JP7685378B2 - 連結車両の後退制御装置および連結車両の後退制御プログラム - Google Patents

連結車両の後退制御装置および連結車両の後退制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、連結車両の後退制御装置および連結車両の後退制御プログラムに関する。
従来、トラクタとしての車両にトレーラが連結された連結車両が存在する。連結車両の操縦は、普通乗用車などの単体車両の操縦と比べて難しい。特に、連結車両の後退操作では、トレーラが連結されていない単体車両を後退させる場合のステアリング操作とは反対のステアリング操作が必要となる。
そこで、従来、連結車両の後退操作を支援するシステムが提案されている。たとえば特許文献1のシステムは、運転者がアクセルペダルおよびブレーキペダルを使用して車両の後退速度を制御するとき、トレーラが運転者によって指定される基準経路に沿って移動するように車両を自動的に操舵する。システムの曲率コントローラは、トラクタの操舵角に基づきトレーラを基準経路に沿って後退させるための制御を実行する。曲率コントローラは、曲率レギュレータおよびヒッチ角レギュレータを有している。
曲率レギュレータは、計測モジュールから提供される現在の操舵角および入力デバイスを通じて入力されるトレーラ経路の目標曲率に基づき目標ヒッチ角を演算する。ヒッチ角レギュレータは、曲率レギュレータにより演算される目標ヒッチ角に現在のヒッチ角を追従させるべく、ヒッチ角のフィードバック制御の実行を通じて電動パワーステアリングシステムに対する操舵角コマンドを演算する。電動パワーステアリングシステムは操舵角コマンドに基づきステアリングホイールを回転させる。
米国特許第9592851号明細書
ところが、特許文献1のシステムにおいては、つぎのようなことが懸念される。すなわち、曲率レギュレータは、ヒッチ角レギュレータの操作量である操舵角を使用してヒッチ角レギュレータの目標値である目標ヒッチ角を演算する。ヒッチ角レギュレータの目標値がヒッチ角レギュレータ自らの操作で変わるため、目標ヒッチ角に対するヒッチ角の収束性が低下するおそれがある。したがって、入力デバイスを通じて入力される運転者の意図した曲率で連結車両を後退させること、ひいては連結車両を所望の位置へ到達させることが難しい。
上記課題を解決する連結車両の後退制御装置は、車両の進行方向を変える車輪である操舵輪の操舵角を目標操舵角に追従させるフィードバック制御を実行する操舵制御装置が搭載されるトラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラとを有する連結車両の後退制御装置である。連結車両の後退制御装置は、前記連結車両の後退操作が行われるとき、前記トレーラを単体車両とみなした場合の前記トレーラの仮想的な操舵輪の操舵角である仮想操舵角が、操作者による特定の操作を通じて設定される前記仮想操舵角の目標値である目標仮想操舵角に追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する制御部を有している。
この構成によれば、非線形かつ不安定系のトレーラの後退運動をトラクタのみの単体車両、すなわち前輪操舵の普通乗用車とみなして制御することができる。このため、連結車両の後退操作をより適切に支援することができる。操作者は、連結車両の後退操作を普通乗用車と同じような感覚で行うことができる。
上記の連結車両の後退制御装置において、前記特定の操作は操作部材の操作であって、前記操作部材の操作量あるいは操作位置に基づき前記トレーラの目標仮想操舵角を設定する設定部を有していてもよい。この場合、前記制御部は、前記設定部により設定される前記トレーラの目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算するようにしてもよい。
この構成によれば、操作者は操作部材の操作を通じてトレーラの目標仮想操舵角を設定することができる。
上記の連結車両の後退制御装置において、前記制御部は、第1の制御部と第2の制御部とを有していてもよい。第1の制御部は、前記トレーラの仮想操舵角を前記トレーラの目標仮想操舵角に追従させるフィードバック制御の実行を通じて前記トラクタの旋回状態が反映される状態量の目標値である目標状態量を演算する。第2の制御部は、前記トラクタの旋回状態が反映される状態量を前記第1の制御部により演算される前記トラクタの目標状態量に追従させるフィードバック制御の実行を通じて前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する。
連結車両の後退制御では、連結車両の運動、すなわちトラクタおよびトレーラの運動を運動学の範囲で取り扱うことがある。運動学では、タイヤのスリップなどが無視される。しかし、実際の連結車両の後退操作時、トラクタは、たとえば前輪および後輪のタイヤのスリップまたはサスペンションジオメトリに起因して、操作者の意図しない旋回半径で移動することが考えられる。この点、上記の構成によれば、トラクタの運動をタイヤのスリップなどが無視される運動モデルによりいっそう近づけることができる。このため、トレーラの目標仮想操舵角に対する仮想操舵角の追従性をより向上させることができる。
上記の連結車両の後退制御装置において、目標軌道生成部と軌道追従制御部とを有していてもよい。目標軌道生成部は、操作者による特定の操作を通じて指定される前記トレーラの目標位置およびセンサを通じて検出される前記トレーラの位置に基づき、トレーラの現在の位置から前記目標位置までの理想的なルートである前記トレーラの目標軌道を生成する。軌道追従制御部は、前記センサを通じて検出される前記トレーラの位置に基づき、前記トレーラが前記目標軌道生成部により生成される前記トレーラの目標軌道に沿って走行するための前記トレーラの目標仮想操舵角を演算する。この場合、前記制御部は、前記トレーラの仮想操舵角が前記軌道追従制御部により演算される前記トレーラの目標仮想操舵角に追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算するようにしてもよい。
この構成によれば、操作者により指定されるトレーラの目標位置に向けてトラクタの操舵輪の操舵角が自動制御される。これにより、トレーラは目標軌道に沿って走行することが可能となる。
上記の連結車両の後退制御装置において、前記トラクタは、自動駐車機能を実行する駐車制御部を有していてもよい。前記駐車制御部は、たとえば第1の演算機能と第2の演算機能とを有している。第1の演算機能は、前記トラクタに前記トレーラが連結されていないとき、操作者によって指定される駐車スペースおよび前記トラクタの位置に基づき生成される目標軌道に沿って前記トラクタが走行するための前記目標操舵角を演算する機能である。第2の演算機能は、前記トラクタに前記トレーラが連結されているとき、前記駐車スペースおよび単体車両とみなした前記トレーラの位置に基づき生成される目標軌道に沿って前記トレーラが走行するための前記目標操舵角を演算する機能である。この場合、前記制御部は、前記駐車制御部により演算される目標操舵角を前記トレーラの目標仮想操舵角として設定し、この設定される目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように前記トラクタの目標操舵角を演算するようにしてもよい。そして、前記トラクタに前記トレーラが連結されていないときには前記第1の演算機能を通じて演算される前記トラクタの目標操舵角が前記操舵制御装置に供給されるようにしてもよい。また、前記トラクタに前記トレーラが連結されているときには前記制御部により演算される前記トラクタの目標操舵角が前記操舵制御装置に供給されるようにしてもよい。
この構成によれば、トラクタにトレーラが連結されている場合、トレーラを単体車両とみなしてトラクタの目標操舵角が演算される。すなわち、トラクタにトレーラが連結されていない場合と同様の処理手順で、目標操舵角が演算される。このとき演算される目標操舵角は、トレーラの目標仮想操舵角と等しい。このため、トラクタにトレーラが連結されている場合、目標操舵角が目標仮想操舵角として設定されるとともに、その設定される目標仮想操舵角を実現するための目標操舵角が演算される。トラクタの操舵角が目標操舵角に追従するように、操舵角のフィードバック制御が実行されることにより、トレーラはその目標軌道に沿って走行することが可能となる。このように、既存の自動駐車ロジックを使用してトレーラを自動駐車することができる。
上記の連結車両の後退制御装置において、前記制御部は、非線形モデル予測制御を使用して前記トラクタの目標操舵角を演算するようにしてもよい。また、前記トレーラの目標仮想操舵角に対する前記仮想操舵角の追従性および前記トラクタの状態量のうち少なくとも1つに重みが持たせられていてもよい。
この構成によれば、トレーラの目標仮想操舵角に対する仮想操舵角の追従性およびトラクタの状態量のうち少なくとも1つに対する重みのチューニングを通じて、トレーラの目標仮想操舵角に対する仮想操舵角の偏差を抑制すること、およびトラクタの急激な挙動変化を抑えることのうち少なくとも一方の効果を得ることが可能である。
上記の連結車両の後退制御装置において、前記状態量に重みが持たせられる場合、前記状態量は、前記トラクタの操舵角、前記トラクタの操舵角速度、前記トラクタのヨーレート、および前記トラクタの移動軌跡の曲率のうち少なくとも1つであってもよい。
この構成によれば、トラクタの操舵角、トラクタの操舵角速度、トラクタのヨーレート、およびトラクタの移動軌跡の曲率のうち少なくとも1つに重みが持たせられることによって、トラクタの急激な挙動変化を抑制することができる。
上記課題を解決する連結車両の後退制御プログラムは、車両の進行方向を変える車輪である操舵輪の操舵角を目標操舵角に追従させるフィードバック制御を実行する操舵制御装置が搭載されるトラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラとを有する連結車両の後退を制御するための処理をコンピュータに実行させる連結車両の後退制御プログラムである。この連結車両の後退制御プログラムは、前記連結車両の後退操作が行われるとき、前記トレーラを単体車両とみなした場合の前記トレーラの仮想的な操舵角である仮想操舵角の目標値としての目標仮想操舵角を操作者による特定の操作に基づき設定する第1の段階と、前記第1の段階で設定される前記目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように前記トラクタの目標操舵角を演算する第2の段階と、前記第2の段階で演算される前記トラクタの目標操舵角を前記操舵制御装置へ供給する第3の段階と、を有している。
この後退制御プログラムによれば、非線形かつ不安定系のトレーラの後退運動をトラクタのみの単体車両、すなわち前輪操舵の普通乗用車とみなして制御することができる。このため、連結車両の後退操作をより適切に支援することができる。操作者は、連結車両の後退操作を普通乗用車と同じような感覚で行うことができる。
本発明の連結車両の後退制御装置および連結車両の後退制御プログラムによれば、連結車両の後退操作をより適切に支援することができる。
後退支援装置の第1の実施の形態が搭載される連結車両の斜視図。 後退支援装置の第1の実施の形態のブロック図。 第1の実施の形態における連結車両の運動モデル。 第1の実施の形態におけるトレーラの運動モデル。 第1の実施の形態の仮想操舵角を使用した連結車両のブロック線図。 第1の実施の形態の連結車両の制御系を示すブロック線図。 第1の実施の形態の後退制御装置により実行される後退支援制御の処理手順を示すフローチャート。 第1の実施の形態の連結車両の後退右旋回時の運動モデル。 第1の実施の形態のトラクタ単体の後退右旋回時の運動モデル。 第1の実施の形態のトレーラ単体の後退右旋回時の運動モデル。 第1の実施の形態の連結車両の諸元に対する誤差割合と定常偏差との関係を示すグラフ。 第2の実施の形態の連結車両の制御構成を示すブロック図。 第3の実施の形態の連結車両の制御構成を示すブロック図。 第4の実施の形態の連結車両の制御構成を示すブロック図。
<第1の実施の形態>
以下、連結車両の後退制御装置を具体化した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、連結車両10は、トラクタ11およびトレーラ12を有している。トラクタ11には様々な種類が存在するところ、ここでは小型貨物自動車の一種であるピックアップトラックを例として挙げる。トラクタ11は、前輪11Fおよび後輪11Rを有している。前輪11Fは右前輪および左前輪の2輪を含み、後輪11Rは右後輪および左後輪の2輪を含む。ただし、図1では左前輪および左後輪のみが図示されている。前輪11Fとステアリングホイールとの間は、図示しない操舵機構を介して動力伝達可能に連結されている。前輪11Fは操舵輪である。操舵輪とは、ステアリングホイールの操作に応じて動くことによってトラクタ11の進行方向を変える車輪をいう。
トレーラ12には用途に応じて様々な形状およびサイズを有するものが存在するところ、ここでは箱型を例として挙げる。トレーラ12は、車輪12Rを有している。車輪12Rは、右車輪および左車輪の2輪を含む。ただし、図1では左車輪のみが図示されている。
トレーラ12は、ボールジョイント13を介してトラクタ11の後部に連結されている。ボールジョイント13は、ヒッチボール14およびヒッチカプラ15を有している。ヒッチボール14は、ヒッチメンバを介してトラクタ11の後部に設けられている。ヒッチカプラ15は、トレーラ12の前部から突出するタング16の先端に設けられている。ヒッチカプラ15がヒッチボール14に装着されることにより、トレーラ12はトラクタ11に対して軸17を中心として回転可能に連結される。軸17は、トラクタ11の高さ方向に沿って延びる。
図2に示すように、トラクタ11は、表示装置20、パワーステアリング装置30および後退支援装置40を有している。
表示装置20は、たとえば車室内のインストルメントパネルに設けられる。表示装置20は、たとえばタッチパネルであって、画面21上の表示をタッチ操作することによりデータを入力したり車載機器の動作を指示したりすることが可能である。画面21には、たとえば支援開始ボタン21Aおよび支援終了ボタン21Bが表示される。支援開始ボタン21Aは、連結車両10の後退支援機能をオンする際に操作される。支援終了ボタン21Bは、連結車両10の後退支援機能をオフする際に操作される。
パワーステアリング装置30は、操作者によるステアリングホイールの操舵を補助するためのシステムであって、モータ30A、トルクセンサ30B、操舵角センサ30Cおよび操舵制御装置30Dを有している。操作者は、トラクタ11の車室内で連結車両10を運転する運転者を含む。
モータ30Aは、アシスト力を発生する。アシスト力は、ステアリングホイールの操舵を補助するための力である。モータ30Aのトルクは、減速機構を介して前輪11Fの操舵機構に付与される。トルクセンサ30Bは、ステアリングホイールに付与されるトルクである操舵トルクτstrを検出する。操舵角センサ30Cは、たとえばモータ30Aの回転角に基づき、前輪11Fの切れ角である操舵角αを検出する。前輪11Fとモータ30Aとは操舵機構を介して互いに連動する。このため、モータ30Aの回転角と前輪11Fの操舵角αとの間には相関関係がある。したがって、モータ30Aの回転角に基づき前輪11Fの操舵角αを求めることができる。
操舵制御装置30Dは、連結車両10の後退支援機能がオフされているとき、アシスト制御を実行する。すなわち、操舵制御装置30Dは、トルクセンサ30Bを通じて検出される操舵トルクτstrに基づきモータ30Aに対する通電を制御することによって、操舵トルクτstrに応じたアシスト力をモータ30Aに発生させる。
操舵制御装置30Dは、連結車両10の後退支援機能がオンされているとき、前輪11Fの操舵制御を実行する。すなわち、操舵制御装置30Dは、連結車両10の後退支援機能がオンされているとき、後退支援装置40により生成される目標操舵角α に基づきモータ30Aの回転角を制御することによって前輪11Fの操舵角αを制御する。目標操舵角α は、前輪11Fの操舵角αの目標値である。操舵制御装置30Dは、操舵角センサ30Cを通じて検出される前輪11Fの操舵角αを目標操舵角α に一致させるべく、操舵角αのフィードバック制御の実行を通じてモータ30Aの動作を制御する。
後退支援装置40は、連結車両10の後退支援機能がオンされているとき、連結車両10の後退操作を支援する。後退支援装置40は、操作者によって指定される連結車両10の後退方向あるいは後退経路、ならびに操舵角センサ30Cを通じて検出される前輪11Fの操舵角αに基づき、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。目標操舵角α は、操作者によって指定される連結車両10の後退方向あるいは後退経路に沿って連結車両10が移動するために必要とされる前輪11Fの操舵角αの目標値である。後退支援装置40は、連結車両10の後退支援機能がオフされているとき、目標操舵角α を演算しない。
<後退支援装置>
つぎに、後退支援装置40について詳細に説明する。
図2に示すように、後退支援装置40は、入力装置41および後退制御装置42を有している。
入力装置41は、操作部材としてのダイヤル41Aを有している。ダイヤル41Aは、たとえば車室内のセンターコンソールに設けられる。ダイヤル41Aは、操作者が連結車両10の後退方向あるいは後退経路を指定する際に操作される。後退方向あるいは後退経路は、たとえば後退左旋回、後退右旋回および直線後退を含む。連結車両10を後退左旋回させるとき、ダイヤル41Aは直線経路に対応する基準位置を基準として反時計方向へ操作される。連結車両10を後退右旋回させるとき、ダイヤル41Aは基準位置を基準として時計方向へ操作される。連結車両10を直線後退させるとき、ダイヤル41Aは基準位置に維持される。入力装置41は、ダイヤル41Aの基準位置を基準とする操作量あるいは操作位置に応じた電気信号S1を生成する。
後退制御装置42は、つぎの3つの構成A1,A2,A3のうちいずれか一を含む処理回路を有している。
A1.ソフトウェアであるコンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ。プロセッサは、CPU(central processing unit)およびメモリを含む。
A2.各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つ以上の専用のハードウェア回路。ASICは、CPUおよびメモリを含む。
A3.構成A1,A2を組み合わせたハードウェア回路。
メモリは、コンピュータ(ここではCPU)で読み取り可能とされた媒体であって、コンピュータに対する処理あるいは命令を記述したプログラムを記憶している。メモリは、RAM(random access memory)およびROM(read only memory)を含む。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを定められた演算周期で実行することによって各種の制御を実行する。プログラムは、連結車両10の後退支援制御を実行するためのプログラムを含む。後退支援制御とは、連結車両10の後退操作を支援するための制御をいう。
後退制御装置42は、連結車両10の後退支援制御を実行する。後退制御装置42は、操作者による後退支援制御の開始操作を契機として後退支援制御の実行を開始する。後退制御装置42は、操作者による後退支援制御の終了操作を契機として後退支援制御の実行を停止する。操作者による後退支援制御の開始操作および終了操作は、表示装置20を通じて行われる。表示装置20の画面21に表示される支援開始ボタン21Aがタッチ操作されたとき、後退制御装置42は後退支援制御の実行を開始する。表示装置20の画面21に表示される支援終了ボタン21Bがタッチ操作されたとき、後退制御装置42は後退支援制御の実行を終了する。
後退制御装置42は、後退支援制御の実行時、操作者によって指定される連結車両10の後退方向あるいは後退経路に沿って連結車両10が移動するように、パワーステアリング装置30を通じて連結車両10の後退経路を制御する。
後退制御装置42は、設定部42Aおよび制御部42Bを有している。
設定部42Aは、入力装置41により生成される電気信号S1、すなわちダイヤル41Aの基準位置を基準とする操作量あるいは操作位置に基づき、トレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。目標仮想操舵角α は、トレーラ12の仮想操舵角αの目標値である。仮想操舵角αとは、トレーラ12をトラクタ11から仮想的に分離して、仮想的な前輪を有する単体車両とみなしたときの見掛けの操舵角をいう。設定部42Aは、たとえばダイヤル41Aの操作量あるいは操作位置とトレーラ12の目標仮想操舵角α との関係を規定するマップを使用して、ダイヤル41Aの操作量あるいは操作位置に応じた目標仮想操舵角α を演算する。操作者は、ダイヤル41Aの操作を通じてトレーラ12を後退させる所望の後退経路に応じた目標仮想操舵角α を指定することが可能である。
制御部42Bは、設定部42Aにより設定される目標仮想操舵角α 、車載のヒッチ角センサ51を通じて検出されるヒッチ角β、車載の車速センサ52を通じて検出される車速V、および操舵角センサ30Cを通じて検出される操舵角αを取り込む。ヒッチ角βは、トラクタ11の長さ方向に沿って延びる中心軸とトレーラ12の長さ方向に沿って延びる中心軸とのなす角度をいう。ヒッチ角βは、トレーラ12の折れ曲がり角ともいう。
制御部42Bは、設定部42Aにより設定される目標仮想操舵角α ならびに各センサを通じて検出されるヒッチ角β、車速Vおよび操舵角αに基づき、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に収束するように、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。すなわち、制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αを目標仮想操舵角α に一致させるべく、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
<連結車両の運動モデル>
つぎに、平面運動する連結車両10の挙動を表す運動モデルについて説明する。
図3に示すように、連結車両10の運動モデルは、地上に固定された二次元のxy座標系において、左右の車輪を車体の中心軸に移動した等価モデルで考えることができる。図3の運動モデルは、連結車両10の前進時の運動モデルである。ただし、図3の運動モデルでは、運動学の範囲で連結車両10の挙動を明らかにするため、極低速時の連結車両10のタイヤには横滑りが発生せず、その進行方向にのみ速度ベクトルを有するものとする。また、車両は一定の速度で運転されるものとする。また、路面は平坦であって連結車両10の外部からの外乱はないものとする。
図3の運動モデルにおいて、トラクタ11とトレーラ12との間の運動学的関係を説明するために使用される連結車両10のパラメータは、つぎの通りである。
:トラクタ11の前輪11F
:トラクタ11の後輪11R
:トラクタ11のヒッチ点(ヒッチボール14の位置を示す点)
:トレーラ12の車輪12R
c0:トラクタ11の前輪11Fの速度ベクトル
B1:トラクタ11の後輪11Rの速度ベクトル
c1:トラクタ11のヒッチ点Cの速度ベクトル
B2:トレーラ12の速度ベクトル
α:トラクタ11の前輪11Fの操舵角
α:トレーラ12の仮想操舵角
γ:中間変数(トラクタ11の中心軸とヒッチ点Cの速度ベクトルVc1とのなす角)
θ:トラクタ11の姿勢角(トラクタ11の中心軸とX軸とのなす角)
θ:トレーラ12の姿勢角(トレーラ12の中心軸とX軸とのなす角)
β :ヒッチ角(トラクタ11の中心軸とトレーラ12の中心軸とのなす角)
:トラクタ11のホイールベース
:トラクタ11の後輪11Rとヒッチ点Cとの間の距離
:トレーラ12の仮想ホイールベース
ただし、各パラメータの符号は、つぎの通りである。すなわち、トラクタ姿勢角θは、X軸を基準とする反時計回りを正とする。トラクタ11の前輪11Fの操舵角αおよび中間変数γは、トラクタ11の中心軸を基準とする反時計回りを正とする。ヒッチ角βは、トラクタ11の中心軸あるいはその延長線を基準とする反時計回りを正とする。車速Vは、前進のとき正、後退のとき負とする。
図3に示すように、トラクタ11は前輪11Fの速度ベクトルVc0に従い運動する。また、トレーラ12は、トラクタ11との連結点であるヒッチ点Cの速度ベクトルVc1に従って運動する。このことから、トレーラ12から見たヒッチ点Cの速度ベクトルVc1は、トレーラ12の仮想的な前輪の速度ベクトルとみなせる。図3の運動モデルにおいて、ヒッチ点Cの速度ベクトルVc1とトレーラ12の中心軸とのなす角は「β-γ」である。この場合、図4に示すように、トレーラ12をトラクタ11から仮想的に分離して仮想的な前輪を有する単体車両とみると、その仮想的な前輪は見掛けの操舵角である仮想操舵角α(=-(β-γ))で操舵されていると見なせる。このことから、トレーラ12を単体車両として検討できることが分かる。ちなみに、連結車両10の後退運動の運動モデルは、速度ベクトルが図3の前進時の運動モデルと逆向きになる。
トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両としてみるとき、トレーラ12のヨー運動は、トラクタ11のヨー運動と同様に検討することが可能である。
図5のブロック線図に示すように、連結車両10におけるトラクタ11のモデルは、モデルブロック11Aを有している。また、連結車両10におけるトレーラ12のモデルは、モデルブロック12A,12B,12C,12D,12Eを有している。
モデルブロック11Aは、トラクタ11の前輪11Fの操舵角αおよびトラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルVB1を使用して、トラクタ11の姿勢角速度θ(・)を演算する。具体的には、モデルブロック11Aは、トラクタ11の前輪11Fの操舵角αおよびトラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルVB1をトラクタ11のヨー運動を表す運動方程式に適用することにより、トラクタ11の姿勢角速度θ(・)を演算する。トラクタ11のヨー運動を表す運動方程式は、モデルブロック11A中に記載の通りである。ドット「・」は時間微分を示す。ちなみに、トラクタ11の姿勢角速度θ(・)は、トラクタ11のヨーレートである。また、トラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルVB1は、トラクタ11の速度ベクトルに相当する。
モデルブロック12Aは、トラクタ11の前輪11Fの操舵角αおよびトラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルVB1に基づき、ヒッチ角速度β(・)を演算する。モデルブロック12Bは、モデルブロック12Aにより演算されるヒッチ角速度β(・)を積分することによりヒッチ角βを演算する。モデルブロック12Cは、トラクタ11の前輪11Fの操舵角αおよびモデルブロック12Bにより演算されるヒッチ角βに基づきトレーラ12の仮想操舵角αを演算する。モデルブロック12Dは、モデルブロック12Bにより演算されるヒッチ角βおよびトラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルVB1に基づき、トレーラ12の速度ベクトルVB2を演算する。
モデルブロック12Eは、モデルブロック12Cにより演算されるトレーラ12の仮想操舵角αおよびモデルブロック12Dにより演算されるトレーラ12の速度ベクトルVB2を使用して、トレーラ12の姿勢角速度θ(・)を演算する。具体的には、モデルブロック12Eは、トレーラ12の仮想操舵角αおよびトレーラ12の速度ベクトルVB2をトレーラ12のヨー運動を表す運動方程式に適用することにより、トレーラ12の姿勢角速度θ(・)を演算する。トレーラ12のヨー運動を表す運動方程式は、モデルブロック12E中に記載の通りである。ドット「・」は時間微分を示す。ちなみに、トレーラ12の姿勢角速度θ(・)は、トレーラ12のヨーレートである。
図5のモデルブロック11A,12E中に記載されるように、トレーラ12のヨー運動を表す運動方程式は、トラクタ11のヨー運動を表す運動方程式と同様の運動方程式で記述することができる。すなわち、トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両としてみるとき、トレーラ12のヨー運動をトラクタ11単体のヨー運動と同様に検討することが可能であることが分かる。
<連結車両のフィードバック制御系>
つぎに、後退支援制御の実行時における連結車両10のフィードバック制御系について説明する。
図6のブロック線図に示すように、連結車両10のフィードバック制御系は、制御器である後退制御装置42、および制御対象であるプラントPを有する。後退制御装置42は、後退支援制御の実行時、入力装置41により生成される電気信号S1、および計測装置50の計測結果に応じてプラントPを制御する。電気信号S1は、ダイヤル41Aの基準位置を基準とする操作量あるいは操作位置を示すものであって、操作者によって指定される連結車両10の後退方向あるいは後退経路が反映される。計測装置50は、プラントPの出力を計測するものであって、操舵角センサ30C、ヒッチ角センサ51および車速センサ52を含む。プラントPは、後退制御装置42の制御対象であって、トラクタ11の操舵機構11S、およびトレーラ12を含む。
後退制御装置42は、入力装置41により生成される電気信号S1、ならびにプラントPの出力であるトラクタ11の前輪11Fの操舵角α1、ヒッチ各βおよび車速Vに応じて、プラントPに対する入力である目標操舵角α の値を決定する。目標操舵角α は、前輪11Fの操舵角αの目標値である。
後退制御装置42は、たとえば非線形モデル予測制御(NMPC:Nonlinear Model Predictive Control)を使用して、目標操舵角α を演算する。非線形モデル予測制御は、制御対象が非線形である系(=システム)に対するモデル予測制御である。モデル予測制御は、各時刻で未来の応答を予測しながら最適化を行う制御手法であって、オンラインで高速に最適化問題を計算しながらフィードバック制御を行うものである。
モデル予測制御では、制御器である後退制御装置42の内部に予測モデル(=制御対象モデル)を持たせることによって、制御対象であるプラントPの現時刻からある有限区間に渡る未来の振る舞いを予測する。この制御を行うためには、制御対象の動的な特性、すなわち制御対象の挙動を適切に捉えてモデルとして表現する必要がある。予測モデルの一例として、状態方程式が挙げられる。
状態量x(t)は、つぎの数式1で表される。
ただし、「β」はヒッチ角、「α」は前輪11Fの操舵角αである。また、「t」は時刻、「T」は有限時間である。
操作量u(t)は、つぎの数式2で表される。操作量u(t)は、制御対象であるプラントPに対する制御入力である。
ただし、「α1tgt」は、目標操舵角α である。「t」は、時刻である。
状態方程式は、つぎの数式3で表される。この数式3で表される状態方程式は、連結車両系の状態を定義するとともに、それぞれの状態の時間変化を表す一階の微分方程式を連立させたモデルである。
ただし、「x1」は、ヒッチ角βである。「x2」は、トラクタ11の前輪11Fの操舵角αである。「VB1」は、トラクタ11の後輪11Rの速度ベクトルである。「l1」は、トラクタ11のホイールベースである。「l2」は、トレーラ12の仮想ホイールベースである。「h1」は、トラクタ11の後輪11Rとヒッチ点Cとの間の距離である。「t」は、時刻である。「τstr」は、一次遅れ特性で近似した操舵応答特性の時定数である。
数式3の上段に示されるヒッチ角βに対する運動方程式は直達項、すなわちトラクタ11の前輪11Fの操舵角α(=x2(t))の項を含んでいる。この直達項に対する入力は即、出力に反映される。このため、数式3の状態方程式では、その下段の操舵角αに対する運動方程式に示されるように、直達項の影響を除去して制御可能な構成とするために操舵機構11Sの応答特性を考慮したモデルとしている。
出力方程式は、つぎの数式4で表される。
ただし、「y」は、制御器である後退制御装置42の内部的な制御量(=制御したい量)であって、ここではトレーラ12の仮想操舵角αである。「t」は、時刻である。
実際に制御を行うためには、予測した結果を利用して制御対象であるプラントPに与える制御入力である操作量u(t)、すなわち目標操舵角α を決定する必要がある。そこで、モデル予測制御では、定められたサンプリング周期で最適化問題を解くことにより制御入力を一意に決定する。すなわち、モデル予測制御では、各時刻tにおいて、各時刻tから有限時間Tだけ未来までの評価関数を最小化する最適化問題を考える。
評価関数J(u,t)は、つぎの数式5で表される。
ただし、「U(τ)」は、時刻tから時刻t+TまでのプラントPの制御量、すなわちプラントPからの実際の制御出力であるトラクタ11の前輪11Fの操舵角αである。また、「x(τ)」は、時刻tから時刻t+Tまでの制御入力である操作量u(τ)のもとで、時刻tに状態量x(t)から出発する状態量の予測値である。このため、最適化問題の初期条件は「x(τ)=x(x)」となる。また、L(x,u)は、制御目的を表すスカラー値関数であって、たとえば目標状態からの誤差あるいは制御入力の大きさなどからなる。「τ」は現在の時刻であって、関係式「t≦τ≦t+T」が成立する。
スカラー値関数L(x,u)は、つぎの数式6で表される。
ただし、「y(x(τ))」は、後退制御装置42の内部的な制御量であるトレーラ12の仮想操舵角αの今回の予測値である。「yref」は、後退制御装置42の内部的な目標値であるトレーラ12の目標仮想操舵角α である。「U(τ)」は、プラントPに対する操作量、すなわちプラントPに対する制御入力である目標操舵角α である。また、数式6の右辺第1項は、トレーラ12の仮想操舵角αの今回の予測値と目標仮想操舵角α との偏差である。数式6の右辺第2項は、プラントPに対する操作量である目標操舵角α の大きさである。「Q」は、トレーラ12の仮想操舵角αの今回の予測値と目標仮想操舵角α との偏差に対する重み行列である。「R」は、目標操舵角α の大きさに対する重み行列である。これら重み行列Q,Rの各要素は、チューニングパラメータであって、たとえばコンピュータシミュレーションを通じて設定される。
さて、最適化されるべき関数は、時刻tから時刻t+Tまでの制御入力としての操作量u(τ)である。後退制御装置42は、各時刻tから有限時間Tだけ未来までの評価関数J(u,t)を最小化する上記の最適化問題を所定の数値最適化アルゴリズムを使用して解くことにより最適な制御入力としての操作量u(τ)を求め、その初期値のみを時刻tにおける実際の制御入力である操作量u(t)として使用する。後退制御装置42は、定められたサンプリング周期Δtで最適化問題を解く。たとえば、後退制御装置42は、次回のサンプリング時刻t+Δtでは、サンプリング時刻t+Δtからサンプリング時刻t+Δt+Tまでの評価関数J(u,t)を最小化する最適な制御入力である操作量u(τ+Δt)を求め、その初期値のみを時刻t+Δtにおける実際の制御入力である操作量u(t+Δt)として使用する。この後、後退制御装置42は、次のサンプリング時刻に移行する毎に最適化問題を解いて制御入力である操作量u(t)を決定する処理を逐次繰り返す。
ちなみに、モデル予測制御では、各サンプリング時刻において、毎回予測を行う際に、現時刻の状態量x(t)を計測装置50により計測される値で補正する。すなわち、モデル予測制御では、予測の初期値を毎回修正する。このため、モデル予測制御は、状態のフィードバック制御となっている。先の図6のブロック線図に示されるように、連結車両系は、プラントPの状態が後退制御装置42にフィードバックされる1つのフィードバックループを有する。
また、数式5,6に示されるように、評価関数J(u,t)において、後退制御装置42の内部的な制御量であるトレーラ12の仮想操舵角α2の今回の予測値と目標仮想操舵角α との偏差に対して重み行列Qが与えられている。また、評価関数J(u,t)において、プラントPに対する操作量である目標操舵角α の大きさに対して重み行列Rが与えられている。これにより、トレーラ12の仮想操舵角α2の今回の予測値と前回の予測値との偏差を抑制しつつ、過大な目標操舵角α が演算されることを抑えることが可能である。また、トラクタ11の操舵角αの重み行列Rを操舵角速度感応とすることによって目標操舵角α の急激な変化を抑えることが可能である。重み行列Rによる重みをより大きくするほど、目標操舵角α の速応性をより抑えることが可能である。逆に、重み行列Rによる重みをより小さくするほど、目標操舵角α の速応性をより向上させることが可能である。
<後退支援制御の処理手順>
つぎに、後退制御装置42による後退支援制御の処理手順を説明する。後退制御装置42は、操作者による後退支援制御の開始操作、すなわち表示装置20の画面21に表示される支援開始ボタン21Aがタッチ操作されることを契機として後退支援制御の実行を開始する。後退制御装置42は、図示しない記憶装置に格納された後退制御プログラムに従って後退支援制御を実行する。
図7のフローチャートに示すように、後退制御装置42は、まずトレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する(ステップS101)。後退制御装置42は、入力装置41により生成される電気信号S1、すなわちダイヤル41Aの基準位置を基準とする操作量あるいは操作位置に基づき、トレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。
また、後退制御装置42は、センサ信号を取得する(ステップS102)。後退制御装置42は、センサ信号として、ヒッチ角センサ51を通じて検出されるヒッチ角β、車速センサ52を通じて検出される車速V、および操舵角センサ30Cを通じて検出される前輪11Fの操舵角αを取り込む。
つぎに、後退制御装置42は、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する(ステップS103)。後退制御装置42は、ステップS102で取り込まれるヒッチ角β、前輪11Fの操舵角αおよび車速Vに基づきトレーラ12の仮想操舵角αを演算し、この演算される仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に収束するように、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
この後、後退制御装置42は、ステップS103で演算される前輪11Fの目標操舵角α を操舵制御装置30Dへ出力する(ステップS104)。操舵制御装置30Dは、操舵角センサ30Cを通じて検出される前輪11Fの操舵角αを目標操舵角α に一致させるように、モータ30Aの動作を制御する。これにより、トレーラ12の仮想操舵角αは、目標仮想操舵角α に追従する。
つぎに、後退制御装置42は、後退支援制御を終了するかどうかを判定する(ステップS105)。具体的には、後退制御装置42は、操作者による後退支援制御の終了操作、すなわち表示装置20の画面21に表示される支援終了ボタン21Bがタッチ操作されたかどうかを判定する。後退制御装置42は、後退支援制御を終了しない場合、すなわち操作者による後退支援制御の終了操作が行われていない場合(ステップS105でNO)、先のステップS101へ処理を移行する。後退制御装置42は、後退支援制御を終了する場合、すなわち操作者による後退支援制御の終了操作が行われた場合(ステップS105でYES)、処理を終了する。
<第1の実施の形態の作用>
つぎに、第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、連結車両10の後退右旋回時の運動モデルについて説明する。
図8に示すように、トラクタ11とトレーラ12とが連結された状態でトレーラ12を右方向へ後退させるためには、トラクタ11の前輪11Fを左方向へ転舵させる必要がある。すなわち、トレーラ12が連結されていない単体車両としてのトラクタ11を後退させる場合と逆方向へ前輪11Fを転舵させる必要がある。このとき、トラクタ11の姿勢角速度θ(・)、すなわちヨーレートの方向は左回り方向となる。左回り方向とは、トラクタ11の車体が左方向へ回転する方向をいう。また、トレーラ12の仮想的な前輪は右方向へ転舵するとみなせるため、トレーラ12の姿勢角速度θ(・)、すなわちヨーレートの方向は右回り方向となる。右回り方向とは、トレーラ12の車体が右方向へ回転する方向をいう。トレーラ12のヨーレートの方向は、トラクタ11の前輪11Fの転舵方向と逆方向である。
つぎに、トレーラ12が連結されていない単体車両としてのトラクタ11の後退右旋回時の運動モデルについて説明する。
図9に示すように、単体車両としてのトラクタ11を右方向へ後退させるためには、トラクタ11の前輪11Fを右方向へ転舵させればよい。このとき、トラクタ11の姿勢角速度θ(・)、すなわちヨーレートの方向は右回り方向となる。トレーラ12のヨーレートの方向は、トラクタ11の前輪11Fの転舵方向と同方向である。
つぎに、トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両としてみたときのトレーラ12の後退右旋回時の運動モデルについて説明する。
図10に示すように、単体車両としてのトレーラ12を右方向へ後退させるためには、トレーラ12の仮想的な前輪を右方向へ転舵させればよい。このとき、トレーラ12の姿勢角速度θ(・)、すなわちヨーレートの方向は右回り方向となる。トレーラ12のヨーレートの方向は、トレーラ12の仮想的な前輪の転舵方向と同方向である。すなわち、トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両としてみたとき、単体車両としてのトレーラ12はたとえば普通乗用車と同じ運動を行う。
したがって、普通乗用車でステアリングホイールの操舵を通じて前輪の操舵角を指定するのと同様に、操作者が入力装置41の操作を通じてトレーラ12の目標仮想操舵角α を指定することによってトレーラ12を普通乗用車と同じように運転することが可能である。
また、操作者による入力装置41の操作を通じて指定されるトレーラ12の目標仮想操舵角α に基づきトラクタ11の前輪11Fの操舵角αが制御されることによって、トレーラ12の車体長の長短にかかわらずトレーラ12の後退運動が適切に支援される。
図11のグラフに示すように、トレーラ12の仮想ホイールベースlの誤差割合に関わらず、定常偏差はほぼ「0」である。ここでの定常偏差は、後退制御装置42の内部的な目標値である目標仮想操舵角α と、後退制御装置42の内部的な制御量である仮想操舵角αとの差である。仮想ホイールベースlは、トレーラ12の仮想的な前輪(=ヒッチ点C)と、後輪としての車輪12Rとの間の距離をいう。図11のグラフから、トラクタ11に連結されるトレーラ12の仮想ホイールベースlに関わらず、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に一致するようにトラクタ11の前輪11Fの操舵角αが制御されることが分かる。
仮想ホイールベースlが長くなるほど必然的にトレーラ12の車体全長がより長くなる。また、仮想ホイールベースlが短くなるほど必然的にトレーラ12の車体全長がより短くなる。このように、トレーラ12の仮想ホイールベースlは、トレーラ12の車体長を反映する値でもある。したがって、図11のグラフから、トラクタ11に連結されるトレーラ12の車体長の長短に関わらず、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に一致するようにトラクタ11の前輪11Fの操舵角αが制御されることが読み取れる。トラクタ11には、車体長の異なる様々なタイプのトレーラ12が連結されることが想定される。この点、トラクタ11に対して車体長がより長いトレーラ12が連結される場合であれ、車体長がより短いトレーラ12が連結される場合であれ、トレーラ12の後退運動が適切に支援される。
ちなみに、図11のグラフに示すように、トラクタ11のホイールベースlの誤差割合が増加するにつれて定常偏差は指数関数的に減少する。また、トラクタ11の後輪11Rとヒッチ点Cとの間の距離hの誤差割合が増加するにつれて、定常偏差は徐々に増加する。
<第1の実施の形態の効果>
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1-1)操作者が入力装置41の操作を通じてトレーラ12の目標仮想操舵角α を指定することによって、非線形かつ不安定系のトレーラ12の後退運動をトラクタ11のみの単体車両、すなわち前輪操舵の普通乗用車とみなして制御することができる。このため、連結車両10の後退操作をより適切に支援することができる。操作者は、連結車両10の後退操作を普通乗用車と同じような感覚で行うことができる。
(1-2)連結車両系は、制御対象であるプラントPの状態(α,β,V)が後退制御装置42にフィードバックされる1つのフィードバックループを有する。フィードバックループを1つにすることによって、目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角αの追従性を確保することができる。また、トレーラ12の運動全体を最適化することもできる。仮想操舵角αは、後退制御装置42の内部的な目標値である。仮想操舵角αは、後退制御装置42の内部的な制御量である。
(1-3)後退制御装置42は、非線形モデル予測制御を使用して目標操舵角α を演算する。目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角αの追従性には重み(重み行列Q)が持たせられる。また、操作量であるトラクタ11の前輪11Fの操舵角αにも重み(重み行列R)が持たせられる。これら重み(重み行列Q,R)のチューニングを通じて、トレーラ12の目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角α2の偏差(=誤差)を抑制しつつ、過大な目標操舵角α が演算されることを抑えることが可能である。
ちなみに、トレーラ12の目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角α2の追従性、およびトラクタ11の状態量の1つである前輪11Fの操舵角αのうち少なくとも1つに重みをもたせるようにしてもよい。このようにすれば、トレーラ12の目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角α2の偏差を抑制すること、および過大な目標操舵角α が演算されることを抑えることのうち少なくとも一方の効果が得られる。
また、重み付けの対象となるトラクタ11の状態量は、前輪11Fの操舵角αに限らない。トラクタ11の操舵角α、トラクタ11の操舵角速度、トラクタ11のヨーレート、およびトラクタ11の移動軌跡の曲率のうち少なくとも1つの状態量を重み付けの対象としてもよい。このようにすれば、重み付け対象が操舵角αである場合に準じた効果が得られる。たとえばトラクタ11の急激な挙動変化を抑制することができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、連結車両の後退制御装置を具体化した第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1~図11に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、後退制御装置42の構成の点で第1の実施の形態と異なる。したがって、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
先の第1の実施の形態における連結車両10の後退制御では、トラクタ11およびトレーラ12の運動を運動学の範囲で取り扱っている。運動学では、タイヤのスリップなどが無視される。しかし、実際の連結車両10の後退操作時、トラクタ11は、たとえば前輪11Fおよび後輪11Rのタイヤのスリップまたはサスペンションジオメトリに起因して、操作者の意図しない旋回半径で移動することも考えられる。サスペンションジオメトリとは、サスペンションの構成部品の幾何学的な形状あるいは配置をいう。本実施の形態では、目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角αの追従性を確保するために、後退制御装置42として、つぎの構成を採用している。
図12に示すように、後退制御装置42は、先の設定部42Aおよび制御部42Bに加えて、トラクタ状態量制御部42Cを有している。ちなみに、制御部42Bを第1の制御部とするとき、トラクタ状態量制御部42Cは第2の制御部に相当する。第1の制御部としての制御部42Bと第2の制御部としてのトラクタ状態量制御部42Cとから単一の制御部を構成してもよい。
制御部42Bは、設定部42Aにより設定される目標仮想操舵角α ならびに計測装置50の各センサを通じて検出されるヒッチ角β、車速Vおよび操舵角αに基づき、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。本実施の形態では、計測装置50は、トラクタ11のヨーレートを検出するヨーレートセンサを含む。トラクタ11のヨーレートは、トラクタ11の状態量の1つである。
設定部42Aは、入力装置41により生成される電気信号S1、すなわちダイヤル41Aの基準位置を基準とする操作量あるいは操作位置に基づき、トレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。
制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に収束するように、トラクタ11の目標ヨーレートYRを演算する。すなわち、制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αを目標仮想操舵角α に一致させるべく、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じてトラクタ11の目標ヨーレートYRを演算する。目標ヨーレートYRは、トラクタ11の旋回状態が反映される状態量(ここでは、ヨーレートYR)の目標値である目標状態量である。
トラクタ状態量制御部42Cは、制御部42Bにより演算される目標ヨーレートYR、および計測装置50のヨーレートセンサを通じて検出されるトラクタ11のヨーレートYRを取り込む。トラクタ状態量制御部42Cは、トラクタ11のヨーレートYRが目標ヨーレートYRに収束するように、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。すなわち、トラクタ状態量制御部42Cは、トラクタ11のヨーレートYRを目標ヨーレートYRに一致させるべく、ヨーレートYRのフィードバック制御の実行を通じてトラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。目標ヨーレートYRの絶対値に対してヨーレートYRの絶対値が小さくなるほど、目標操舵角α の絶対値はより増加する。また、目標ヨーレートYRの絶対値に対してヨーレートYRの絶対値が大きくなるほど、目標操舵角α の絶対値はより減少する。
なお、連結車両10の後退支援制御に使用されるトラクタ11の状態量は、トラクタ11の旋回状態が反映される状態量であればよい。トラクタ11の旋回状態が反映される状態量としては、ヨーレートYR以外にもたとえばトラクタ11の横加速度が挙げられる。この横加速度を使用して連結車両10の後退支援制御を実行する場合、計測装置50の構成要素として横加速度センサを設ける。制御部42Bは、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて、トラクタ11の目標横加速度を演算する。トラクタ状態量制御部42Cは、トラクタ11の横加速度を目標横加速度に追従させるべく横加速度のフィードバック制御の実行を通じて、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
また、トラクタ11の旋回状態が反映される状態量としては、トラクタ11の移動軌跡の曲率が挙げられる。トラクタ11の移動軌跡の曲率は、たとえばヨーレートYRおよび車速Vから得られる。この移動軌跡の曲率を使用して連結車両10の後退支援制御を実行する場合、制御部42Bは、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて、トラクタ11の移動軌跡の目標曲率を演算する。トラクタ状態量制御部42Cは、トラクタ11の移動軌跡の曲率を目標曲率に追従させるべく曲率のフィードバック制御の実行を通じて、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
また、トラクタ11がたとえば左右の前輪11Fを主駆動輪、左右の後輪11Rを副駆動輪とする四輪駆動車両である場合、トラクタ11にはその走行性能をより向上させるための制御機能が持たせられることが考えられる。この制御機能は、たとえば左右の車輪の駆動力を制御する第1の制御機能、あるいは左右の車輪の制動力を制御する第2の制御機能を含む。第1の制御機能とは、トラクタ11の旋回状態に応じて左右の駆動輪、すなわち旋回内側の駆動輪および旋回外側の駆動輪に対する駆動力の配分比率を変化させることによって、トラクタ11のヨーモーメントを制御する機能をいう。第2の制御機能とは、トラクタ11の旋回状態に応じて左右の車輪、すなわち旋回内側の車輪および旋回外側の車輪に対する制動力の配分比率を変化させることによって、トラクタ11のヨーモーメントを制御する機能をいう。これら駆動力の配分比率および制動力の配分比率は、トラクタ11の旋回状態が反映される状態量とみることができる。
トラクタ11が第1の制御機能を有する場合、左右の駆動輪に対する駆動力の配分比率を使用して連結車両10の後退支援制御を実行するようにしてもよい。このとき、制御部42Bは、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて、左右の駆動輪に対する駆動力の目標配分比率を演算する。トラクタ状態量制御部42Cは、左右の駆動輪に対する駆動力の配分比率を目標配分比率に追従させるべく配分比率のフィードバック制御の実行を通じて、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
トラクタ11が第2の制御機能を有する場合、左右の車輪に対する制動力の配分比率を使用して連結車両10の後退支援制御を実行するようにしてもよい。このとき、制御部42Bは、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて、左右の車輪に対する制動力の目標配分比率を演算する。トラクタ状態量制御部42Cは、左右の車輪に対する制動力の配分比率を目標配分比率に追従させるべく配分比率のフィードバック制御の実行を通じて、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
<第2の実施の形態の効果>
したがって、第2の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(2-1)制御部42Bは、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じてトラクタ11の目標状態量を演算する。目標状態量とは、トラクタ11の旋回状態が反映される特定の状態量に対する目標値をいう。トラクタ状態量制御部42Cは、特定の状態量のフィードバック制御の実行を通じて前輪11Fの目標操舵角α を演算する。これにより、トラクタ11の運動をタイヤのスリップなどが無視される運動モデル(幾何学モデル)により近づけることができる。また、目標仮想操舵角α に対する仮想操舵角αの追従性をより向上させることができる。
(2-2)トラクタ11の旋回状態が反映される特定の状態量は、トラクタ11の仕様などに応じて適宜の状態量を選択することができる。特定の状態量は、たとえばトラクタ11のヨーレートYR、横加速度、左右の駆動輪に対する駆動力の配分比率、または左右の車輪に対する制動力の配分比率である。
<第3の実施の形態>
つぎに、連結車両の後退制御装置を具体化した第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1~図11に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、後退制御装置42の構成の点で第1の実施の形態と異なる。したがって、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図13に示すように、後退制御装置42は、先の制御部42Bに加えて、目標軌道生成部42Dおよび軌道追従制御部42Eを有している。先の設定部42Aは割愛されている。
目標軌道生成部42Dは、操作者によって指定されるトレーラ12の目標位置PSを取り込む。目標位置PSは、操作者がトレーラ12を移動させたい位置である。操作者は、たとえば表示装置20の画面21に表示される連結車両10のトップビュー(真上からの映像)を見ながらトレーラ12を移動させる目標位置PSを指定する。操作者は、表示装置20の画面21に対するタッチ操作を通じて、トレーラ12の目標位置PSを指定する。
ただし、操作者は、表示装置20の画面21に表示される連結車両10のトップビューを見ながら入力装置41を操作することにより、トレーラ12の目標位置PSを指定するようにしてもよい。
目標軌道生成部42Dは、フリースペース認識装置53を通じて、トレーラ12が走行可能なフリースペースSPを認識する。フリースペース認識装置53は、トラクタ11およびトレーラ12に設けられる複数のカメラを含む。フリースペース認識装置53は、トラクタ11およびトレーラ12の周囲、すなわち連結車両10の周囲の映像を撮影する。
目標軌道生成部42Dは、計測装置50の構成要素として設けられるGPSセンサを通じてトレーラ12の現在の位置PSを取得する。GPSセンサは、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの測位信号を受信する。GPSセンサは、受信される測位信号に基づきトレーラ12の位置PSを検出する。検出される位置の情報には、たとえば緯度、経度および高度が含まれる。
目標軌道生成部42Dは、操作者によって指定されるトレーラ12の目標位置PS、フリースペース認識装置53を通じて認識されるフリースペースSP、および後退を開始するトレーラ12の位置PSに基づき、トレーラ12の目標軌道OBを生成する。目標軌道OBは、トレーラ12の現在の位置PSから目標位置PSまでの理想的なルートである。ただし、目標軌道生成部42Dは、トレーラ12が障害物などに衝突しないように、かつジャックナイフ現象を発生させないように、トレーラ12の目標軌道OBを生成する。ジャックナイフ現象とは、連結車両10の後退操作時においてトラクタ11とトレーラ12との連結部分が大きく折れ曲がる現象をいう。ちなみに、目標軌道生成部42Dは、フリースペースSPを考慮することなく、トレーラ12の目標位置PSおよびトレーラ12の位置PSにのみ基づいてトレーラ12の目標軌道OBを生成するようにしてもよい。
軌道追従制御部42Eは、目標軌道生成部42Dにより生成されるトレーラ12の目標軌道OB、および計測装置50のGPSセンサを通じて検出されるトレーラ12の位置PSを取り込む。軌道追従制御部42Eは、後退を開始するトレーラ12の位置PSに基づき、トレーラ12が目標軌道OBに沿って走行するための目標仮想操舵角α を演算する。
制御部42Bは、軌道追従制御部42Eにより設定される目標仮想操舵角α ならびに計測装置50を通じて検出されるヒッチ角β、車速Vおよび前輪11Fの操舵角αに基づき、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に収束するように、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。すなわち、制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αを目標仮想操舵角α に一致させるべく、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
このように演算される目標操舵角α に対してトラクタ11の前輪11Fの操舵角αが追従するように制御されることにより、トレーラ12は目標軌道OBに沿って走行することが可能となる。すなわち、操作者により指定されるトレーラ12の目標位置PSに向けてステアリングホイールが自動的に制御される。このため、操作者は、アクセルおよびブレーキの操作に専念することができる。操作者は、アクセルおよびブレーキの操作を通じて連結車両10の後退速度を調節しながらトレーラ12を目標位置PSに移動させることができる。
ちなみに、後退制御装置42は、他の車両制御装置を通じてアクセル、ブレーキおよびシフトレンジの操作を自動制御するようにしてもよい。このようにすれば、トレーラ12の自動後退システムを構築することが可能となる。操作者は、トレーラ12の目標位置PSを指定した後、表示装置20の画面21に表示される支援開始ボタン21Aをタッチ操作するだけで、トレーラ12の後退操作を完了させることができる。操舵制御装置30Dを含む各種の車両制御装置によって、ステアリングホイール、アクセル、ブレーキおよびシフトレンジが自動制御されることによって、トレーラ12はスムーズに目標位置PSへ移動する。ただし、シフトレンジの切り替えは操作者が行うようにしてもよい。
<第3の実施の形態の効果>
したがって、第3の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(3-1)操作者により指定されるトレーラ12の目標位置PSに向けてステアリングホイール、すなわちトラクタ11の前輪11Fの操舵角αが自動的に制御される。このため、操作者は、アクセルおよびブレーキの操作に専念することができる。操作者は、アクセルおよびブレーキの操作を通じて連結車両10の後退速度を調節しながらトレーラ12を目標位置PSに移動させることができる。
(3-2)トレーラ12は、仮想的な前輪を有する単体車両とみなせる。この特徴を活かして、連結車両10の自動後退システムを構築することができる。たとえば制御部42Bの内部的な制御量がトレーラ12の仮想操舵角αであることを踏まえて、既存の普通乗用車用の自動駐車制御をトレーラ12の自動後退制御に適用することが可能である。このため、トレーラ12を目標軌道OBに追従させるための制御を新たに開発する必要がない。
<第4の実施の形態>
つぎに、連結車両の後退制御装置を具体化した第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1~図11に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、トラクタ11が自動駐車機能を有する点で第1の実施の形態と異なる。したがって、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図14に示すように、連結車両10のフィードバック制御系は、後退制御装置42および制御対象であるプラントPを有する。また、連結車両10のフィードバック制御系は、判定部61、トラクタ検出部62、トレーラ検出部63、第1の切替部64、駐車制御部65、および第2の切替部66を有している。駐車制御部65は、後退制御装置42に対する上位の制御装置である。
判定部61は、トラクタ11にトレーラ12が連結されているかどうかを判定する。判定部61は、たとえばトラクタ11に対するトレーラ12の連結を検出する図示しないセンサの検出結果に基づき、トラクタ11にトレーラ12が連結されているかどうかを判定する。判定部61は、トラクタ11にトレーラ12が連結されている旨判定されるとき、フラグFGの値を「1」にセットする。判定部61は、トラクタ11にトレーラ12が連結されていない旨判定されるとき、フラグFGの値を「0」にセットする。
トラクタ検出部62は、トラクタ11の周辺情報およびトラクタ11の状態量を検出する。トラクタ検出部62は、トラクタ11の周辺情報を検出するためのカメラおよびレーダなどを含む。また、トラクタ検出部62は、トラクタ11の状態量を検出するための各種のセンサを含む。トラクタ検出部62は、検出されるトラクタ11の周辺情報およびトラクタ11の状態量を含む電気信号ST1を生成する。
トレーラ検出部63は、トレーラ12の周辺情報およびトレーラ12の状態量を検出する。トレーラ検出部63は、トレーラ12の周辺情報を検出するためのカメラおよびレーダなどを含む。また、トレーラ検出部63は、トレーラ12の状態量を検出するための各種のセンサを含む。トレーラ検出部63は、検出されるトレーラ12の周辺情報およびトレーラ12の状態量を含む電気信号ST2を生成する。
第1の切替部64は、判定部61により設定されるフラグFGの値に応じて、駐車制御部65へ供給する電気信号を切り替える。第1の切替部64は、フラグFGの値が「0」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されていないとき、トラクタ検出部62により生成される電気信号ST1を駐車制御部65へ供給する。第1の切替部64は、フラグFGの値が「1」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されているとき、トレーラ検出部63により生成される電気信号ST2を駐車制御部65へ供給する。
駐車制御部65は、自動駐車機能がオンされているとき、判定部61により設定されるフラグFGの値に応じて、トラクタ11の前輪11Fの目標操舵角α を演算する。駐車制御部65は、フラグFGの値が「0」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されていないとき、操作者によって指定される駐車スペースおよびGPSセンサを通じて検出されるトラクタ11の位置に基づき、トラクタ11の目標軌道を生成する。目標軌道は、トラクタ11の現在の位置から目標位置である駐車スペースまでの理想的なルートである。ただし、駐車制御部65は、トラクタ11が障害物などに衝突しないようにトラクタ11の目標軌道を生成する。駐車制御部65は、生成されるトラクタ11の目標軌道およびトラクタ11の現在の位置に基づき、トラクタ11が目標軌道に沿って走行するための前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
駐車制御部65は、フラグFGの値が「1」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されているとき、トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両とみなしてトレーラ12の目標軌道を生成する。駐車制御部65は、たとえば操作者による特定の操作を通じて指定される駐車スペースおよびGPSセンサを通じて検出されるトレーラ12の位置に基づき、単体車両としてのトレーラ12の目標軌道を生成する。目標軌道は、トレーラ12の現在の位置から目標位置である駐車スペースまでの理想的なルートである。ただし、駐車制御部65は、トレーラ12が障害物などに衝突しないように、かつジャックナイフ現象を発生させないように、トレーラ12の目標軌道を生成する。駐車制御部65は、生成されるトレーラ12の目標軌道およびトレーラ12の現在の位置に基づき、単体車両としてのトレーラ12が目標軌道に沿って走行するための仮想的な前輪の目標操舵角α を演算する。このとき演算される目標操舵角α は、トレーラ12の目標仮想操舵角α と等しい。
後退制御装置42は、駐車制御部65により演算される前輪11Fの目標操舵角α を目標仮想操舵角α として設定する。後退制御装置42は、トレーラ12の仮想操舵角αが目標仮想操舵角α に収束するように、前輪11Fの目標操舵角α を演算する。すなわち、制御部42Bは、トレーラ12の仮想操舵角αを目標仮想操舵角α に一致させるべく、仮想操舵角αのフィードバック制御の実行を通じて前輪11Fの目標操舵角α を演算する。
第2の切替部66は、判定部61により設定されるフラグFGの値に応じて、プラントPへ供給する電気信号を切り替える。第2の切替部66は、フラグFGの値が「0」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されていないとき、駐車制御部65により演算される前輪11Fの目標操舵角α をプラントPへ供給する。第2の切替部66は、フラグFGの値が「1」であるとき、すなわちトラクタ11にトレーラ12が連結されているとき、後退制御装置42により演算される前輪11Fの目標操舵角α をプラントPへ供給する。
操舵制御装置30Dは、操舵角センサ30Cを通じて検出される前輪11Fの操舵角αを目標操舵角α に一致させるように、モータ30Aの動作を制御する。これにより、トラクタ11にトレーラ12が連結されていない場合、トラクタ11はその目標軌道に沿って走行することが可能となる。自動駐車機能の実行を通じて、トラクタ11は現在の位置から指定の駐車スペースまで自動的に移動する。また、トラクタ11にトレーラ12が連結されている場合、トレーラ12はその目標軌道に沿って走行することが可能となる。自動駐車機能の実行を通じて、トレーラ12は現在の位置から指定の駐車スペースまで自動的に移動する。
<第4の実施の形態の効果>
したがって、第4の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(4-1)トラクタ11にトレーラ12が連結されているかどうかに応じて、自動駐車に使用される信号がトラクタ11に関する信号とトレーラ12に関する信号との間で切り替えられる。トラクタ11にトレーラ12が連結されている場合、トレーラ12を仮想的な前輪を有する単体車両とみなしてトレーラ12の仮想的な前輪の目標操舵角α が演算される。すなわち、トラクタ11にトレーラ12が連結されていない場合と同様の処理手順で、目標操舵角α が演算される。このとき演算される目標操舵角α は、トレーラ12の目標仮想操舵角α と等しい。このため、トラクタ11にトレーラ12が連結されている場合、目標操舵角α が目標仮想操舵角α として設定されるとともに、その設定される目標仮想操舵角α を実現するための前輪11Fの目標操舵角α が演算される。前輪11Fの操舵角αが目標操舵角α に追従するように、操舵角αのフィードバック制御が実行されることにより、トレーラ12はその目標軌道に沿って走行することが可能となる。このように、既存の自動駐車ロジックを使用してトレーラ12を自動駐車することができる。
(4-2)また、トラクタ11単体の自動駐車機能のロジックをトラクタ11にトレーラ12が連結されていないときと連結されているときとで共用化することにより、リーズナブルにトレーラ12の自動後退を実現することが可能である。
<他の実施の形態>
なお、各実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第1および第2の実施の形態のように、トラクタ11の操舵機構として前輪11Fとステアリングホイールとの間を動力伝達可能に連結するタイプの操舵機構が採用される場合、入力装置41として、つぎの構成を採用してもよい。たとえば先のダイヤル41Aに代えて、スライダを有する構成を採用してもよい。後退制御装置42は、スライダの位置に基づきトレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。後退制御装置42は、たとえばスライダの位置とトレーラ12の目標仮想操舵角α との関係を規定するマップを使用してスライダの位置に応じた目標仮想操舵角α を演算する。ちなみに、スライダは連結車両10の後退方向あるいは後退経路を指定する専用品であってもよいし、他の車載機器を操作するためのスライダであってもよい。
・第1および第2の実施の形態のように、トラクタ11の操舵機構として前輪11Fとステアリングホイールとの間を動力伝達可能に連結するタイプの操舵機構が採用される場合、入力装置41として、つぎの構成を採用してもよい。たとえば車室内の運転席の近傍にタッチパネルなどの表示装置を設け、この表示装置の画面に仮想的なステアリングホイールの図柄を表示する。ちなみに、表示装置は、先の表示装置20であってもよいし、表示装置20とは別個の表示装置であってもよい。操作者は、表示装置の画面に表示される仮想的なステアリングホイールに対するタッチ操作あるいはなぞり操作を通じて、連結車両10の後退方向あるいは後退経路を指定する。後退制御装置42は、仮想的なステアリングホイールに対するタッチ位置あるいはなぞり量に基づきトレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。
・第1~第4の実施の形態においては、トラクタ11の操舵機構として前輪11Fとステアリングホイールとの間の動力伝達が遮断されるステアバイワイヤタイプの操舵機構が採用されることがある。この場合、第1および第2の実施の形態においては、ステアリングホイールを入力装置41として使用してもよい。これは、前輪11Fとステアリングホイールとを互いに独立して動かすことができるからである。ちなみに、トラクタ11の前輪11Fは、転舵モータの駆動を通じて操舵される。この場合、連結車両10の後退支援機能がオフからオンへ切り替えられることを契機として、ステアリングホイールの機能が入力装置41としての機能へ切り替えられる。操作者は、ステアリングホイールの操作を通じて、連結車両10の後退方向あるいは後退経路を指定する。後退制御装置42は、ステアリングホイールの操作位置あるいは操作量に基づきトレーラ12の目標仮想操舵角α を設定する。
・第1~第4の実施の形態においては、トラクタ11の操舵機構としてギヤ比可変ステアリングシステムが採用されることがある。ギヤ比可変ステアリングシステムは、操舵性の向上を目的として、ステアリングシャフトに設けられるVGRモータの駆動を通じてステアリングホイールの操舵角と前輪11Fの操舵角との比率であるギヤ比を変化させるものである。この場合、第1および第2の実施の形態においては、ステアリングホイールと前輪11Fとを互いに独立して動かすことができる範囲を有するとき、その範囲内においてステアリングホイールを入力装置41として機能させてもよい。
・第1~第4の実施の形態においては、トラクタ11の操舵機構として、前輪11Fとステアリングホイールとの間を動力伝達可能に連結する前輪操舵機構、および後輪11Rを独立して操舵可能とした後輪操舵機構を有する操舵機構が採用されることがある。この場合、第1および第2の実施の形態においては、入力装置41としてステアリングホイールを入力装置41として使用してもよい。これは、ステアリングホイールと前輪11Fとは互いに連結されているものの、後輪11Rが自由に動かせるからである。ちなみに、後輪11Rは、転舵モータの駆動を通じて操舵される。
・第1~第4の実施の形態において、入力装置41の操作を通じて指定されるトレーラ12の目標仮想操舵角α を既存の車載機器を操作するためのボタンの操作を通じて増減させるようにしてもよい。この場合、連結車両10の後退支援機能がオフからオンへ切り替えられることを契機として、車載機器のボタンの機能が車載機器の操作する機能からトレーラ12の後退方向あるいは後退経路を指定する機能へ切り替えられる。車載機器としては、オーディオ、ラジオあるいはエアーコンディショナなどが挙げられる。操作者は、車載機器のボタンの操作を通じて、トレーラ12の目標仮想操舵角α を微調節することが可能となる。
・第1~第4の実施の形態において、後退制御装置42は、後退支援制御の実行中、操作者による操舵介入を抑制するようにしてもよい。後退制御装置42は、たとえばトルクセンサ30Bを通じて検出される操舵トルクτstrに基づき操作者による操舵介入を検出する。後退制御装置42は、操作者による操舵介入が検出されるとき、操作者に対して操舵介入の中止あるいは後退支援制御の実行停止を警告する。警告は、たとえば表示装置20にメッセージを表示したり車載のスピーカを通じて音声を発したりすることにより行う。
・トラクタ11は、いわゆる自動運転機能を有していてもよい。この場合、トラクタ11を遠隔から運転操作可能に構成してもよい。たとえば、連結車両10から遠隔に存在する操作者が電気通信技術を利用して連結車両10の運転操作を行う。連結車両10の後退方向あるいは後退経路は、遠隔操作を通じて指定される。遠隔操作は、たとえば遠隔操作装置の操作部材を操作することにより行われる。連結車両10は、車室内での運転操作、および車室外からの遠隔操作を選択的に行うことが可能であってもよい。
10…連結車両
11…トラクタ
11F…前輪(操舵輪)
12…トレーラ
30D…操舵制御装置
41…入力装置
41A…ダイヤル(操作部材)
42…後退制御装置
42A…設定部
42B…制御部(第1の制御部)
42C…トラクタ状態量制御部(第2の制御部)
42D…目標軌道生成部
42E…軌道追従制御部
50…計測装置(センサ)
65…駐車制御部

Claims (8)

  1. 車両の進行方向を変える車輪である操舵輪の操舵角を目標操舵角に追従させるフィードバック制御を実行する操舵制御装置が搭載されるトラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラとを有する連結車両の後退制御装置であって、
    前記連結車両の後退操作が行われるとき、前記トレーラを単体車両とみなした場合の前記トレーラの仮想的な操舵輪の操舵角である仮想操舵角が、操作者による特定の操作を通じて設定される前記仮想操舵角の目標値である目標仮想操舵角に追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する制御部を有している連結車両の後退制御装置。
  2. 前記特定の操作は操作部材の操作であって、
    前記操作部材の操作量あるいは操作位置に基づき前記トレーラの目標仮想操舵角を設定する設定部を有し、
    前記制御部は、前記設定部により設定される前記トレーラの目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する請求項1に記載の連結車両の後退制御装置。
  3. 前記制御部は、前記トレーラの仮想操舵角を前記トレーラの目標仮想操舵角に追従させるフィードバック制御の実行を通じて前記トラクタの旋回状態が反映される状態量の目標値である目標状態量を演算する第1の制御部と、
    前記トラクタの旋回状態が反映される状態量を前記第1の制御部により演算される前記トラクタの目標状態量に追従させるフィードバック制御の実行を通じて前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する第2の制御部と、を有している請求項1または請求項2に記載の連結車両の後退制御装置。
  4. 操作者による特定の操作を通じて指定される前記トレーラの目標位置およびセンサを通じて検出される前記トレーラの位置に基づき、トレーラの現在の位置から前記目標位置までの理想的なルートである前記トレーラの目標軌道を生成する目標軌道生成部と、
    前記センサを通じて検出される前記トレーラの位置に基づき、前記トレーラが前記目標軌道生成部により生成される前記トレーラの目標軌道に沿って走行するための前記トレーラの目標仮想操舵角を演算する軌道追従制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記トレーラの仮想操舵角が前記軌道追従制御部により演算される前記トレーラの目標仮想操舵角に追従するように、前記トラクタの操舵輪の目標操舵角を演算する請求項1または請求項2に記載の連結車両の後退制御装置。
  5. 前記トラクタは、自動駐車機能を実行する駐車制御部を有し、
    前記駐車制御部は、前記トラクタに前記トレーラが連結されていないとき、操作者によって指定される駐車スペースおよび前記トラクタの位置に基づき生成される目標軌道に沿って前記トラクタが走行するための前記目標操舵角を演算する第1の演算機能と、
    前記トラクタに前記トレーラが連結されているとき、前記駐車スペースおよび単体車両とみなした前記トレーラの位置に基づき生成される目標軌道に沿って前記トレーラが走行するための前記目標操舵角を演算する第2の演算機能と、を有し、
    前記制御部は、前記駐車制御部により演算される目標操舵角を前記トレーラの目標仮想操舵角として設定し、この設定される目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように前記トラクタの目標操舵角を演算し、
    前記トラクタに前記トレーラが連結されていないときには前記第1の演算機能を通じて演算される前記トラクタの目標操舵角が前記操舵制御装置に供給される一方、前記トラクタに前記トレーラが連結されているときには前記制御部により演算される前記トラクタの目標操舵角が前記操舵制御装置に供給される請求項1に記載の連結車両の後退制御装置。
  6. 前記制御部は、非線形モデル予測制御を使用して前記トラクタの目標操舵角を演算するとともに、前記トレーラの目標仮想操舵角に対する前記仮想操舵角の追従性および前記トラクタの状態量のうち少なくとも1つに重みが持たせられている請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の連結車両の後退制御装置。
  7. 前記状態量に重みが持たせられる場合、前記状態量は、前記トラクタの操舵角、前記トラクタの操舵角速度、前記トラクタのヨーレート、および前記トラクタの移動軌跡の曲率のうち少なくとも1つである請求項6に記載の連結車両の後退制御装置。
  8. 車両の進行方向を変える車輪である操舵輪の操舵角を目標操舵角に追従させるフィードバック制御を実行する操舵制御装置が搭載されるトラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラとを有する連結車両の後退を制御するための処理をコンピュータに実行させる連結車両の後退制御プログラムであって、
    前記連結車両の後退操作が行われるとき、前記トレーラを単体車両とみなした場合の前記トレーラの仮想的な操舵角である仮想操舵角の目標値としての目標仮想操舵角を操作者による特定の操作に基づき設定する第1の段階と、
    前記第1の段階で設定される前記目標仮想操舵角に前記トレーラの仮想操舵角が追従するように前記トラクタの目標操舵角を演算する第2の段階と、
    前記第2の段階で演算される前記トラクタの目標操舵角を前記操舵制御装置へ供給する第3の段階と、を有している連結車両の後退制御プログラム。
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