの有無を把握しつつ、監視対象者の状態を個別に確認することができる。
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて、スタッフ端末30に表示される通知画面の更新処理について各装置が行う処理を説明する。図6は、通知画面の更新処理手順の一例を示すフローチャートである。図6では左側にサーバ10が行う処理を、右側にスタッフ端末30が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、サーバ10の補助記憶部13に記憶してあるプログラム13Pに従って制御部11によって実行されると共に、スタッフ端末30の補助記憶部33に記憶してあるプログラム33Pに従って制御部31によって実行される。以下の処理において、センサI/F装置20は、各センサ21~25による検知信号及び呼出ボタン26からの操作信号を取得した場合、取得した信号をネットワークN経由でサーバ10へ送信する処理を行っている。なお、センサI/F装置20は、サーバ10からの信号要求に応じて、各センサ21~25及び呼出ボタン26からの信号をサーバ10へ送信する構成でもよい。
サーバ10の制御部11は、いずれかのセンサI/F装置20を経由して、当該センサI/F装置20に接続されているセンサ21~25又は呼出ボタン26からの信号(センサデータ)を受信したか否かを判断している(S11)。制御部11は、センサデータを受信していないと判断した場合(S11:NO)、受信するまで待機する。制御部11は、センサデータを受信したと判断した場合(S11:YES)、受信したセンサデータが、どの監視対象者の状態を検知したセンサデータであるかを特定する(S12)。例えば、サーバ10に、各監視対象者の識別情報(対象者ID)と、各センサI/F装置20の識別情報(装置ID)とを対応付けて登録したテーブルを記憶しておき、センサI/F装置20が、センサデータと、当該センサI/F装置20の識別情報とをサーバ10へ送信するように構成しておく。この場合、サーバ10の制御部11は、センサI/F装置20から受信したセンサI/F装置20の識別情報とテーブルとに基づいて、受信したセンサデータに対応する監視対象者を特定できる。また、センサI/F装置20が、対応する監視対象者の識別情報を記憶しておき、センサデータと、監視対象者の識別情報とをサーバ10へ送信するように構成しておいてもよい。この場合、サーバ10の制御部11は、センサI/F装置20から受信した監視対象者の識別情報に基づいて、受信したセンサデータに対する監視対象者を特定できる。
制御部11は、特定した監視対象者のセンサデータDB13bに、この時点の日時と、受信したセンサデータとを対応付けて記憶する(S13)。また制御部11は、受信したセンサデータに基づく監視対象者の現在の状態を示すリアルタイム情報を監視対象者DB13aに記憶する。制御部11は、センサデータDB13bに記憶したセンサデータに基づいて、通知画面の居室一覧の個人欄R1に表示する表示情報を生成する(S14)。例えば、制御部11は、ステップS12で特定した監視対象者の情報(例えば対象者ID)と、センサデータに基づく監視対象者の状態情報(ステータス情報)とを対応付けて表示情報を生成する。制御部11(ステータス出力部)は、生成した表示情報をスタッフ端末30へ送信する(S15)。スタッフ端末30の制御部31は、サーバ10から居室一覧の表示情報を受信した場合、受信した表示情報に基づいて、表示部36に表示中の通知画面の居室一覧を更新する(S16)。具体的には、制御部31は、受信した監視対象者の情報に対応する個人欄R1に、受信した監視対象者の状態情報が示す状態を表示する。例えば制御部31は、サーバ10から、101号室の監視対象者の状態情報として「離床」を受信した場合、101号室の監視対象者の個人欄R1に、「離床」に対応するアイコンI1及び「離床しました」の文字を表示して居室一覧を更新する。
次に制御部11は、ステップS13でセンサデータDB13bに記憶したセンサデータに基づいて、ここでの監視対象者に発生したイベントを特定する(S17)。例えば睡眠センサ21から監視対象者の離床を示す信号を受信した場合、制御部11は、監視対象者の離床というイベントの発生を特定する。また、睡眠センサ21から体動の状態を示す信号を受信した場合、制御部11は、受信した信号が示す体動の大きさが所定値以上であれば、ベッド上の監視対象者の体動が大きいというイベントの発生を特定する。また、トイレセンサ22からトイレの使用を示す信号を受信した場合、制御部11は、トイレの使用というイベントの発生を特定する。また、制御部11は、トイレの使用を示す信号を所定時間以上継続して受信した場合、長時間のトイレ滞在というイベントの発生を特定する。また、ドアセンサ23からドアの開放を示す信号を受信した場合、制御部11は、ドアの開放というイベントの発生を特定する。また、制御部11は、環境センサ24から温度(室温)を示す信号を受信した場合、受信した温度が所定範囲以上であれば、高温状態というイベントの発生を特定し、受信した温度が所定範囲未満であれば、低温状態というイベントの発生を特定する。また、制御部11は、環境センサ24から湿度を示す信号を受信した場合、受信した湿度が所定範囲以上であれば、湿度が高い(多湿)状態というイベントの発生を特定し、受信した湿度が所定範囲未満であれば、湿度が低い(乾燥)状態というイベントの発生を特定する。また、睡眠センサ21から心拍数ゼロ及び呼吸数ゼロを示す信号を受信した場合、制御部11は、生体反応を検知できない(心拍及び呼吸の停止)というイベントの発生を特定する。また、呼出ボタン26からの操作信号を受信した場合、制御部11は、呼出ボタン26の操作というイベントの発生を特定する。また、制御部11は、いずれかのセンサI/F装置20からの信号、又はいずれかのセンサ21~26からの信号を所定時間以上受信しなかった場合、いずれかのセンサI/F装置20、又はいずれかのセンサ21~25の動作不良というイベントの発生を特定する。
また、介護施設の適宜箇所に顔認証又はIDタグ等を使用した個人認証端末が設けられている場合、制御部11は、個人認証端末から受信した信号に基づいて、登録者の検知、及び未登録者の検知というイベントの発生を特定する。また、1つの個人認証端末によって同じ監視対象者を所定時間内に所定回数以上検知した場合、制御部11は、当該監視対象者の徘徊というイベントの発生を特定する。制御部11によって発生が検知されるイベントは、上述したイベントに限定されず、監視対象者又は監視対象者の周囲に発生するイベントであればよく、各センサ21~26による検知信号に基づいて特定できる各種の状態を含めることができる。なお、体動、トイレの滞在時間、温度、湿度が正常範囲であるか否かを判定するための基準値は、サーバ10の補助記憶部13に予め記憶されており、監視対象者毎に設定された基準値が予め記憶されていてもよい。
制御部11は、ここでの監視対象者のイベントDB13cに、イベント発生の特定に使用したセンサデータの検知日時と、判定したイベントの情報とを対応付けて記憶する(S18)。例えば制御部11は、監視対象者の睡眠中の中途覚醒による離床というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「離床」を記憶し、イベント内容として「中途覚醒」を記憶する。また制御部11は、体動が大きいというイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「体動」を記憶し、イベント内容として「大きい」又は「増加」を記憶する。また制御部11は、トイレの使用というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「トイレ」を記憶し、更に長時間のトイレ滞在というイベントの発生を特定した場合、イベント内容としてトイレの滞在時間を記憶する。また制御部11は、ドアの開放というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「ドア」を記憶し、イベント内容として「開放」を記憶する。また制御部11は、高温状態又は低温状態というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「室温」を記憶し、イベント内容として、計測した室温を記憶する。また制御部11は、多湿状態又は乾燥状態というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「湿度」を記憶し、イベント内容として、計測した湿度を記憶する。また制御部11は、心拍及び呼吸の停止というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「心拍」を記憶し、イベント内容として、計測した心拍数及び呼吸数(計測数ゼロ)を記憶する。また制御部11は、呼出ボタン26の操作というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「呼出ボタン」を記憶し、イベント内容として「操作」を記憶する。また制御部11は、センサI/F装置20又はセンサ21~25の動作不良というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「機器不良」を記憶し、イベント内容として、動作不要の発生が検知された機器の機器情報を記憶する。
また制御部11は、登録者の検知、及び未登録者の検知というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「人検知」を記憶し、イベント内容として検知した監視対象者又は未登録者を示す情報を記憶する。また制御部11は、監視対象者の徘徊というイベントの発生を特定した場合、イベント項目として「徘徊」を記憶し、イベント内容として検知した監視対象者の情報を記憶する。なお、個人認証端末が監視対象者の共用エリアに設けられている場合、サーバ10に介護施設用のイベントDBを用意し、登録者の検知、未登録者の検知、及び監視対象者の徘徊を示すイベント情報と、個人認証端末の識別情報又は設置場所情報とが介護施設用のイベントDBに記憶されるように構成してもよい。
制御部11は、ステップS17で特定したイベントが、当該監視対象者に対してアラート設定されているイベントであるか否かを判断する(S19)。ここでは、制御部11は、ステップS12で特定した監視対象者に対してアラート設定されているイベントに、ステップS17で特定したイベントが含まれるか否かを判断する。アラート設定されているイベントではないと判断した場合(S19:NO)、制御部11は、処理を終了する。なお、制御部11は、センサI/F装置20からセンサデータを受信する都度、ステップS12以降の処理を実行する。
アラート設定されているイベントであると判断した場合(S19:YES)、制御部11は、イベントDB13cに記憶した情報に基づいて、通知画面のアラート履歴のアラート欄R2に表示するアラート情報を生成する(S20)。例えば、制御部11は、現在日時と、ステップS12で特定した監視対象者の情報(部屋番号及び氏名)と、イベントの内容を示すイベント情報とを対応付けてアラート情報を生成する。制御部11(イベント出力部)は、生成したアラート情報をスタッフ端末30へ送信する(S21)。なお、制御部11は、アラート情報を、イベントの情報に対応付けてイベントDB13cに記憶しておいてもよい。スタッフ端末30の制御部31は、サーバ10からアラート履歴に表示すべきアラート情報を受信した場合、受信したアラート情報に基づいて、表示部36に表示中の通知画面のアラート履歴を更新する(S22)。具体的には、制御部31は、新たなアラート欄R2を生成し、生成したアラート欄R2に、現在日時と、アラート(アラート設定されているイベント)が発生した監視対象者の部屋番号、氏名及び状態とを表示する。図4に示す例では、101号室の監視対象者に「離床」のイベントが発生したことを示すアラート欄R2が表示されてアラート履歴が更新される。なお、新たに生成されたアラート欄R2には未読マークが表示される。
上述した処理により、サーバ10は、センサI/F装置20から受信するセンサデータに基づいて、各監視対象者の状態を監視し、監視対象者の状態を、スタッフ端末30に表示される居室一覧を介して介護スタッフに通知できる。また、サーバ10は、監視対象者に対してアラート設定されているイベントが発生した場合に、当該イベントの発生を、スタッフ端末30に表示されるアラート履歴を介して介護スタッフに通知できる。よって、介護スタッフは、各監視対象者の状態を把握できると共に、いずれかの監視対象者にアラートが発生した場合に、早期に把握して介護ケアを開始することができる。
上述した処理において、スタッフ端末30は、スピーカ又はイヤホン等の音声出力部を有する構成であれば、サーバ10からアラート情報を受信した場合に、表示中のアラート履歴の更新に加えて、アラート情報を音声出力するように構成されていてもよい。例えばスタッフ端末30の制御部31は、101号室の監視対象者に「離床」のイベントが発生したことを示すアラート情報を受信した場合、「101号室、佐藤太郎様、離床しました」のメッセージを音声出力してもよい。このような構成によれば、介護スタッフは、スタッフ端末30の表示部36の表示内容を確認することなく、監視対象者にイベント(アラート)が発生したことを把握できる。
図7は、通知画面中のアラート履歴の更新処理手順の一例を示すフローチャート、図8は、アラート履歴の更新例を示す説明図である。本実施形態のサーバ10は、例えば図6中のステップS21でアラート情報をスタッフ端末30へ送信してから所定時間が経過した後に、又は所定時間が経過する都度、以下の処理を実行する。サーバ10の制御部11は、スタッフ端末30に表示中の通知画面におけるアラート履歴において、介護スタッフによる介護ケアが完了していないアラート(未読アラート)があるか否かを判断する(S31)。例えば制御部11は、アラート履歴に、未読マークが表示されているアラート欄R2があるか否かを判断する。なお、サーバ10は、通知画面のアラート履歴に表示されている各アラート情報を、介護スタッフによる介護ケアの進捗状況と共に主記憶部12に記憶しており、記憶内容に基づいて、介護スタッフによる介護ケアが完了していないアラートがあるか否かを判断できる。未読アラートがないと判断した場合(S31:NO)、制御部11は処理を終了する。
未読アラートがあると判断した場合(S31:YES)、制御部11は、未読アラートに対応する監視対象者の情報を取得する(S32)。例えば制御部11は、主記憶部12に記憶してあるアラート情報から、各アラート情報の進捗状況を参照して、介護スタッフによる介護ケアが完了していないアラート情報を読み出す。ここでのアラート情報は、アラートに係るイベントの発生日時、監視対象者、及びイベントの内容を含む。また制御部11は、アラートされたイベントに関して、アラート発生から現在までの監視対象者の状態をセンサデータDB13bから読み出す。制御部11は、読み出した情報に基づいて、当該監視対象者の状態が悪化しているか否かを判断する(S33)。例えば、制御部11(検知部)は、監視対象者の情報に基づいて、アラート発生からの経過時間に応じた監視対象者の状態の経時変化を検知する。そして、制御部11は、検知した変化に基づいて、監視対象者の状態が悪化しているか否かを判断する。例えば、アラート発生からの経過時間に応じて、監視対象者の体温が上昇している場合、監視対象者の血圧が正常高値血圧から高値血圧に変化した場合、室内の温度が上昇している場合、トイレの滞在時間が所定時間(例えば20分)を経過した場合のように、監視対象者の状態又は周囲の状態が好ましくない状態に変化している場合、制御部11は、監視対象者の状態が悪化していると判断する。
制御部11は、アラートが発生している監視対象者の状態が悪化していると判断した場合(S33:YES)、監視対象者の直近の状態に応じてアラート情報の表示態様を特定する(S34)。例えば、制御部11は、監視対象者の状態に応じた色又は点滅パターン等の表示態様を特定する。なお、各状態に応じた表示態様は、予め補助記憶部13に記憶されており、スタッフ端末30を介した操作入力によって変更可能であってもよい。図8Aはアラート欄R2の表示態様例を示しており、制御部11は、例えば図8Aに示すように、101号室の監視対象者のアラート欄R2を表示する色を特定する。なお、図8Aに示す例では、101号室の監視対象者のアラート欄R2が、他の監視対象者のアラート欄R2と比較して、白黒反転した表示態様で表示されている。制御部11は、アラートが発生している監視対象者の状態が悪化していないと判断した場合(S33:NO)、ステップS34の処理をスキップする。
次に制御部11は、アラート発生からの経過時間に応じて、アラート情報の表示態様を特定する(S35)。例えば、制御部11は、アラート発生からの経過時間が1分、3分、5分等に応じた色又は点滅パターン等の表示態様を特定する。ここでも、経過時間に応じた表示態様は、予め補助記憶部13に記憶されているものとする。なお、アラート発生からの経過時間に応じた表示態様は、表示色又は点滅パターン等を変更するほかに、例えば図8Aに示すように、アラート欄R2に対応付けて「5分経過!」の文字を追加する構成でもよい。制御部11は、未読アラートに対して、ステップS34で特定した表示態様、及び/又は、ステップS35で特定した表示態様でアラート欄R2に表示されるアラート情報を生成し(S36)、生成したアラート情報をスタッフ端末30へ送信する(S37)。スタッフ端末30の制御部31は、サーバ10から受信したアラート情報に基づいて、表示部36に表示中の通知画面のアラート履歴を更新する(S38)。これにより、例えば図4に示すアラート履歴から、図8Aに示すように101号室の監視対象者のアラート欄R2の表示態様が変更されたアラート履歴がスタッフ端末30に表示される。
上述した処理により、発生しているアラートに関するアラート情報を、アラート発生からの経過時間、監視対象者の状態が悪化しているか否か等に応じた表示態様でアラート欄R2に表示することができる。よって、表示態様に応じて、アラートの緊急度を把握でき、早急な介護ケアの実施が可能となる。
本実施形態では、監視対象者の状態を判定するために複数種類のセンサ21~25が設けられており、各センサ21~25からの検知信号に基づいて、監視対象者の状態(イベントの発生)を監視している。また、監視対象者毎に、発生したイベントのうちで、介護スタッフにアラートとして通知すべきイベントを設定することができる。よって、監視対象者の健康状態等に応じて介護スタッフに通知すべきイベントとして、異なるイベントを設定することができる。
本実施形態では、通知画面中のアラート履歴において、各アラート欄R2に未読マークが表示されているか否かによって、当該アラートに対して介護スタッフによる介護ケアが行われたか否かを提示している。このほかに、各アラート欄R2に、各アラートに対する進捗状況を示すマークを表示することにより、各アラートに対する介護スタッフによる介護ケアの進捗状況(対応状況)を提示するように構成されていてもよい。例えば、図8Bに示すように、アラートの内容が介護スタッフによって確認されていない場合に未読マークが表示され、介護スタッフによる確認が行われて介護ケアが開始された場合に、介護ケアの実施中であることを示す対応中マークが表示され、介護ケアが完了した場合に、介護ケアが完了したことを示す対応済マークが表示される構成でもよい。このような構成の場合、アラート履歴に表示された各アラートの進捗状況を容易に把握できる。また、マークの表示を切り替えるだけでなく、各アラートの進捗状況に応じて、アラート欄R2の表示態様(例えば表示色、点滅表示)を切り替える構成としてもよい。なお、各アラートに対する進捗状況は、例えばスタッフ端末30の入力部35を介して介護スタッフが入力する構成とすることができる。
(実施形態2)
複数の監視対象者に対して、介護スタッフによる介護ケアが完了していないアラートが発生している場合に、優先度に応じてアラート欄R2の表示態様及び各アラートの表示順序が変更される情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、図1に示す実施形態1の情報処理システムと同様の装置を用いて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ10及びスタッフ端末30は、図6に示す処理と同様の処理を実行する。これにより、本実施形態の情報処理システムにおいても、サーバ10は、センサI/F装置20から受信するセンサデータに基づいて監視対象者の状態を監視し、各監視対象者の状態を居室一覧にて介護スタッフに通知すると共に、いずれかの監視対象者にアラートが発生した場合に、アラートの発生をアラート履歴にて介護スタッフに通知する。
図9及び図10は、実施形態2のアラート履歴の更新処理手順の一例を示すフローチャート、図11は、アラート履歴の更新例を示す説明図である。図10に示す優先スコアの算出処理は、図9中のステップS42の処理である。図9に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS32とステップS33との間にステップS41~S44を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。
本実施形態のサーバ10の制御部11は、図7中のステップS31~S32と同様の処理を実行する。そして、制御部11は、未読アラートが、複数の監視対象者に対するアラートであるか否かを判断する(S41)。複数の監視対象者に対するアラートではないと判断した場合(S41:NO)、即ち、1人の監視対象者に対するアラートしかない場合、制御部11は、ステップS33の処理に移行する。この場合、制御部11は、図7に示す処理と同様の処理を実行する。
複数の監視対象者に対するアラートであると判断した場合(S41:YES)、制御部11は、各アラートに対して、通知画面中のアラート履歴における表示順序及び表示態様を決定するための優先スコアを算出する(S42)。図10に示す優先スコアの算出処理において、制御部11は、ステップS32で取得した監視対象者の情報から、1人の監視対象者に関する情報を抽出する(S51)。なお、制御部11は、アラート情報と共に、当該アラートが発生している監視対象者の情報を監視対象者DB13aから読み出している。そして、制御部11は、ここでの監視対象者がスター設定されている監視対象者であるか否かを判断し(S52)、スター設定されていると判断した場合(S52:YES)、スター設定に対応する所定スコアを、当該監視対象者の優先スコア(ここでの優先スコアは0)に加算する(S53)。
スター設定されていないと判断した場合(S52:NO)、制御部11は、ステップS53の処理をスキップし、アラートに係るイベントの内容に応じたスコアを特定する(S54)。例えば各イベント項目及びイベント内容に応じたスコアが予め設定されて補助記憶部13に記憶されており、制御部11は、アラートに係るイベントの内容に応じたスコアを補助記憶部13から取得する。そして制御部11は、特定したスコアを、ステップS53で算出した優先スコアに加算する(S55)。また制御部11は、ここでのアラートの発生からの経過時間を計測し、計測した経過時間に応じたスコアを特定し(S56)、特定したスコアを、ステップS55で算出した優先スコアに加算する(S57)。ここでも、例えばアラート発生からの経過時間に応じたスコアが予め設定されて補助記憶部13に記憶されており、制御部11は、アラート発生からの経過時間に応じたスコアを補助記憶部13から取得する。
また制御部11は、ステップS51で抽出した1人の監視対象者の情報に基づいて、当該監視対象者の状態が悪化しているか否かを判断する(S58)。ステップS58の処理は、ステップS33の処理と同様である。制御部11は、ここでの監視対象者の状態が悪化していると判断した場合(S58:YES)、所定のスコアを、ステップS57で算出した優先スコアに加算する(S59)。監視対象者の状態が悪化していないと判断した場合(S58:NO)、制御部11は、ステップS59の処理をスキップし、未読アラートが発生している監視対象者のうちで、上述した処理を実行していない監視対象者がいるか否かを判断する(S60)。未処理の監視対象者がいると判断した場合(S60:YES)、制御部11は、ステップS51の処理に戻り、未処理の1人の監視対象者に関する情報を抽出し(S51)、抽出した情報に基づいて、ステップS52~S59の処理を実行する。
未処理の監視対象者がいないと判断した場合(S60:NO)、制御部11は、図9に示す処理に戻る。そして、制御部11は、ステップS42で各監視対象者(各アラート)に対して算出した優先スコアに基づいて、各監視対象者のアラート情報の表示順序を特定する(S43)。例えば制御部11は、優先スコアが高い順に、1,2,3…の表示順序を各監視対象者に割り当てる。また制御部11は、各監視対象者に対して算出した優先スコアに応じて、各監視対象者のアラート情報の表示態様を特定する(S44)。例えば、制御部11は、各監視対象者の優先スコアに応じた色又は点滅パターン等の表示態様を特定する。各優先スコアに応じた表示態様は、予め補助記憶部13に記憶されている。例えば図11に示す例では、102号室の監視対象者の「体動あり」のアラート情報、105号室の監視対象者の「体動あり」のアラート情報、101号室の監視対象者の「離床」のアラート情報が、この順序で、それぞれの優先スコアに応じた表示態様で各アラート欄R2に表示されている。このような構成によれば、優先スコアが高いアラート情報を強調させて表示することが可能となり、介護スタッフは優先度の高いアラートを容易に判断できる。図11に示す例では、共に「体動あり」のアラートが発生している102号室及び105号室の監視対象者において、スター設定されている102号室の監視対象者のアラートが優先して上位に表示されている。また、105号室の監視対象者に発生している「体動あり」のアラートは、101号室の監視対象者に発生している「離床」のアラートよりも優先して表示されている。なお、優先スコアに応じた表示態様の代わりに、アラートされているイベントの内容に応じた表示態様、アラート発生からの経過時間に応じた表示態様で各アラート情報がアラート欄R2に表示されてもよい。
その後、制御部11は、アラート履歴において、ステップS43で特定した表示順序で、ステップS44で特定した表示態様でアラート欄R2に表示される各監視対象者のアラート情報を生成し(S36)、生成したアラート情報をスタッフ端末30へ送信する(S37)。これにより、例えば図4に示すアラート履歴から、図11に示すように101号室、102号室及び105号室の監視対象者のアラート欄R2の表示態様が変更されると共に、表示順序が入れ替えられたアラート履歴がスタッフ端末30に表示される。
上述した処理により、アラートが発生している監視対象者において、スター設定されているか否か、アラート内容、アラート発生からの経過時間、監視対象者の状態が悪化しているか否か等に応じて、より重要度の高いアラート情報を優先してアラート履歴に表示させることができる。よって、複数の監視対象者に対してアラートが発生している場合であっても、介護スタッフは、各アラート欄R2の表示順序及び表示態様によって、緊急度又は優先度が高い監視対象者を容易に把握でき、早急な介護ケアの実施が可能となる。なお、スター設定されているか否かに応じたスコア、アラート内容に応じたスコア、アラート発生からの経過時間に応じたスコア、監視対象者の状態が悪化しているか否かに応じたスコアは、各状況に対する優先度合、緊急度合に応じて適切に設定することにより、各監視対象者に対する適切な優先スコアを算出することが可能となる。
本実施形態において、サーバ10は、監視対象者の状態に基づいて算出した優先スコアに応じた表示順序及び表示態様で各アラートを表示する構成に限定されない。例えばサーバ10は、アラートが発生した時間帯、アラートが発生した時点で勤務中の介護スタッフの人数及び各介護スタッフの作業状況等を考慮して、各アラートの表示順序及び表示態様を変更するように構成されていてもよい。例えば、平日の昼間の時間帯(例えば9時から18時までの時間帯)と、夜間の時間帯(それ以外の時間帯)とに応じて、優先すべきイベントを異ならせてもよい。また、勤務中の介護スタッフの人数が所定数以上である時間帯と、所定数未満である時間帯とに応じて、優先すべきイベントを異ならせてもよい。このように、監視対象者の状況だけでなく、介護スタッフの状況に応じて、各アラートの優先スコア(優先スコアに応じた表示順序)を決定することにより、介護スタッフが各アラートに対する介護ケアを効率よく実施することが可能となる。よって、介護ケアの実施が可能な介護スタッフの人数が少ない場合であっても、各監視対象者に対する介護ケアを効率よく行うことができる。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、アラートの発生からの経過時間、監視対象者の状態の変化等の状況(経時変化)に応じた表示態様及び表示順序でアラート欄R2を表示することができる。よって、介護スタッフは、通知画面のアラート履歴によって、優先度の高い監視対象者を容易に特定することができ、アラート発生から、アラートに対する介護ケアを開始するまでの時間を短縮することが可能となる。本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
(実施形態3)
上述した実施形態1~2の情報処理システムの構成に加えて、スタッフ端末30を用いて介護スタッフ間で会話が行われる情報処理システムについて説明する。図12は、実施形態3の情報処理システムの構成例を示す説明図である。本実施形態の情報処理システムでは、スタッフ端末30として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコンに加えて、ヘッドセットにマイク、イヤホン及び通信部が設けられたインカムが用いられる。なお、スマートフォン又はタブレット端末に、マイクと、イヤホン又はヘッドホンとが設けられたヘッドセットを有線又は無線で接続して、スタッフ端末30として用いてもよい。その他の構成は、図1に示す実施形態1の情報処理システムと同様であるので説明を省略する。
図13は、インカムを用いたスタッフ端末30の構成例を示すブロック図である。図13に示すスタッフ端末30は、図2に示すスタッフ端末30において入力部35及び表示部36の代わりに、マイク37及びイヤホン38を有する。また、本実施形態のスタッフ端末30は、補助記憶部33に、ネットワークNを介して他のスタッフ端末30との間で音声メッセージの送受信を行うための会話アプリケーションプログラム33AP(以下では会話アプリ33APという)を記憶している。
マイク37は、周囲の音声を収集してデジタルの音声データを生成する音声入力部であり、取得した音声データを例えば主記憶部32へ送出して記憶させる。イヤホン38は、制御部31からの指示に従って音声を出力する音声出力部であり、制御部31からの指示に従ったメッセージ又は警告音を音声出力する。なお、スタッフ端末30は、イヤホン38の代わりにヘッドホン又はスピーカを備える構成でもよい。
本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ10及びスタッフ端末30は、図6に示す処理と同様の処理を実行する。これにより、本実施形態の情報処理システムにおいても、サーバ10は、センサI/F装置20から受信するセンサデータに基づいて監視対象者の状態を監視し、各監視対象者の状態を居室一覧にて介護スタッフに通知すると共に、いずれかの監視対象者にアラートが発生した場合に、アラートの発生をアラート履歴にて介護スタッフに通知する。本実施形態のサーバ10は、いずれかの監視対象者に対してアラート設定されているイベントが発生した場合に、スタッフ端末30に表示される通知画面のアラート履歴にアラート情報を表示すると共に、アラート情報の音声データを各スタッフ端末30に送信する。スタッフ端末30は、イヤホン38、ヘッドホン又はスピーカを有する構成であれば、サーバ10からアラート情報の音声データを受信した場合、受信した音声データをイヤホン38、ヘッドホン又はスピーカによって音声出力する。このような構成により、本実施形態では、アラートの発生をスタッフ端末30による音声出力によって介護スタッフに通知することができる。
また、本実施形態のサーバ10は、スタッフ端末30間で音声でやり取りされる会話を取得しており、監視対象者にアラートが発生した場合、取得した会話の音声データをテキストデータに変換し、生成したテキストデータと音声データとを、アラートされたイベントに対応付けてイベントDB13cに記憶する。
図14は、実施形態3のイベントDB13cのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。本実施形態のイベントDB13cは、図3に示す実施形態1のイベントDB13cの構成に加えて、会話テキスト列及び会話音声列を有する。会話音声列は、サーバ10からスタッフ端末30にアラートが通知されたイベントに対して介護スタッフが行った会話の音声データを記憶し、会話テキスト列は、会話の音声データをテキスト変換して得られたテキストデータを記憶する。会話の音声データ及びテキストデータは、スタッフ端末30が当該音声データを送信した日時、及び発話している介護スタッフの情報を含む。
図15は、会話データの蓄積処理手順の一例を示すフローチャートである。図15では左側にサーバ10が行う処理を、右側にスタッフ端末30が行う処理をそれぞれ示す。なお、図15に示す処理におけるスタッフ端末30は、イヤホン38、ヘッドホン又はスピーカを有するものとする。本実施形態のサーバ10の制御部11は、例えば図6に示す処理を実行し、ステップS21の処理後、以下の処理を実行する。即ち、制御部11は、ステップS17で特定したイベントが、ステップS12で特定した監視対象者に対してアラート設定されているイベントであると判断した場合(S19:YES)、アラート欄R2に表示するアラート情報を生成し(S20)、スタッフ端末30へ送信する(S21)。その後、制御部11は、介護スタッフに通知すべきアラート情報の音声データを生成する(S71)。ここでのアラート情報は、ステップS20で生成したアラート情報から生成された音声データであってもよく、例えばイベントの内容と、当該イベントが発生した監視対象者の情報とを含む。例えば監視対象者の離床というイベントの場合、制御部11は、監視対象者の部屋番号及び氏名と、当該監視対象者が離床したことを示すメッセージとを含むアラート情報(音声メッセージ)を生成する。具体的には、「503号室、山田一郎様、離床しました」のようなアラート情報を生成する。また、トイレの長時間滞在というイベントの場合、制御部11は、監視対象者の部屋番号及び氏名と、トイレの滞在時間を示すメッセージとを含むアラート情報を生成する。
制御部11は、生成したアラート情報の音声データをスタッフ端末30へ送信する(S72)。例えば制御部11は、ブロードキャスト通信にて、通信可能な全てのスタッフ端末30にアラート情報を送信する。スタッフ端末30の制御部31は、サーバ10が送信したアラート情報を受信し、受信したアラート情報をイヤホン38を介して音声出力する(S73)。なお、サーバ10の制御部11は、ステップS20で生成したアラート情報(テキストデータ)をスタッフ端末30へ送信し、スタッフ端末30の制御部31は、受信したテキストデータのアラート情報を音声データのアラート情報に変換し、得られた音声データのアラート情報をイヤホン38から音声出力してもよい。これにより、サーバ10は、監視対象者におけるイベントの発生を音声にて介護スタッフに通知できる。
介護スタッフは、スタッフ端末30を介してイベントの発生を通知された場合、スタッフ端末30を用いて他の介護スタッフとの間で会話を行い、発生したイベントに対する介護ケア(必要な処置)を実施する。スタッフ端末30の制御部31は、マイク37を介して、自端末30のユーザである介護スタッフが発した発話音声(会話音声)の音声データを取得したか否かを判断する(S74)。介護スタッフの発話音声を取得したと判断した場合(S74:YES)、制御部31は、取得した音声データをネットワークN経由で他のスタッフ端末30及びサーバ10へ送信する(S75)。
自端末30の介護スタッフの発話音声を取得していないと判断した場合(S74:NO)、制御部31は、ステップS76の処理に移行する。即ち、介護スタッフの発話音声を取得していないスタッフ端末30の制御部31は、介護スタッフの発話音声を取得した他のスタッフ端末30が送信した音声データを受信したか否かを判断する(S76)。制御部31は、他のスタッフ端末30が送信した音声データを受信したと判断した場合(S76:YES)、受信した音声データに基づいて、他の介護スタッフが発した会話音声をイヤホン38を介して出力する(S77)。
制御部31は、他のスタッフ端末30からの音声データを受信していないと判断した場合(S76:NO)、ステップS77の処理をスキップしてステップS74の処理に戻り、マイク37を介して介護スタッフによる発話音声を取得する都度、取得した音声データを他のスタッフ端末30及びサーバ10へ送信する処理を繰り返す。また制御部31は、他のスタッフ端末30が送信した音声データを受信する都度、受信した音声データに基づく会話音声をイヤホン38から出力する処理を繰り返す。これにより、介護スタッフは、スタッフ端末30を介して互いに会話することができる。例えば、介護スタッフAが「503の山田さん、離床しましたね。だれか近くにいますか」と発した場合、介護スタッフAのスタッフ端末30は、介護スタッフAが発した音声データを取得して他のスタッフ端末30へ送信する。他のスタッフ端末30は、受信した音声データを音声出力し、この音声を聞いた介護スタッフBが「Bです。近くにいますので、これから対応します」と発した場合、介護スタッフBのスタッフ端末30は、介護スタッフBが発した音声データを取得して他のスタッフ端末30へ送信する。他のスタッフ端末30は、受信した音声データを音声出力し、この音声を聞いた介護スタッフAが「Bさん、お願いします」と発した場合、介護スタッフAのスタッフ端末30は、介護スタッフAが発した音声データを取得して他のスタッフ端末30へ送信する。他のスタッフ端末30は、受信した音声データを音声出力し、この音声を聞いた各介護スタッフは、通知されたイベント(アラート)に対して介護スタッフBが介護ケアを行うことを把握できる。
なお、介護スタッフBは、アラートに対する介護ケアを実施中に他の介護スタッフの助け又はアドバイスが必要となった場合、助け又はアドバイスを求める会話音声を発する。この場合、介護スタッフBのスタッフ端末30は、介護スタッフBが発した音声データを取得して他のスタッフ端末30へ送信することにより、他の介護スタッフに助け又はアドバイスを求めることができる。また、介護スタッフBは、通知されたイベントに対する介護ケアを完了した場合、介護ケアの完了を報告する会話音声を発する。この場合、介護スタッフBのスタッフ端末30は、介護スタッフBが発した音声データを取得して他のスタッフ端末30へ送信することにより、他の介護スタッフに介護ケアの完了を報告することができる。このように各介護スタッフは、スタッフ端末30を介して会話を行いつつ介護ケアを行うことができる。
サーバ10の制御部11は、各スタッフ端末30が送信する音声データを受信する(S78)。なお、スタッフ端末30の制御部31は、音声データと、自端末30の識別情報又は自端末30を使用する介護スタッフの識別情報とを送信しており、サーバ10の制御部11は、音声データを受信した場合、送信元のスタッフ端末30又は当該スタッフ端末30を使用する介護スタッフを特定することができる。制御部11は、受信した音声データをテキストデータに変換し、介護スタッフの会話音声のテキストデータを生成する(S79)。
そして、制御部11は、ここでの監視対象者(イベントが発生している監視対象者)のイベントDB13cに、ステップS79で生成したテキストデータと、ステップS78で受信した音声データとを記憶する(S80)。具体的には、制御部11は、受信した音声データを発した介護スタッフの識別情報と、音声データの受信日時と、生成した会話音声のテキストデータとを対応付けて会話テキスト列に記憶し、介護スタッフの識別情報と、音声データの受信日時と、ステップS78で受信した音声データとを対応付けて会話音声列に記憶する。なお、制御部11は、会話テキスト及び会話音声を、図6中のステップS18でイベントDB13cに記憶したイベントに対応付けてイベントDB13cに記憶する。上述した処理により、制御部11は、介護スタッフ間で行われる会話の音声データを各スタッフ端末30から取得することができ、監視対象者に発生したイベントと、当該イベントに関して各介護スタッフが行う会話のテキストデータ及び音声データとを対応付けて記憶することができる。
制御部11は、ステップS72でスタッフ端末30にアラート情報を送信することによって介護スタッフに通知したイベントに対して、介護スタッフによる介護ケアが終了したか否かを判断する(S81)。例えばスタッフ端末30に、介護ケアの終了を入力するための入力部(入力ボタン)を設けておき、入力ボタンが操作された場合に、介護ケアの終了を判断してもよい。また、制御部11は、介護ケアを実施中の介護スタッフが発した音声データに所定のキーワードが含まれるか否かに応じて、介護ケアが終了したか否かを判断してもよい。例えば、「終わり」、「終了(完了)」等のキーワードを予め補助記憶部13に登録しておき、当該キーワードが含まれる場合、制御部11は、介護ケアが終了したと判断してもよい。なお、キーワードは、介護スタッフが発した音声データに含まれるか否かを判断するほかに、音声データから変換されたテキストデータに含まれるか否かを判断してもよい。
また、介護スタッフによる介護ケアの終了は、機械学習によって学習させた学習モデルを用いて判断してもよい。学習モデルは、人工知能ソフトウェアの一部として機能するプログラムモジュールとしての利用が想定される。例えば、CNN(Convolution Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)、Transformer、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT(Generative Pre-Training)等のアルゴリズムを用いて、介護スタッフによる会話データ(音声データ又はテキストデータ)が入力された場合に、当該会話データに、監視対象者に対する介護ケアに関する内容が含まれるか否かを示す情報を出力するように学習した学習モデルを用いることができる。この場合、制御部11は、介護スタッフの会話データを学習モデルに入力し、学習モデルからの出力情報に基づいて、介護スタッフの会話に介護ケアに関する内容が含まれるか否かを判断し、判断結果から、介護スタッフによる介護ケアが終了したか否かを判断できる。
図16は、学習モデルの構成例を示す説明図である。図16に示す学習モデルは、介護スタッフがスタッフ端末30を用いて行った会話のデータ(音声データ又はテキストデータ)を入力とし、入力されたデータに基づいて、当該会話が、介護スタッフによる介護ケアに関する内容であるか否かを判別する演算を行い、演算した結果を出力するように学習してある。図16に示す学習モデルは2つの出力ノードを有しており、出力ノード0は、入力された会話データに、介護スタッフによる介護ケアに関する内容が含まれると判別すべき確率を出力し、出力ノード1は、それ以外の内容、例えば雑談であると判別すべき確率を出力する。各出力ノードの出力値は例えば0~1.0の値であり、各出力ノードから出力された判別確率の合計が1.0となる。
図16に示す学習モデルは、訓練用の会話データ(音声データ又はテキストデータ)と、この会話データに介護ケアに関する内容が含まれるか、それ以外の内容(雑談)が含まれるかを示す情報(正解ラベル)とを含む訓練データを用いて、未学習の学習モデルを機械学習させることにより生成される。学習モデルは、訓練用の会話データが入力された場合に、正解ラベルが示す内容に対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、他の出力ノードからの出力値が0.0に近づくように学習する。学習処理において学習モデルは、入力された会話データに基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして学習モデルは、算出した各出力ノードの出力値と正解ラベルに応じた値(0又は1)とを比較し、各出力値がそれぞれの正解ラベルに応じた値に近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、学習モデルにおけるニューロン間の重み等である。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いることができる。これにより、会話データが入力された場合に、入力された会話データに介護ケアに関する内容が含まれるか、介護ケアに関する内容が含まれない雑談であるかを判別するように学習された学習モデルが得られる。
学習モデルの学習は他の学習装置で行われる。他の学習装置で学習が行われて生成された学習済みの学習モデルは、例えばネットワークN経由又は可搬型記憶媒体10a経由で学習装置からサーバ10にダウンロードされて補助記憶部13に記憶される。なお、学習モデルは図16の構成に限定されず、学習モデルが判別する判別対象は2つに限定されない。例えば学習モデルは、入力された会話データに、介護ケアに関する内容、雑談、介護ケアの終了を示す内容のいずれが含まれるかを判別するように構成されていてもよい。この場合、制御部11は、学習モデルからの出力情報に基づいて、介護スタッフによる介護ケアが終了したか否かを判断できる。また、学習モデルは、入力された会話データに、介護ケアに関する内容、雑談、介護ケアの開始を示す内容、介護ケアの実施中を示す内容、介護ケアの終了を示す内容のいずれが含まれるかを判別するように構成されていてもよい。この場合、アラートに対応して、介護スタッフによる介護ケアが開始したか、実施中であるか、終了したか等の進捗状況を判断できる。
図15に示す処理の説明に戻る。介護スタッフによる介護ケアが終了していないと判断した場合(S81:NO)、制御部11は、ステップS78の処理に戻り、スタッフ端末30から送信されてくる音声データに対して、ステップS78~S81の処理を実行する。これにより、スタッフ端末30から送信されてくる会話の音声データ、当該音声データから生成された会話のテキストデータをイベントDB13cに蓄積することができる。よって、介護スタッフがスタッフ端末30を用いて行う会話の音声データ及びテキストデータがイベントDB13cに蓄積される。
介護スタッフによる介護ケアが終了したと判断した場合(S81:YES)、制御部11は、介護ケアが終了した監視対象者のイベントDB13cの進捗情報欄に、介護ケアの終了を示す「済」を記憶し(S82)、一連の処理を終了する。上述した処理により、サーバ10は、監視対象者にアラート設定されているイベントの発生を検知した場合に、スタッフ端末30を介して各介護スタッフに音声にて通知することができる。介護スタッフは、スタッフ端末30を用いて他の介護スタッフとの間で会話を行いつつ介護ケアを行うことができ、サーバ10は、介護スタッフの間で行われた会話のテキストデータ及び音声データを、発生したイベントに対応付けて蓄積することができる。
上述した処理によってイベントDB13cに蓄積された介護スタッフ間の会話のテキストデータは、例えばスタッフ端末30又は他の端末を用いて閲覧することができる。図17は会話のテキストデータの表示例を示す説明図である。イベントDB13cに蓄積された会話のテキストデータを閲覧する場合、閲覧者は、任意の監視対象者と、任意の日時又は発生したイベントとを指定して、指定したイベントに対応する会話のテキストデータをサーバ10に要求する。サーバ10の制御部11は、要求内容に対応するイベントの情報及び会話のテキストデータ(会話テキスト)をイベントDB13cから読み出して要求元の端末へ送信する。
要求元の端末は、サーバ10からイベントの情報及び会話のテキストデータを受信した場合、図17Aに示すような画面を生成して表示部に表示する。図17Aに示す画面では、太線の表示枠に、サーバ10の制御部11が図6中のステップS20で生成したアラート情報と、アラートの発生日時とが表示されている。また、細線の表示枠に、発話した介護スタッフの情報と、発話日時と、サーバ10の制御部11が図15中のステップS79で生成した介護スタッフの会話のテキストデータとが、それぞれ対応付けられて時系列で表示されている。図17Aに示すような画面により、閲覧者は、発生したイベントの内容と、当該イベントに対する介護スタッフの会話内容及び監視対象者に実施した介護ケアの内容とを把握することができる。なお、図17Aに示すような画面は、例えば図5に示す個人画面に表示される。例えば、図5に示す個人画面を、当該監視対象者に発生したアラートに関する情報が表示される構成とし、表示されたアラートに対応付けて、当該アラート(イベント)に関する介護スタッフによる会話のテキストデータを表示する構成としてもよい。
本実施形態において、サーバ10の制御部11は、スタッフ端末30から受信した介護スタッフによる会話の音声データからテキストデータを生成した場合、生成したテキストデータから、予め登録されたキーワードを抽出し、抽出したキーワードを強調表示するための強調処理を行うように構成されていてもよい。例えば、制御部11は、図15中のステップS79の処理後、生成したテキストデータから所定のキーワードを特定し、各キーワードに対して強調処理を実行する。このような構成の場合、サーバ10のイベントDB13cに蓄積された会話のテキストデータを閲覧する際に、図17Bに示すように、所定のキーワードが強調して表示される。よって、閲覧者は、複数の介護スタッフ間の会話内容から重要なキーワードを見逃すことなく把握できる。図17Bに示す例では、監視対象者の部屋番号及び氏名、イベントの内容、及び介護ケアの内容が枠で囲まれて表示されている。
本実施形態の図15に示す処理において、サーバ10は、スタッフ端末30から介護スタッフの会話音声を取得した場合に、当該会話音声が、いずれの監視対象者に発生したいずれのイベントに対して発話されたものであるかを特定する処理を行うように構成されていてもよい。サーバ10の制御部11は、各センサI/F装置20からセンサデータを受信する都度、図6中のステップS12~S21及び図15中のステップS71~S72の処理を行う。従って、サーバ10は、異なるイベントに関するアラート情報を連続してスタッフ端末30へ送信することがある。即ち、1つのイベントに関するアラート情報がスタッフ端末30へ送信されてから、当該イベントに対する介護スタッフの介護ケアが終了する前に、別のイベントのアラート情報がスタッフ端末30へ送信される状況が発生する。この場合、複数のイベントに関して介護スタッフが会話することになるので、各介護スタッフの会話が、いずれのイベントに関するものであるかを判定する必要が生じる。そこで、サーバ10の制御部11は、例えば図15中のステップS79の処理後に、介護スタッフに通知中のイベント(介護スタッフによる介護ケアが終了していないイベント)の中で、ステップS78で受信した音声データ(介護スタッフの会話音声)に対応するイベントを特定する。
例えば制御部11は、アラート情報を送信してから所定時間内(例えば30秒以内)にスタッフ端末30から受信した会話音声、及び当該会話音声を受信してから所定時間内(例えば10秒以内)に受信した他の介護スタッフの会話音声は、送信したアラート情報のイベントに対応する会話であると判断してもよい。これにより、イベントの発生を通知してから所定時間内に行われた会話は、当該イベントに関する会話であると特定できる。また、制御部11は、受信した会話内容から、いずれの監視対象者に発生したいずれのイベントに関する会話であるかを判断してもよい。例えば、会話内容に監視対象者の情報又はイベントに関する情報が含まれる場合、制御部11は、会話内容に含まれる情報に基づいて、受信した会話音声に対応するイベントを特定できる。この場合、アラート情報の送信から所定時間以上が経過していた場合であっても、介護スタッフの会話音声が、いずれのイベントに関する会話であるかを特定できる。
その後、制御部11は、ステップS80で、イベントが発生している監視対象者のイベントDB13cにおいて、特定したイベントに対応する会話テキスト列に介護スタッフの会話音声のテキストデータを記憶し、特定したイベントに対応する会話音声列に介護スタッフの会話音声の音声データを記憶する。これにより、介護スタッフの会話音声及び会話テキストを、対応するイベントに対応付けて蓄積することができる。
上述した本実施形態では、サーバ10は、介護スタッフがスタッフ端末30を用いて行う会話の音声データを取得する都度、取得した音声データをテキストデータに変換する処理を行ってイベントDB13cに記憶する構成である。しかし、音声データをテキストデータに変換する処理は、音声データを取得したタイミングで行う必要はなく、例えば所定時間毎に行う構成でもよい。例えばサーバ10は、介護スタッフによる会話の音声データを取得した場合に、取得した音声データをイベントDB13cに記憶しておき、所定のタイミングで、各音声データをテキストデータに変換してイベントDB13cに記憶してもよい。
本実施形態において、サーバ10は、監視対象者に発生したイベント(アラート)に対して蓄積した介護スタッフの会話内容(会話テキスト)に基づいて、当該イベントに関する報告書を作成する構成を有してもよい。報告書は、介護記録として蓄積するための介護記録情報、医師等の医療従事者に報告するための医師報告情報、監視対象者の家族等に報告するための家族報告情報等の各種の報告書を含む。例えばそれぞれの報告書のフォーマットを予めサーバ10の補助記憶部13に記憶しておき、制御部11は、作成すべき報告書のフォーマットの各欄に、報告対象のイベント(アラート)に関する情報及び介護スタッフが行った介護ケアに関する情報を入力することにより所望の報告書を作成できる。
本実施形態において、サーバ10は、監視対象者に発生したイベント(アラート)に対して蓄積した介護スタッフの会話内容(会話テキスト)に基づいて、アラートに対する介護ケアの進捗状況を特定する構成を有してもよい。例えば学習モデルを用いて、入力された会話データに、介護ケアに関する内容、雑談、介護ケアの開始を示す内容、介護ケアの実施中を示す内容、介護ケアの終了を示す内容のいずれが含まれるかを判別する構成の場合、アラートに対応して、介護スタッフによる介護ケアが開始したか、実施中であるか、終了したか等の進捗状況を判断できる。この場合、図8Bに示すように、アラート欄R2に、各アラートに対する介護ケアの進捗状況を示すマークを表示してもよい。
本実施形態において、サーバ10は、介護スタッフがスタッフ端末30を用いて行った会話のデータを蓄積する構成に加えて、ナースコールシステムを用いて監視対象者と介護スタッフとが行った会話のデータを蓄積する構成を有してもよい。例えば、図12に示す本実施形態の情報処理システムに、ナースコールシステムを設け、ナースコールシステムにおける親機及び子機を用いて行われる介護スタッフ及び監視対象者の会話のテキストデータ及び音声データを蓄積するように構成されていてもよい。このような構成とした場合、蓄積したデータに基づいて、監視対象者がナースコールの呼出を行った際の介護スタッフの対応及び応答内容等を後日確認することが可能となる。
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、サーバ10がスタッフ端末30を介して介護スタッフに通知したアラートに対応して介護スタッフ間で行われた会話の内容(テキストデータ及び音声データ)を蓄積することができる。よって、アラート(監視対象者に発生したイベント)に対して介護スタッフが行った介護ケアを確認する際に、介護スタッフ間で行われた会話の内容を閲覧することが可能となる。本実施形態の構成は、上述した実施形態1~2の情報処理システムに適用可能であり、実施形態1~2の情報処理システムに適用した場合であっても同様の効果が得られる。また、本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。
(実施形態4)
スター設定されている監視対象者の特徴に応じて、スター設定されていない監視対象者に対してスター設定すべきか否かがレコメンドされる情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、図1に示す実施形態1の情報処理システムと同様の装置を用いて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
上述した実施形態1~3の情報処理システムでは、例えば監視対象者の入居時、又は監視対象者の病状等が変化した際等に、介護スタッフによって当該監視対象者を注目対象者に設定するためのスター設定機能が設けられている。スター設定は、監視対象者の病名及び病状、あるいは、行動傾向等によって設定されるので、スター設定される監視対象者の特徴は類似している場合が多い。よって、ある介護施設において、既にスター設定されている監視対象者の特徴を抽出しておくことにより、以降に入居する監視対象者に対して、又は、病状等が変化した監視対象者に対して、スター設定すべきか否かをレコメンドすることができる。
図18は、スター設定すべき監視対象者の特徴リストの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のサーバ10の制御部11は、スター設定されている監視対象者の情報を監視対象者DB13aから読み出す(S91)。本実施形態では、各監視対象者の年齢及び性別を含む属性情報、既往歴、治療歴、薬の服用歴、現在の診断名及び症状、血液検査及び尿検査等の各種検査結果等を含む診療記録が、監視対象者DB13aに記憶されているものとする。制御部11は、スター設定されている監視対象者のこれらの情報を監視対象者DB13aから読み出す。なお、制御部11は、これらの情報を、診療記録を含む電子カルテを記憶している他のサーバから取得してもよい。
制御部11は、読み出した監視対象者の情報から、監視対象者の属性及び症状等を示す特徴情報を抽出する(S92)。例えば、制御部11は、監視対象者の年齢等の属性情報、診断名及び症状、服用している薬等の情報を、監視対象者の特徴情報として抽出する。そして制御部11は、それぞれの監視対象者について抽出した特徴情報に基づいて、スター設定すべき監視対象者の特徴リストを生成する(S93)。例えば制御部11は、抽出した特徴情報に基づいて、同一又は類似の特徴情報の人数を計数し、人数が多い順に特徴情報を並べたリストを生成する。本実施形態のサーバ10は、適宜のタイミングで上述した処理を実行することにより、スター設定すべき監視対象者の特徴情報のリストを生成しておく。そして、サーバ10は、スター設定されていない監視対象者に対して、生成したリストに基づいてスター設定すべきか否かを判定し、スター設定すべきである監視対象者について、スター設定することをレコメンドする。
図19は、スター設定のレコメンド処理手順の一例を示すフローチャート、図20は居室一覧の画面例を示す説明図である。本実施形態のサーバ10の制御部11は、監視対象者DB13aに新たな監視対象者の情報が登録されたか否かを判断する(S101)。例えば介護施設に新たな監視対象者が入居した場合、当該監視対象者の情報が監視対象者DB13aに登録される。新たな監視対象者の情報が登録されていないと判断した場合(S101:NO)、制御部11は、監視対象者DB13aに登録済みの監視対象者の診療記録に基づいて、状態(病状及び症状等)に変化が生じた監視対象者がいるか否かを判断する(S102)。状態に変化が生じた監視対象者がいないと判断した場合(S102:NO)、制御部11は処理を終了する。
制御部11は、新たな監視対象者の情報が登録されたと判断した場合(S101:YES)、又は、状態に変化が生じた監視対象者がいると判断した場合(S102:YES)、当該監視対象者の情報を監視対象者DB13aから読み出す(S103)。そして、制御部11は、読み出した監視対象者の情報と、図18の処理で生成した特徴リストとに基づいて、当該監視対象者が、スター設定すべき監視対象者であるか否かを判断する(S104)。例えば制御部11は、読み出した監視対象者の情報から、当該監視対象者の年齢等の属性情報、診断名及び症状、服用している薬等の特徴情報を抽出し、抽出した特徴情報、又は抽出した特徴情報に類似する特徴情報が、特徴リストに含まれるか否かを判断する。
スター設定すべきであると判断した場合(S104:YES)、即ち、当該監視対象者の特徴情報が特徴リストに含まれる場合、制御部11は、当該監視対象者に対してスター設定を行うべきであるとするレコメンド情報を、例えばスタッフ端末30に出力する(S105)。例えば制御部11は、図20に示すように通知画面の居室一覧において、スター設定をレコメンドすべき監視対象者の個人欄R1に、スター設定の推奨を示すマークを表示する指示をスタッフ端末30に出力する。これにより、スタッフ端末30に表示中の居室一覧において、スター設定すべき監視対象者(スター候補)を提示できる。図20に示す例では、103号室の監視対象者の個人欄R1に「スター候補」のマークが表示されている。
一方、スター設定すべきでないと判断した場合(S104:NO)、即ち、当該監視対象者の特徴情報が特徴リストに含まれない場合、制御部11は一連の処理を終了する。上述した処理により、スター設定されていない監視対象者から、スター設定されている監視対象者の特徴情報に類似する監視対象者を検索し、検索できた場合に、検索できた監視対象者に対して、スター設定のレコメンドを提示することができる。よって、介護スタッフは、スター設定すべき監視対象者を容易に把握することができ、早期にスター設定することにより、当該監視対象者を優先して監視することが可能となる。
上述した処理によって生成された、スター設定すべき監視対象者の特徴リストは、他の介護施設で使用されてもよい。例えば、ある介護施設においてスター設定されている監視対象者は、他の介護施設においてもスター設定される可能性が高い。よって、既に本システムを導入済みの介護施設においてスター設定されている監視対象者の特徴を抽出しておくことにより、以降に本システムを導入する介護施設において、各監視対象者に対してスター設定すべきか否かをレコメンドすることができる。
上述した実施形態1~4の情報処理システムでは、各監視対象者に対してアラートが発生した場合に、アラートの内容がイベントDB13cに記憶される。よって、介護施設において、各アラート(アラートされたイベント)の発生頻度を計測することができ、各アラートの発生分布、各アラートの発生頻度の経時変化等を分析することが可能となる。また、例えば各アラートについて、発生頻度が高い時間帯、曜日等を分析することが可能となる。このような構成によれば、各介護施設において、アラートの発生傾向の分析が可能となり、例えば、アラートの発生頻度が高い時間帯又は曜日等を考慮して、介護スタッフの配置を行うことにより、適切な人員配置が可能となる。
また、上述した実施形態1~4の情報処理システムでは、各監視対象者に対してアラートが発生した場合に、アラートの内容がイベントDB13cに記憶され、アラートに対する介護ケアが終了した場合に、介護ケアの終了を示す情報がイベントDB13cに記憶される。介護ケアの終了を示す情報は、介護ケアの終了日時と共にイベントDB13cに記憶されるので、各アラートに対して、アラート発生から介護ケアの終了までに要した時間を計測することができる。また、各アラートについて、アラート発生から介護ケアの終了までに要した時間の時系列での変化を分析することにより、介護スタッフによる介護ケアの効率化が実現されているか否かを把握できる。また、各アラートに対応付けて、各アラートに対して介護ケアを行った介護スタッフの情報を蓄積する場合、各アラートに対して各介護スタッフが介護ケアに要した時間の把握が可能となる。よって、各介護スタッフが介護ケアに要した時間に応じて、各介護スタッフに対する人事評価を行うことが可能となる。また、介護ケアに要した時間が短く、効率良い介護ケアを実現している介護スタッフを特定することができ、この介護スタッフの行動傾向を他の介護スタッフに共有することにより、この介護スタッフを手本とした人材育成を行うことができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。