その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になり得るはずである。しかしながら、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてもよく、以下の説明で他に明示されない限り、本発明に成分、反応条件、成分の含量を表現するすべての数字、値および/または表現は、このような数字が本質的に異なるものの中でこのような値を得る際に発生する測定の多様な不確実性が反映された近似値であるので、すべての場合「約」という用語によって修飾されることに理解すべきである。また、本記載で数値範囲が開示される場合、このような範囲は連続的で、他に指摘されない限りこのような範囲の最小値から最大値が含まれた前記最大値までのすべての値を含む。さらに、このような範囲が定数を指称する場合、他に指摘されない限り、最小値から最大値が含まれた前記最大値までを含むすべての定数が含まれる。
また、本発明で範囲が変数に対して記載される場合、前記変数は前記範囲の記載された終了点を含む記載された範囲内のすべての値を含むことに理解すべきである。例えば、「5~10」の範囲は、5、6、7、8、9、および10の値だけでなく、6~10、7~10、6~9、7~9などの任意の下位範囲を含み、5.5、6.5、7.5、5.5~8.5および6.5~9などのような記載された範囲の範疇に妥当な定数の間の任意の値も含むことに理解すべきである。例えば、「10%~30%」の範囲は、10%、11%、12%、13%などの値と30%までを含むすべての定数だけでなく、10%~15%、12%~18%、20%~30%などの任意の下位範囲を含み、10.5%、15.5%、25.5%などのように記載された範囲の範疇内の妥当な定数の間の任意の値も含むことに理解すべきである。
図1は、本発明の一実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜を製造する方法を概略的に示した模式図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるCHA(chabazite)構造およびDDR(deca-dodecasil3 rhombohedral)構造を含むCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、CHA構造cおよびDDR構造dを含む第1層110;および前記第1層110上に備えられ、DDR構造dを含む第2層120;を含み、厚さが100nm~5umのフィルム形態であってもよい。前記第2層120は、ピラミッド形態の表面部を含み、CuKα線を利用して、XRD測定の時、(101)面のピークが現われることができる。
通常、バイオガスは、従来の化石燃料を代替または補うことができる環境にやさしい持続可能なエネルギー資源である。一方、バイオガスを用いるためには、CO2(0.33nm)とCH4(0.38nm)を効果的に分離してバイオガスをアップグレードする必要がある。このように、バイオガスをアップグレードするために、DDRゼオライト分離膜を利用することができるが、前記DDRゼオライト分離膜は、製造方法が難しくて問題となる。具体的には、前記DDRゼオライト分離膜を製造するために、シード粒子の粒径が大きく、合成時間が長く、合成の再現性を確保しにくくて、商業的適用が制限されて来た。すなわち、従来のDDRゼオライト分離膜は、バイオガスに含まれたCO2、CH4などの気体を効果的に分離することはできるが、薄膜厚さを有する分離膜に製造しにくかった。
一方、本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、従来のDDRゼオライト分離膜に対して、分離能が向上され、製造方法の再現性が高く、より薄膜厚さに製造することができて、商業化に容易である。
本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、CHA構造cおよびDDR構造dを含む第1層110と、前記第1層110上に備えられ、DDR構造dを含む第2層120とからなってもよい。例えば、前記第1層110および第2層120を含み、第1層110および第2層120の厚さを制御することができ、前記第1層110および第2層120を含む全体CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100の厚さは100nm~5umのフィルム形態に備えられてもよい。
また、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、管状(tubular)またはチューブ状に備えられてもよく、管状に形成された分離膜を複数個を互いに連結して、バイオガスのアップグレードまたは混合気体の分離に利用することができる。前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100を管状またはチューブ状に備えることにより、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100を一つのセルの形態に設計することができ、または複数個のセルからなるモジュールの形態に製造することもできて、実際の工程に適用する際により効率的であり得る。前記管状に形成された分離膜の内部洞孔を介して混合気体を分離することにより、気体の分離効率をより向上させることができる。
具体的には、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、支持体s上にCHA構造cを含むシード粒子を形成させることができる。前記シード粒子を利用してDDR構造dを含むゼオライトを二次成長させることにより、前記第1層110および第2層120を含むCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100を形成することができる。
前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100の厚さが100nm未満の場合、高純度のCO2を獲得しにくく、特に、水蒸気を含む混合気体の場合、分離が難しくて、問題となる。厚さが5umを超える場合、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100を利用する装置の大きさおよび処理費用が増加し、一度に処理できる混合気体の含量も減少される。また、従来のDDRゼオライト分離膜の場合には、DDRゼオライトを合成する方法の制限によって、分離膜の厚さが7um以下に製造しにくかったが、本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、厚さが5um以下に製作が可能で、混合気体の分離能および分離効率をより向上させることができる。
前記第1層110の平均厚さは50nm~2umであり、前記第2層120の平均厚さは10nm~2umであってもよい。前記第1層110の平均厚さが50nm未満の場合、安定的なCHAシード構造の形成が難しくて、前記第1層110上にDDR構造dからなる第2層120を成長しにくく、2umを超える場合、全体的なCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100の厚さが不必要に増加される。また、前記第2層120は、上記の厚さで備えられることにより、バイオガスを効果的にアップグレードし、高純度のCO2を分離することができる。
前記第1層110は、CHA構造cとDDR構造dが混在されている層で、互いに異なる気孔大きさおよび物性を有するCHA構造cとDDR構造dの含量を制御することができる。また、前記第2層120は、DDR構造dのみからなってもよく、前記第2層120の最外面にはピラミッド形態の表面部を含んでもよい。また、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、CuKα線を利用してXRD測定の時、(101)面のピークが現われることができる。
例えば、本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、新規な方法で製造することにより、DDR構造dのみの特徴であるピラミッド形態の表面部を有し、かつ、CHA構造cのみの特徴である(101)面のXRDピークを同時に有することができる。また、本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、従来のDDRゼオライト分離膜よりも薄い厚さに再現性あるように製造することができ、向上されたバイオガスアップグレード性能および混合ガス分離能を有することができる。
前記第1層110および第2層の前記CHA構造およびDDR構造の全体結晶構造に、100重量部に対して、前記CHA構造は、25重量部~95重量部で含まれてもよい。一般に、ゼオライトは同じ結晶構造を有するシード粒子を利用して、二次成長を通じて同じ結晶構造のみからなるフィルム形態に製造されることができる。一方、本実施形態では、CHA構造を含むシード粒子を上述の範囲内に制御することにより、DDR構造を二次成長させて薄厚のフィルム形態に製造することができる。
前記第1層110のCHA構造は、CHA前躯体溶液で製造されることができる。前記CHA前躯体溶液は、第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物、およびアルミニウム化合物を含んでもよい。例えば、前記ナトリウム化合物は、酸化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを含み、具体的には、Na2O3、NaOHであってもよい。また、前記アルミニウム化合物は、酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含み、具体的には、Al2O3、Al(OH)3であってもよい。
前記第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、0.1~1000:100:100~50000:0~500:0~100であってもよい。具体的には、前記第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で1~100:100:500~30000:5~50:0.5~20であってもよく、より具体的に20:100:1600:20:5であってもよい。
前記第1有機構造誘導体は、TMAdaOH(N,N,N-trimethyl adamantylammonium hydroxide)、TMAdaBr(N,N,N-trimethyl adamantylammonium bromide)、TMAdaF(N,N,N-trimethyl adamantylammonium fluoride)、TMAdaCl(N,N,N-trimethyl adamantylammonium chloride)、TMAdaI(N,N,N-trimethyl adamantylammonium iodide)、TEAOH(tetraethylammonium hydroxide)、TEABr(tetraethylammonium bromide)、TEAF(tetraethylammonium fluoride)、TEACl(tetraethylammonium chloride)、TEAI(tetraethylammonium iodide)、ジプロピルアミン(dipropylamine)、およびシクロヘキシルアミン(cyclohexylamine)の何れか一つ以上であってもよい。
前記第1層110または第2層120のDDR構造dは、DDR前躯体溶液で製造されることができる。前記DDR前躯体溶液は、SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物およびアルミニウム化合物を含んでもよい。例えば、前記ナトリウム化合物は、酸化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを含み、具体的には、Na2O3、NaOHであってもよい。また、前記アルミニウム化合物は、酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含み、具体的には、Al2O3、Al(OH)3であってもよい。
前記SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物、およびアルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、100:1~1000:10~100000:0~500:0~100であってもよい。具体的には、前記SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、100:10~800:500~30000:0~50:0~20であってもよく、より具体的には、100:450:11240:0:0であってもよい。
前記第2有機構造誘導体は、ヨウ化メチルトロピニウム(methyltropinium iodide)、臭化メチルトロピニウム(methyltropinium bromide)、フッ化メチルトロピニウム(methyltropinium fluoride)、塩化メチルトロピニウム(methyltropinium chloride)、水酸化メチルトロピニウム(methyltropinium hydroxide)、キヌクリジニウム(quinuclidinium)、TEAOH(tetraethylammonium hydroxide)、TEABr(tetraethylammonium bromide)、TEAF(tetraethylammonium fluoride)、TEACl(tetraethylammonium chloride)、TEAI(tetraethylammonium iodide)、エチレンジアミン(ethylenediamine)、およびアダマンチルアミン(adamantylamine)の何れか一つ以上であってもよい。
具体的には、前記第2有機構造誘導体は2つ以上の物質を組み合わせて用いてもよく、より具体的には、アダマンチルアミンと異なる1種以上の物質を組み合わせてもよい。例えば、前記第2有機構造誘導体は、アダマンチルアミンとエチレンジアミンを含んでもよく、前記アダマンチルアミンとエチレンジアミンを組み合わせて用いる場合、前記アダマンチルアミンに対して前記エチレンジアミンをモル比で5倍~20倍で用いてもよい。また、前記アダマンチルアミンとエチレンジアミンは、モル比で10~100:50~1000で組み合わせて用いてもよい。
前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜100は、前記CHA前躯体溶液でシード粒子を形成させた後、前記DDR前躯体溶液で二次成長させて製造することができ、前記CHA前躯体溶液およびDDR前躯体溶液は、上記の範囲内で用いることにより、構造的に安定したゼオライトを形成することができる。
一般に、ゼオライト分離膜は、通常二次成長方法を利用して製造するが、この時、シード粒子を構成するゼオライトと全体分離膜を構成するゼオライトの結晶構造が同一である必要がある。通常用いられる方法であるヨウ化メチルトロピニウム(methyltropinium iodide)を有機構造誘導体(organic structure-directing agent、OSDA)として用いて、DDR構造を有するZSM-58ゼオライトを合成する場合、シード粒子が非常に大きく形成され、ここで、二次成長でフィルム形態に製造する時、製造されたフィルムの厚さが厚すぎて透過度が低下されて、問題となる。
一方、本実施形態では、前記CHA前躯体溶液およびDDR前躯体溶液を用いることにより、シード粒子の粒径を小さく制御し、薄厚のフィルム形態に製造することができ、同時にCHA構造およびDDR構造を全部含むCHA-DDR系列のゼオライト分離膜100を製造することができる。具体的には、前記第1有機構造誘導体は、ヨウ化メチルトロピニウム(methyltropinium iodide)またはアダマンチルアミン(1-adamantylamine、ADA)を含み、前記第2有機構造誘導体は、アダマンチルアミン(1-adamantylamine、ADA)またはエチレンジアミン(ethylenediamine)であってもよい。
前記CHA-DDR系列のゼオライト分離膜100で、二酸化炭素透過度は、1×10-9mol・m-2・s-1・Pa-1~1×10-5mol・m-2・s-1・Pa-1であってもよい。
また、前記CHA-DDR系列のゼオライト分離膜100は、気体混合物から二酸化炭素(CO2)気体を分離することを含み、前記気体混合物の流入速度は25mL/min~4000mL/minであってもよい。
前記CHA-DDR系列のゼオライト分離膜100は、二酸化炭素およびメタンがモル比で50:50の混合気体である場合には、前記二酸化炭素の回収率は10%~100%であり、純度は50%~100%であり、前記メタンの回収率は50%~100%であり、純度は30%~100%であってもよい。
また、前記CHA-DDR系列のゼオライト分離膜100は、二酸化炭素および窒素がモル比で15:85の混合気体である場合には、前記二酸化炭素の回収率は10%~100%であり、純度は20%~100%であり、前記窒素の回収率は30%~100%であり、純度は30%~100%であってもよい。
本実施形態によるCHA-DDR系列のゼオライト分離膜100は、上記の範囲の厚さに製造され、前記CHA構造cおよびDDR構造dを含む第1層110およびDDR構造dのみからなる第2層120を含むことにより、上記の気体混合物の流入速度で上記の範囲の二酸化炭素透過度を達成することができる。
前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜は、気体および気体混合物、気体および液体混合物、液体および液体混合物を分離することができる。具体的には、互いに分子の大きさが類似したり、或いは極性物質同士の混合物、非極性物質同士の混合物のように互いに分離しにくい物質を分離することができる。また、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜は、気体および液体の互いに異なる相からなる混合物だけではなく、気体および気体の混合物、液体および液体の混合物を高い分離性能で分離することができる。具体的には、前記液体および液体の混合物で、前記液体はいずれも極性物質からなるか、または非極性性物質からなってもよい。
例えば、前記気体および気体混合物、前記気体および液体混合物、前記液体および液体混合物は、それぞれ2つ以上の物質からなってもよい。例えば、前記気体および気体混合物は、3つ以上の気体が混合された物質で1つまたは2つの気体を同時に分離することができる。
本発明の他の側面によれば、本発明の実施形態は、第1有機構造誘導体を含むCHA前躯体溶液を利用して、水熱合成法で製造したCHA構造を含むシード粒子を形成する1次成長ステップ;および第2有機構造誘導体を含むDDR前躯体溶液を利用して、水熱合成法で前記シード粒子を覆うようにDDR構造を含む層状構造を形成する2次成長ステップ;を含むCHA-DDR系列ゼオライト分離膜の製造方法を含むことができる。前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜は、CHA構造およびDDR構造を含み、厚さが100nm~5umのフィルム形態に備えられてもよい。
前記1次成長ステップは、前記CHA前躯体溶液を利用して、水熱合成法でCHA構造を含むシード粒子を合成し、前記シード粒子を溶媒中に分散させて懸濁液に製造し、前記懸濁液の中に支持体を含浸させて前記支持体の表面に前記シード粒子をコーティングさせ、前記シード粒子がコーティングされた支持体を乾燥させ、乾燥が完了された後、前記シード粒子がコーティングされた支持体を300℃~550℃で、1時間~24時間熱処理することを含んでもよい。
前記支持体は、内部に空間を有するパイプ状の管状支持体を含んでもよく、前記シード粒子は、前記支持体の外部面にディップコーティングによって備えられてもよい。例えば、前記支持体が内部に空間を有する管状支持体で備えられる場合、前記懸濁液の中に含浸させる前に一端および他端をそれぞれ覆うことができ、それにより、管状支持体の内部には前記シード粒子がコーティングされることを防止することができる。
前記溶媒は、エタノール、メタノール、ブタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、ベンゼン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、および1-メチル-2-ピロリドン(NMP)、脱イオン水(deionized water)の何れか一つ以上を含んでもよい。具体的には、前記溶媒は、エタノールまたは脱イオン水であってもよい。
前記懸濁液は、前記懸濁液100重量部を基準として、0.001重量部~0.5重量部のシード粒子を含んでもよい。前記シード粒子が0.001重量部未満で含まれると、前記管状支持体の表面にコーティングされるシード粒子の量が少なすぎて、二次成長の時、問題になり得、0.5重量部を超えると、前記管状支持体の表面にシード粒子が均一にコーティングされなくて問題となり得る。具体的には、前記シード粒子は、0.05重量部~0.1重量部であってもよい。
また、前記懸濁液は、前記管状支持体を含浸させる前に、超音波撹拌などによって、前記懸濁液の中にシード粒子がより均一に分散されるようにすることができる。
前記熱処理は、300℃~550℃で、1時間~24時間実行してもよい。前記熱処理を上記の範囲内に実行することにより、前記シード粒子の中に含まれる可能性がある溶媒を除去して、前記2次成長ステップでDDR前躯体溶液が前記シード粒子の表面によく含浸されるようにすることができる。
前記2次成長ステップは、DDR前躯体溶液と、前記シード粒子がコーティングされた管状支持体を添加し、水熱合成することを含んでもよい。前記DDR前躯体溶液は、水熱合成によって前記シード粒子を囲むように、前記DDR構造を含むゼオライト結晶構造が形成され、続いて、二次成長によってDDR構造のみからなるフィルム形態に備えられてもよい。
本実施形態によるCHA-DDR系列ゼオライト分離膜の製造方法は、互いに異なる結晶構造であるCHA構造およびDDR構造がヘテロエピタキシャル成長によって形成されてもよく、内部にはCHA構造を有し、全体的にはDDR構造の物性を有するフィルム形態に製造されることができる。
前記1次成長ステップで、前記シード粒子は支持体上に複数個の粒子の形態で備えられてもよい。前記支持体は、α-アルミナ、γ-アルミナ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリイミド、シリカ、ガラス、ムライト(mullite)、ジルコニア(zirconia)、チタニア(titania)、イットリア(yttria)、セリア(ceria)、バナジア(vanadia)、シリコン、ステンレススチール、カーボン、カルシウム酸化物、およびリン酸化物のいずれか一つ以上を含んでもよい。
前記支持体は1×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1~1×10-4mol・m-2・s-1・Pa-1の高透過度を有する管状に備えられてもよい。
前記シード粒子は、複数個で形成され、前記シード粒子の平均長さは10nm~1umであってもよい。前記シード粒子の平均長さが10nm未満の場合、支持体の表面に存在する細孔に比べて前記シード粒子の粒径が小さすぎて、支持体内にシード粒子が挿入される問題が発生し、そこで、シード粒子を形成しにくくなり、前記第1層を均一に形成しにくいという問題がある。また、前記シード粒子の平均長さが1umを超える場合、シード粒子の粒径が大きすぎて、互いに隣接するシード粒子同士が互いに重畳されるなどの問題が発生して、DDR構造が均一に形成されにくい。具体的には、前記シード粒子は、100nm~1um、または200nm~1um、または200nm~700nm、または200nm~500nmであってもよい。
前記1次成長ステップで、前記CHA前躯体溶液は、第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物およびアルミニウム化合物を含んでもよい。例えば、前記ナトリウム化合物は、酸化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを含み、具体的には、Na2O3、NaOHであってもよい。また、前記アルミニウム化合物は、酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含み、具体的には、Al2O3、Al(OH)3であってもよい。
前記第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、0.1~1000:100:100~50000:0~500:0~100であってもよい。具体的には、前記第1有機構造誘導体、SiO2、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で1~100:100:500~30000:5~50:0.5~20であってもよく、より具体的には、20:100:1600:20:5であってもよい。
前記第1有機構造誘導体は、TMAdaOH(N,N,N-trimethyl adamantylammonium hydroxide)、TMAdaBr(N,N,N-trimethyl adamantylammonium bromide)、TMAdaF(N,N,N-trimethyl adamantylammonium fluoride)、TMAdaCl(N,N,N-trimethyl adamantylammonium chloride)、TMAdaI(N,N,N-trimethyl adamantylammonium iodide)、TEAOH(tetraethylammonium hydroxide)、TEABr(tetraethylammonium bromide)、TEAF(tetraethylammonium fluoride)、TEACl(tetraethylammonium chloride)、TEAI(tetraethylammonium iodide)、ジプロピルアミン(dipropylamine)、およびシクロヘキシルアミン(cyclohexylamine)の何れか一つ以上であってもよい。
前記水熱合成法は、6時間~400時間、および100℃~250℃の温度範囲で実行されてもよい。具体的には、前記水熱合成法は100時間~200時間、140℃~180℃で実行されてもよい。
前記DDR前躯体溶液は、SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物およびアルミニウム化合物を含んでもよい。例えば、前記ナトリウム化合物は、酸化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを含み、具体的には、Na2O3、NaOHであってもよい。また、前記アルミニウム化合物は、酸化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含み、具体的には、Al2O3、Al(OH)3であってもよい。
前記SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物、およびアルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、100:1~1000:10~100000:0~500:0~100であってもよい。具体的には、前記SiO2、第2有機構造誘導体、H2O、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物のそれぞれは、モル比で、100:10~800:500~30000:0~50:0~20であってもよく、より具体的に100:450:11240:0:0であってもよい。
前記第2有機構造誘導体は、ヨウ化メチルトロピニウム(methyltropinium iodide)、臭化メチルトロピニウム(methyltropinium bromide)、フッ化メチルトロピニウム(methyltropinium fluoride)、塩化メチルトロピニウム(methyltropinium chloride)、水酸化メチルトロピニウム(methyltropinium hydroxide)、キヌクリジニウム(quinuclidinium)、TEAOH(tetraethylammonium hydroxide)、TEABr(tetraethylammonium bromide)、TEAF(tetraethylammonium fluoride)、TEACl(tetraethylammonium chloride)、TEAI(tetraethylammonium iodide)、エチレンジアミン(ethylenediamine)、およびアダマンチルアミン(adamantylamine)の何れか一つ以上であってもよい。
前記水熱合成法は、6時間~400時間、および100℃~250℃で実行されてもよく、具体的には、前記水熱合成法は、12時間~300時間、および100℃~200℃で実行されてもよい。
前記CHA前躯体溶液およびDDR前躯体溶液は、それぞれSiおよびAlを含み、前記CHA構造は、Si:Alのモル比基準値が100:0~10であり、前記DDR構造は、Si:Alのモル比基準値が100:0~10であってもよい。
前記2次成長ステップ以後に、熱処理ステップをさらに含み、前記熱処理ステップは、オゾン雰囲気で、100℃~300℃の温度範囲で実行してもよい。
前記オゾン雰囲気の熱処理は、従来の熱処理よりも低い温度で実行してもよく、前記オゾン雰囲気を利用した熱処理ステップによって、前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜の気孔内に存在し得る第2有機構造誘導体を除去することができる。また、本実施形態による熱処理ステップは、低い温度範囲で実行されることにより、支持体とCHA-DDR系列ゼオライト分離膜との間の互いに異なる熱的挙動によって発生し得るマイクロクラックなどが形成されることを防止することができる。それにより、混合気体などの分離能をより向上させることができる。
前記CHA-DDR系列ゼオライト分離膜は、気孔内部に1-アダマンチルアミン(adamantylamine)を1重量%以下で含んでもよい。
以下、本発明の実施例および比較例を記載する。しかしながら、下記実施例は、本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明の権利範囲が下記実施例によって制限されるのではない。
(実施例および比較例の製造)
1.SSZ-13粒子合成および管状支持体上にSSZ-13シード層形成
高いフラックスを有する非対称形態のα-アルミナ管状支持体(外径:1.2cm、厚さ:0.2cm、長さ:9cm;韓国ファインテック社)を用いてゼオライトフィルムを製造した。α-アルミナ管状支持体は、β-アルミナを非常に低い水準の不純物として含み、大部分α-アルミナからなっている。ゼオライトフィルムを合成する前に、セルまたはモジュールの密封に用いられるα-アルミナ管状支持体の両側端(約2cm)を不透過度材料(IN1001 Envision Glazes、Duncan Ceramics、USA)で光沢処理した。光沢処理を完了した後、CHA構造を含むゼオライトであるSSZ-13(standard oil synthetic zeolite-13、SSZ-13;チァバザイト(CHA)形態)シード粒子を合成した。製造されたSSZ-13シード粒子のSi対Al比は、平均20±2に示された。
製造されたSSZ-13シード粒子をα-アルミナ管状支持体の外面にディップコーティング方法でコーティングさせた。具体的には、製造されたSSZ-13シード粒子をエタノールが具備された250mLのポリプロピレン(PP)瓶に添加した後、超音波装置(UC-10、JeioTech Co.Ltd.,大韓民国)を利用して、20分間超音波処理して懸濁液を製造した。製造された懸濁液は、エタノール1L当たり0.75gのシード粒子を含む。ディップコーティング方法を適用するために、懸濁液(約50mL)を50mLの目盛り付きシリンダーに移して盛った。この時、α-アルミナ管状支持体は、ディップコータ(ZID-6A、Jaesung Engineering Co.,Republic of Korea)を利用して、ディップコーティングを実行した。
α-アルミナ管状支持体をSSZ-13シード粒子を含む懸濁液の中に完全に浸るように垂直に下方へ移動させた。約30秒間浸漬させた後、α-アルミナ管状支持体を上へ上げて最初位置に移動させて、常温で約30秒間乾燥させた。このようなディップコーティングを総14回繰り返して、均一で稠密な形態のシード粒子で構成されたシード層が形成された。ディップコーティングは、α-アルミナ管状支持体の一方向に対して7回実行した。その次、α-アルミナ管状支持体をひっくり返して、α-アルミナ管状支持体の他方向に対して7回をそれぞれ実行した。この時、α-アルミナ管状支持体の内面にシード粒子がコーティングされることを防止するために、それぞれの底面にパラフィルム(parafilm、PM996、Bemis Co.、Inc.、USA)を付着した。
ディップコーティングが完了された後、シード粒子がコーティングされたα-アルミナ管状支持体をディップコータで分離し、常温で約30分間乾燥させた。その次、シード粒子がコーティングされたα-アルミナ管状支持体をボックス形態の炉(CRF-M20-UP、Pluskolab、大韓民国)に入れて、1℃/minで温度を上昇させて、450℃で4時間焼成した。
2.SSZ-13シード層上ヘテロエピタキシャル(heteroepitaxially)成長されたDDR分離膜
DDR構造を含むゼオライト(all-silica deca-dodecasil3 rhombohedral、DDR;DDR形態)は、下記のように合成した。
エチレンジアミンを(ethylenediamine、EDA;E26266、≧99%、Sigma-Aldrich)をPP反応器に入れ、ここにDDR構造のゼオライト合成用有機構造誘導体(organic structure-directing agent、OSDA)である1-アダマンチルアミン(1-adamantylamine、ADA;H30076、98%、Alfa Aesar)を添加した。エチレンジアミンと1-アダマンチルアミンが盛られたPP反応器を20分間超音波処理して均質化した。ADAをEDAに完全に溶解させた後、脱イオン水(DI)を混合物に速かに添加した。PP反応器に脱イオン水を添加した直後、溶液が不透明になって懸濁液に製造された。次に、製造された懸濁液をシェーカーマシン(shaker machine、Si-300R、JeioTech Co.Ltd.,大韓民国)を利用して、1時間混合した。混合が完了された後、製造された懸濁液を約95℃に加熱されたオイルバスに入れて、不透明な混合物が透明になるまで3時間マグネットバーを利用して撹拌した。約95℃に加熱した後、PP反応器をオイルバスから取り出した後、氷水が盛られたバスに入れて冷却させた。冷却させる間に、溶液はマグネットバーを利用して、約20分間撹拌した。次に、ヒュームドシリカ(fumed silica、CAB-O-SIL M5、Cabot Corp.,USA)を冷却された混合物の中に添加した。製造された混合物をシェーカーマシン(shaker machine)を利用して、常温で12時間さらに混合した。このように製造されたDDR合成前駆体の最終モル組成は、100:47:404:11240(SiO2:ADA:EDA:H2O)で現われた。
約90mLのDDR合成前駆体をテフロン(登録商標)ライナー(Teflon liner、総体積:約120mL)に添加した。その後、シード粒子がコーティングされたα-アルミナ管状支持体をテフロン(登録商標)ライナー内に傾斜するように配置した。テフロン(登録商標)ライナーは、ステンレススチールからなるオートクレーブ内に入れて、密閉した。オートクレーブを160℃に予熱された対流オーブン(PL_HV_250、Pluskolab、大韓民国)に移して、静的条件(static condition)で水熱合成を実行した。一日中実行した後、オートクレーブを水道水で急冷して水熱合成を中断させた。オートクレーブを冷却させた後、管状支持体上に合成されたゼオライトフィルムサンプルを取り出して脱イオン水で満たされた500mLのビーカーに入れて、12時間洗浄した。続いて、サンプルを70℃のドライオーブン(HB-502M、Pluskolab、大韓民国)に入れて乾燥させた。
乾燥された管状ゼオライトフィルムは、次の2つの方法でそれぞれ熱処理を実行した。2つの方法の熱処理は、(1)ボックス型炉を0.2℃/minで昇温させた後、550℃、および12時間、200mL/minの空気ストリームで熱処理する空気熱処理と、(2)管状炉(Scientech、大韓民国)内に石英管(外径50mm、壁厚さ2mm)を0.2℃/minで昇温させた後、250℃、および40時間、200mL/minのオゾン(O3)ストリームでオゾン熱処理とに分けられる。この時、オゾンストリームは、純粋酸素に対するバランスを合わせるために、5vol%のオゾンを含むように構成され、特に、オゾンストリームは、オゾン発生器(OZE-020、Ozone Engineering Co.、Ltd.,大韓民国)で1000mL/minの速度で純粋酸素気体(99.9%純度)を流れるようにして発生した。ここで、製造された管状ゼオライトフィルム形態をCD分離膜と言い、これは、SSZ-13(CHA型)シード層からヘテロエピタキシャル成長したDDRゼオライト分離膜を意味する。
3.DDR@CHAハイブリッド粒子合成
SSZ-13ゼオライト粒子はシード粒子で用いられ、ここにDDR合成前駆体にヘテロエピタキシャル成長によってDDR構造のゼオライト(all-silicaDDRzeolite)を合成した。DDR合成前駆体は前記管状ゼオライトフィルムであるCDフィルムを合成する時に用いられた前駆体と同じ物質を利用した。
DDR合成前駆体(約30mL)をテフロン(登録商標)ライナー(総体積:約45mL)に入れ、ここにSSZ-13シード粒子(約0.03g)を添加した。テフロン(登録商標)ライナーをステンレススチールオートクレーブに入れて密閉した。ステンレススチールオートクレーブを160℃に予熱された対流オーブンに入れた。シード粒子が成長するように、オートクレーブを2日間約45rpmで回転させた。続いて、ステンレススチールオートクレーブを水道水を利用して急冷してシード粒子の成長を終了させた。
ステンレススチールオートクレーブを冷却させた後、遠心分離機(Combi-514R、韓日科学産業(株)、大韓民国)を利用して合成された粒子を回収した。合成された粒子は、遠心分離、ディキャンティング(decanting)および脱イオン水を添加する洗浄を5回繰り返して実行した。このような方式で得られた固体生成物を70℃のドライオーブンで乾燥させた。
上記のCD分離膜のように乾燥された粒子は、次の2つの方法の熱処理を実行して熱的に活性化させた。2つの方法の熱処理は、(1)ボックス型炉を1℃/minで昇温させた後、550℃、および12時間、200mL/minの空気ストリームで熱処理する空気熱処理と、(2)管状炉(Scientech、大韓民国)を1℃/minで昇温させた後、250℃、および40時間、200mL/minのオゾン(O3)ストリーム(5vol%オゾン)で熱処理するオゾン熱処理とに分けられる。便宜上、このように製造されたハイブリッド粒子をCD-Pと示し、ここで、CとDは、それぞれCHA型シード粒子とCHAゼオライトシード粒子からヘテロエピタキシャル成長したDDRゼオライトを示し、上記のフィルム形態と区分するためにPを付けた。
4.特性評価
SEMイメージは電界放出走査型電子顕微鏡(FE-SEM;S-4800、Hitachi Ltd.,Japan)を利用して確認した。SEMイメージを得る前に、E-1045イオンスパッタ(30mAで30秒間生成)(Hitachi Ltd.,Japan)を利用して、粉末および分離膜サンプルのそれぞれにPtをコーティングした。
X線回折(X-ray diffraction、XRD)パターンは、CuKα放射線(λ=0.154nm)でD/Max-2500V/PC X線回折計(Rigaku Co.、Japan)を用いて確認した。正確に比較するために、Mercuryソフトウェア(Cambridge Crystallographic Data Centerウェブサイトでダウンロード可能、http://www.ccdc.cam.ac.uk)を用いて、CHAおよびDDRゼオライトのシミュレーションされたXRDパターンを確認した。それぞれの結晶情報ファイルは、IZA(International Zeolite Association)ウェブサイト(http://www.iza-online.org)でダウンロードして利用した。
また、空気環境で、Q50(TA Instruments、USA)を利用して、CD-P粒子の熱重量分析(TGA)結果を得た。
ヘテロエピタキシャル成長されたCDフィルムを利用した分離膜の構造的特性を調査するために、断面試験片をデュアルビーム集束イオンビーム走査電子顕微鏡(dual beam-focused ion beam scanning electron microscope、DB-FIB SEM;LYRA3 XMH、Tescan Orsay Holding、Czech Republic)を用いて用意した。DB-FIB SEMを利用して断面試験片を切断する前にビームによる損傷を防止するために、CD分離膜の外部表面に炭素と白金(Pt)を順次コーティングした。その後、透過電子顕微鏡(TEM)測定に適するように、DB-FIB SEMのガリウムイオンビームを利用して、厚さが約100nmの非常に薄い横断面試験片で用意した。製造された横断面試験片を用いて断面TEMイメージ、走査透過電子顕微鏡(scanning transmission electron microscopy、STEM)イメージ、STEM-エネルギー分散X-レイ(EDX)データを確認した。STEMマイクロプローブモードによって、CHA構造(シード粒子)およびDDR構造(シード粒子で成長)ゼオライト領域を確認した。このために、FEI XFEG-Titan themis3 Double Cs & Monochromated TEM(Thermo Fisher Scientific Inc.,USA)を用いた。
蛍光共焦点光学顕微鏡(fluorescence confocal optical microscopy、FCOM)を利用して、空気およびオゾン環境で熱処理して製造したハイブリッドCD分離膜の内部の欠陥構造を確認した。ハイブリッドCD分離膜のFCOMイメージは、固体レーザ(solid-state laser、555nm波長)を用いて、LSM700共焦点顕微鏡(Carl-Zeiss、Germany)で得た。フルオレセインナトリウム塩(F6377、Sigma-Aldrich)を染料分子として、CD分離膜サンプルを染色した。染料分子の大きさは約1nmで、非ゼオライト欠陷に選択的に接近することに予測され、一方、DDRゼオライト(0.36×0.44nm2)の微細気孔は損傷されず保持されることを確認した。
FCOM測定する前に、空気熱処理およびオゾン熱処理してそれぞれ製造した管状CD分離膜をそれぞれ小さな切れに粉碎した。次に、用意したサンプルを1mMのフルオレセインナトリウム水溶液に約4日間浸漬して染色した。染色が完了された後、染色された管状CD分離膜のFOCMイメージを分離膜の厚さによって確認した。得られたFOCMイメージは、3次元欠陥構造を視覚的に再構成するために追加処理した。
5.分離性能測定
ハイブリッドCD分離膜の分離性能を測定するために、供給物および透過物の総圧力は、それぞれ約1barおよび0.03barに保持しながら、CO2/CH4およびCO2/N2の混合ガスに対する分離性能を確認した。透過面(permeate side)で圧力を低く保持するために、真空ポンプ(DTC-22B、Ulvac Technologies Inc.,Japan)を利用した。分離性能を比較するために、1つのCD分離膜は透過測定用セル(permeation cell、CD-1-Cell)に装着し、4つのCD分離膜は、透過測定用モジュール(permeation module、CD-4-Module)に装着した。図2は、分離性能評価のためのセルおよびモジュールの概略的な形態を示した。図2で、CO2/CH4分離工程で透過度評価と気体流れを確認するための(a)1つのCD分離膜装着セル(CD-1-Cell)および(b)4つのCD分離膜装着モジュール(CD-4-Module)を示した。
分離性能を測定するために用いられたセルおよびモジュールは注文製作した(Finetech Co.、Ltd.,大韓民国)。CO2/CH42成分混合物の分圧は、乾式条件下で、約50.5kPa:50.5kPa(DRY CO2:CH4=50:50)でCO2/N22成分混合物の分圧は、乾式条件下で、約15.2kPa:85.8kPa(DRY CO2:N2=15:85)に示した。また、湿式条件下でも分離性能を評価した。CO2/CH4/H2OおよびCO2/N2/H2Oの3成分混合物の分圧は、それぞれ約49kPa:49kPa:3kPa(WET CO2:CH4=50:50およびWET CO2:N2 =50:50)と約14.7kPa:83.3kPa:3kPa(WET CO2:N2=15:85)であった。
CO2/CH4およびCO2/N2に対する分離性能は、50℃、相対湿度を26%から100%に変化させながら確認した。乾式条件および湿式条件の両方で、CO2/CH4およびCO2/N2の2成分混合物のモル組成は、乾燥状態を基準として、それぞれ50%CO2/50%CH4および15%CO2/85%N2にした。
熱質量流量コントローラ(F-201CL、Bronkhorst、オランダ)を用いて、CD-1-Cellの場合、総供給流量を25mL/minから1000mL/minに、CD-4-Moduleの場合、総供給流量を100mL/minから4000mL/minにそれぞれ変化させながら、回収率および純度を確認して、CD分離膜の分離性能を確認した。
管状CD分離膜の軸方向による濃度勾配を考慮した透過度を計算するために、対数平均圧力降下を利用した。CD-1-CellおよびCD-4-Moduleをオーブン(DX330、Yamato Scientific Co.、Ltd.,Japan)に入れ、多様な温度で、CO2/CH4およびCO2/N2の分離性能を確認した。次に、ガスクロマトグラフィー(YL6500 GC、Youngin Chromass、Korea)を利用して、透過面(permeate side)での分子のモル組成を分析した。この時、熱伝導度検出器(thermal conductivity detector、TCD)が装着されたガスクロマトグラフィーで透過面(permeate side)の分子を連続的に注入するために真空ポンプを利用した。精密に測定するために、CO2/CH4分離性能に対しては、N2(ca.10mL/min)およびCO2/N2分離性能に対しては、CH4(ca.10mL/min)を内部基準として用いた。
(実施例および比較例の評価結果)
1.ヘテロエピタキシャル成長されたDDR@CHA分離膜の特性
図3は、本実施例によるCD分離膜のSEMイメージ、XRDパターン、STEMイメージ、XRDパターンを示した。
図3は、(a)SSZ-13シード粒子がコーティングされた管状α-Al2O3支持体(b)SSZ-13シード層でヘテロエピタキシャル成長されたDDR分離膜(すなわち、オゾン熱処理されたCD分離膜、またはCD分離膜)のSEMイメージであり、(c)SSZ-13シード粒子、シード層、およびCD分離膜のXRDパターンである。SSZ-13シード層とCD分離膜の拡大されたXRDパターンは、正規化された(normalized)XRDパターンで示した。CHAゼオライトおよびDDRゼオライトのシミュレーションされたXRDパターンは、上部および下部でそれぞれ示した。(c)で*および短剣符(†)は、α-Al2O3(majority)およびβ-Al2O3(trace)からなる支持体の組成のXRDピークをそれぞれ示した。(d)は、FIB処理されたCD分離膜の断面TEMイメージと、それによる(e)Al(灰色)および(f)Si(白色)およびAl(灰色)に対する化学成分を示した。化学成分に対するイメージは(d)の四角形点線部分に対するものである。(d)~(f)の矢印は、CD分離膜のSSZ-13シード粒子を示す。(f)で白色および灰色で表示された四角形は、それぞれに対応するSiおよびAlの比率を示した。(g)は(d)で表示されたサンプルの断面STEMイメージであり、(h)および(i)は(g)でhおよびiで表示された白丸で得たXRDパターンである。(h)および(i)では、DDRゼオライトの[110]ゾーン軸によって測定された回折パターン(点で表示)が実験で得られたパターンと重畳されることを確認した。また、(i)でCHAゼオライトに対応する回折パターンは灰色点で表示した。
約230nm粒径のSSZ-13(CHA型)シード粒子がディップコーティングによって非対称α-Al2O3管状支持体の外部表面に均一にコーティングされたことを確認した(図3の(a))。XRD分析によってCHAゼオライトシード層が形成されたことを確認することができた(図3の(c))。次に、製造されたCHAシード層をDDRゼオライト合成ができるようにする合成前駆体を用いてヘテロエピタキシャル成長させた。オゾン熱処理したCD分離膜は、SEMイメージで連続的なダイヤモンド形態(またはピラミッド形態)で示し(図3の(b))、これに対応する部分のXRD分析では、大部分がDDRゼオライトからなることを確認することができた(図3の(c))。特に、図3の(b)のピラミッド型スパイクのような形態は、純粋なDDRゼオライトの粒子形態と類似することを確認することができた。DDRゼオライトがCHAシード層で成長した後にも、CHAゼオライトに対応する(101)面のXRDピークが現われることを確認することができた(図3の(c))。以下、ヘテロエピタキシャル成長されたゼオライト分離膜をCD分離膜と言い、CとDはそれぞれハイブリッド分離膜でCHAゼオライトとDDRゼオライトを示す。
ヘテロエピタキシャル成長された構造を確認するために、約100nm厚さの断面サンプルを用意してTEM分析を実行した。図3の(d)の横断面TEMイメージは、全体厚さが約2umのCD分離膜で互いに異なる2つの部分が存在することを明確に示した。具体的には、一部球形粒子(図3の(d)の矢印で示された部分)は、α-Al2O3支持体とCD分離膜との間の境界部分から主に観察された。また、図3の(e)、(f)で、化学成分(図3の(d)の点線四角形表示と同じ部分)は、粒子から成長された部分と見える領域に比べてより高いAl含量を示した。特に、CD分離膜でAl含量が豊かな部分は、Si対Alの比率(Si/Al=20±2)および模様と大きさの観点で、CHAシード粒子と同様に現われた(図3の(a)、(d)~(f))。一方、Al含量が豊かな部分の間とその上部は、DDRゼオライト合成前駆体によって成長したように高いシリカ質に現われた。
CD分離膜のSTEMイメージを確認した(図3の(g))。均一に現われた部分は主にCD分離膜の上部で観察され、暗い斑点は界面部分で主に観察され、これは図3の(d)のTEMイメージと一致した。図3の(g)の白丸で表示された部分に対して、STEMマイクロプローブモードに基づいてXRDパターンを確認した。これは不規則に成長した分離膜(図3の(g)で、hで表示された部分を拡大した図3の(h)参照、暗い斑点除外)、およびシード粒子(図3の(g)のiで表示された部分、暗い斑点)を確認した。特に、STEMマイクロプローブモードに基づいて、電子ビームは高い空間分解能(約50nmの正確度)で多様な領域の分析が可能であった。図3の(h)、(i)のXRDパターンを解釈して、STEMイメージ(図3の(g))で、h、iの結晶構造を確認した。これはそれぞれ二次成長したDDRゼオライトとCHAシード粒子を現わすことを確認することができた。
図4は、本実施例によるCD分離膜のSTEMイメージおよび電子回折パターンを示した。図5は、図4のSTEMイメージの表示された部分に対する電子回折パターンを示した。
図4で、(a)はSTEM断面イメージ(図3のgと同一)および(b)は(a)でc1に表示された部分での電子回折パターンを示した。(a)で、a1およびb1で表示された部分は、図3のgのhおよびiで表示された部分とそれぞれ同一であり、これは、図3の(h)および(i)にそれぞれ示した。(b)で白丸内に黒丸で表示された部分は、DDRゼオライトの[110]ゾーン軸で(003)、110、(113)面に対応する。また、CHAゼオライトに対応する部分は、[111]ゾーン軸で(121)、101、(213)面に対応する。
図5で、(a1)~(c1)は、図4の(a)で、a1、b1、c1に対応する部分に対するそれぞれの電子回折パターンの実験値を示した。(a2)、(b2)、(c2)は、DDRゼオライトであり、(a3)、(b3)、(c3)は、CHRゼオライトに対するシミュレーション結果を示した。実験値とシミュレーション結果を比較するために、図5では互いに対応するように配置した。
電子回折パターンで、[110]ゾーン軸でDDRゼオライトを確認した。また、追加的な電子回折パターンがi位置に現われ、ここでDDRゼオライトに対する[110]ゾーン軸が弱く現われることを確認することができた。追加的な電子回折パターンは、DDRゼオライトのどんな平面でも説明できない部分であるので、CHAゼオライトで由来したものであることが分かった(特に、中心に近い点がCHAゼオライトで主に現われる(101)平面に対応)。i位置で暗い斑点の中心にさらに移動すると、DDRゼオライトに対応しない追加的な電子回折パターンが確認された(図5参照)。これは、CHAゼオライト基盤[111]ゾーン軸に一部追加された点が現われることが確認された。
図3の(h)、(i)、図4、および図5を参照すると、実験結果による電子回折パターンの結果は、シミュレーションされた電子回折パターンによっても確認することができた。DDRゼオライトとCHAゼオライトによる電子回折パターンを完全に分離することができなかったが、暗い斑点に近接しながらCHAゼオライトに起因して新しく現われたX電子回折パターン(すなわち、図5の「a1」から「c1」)を確認することができ、これは、CHAゼオライトとDDRゼオライトが共存することを意味する。すなわち、DDRゼオライトは、構造的互換性でCHAシード層でヘテロエピタキシャル成長されることができ、その結果、分離膜の上部および下部領域がそれぞれDDRゼオライトと、DDRゼオライトおよびCHAゼオライトの混合層に分けられることを確認することができた。
2.DDR@CHAハイブリッド粒子特性
図6は、本発明の実施例によるCD-P粒子の熱処理条件によるSEMイメージ、XRDパターンを示した。図6で、(a)合成した直後(as-synthesized)、(b)空気熱処理(air-calcined)および(c)オゾン熱処理(ozone-calcined)後のSEMイメージをそれぞれ示した。(d)は合成した直後、空気熱処理およびオゾン熱処理したCD-PのXRDパターンを示した。CHAゼオライトとDDRゼオライトのシミュレーションしたXRDパターンは、それぞれ上部および下部に示した。(e)はオゾン熱処理したCD-Pの粒径分布を示したもので、ダイヤモンド形態に現われ、各粒子の最も長い長さを測定した。(f)は合成した直後、空気熱処理およびオゾン熱処理したCD-PのTGA結果である。TGAを測定する時、空気中、常温で110℃に温度を上昇させた後、110℃で、3時間保持させた後、さらに800℃まで温度を上昇させた。この時、速度は1℃/minで温度を上昇させた。
合成されたCDフィルムに対して熱処理条件を決めるために、CD-P粒子をTGA分析に用いた。CD分離膜とCD-P粒子の合成で、同じシード粒子を成長させる方法が用いられ、したがって、CD-P粒子のTGA結果は、CD分離膜に対する熱処理条件を決めるための根拠として用いられることができる。ここで、合成された(as-synthesized)は、熱処理する前の状態を意味する。合成されたCD-P粒子は、空気熱処理およびオゾン熱処理でそれぞれ実行された。図6は、CD-P粒子のダイヤモンド模様が熱処理条件に関わらず保存されることを示す。また、CD分離膜の表面形態とも一致することを確認することができた。550℃、および空気熱処理されたCD-P粒子と、250℃、およびオゾン熱処理されたCD-P粒子は、図6の(d)でDDRゼオライトのシミュレーションされたXRDパターンと同じXRDパターンであることを確認した。すなわち、合成されたCD-P粒子は、大部分DDR構造を有するゼオライトからなることを意味する。
オゾン熱処理されたCD-P粒子の平均粒径は、2.9±0.7umに現われた。ハイブリッドCD分離膜の厚さが約2umで、CD-P粒子の粒径と同様であることを考慮する時、CD-P粒子の特性は、ハイブリッドCD分離膜と同一であると予測される。CD-P粒子(すなわち、合成されたCD-P粒子と空気条件およびオゾン条件でそれぞれ熱処理したCD-P粒子)のTGA結果で、CD-P粒子の内部に存在するADAが熱処理によって完全に除去されることを確認することができた。
より詳細に分析するために、110℃で、3時間熱処理してゼオライト粒子に吸着された水気を除去した。第一、合成されたCD-P粒子のTGA結果は、ADAの重量部分(ca.10.8wt%)が理論値(ca.11wt%)に類似するように現われた。これは、大部分のCD-P粒子がDDR構造を有するゼオライトで構成されたことを意味する。また、空気熱処理およびオゾン熱処理されたCD-P粒子のTGA結果は、合成されたCD-P粒子が550℃および空気条件(空気熱処理)または250℃およびオゾン条件(オゾン熱処理)で熱処理された後、ADAが完全に除去されることを意味する。すなわち、2つの熱処理方法が全部合成されたCD分離膜にも適切に用いられることができることを意味する。
上記の550℃で空気熱処理または250℃でオゾン熱処理によって、ADAは、両方法で全部効果的に除去される。一方、高温で合成されたゼオライト分離膜の場合、熱処理によってゼオライト分離膜とα-アルミナ支持体の熱膨脹挙動との間の差による欠陷が形成される。そこで、製造されたゼオライト分離膜は、透過選択性が低下される(ここで、乾式条件で、30℃でCO2/CH4 SF1.8)。したがって、オゾン熱処理されたCD分離膜のみに対して透過測定を確認した。CDフィルムのゼオライト気孔は、欠陷がほとんど形成されず、250℃の比較的低い温度で熱的に活性され、高い分離性能を示した。
3.CD分離膜の欠陷構造
図7は、空気熱処理およびオゾン熱処理のそれぞれによるCD分離膜のSEMイメージおよびFCOMイメージである。図7で、空気熱処理(air-calcined、(a1)~(a3))およびオゾン熱処理(ozone-calcined、(b1)~(b3))でそれぞれ熱処理条件を異なるようにしたCD分離膜のイメージである。(a1)、(b1)は、断面のFCOMイメージであり、(a2)、(b2)は、上部のFCOMイメージであり、(a3)、(b3)は、上部のSEMイメージである。断面のFCOMイメージは、上部のFCOMの点線部分に対応する。断面のFCOMイメージの点線は、上部のFCOMイメージの位置を示した。(a1)、(b1)で、上部および下部の白点線は、CD分離膜の外部表面(上部)と、CD分離膜とα-Al2O3との間の界面(下部)をそれぞれ示した。(a2)で矢印は、断面のFCOMで観察された亀裂を意味する。空気熱処理(a4)およびオゾン熱処理(b4)に対する効果を確認するために、FCOMイメージを利用してイメージ処理によって生成された傾斜された平面図3次元イメージを示した。(b4)では(a4)とは違って、FCOMイメージの処理によって欠陷に対応するピクセルが感知および抽出されなかったので、「不検出(Non-Detectable)」と示した。
ゼオライト分離膜を高温で熱処理する過程で、ゼオライト分離膜には欠陥構造である例えばマイクロクラック(micro crack)が形成される可能性がある。このようなマイクロクラックは、混合気体などを分離する過程で非選択的経路を作用することが多く、そこで、分離膜の透過選択性を低下させる可能性がある。これは、高温で熱処理する過程で、ゼオライト分離膜とα-Al2O3支持体との間の熱的挙動が異なることから発生する。一方、本実施例では、相対的に低温で実行されるオゾン熱処理を提供することにより、分離膜にこのような欠陷が形成されることを防止することができる。
図8は、CD分離膜の熱処理条件によるSEMイメージである。図8で、(a1)および(b1)は上部面であり、(a2)および(b2)は断面をそれぞれ示すSEMイメージである。
上記の方法で製造した粒子形態のCD-P(ここで、CはCHAシード粒子、DはCHAシード粒子の成長後に二次成長させたDDRゼオライトであり、Pは粒子形態であることを意味する)を利用して実験した。CDおよびCD-Pのシード粒子成長のために、有機構造誘導体(organic structure-directing agent、OSDA)に用いられた1-アダマンチルアミン(1-adamantylamine、ADA)を空気熱処理およびオゾン熱処理によって除去した。特に、CD-Pは、CD分離膜の製造と類似する合成条件で製造され、CD-Pの粒径はCD分離膜の厚さと類似するように現われることを確認することができた。それにより、CD-Pで確認した空気熱処理およびオゾン熱処理の結果をCD分離膜に適用して確認した。
空気熱処理およびオゾン熱処理によるCD分離膜の欠陥構造を視覚的に確認するために、FCOM分析を利用した。空気熱処理は高温で実行され、空気熱処理されたCD分離膜は、相互連結された欠陥構造であるマイクロクラックがネットワーク形態に形成されることを確認することができた。このようなマイクロクラックのネットワークは、分離膜とα-Al2O3支持体との間の界面まで連結された。前記欠陥構造は、MTI基盤の均質したDDRおよびヘテロエピタキシャル成長されたDDR@CHA分離膜の欠陥構造と類似するように現われた。一方、相対的に低温で実行されるオゾン熱処理されたCD分離膜は欠陷が現われなかった。
空気熱処理およびオゾン熱処理がそれぞれ実行されたCD分離膜は、両方ともSEMイメージでは同様に現われたが(図7の(a3)、(b3))、FCOMイメージでは欠陥構造で相当な差を現わした(図7の(a1)、(a2)、(b1)、(b2))。具体的な分析のために、FCOMイメージを3次元イメージで処理して欠陥構造を確認した(図7の(a4)、(b4))。空気熱処理されたCD分離膜は欠陥構造が明らかに現われる一方、オゾン熱処理されたCD分離膜ではほとんど観察されないことを確認することができた。
4.分離膜観点でCD分離膜の分離性能評価
図9は、空気熱処理およびオゾン熱処理のそれぞれで製造されたCD分離膜のCO2/CH4分離性能を確認した結果である。図9を参照すると、CO2/CH42成分等モル混合物を供給物として1000mL/minの供給流量で30℃の乾式条件および湿式条件(水蒸気圧ca.3kPa)で測定した。空気熱処理されたCD分離膜に比べて、オゾン熱処理されたCD分離膜が透過度およびCO2/CH4 SFで優れていることを確認することができた。これは、上記のように、空気熱処理の場合、マイクロクラックが形成され、前記マイクロクラックは混合気体を分離する過程で非選択的な経路を提供するからであると判断される。
図10は、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対してCO2/CH4の分離性能を評価した結果である。(a1)1000mL/min供給流量のCD-1-Cell、(b1)4000mL/min供給流量のCD-4-Moduleおよび(C1)1000mL/min供給流量のCD-4-Moduleに対し、それぞれ乾式条件および湿式条件(ca.3kPa)でCO2/CH42成分等モル混合物を利用して測定した結果である。(a1)、(c1)でバイオガスに関する温度範囲は陰影で処理した。(a2)1000mL/min供給流量のCD-1-Cell、(b2)は4000mL/min供給流量のCD-4-Moduleおよび(c2)1000mL/min供給流量のCD-4-Moduleに対して、50℃で多様な相対湿度(RH)で、0%(乾式、DRY)、~26%、~60%、および~100%(それぞれ水蒸気圧0、~3、~7、および~12kPaに相当する)で確認し、CO2/CH42成分等モル混合物を供給物とした。湿式条件で、ca.12kPaで湿度実験を実行した後、サンプルを110℃で3時間乾燥し、続いて50℃の乾式条件で再び測定した。
DDRゼオライトの場合、CO2およびCH4吸着が大体線形挙動に従うので、混合気体内の組成変化はそれぞれの透過度に大きな影響を与えないことを確認することができた。一方、供給流量が4000mL/minから1000mL/minに減少した場合、CD-4-Moduleの分離性能が低下されることを確認することができた(図10の(b1)、(c1))。低い供給流量での減少は、半径方向(radial direction)でCO2濃度分極化(CO2が早い透過成分であるからであり)および/または軸方向(axial direction)でバルク上でCO2の枯渇程度が大きくなったからであると判断される。これはCD分離膜の性能が互いに異なる供給流量によって大きく影響されることを意味し、実際分離膜に基づく分離工程でもこれに対する応用が必要であることを確認することができた。
湿式条件(水蒸気圧約3kPa)で、CD-1-CellおよびCD-4-ModuleのCO2/CH4分離性能を確認した(図10の(a1)~(c1))。水蒸気は、低温で分離膜の外部および内部表面に優先的に吸着されて、ゼオライト微細気孔を遮断し、それにより、CO2分子の移動を妨害する。分離膜に吸着された水分子の否定的な影響は、温度が100℃に増加するにつれて減少される。その結果、100℃の乾式条件および湿式条件の両方でCO2透過度は高く、CH4透過度は低い傾向を示す。すなわち、これは水蒸気の有無にかかわらず高いCO2/CH4 SFを得ることができた。
特に、CD分離膜は、全体がシリカ組成からなって疎水性を有し、水分子が吸着されるにもCO2透過度の減少が最小化に保持されながら、低温でも高いCO2透過選択性を有することができる。具体的には、湿式条件で、CD-1-Cellの最大CO2/CH4 SFは、30℃で、476±121と高く現われ、最大100℃までの全範囲にかけた温度で供給物に水蒸気が存在する場合にも、CO2/CH4 SFがよく保持された(図10の(a1))。バイオガスストリームの代表的な温度が25℃~60℃であり、特に、最近約50℃でのバイオガス生産が要求される傾向で、本発明に係る50℃でのCD-1-Cellで測定したCO2/CH4分離性能は非常に高く現われることを確認することができた。すなわち、CD-1-Cellで測定したCO2/CH4分離性能で、CO2透過度は(5.9±0.7)×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.1770GPU)で、CO2/CH4 SFは383±82であった。
50℃でのCD-4-Moduleで測定したCO2透過度およびCO2/CH4 SFは、それぞれca.6.4×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.1900GPU)および268に示され(図10の(b1))、特に、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの両方とも固有CO2透過選択性は30℃~100℃の温度範囲で100以上と全部優秀に現われた(図10の(a1)および(b1))。すなわち、本発明のCD分離膜は、多様な温度で水蒸気の含量に関わらずバイオガスを効果的に精製することができることを意味する。
同じCD分離膜を利用する場合にも、セルまたはモジュールの設計によって、CO2透過選択性が異なり得る。例えば、セルまたはモジュールの装着された分離膜当たり残留体積は、供給物のストリームによって異なる。具体的には、CD-4-Moduleで、一つのCD分離膜に割り当てられた空の体積はCD-1-Cellでより約2.5倍大きい。すなわち、モジュールに比べて、セルは体積が小さく、このように、体積の小さいセルを通過する供給物のストリームは、分離膜の外部表面近くに存在する可能性が大きくなり、同時に、より多い量のCO2分子が分離膜の外部表面に吸着されて、分子輸送を促進することができて、より高い透過度を提供することができる。
CD-1-CellおよびCD-4-ModuleのCO2透過選択性は、50℃で、相対湿度(約26、60および100%で、3、7および12kPaに対応)を変化させて確認した結果、水蒸気圧が0(すなわち、DRY)からca.12kPaに増加するにつれてCD-1-CellのCO2およびCH4透過度は全部減少したが、これは、水分子が主に吸着されて分子輸送を妨害したからであると判断される。
一方、表示されたCO2透過選択性は、相対湿度とかかわらずほぼ一定に保持されることを確認することができた。具体的には、飽和水蒸気圧(50℃で、ca.12kPa)でca.2.9×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1は、乾式条件に対して約1/3で、非活性化が大きく観察されず、よく保持されることを確認することができた。これは、CD分離膜が疎水性であるからであると判断される。
CD-4-Moduleで相対湿度実験結果(図10の(b2))、水蒸気圧に対するCO2およびCH4透過度の傾向は、CD-1-Cellと類似するように現われた。一方、1000mL/minの低い供給流量では、CD-4-Moduleで、相対湿度実験結果においてCO2透過度の乾式条件および湿式条件両方とも類似するように現われた。これは低い供給流量で分離膜の外部表面で水分子によって物質伝達が妨害されるからである。
上記のように、相対湿度実験が完了された後、用いたCD分離膜を全部乾燥し、乾燥した分離膜をさらに乾式条件で測定した場合、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの両方とも分離性能が回復されることを確認することができた(図10の(a2)~(c2))。これは実際バイオガスのストリームと類似する50℃での飽和水蒸気圧(約12kPa)まで水蒸気の量に関わらず高いCO2透過選択性が保持されることを意味する。
図11は、CD-1-Cellの長期安定性を確認した結果である。
図11において、CO2/CH42成分等モル混合物を供給物として100mL/minの供給流量で湿式条件(飽和水蒸気圧ca.12kPa)で測定し、50℃で、最大4日間実施する。途中で、200℃で最大2日間実行することを追加的に確認した。湿式条件(飽和水蒸気圧ca.12kPa)で長期安定性を確認した後、110℃で、3時間乾燥させ、続いて、50℃で乾式条件でさらに分離性能を確認した。
図11を参照すると、50℃で、飽和水蒸気圧の条件でも長期安定性の実験を実行した時に、CD-1-Cellの分離性能が保持されることを確認した。本発明では、分解程度を加速化するために、途中で、200℃で、48時間、苛酷な処理を含んだにもかかわらず、50℃、および12kPaでの元々の乾式条件でのCO2透過選択性が乾燥させた後に回復されたことを確認することができた。すなわち、本発明に係るCD分離膜は、充分に堅固であるので、実際使用において容易に適用することができることを意味する。
上記のように、空気熱処理されたCD分離膜は、高温で熱処理することにより、内部に欠陥構造であるマイクロクラックが形成される。そのため、混合気体などを分離する過程で、前記マイクでクラックによって分離性能が減少される可能性がある。一方、オゾン熱処理されたCD分離膜では、欠陥構造が形成されず、空気熱処理されたCD分離膜より、混合気体の分離時には、より優れた性能を示すことを確認することができた。
その後、オゾン熱処理されたCD分離膜を利用して、CD-1-Cell(図2の(a))およびCD-4-Module(図2の(b))をそれぞれ製造して、実際の使用と類似する状態でCO2/CH4分離性能を確認した。CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの両方ともCO2分子は優先的にCD分離膜を通過し、大部分のCH4分子はCD分離膜を通過できず残留されることを確認することができた。
CD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対しても湿式条件で分離性能を確認した。乾式条件はDRYで、湿式条件はWETで表示した。CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの乾式条件で、CO2/CH4 SF最大値は、それぞれ30℃で、498±93および300と高く現われた。また、30℃で最も高いCO2透過度であるCD-1-Cellは、(1.2±0.1)×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.3440GPU(gas permeance units))であり、CD-4-Moduleは、ca.1.0×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.3000GPU)に現われた。特に、温度が増加するにつれて、CO2およびCH4分子の透過度はそれぞれ単調減少して、ほぼ一定に保持され、CO2/CH4 SFは単調減少した。
図12は、複数個のCD分離膜に対してCO2/CH42成分等モル混合物の透過度およびSFを示した結果である。図12で、1000mL/min供給流量で、30℃で、乾式条件で測定した。CD分離膜の分離性能は、CD-1-Cellの方式は、CD-4-Moduleに対応することを確認した。
乾式条件で、30℃で、CO2/CH4分離性能を確認した。結果の信頼性のために、各焼成条件で、分離膜サンプルを複数個利用して、分離性能を確認した。オゾン熱処理されたCD分離膜は、乾式条件で、優れたCO2透過選択性を示した。これはオゾン熱処理時には、膜の欠陷が存在しないからであると判断される。
図13は、CO2/N2混合物に対するCD-1-Cellの分離性能を示した結果である。(a)はCD-1-CellにCO2/N22相混合物(15%CO2および85%N2)を1000mL/minの供給流量で、乾式条件および湿式条件(ca.3kPa)で、温度の関数で透過度およびSFをそれぞれ示した。(a)で石炭が燃焼する工場で発生する燃焼後の煙道ガス(post-combustion flue gas)の温度範囲に設定した。(b)は1000mL/minおよび100mL/minのそれぞれの供給流量で、50℃で、多様な相対湿度(RH)で、0%(乾式、DRY)、~26%、~60%、および~100%(それぞれ水蒸気圧0、~3、~7、および~12kPaに相当する)で確認した。湿式条件(ca.12kPa)で湿度実験を行った後、サンプルを110℃で3時間乾燥させ、その後、50℃でさらに乾式条件で分離性能を実験した。
図14は乾式条件および湿式条件で、CO2/N2混合物に対するCD-1-Cellの分離性能を示した結果である。(a1)は乾式条件、および30℃で、(b1)は湿式条件(ca.3kPa)および50℃で、それぞれ、CO2/N22相混合物は、供給物(15%CO2および85%N2)に対して、透過度およびSFを確認した。CD-1-Cellの透過面(permeate side)でのCO2の回収率(円形)および純度(三角形)をそれぞれ示した。
燃焼後煙道ガス(post-combustion flue gas)の流れ(15%CO2および85%N2)に対するCD-1-CellのCO2/N2分離性能結果を確認した。乾式条件および湿式条件のそれぞれに対して、1000mL/minの流速で、CD-1-CellのCO2透過選択性を測定した(図13の(a))。乾式条件で、最大CO2透過度およびCO2/N2 SFは、それぞれ、30℃で、約1.0×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.3000GPU)および18.0±0.6に現われた。湿式条件で、最大CO2/N2 SFは、30℃で、約26.7±1.7に現われた。また、乾式条件で、最大CO2透過度は、50℃(石炭火力発電所で燃焼後煙道ガス流れの代表的な温度)で、約5.1×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1(ca.1540GPU)に現われ、また同じ温度でCO2/N2 SFは、19.4±0.6であった。
一般に、乾式条件および湿式条件で、温度の関数でCO2透過度の傾向は、等モルCO2/CH4分離性能で確認した傾向と同様に現われた。一方、8-membered-ring DDRゼオライト(0.36×0.44nm2)のモレキュラーシーブ(molecular sieving)効果は、CH4分子(0.38nm)の動力学的直径(kinetic diameter)は、N2分子(0.364nm)よりもやや大きく現われて、CO2/CH4分離性能では大きく現われる。よって、N2の透過度はCH4の透過度よりも高くて、CO2/N2 SFがCO2/CH4 SFより低く現われた。
また、CD-1-CellのCO2/N2分離性能を50℃で100mL/minおよび1000mL/minの2つの供給流量それぞれに対して、多様な相対湿度(0、~3、~7、および~12kPaの水蒸気圧に対応した0%、~26%、~60%、および~100%の相対湿度)に変化させながら確認した(図13の(b))。水蒸気圧が増加するにつれて、CD-1-Cellに水分子が吸着され、吸着された水分子によって物質輸送が低下されて、CO2およびN2透過度が減少することを確認することができた。特に、1000mL/minよりも低い供給流量である100mL/minで、CO2およびN2透過度が減少することを確認することができた。一方、高い供給流量で、CD分離膜のCO2透過度は、50℃で、12kPaの飽和水蒸気状態でも乾式条件のCO2透過度の約44%の水準によく保持された。
減少する程度に差があるのは、互いに異なる供給流量で分離膜の外部表面に接触する水蒸気の程度が異なるからであると判断される。供給流量が減少されるにつれて、供給流れで分離膜の外部表面に伝達される水分子の量が減少し、それによって、水蒸気による抑制効果が減少されるからであると判断される。
CO2/CH4分離性能に対する相対湿度の影響を比較した時、低い供給流量および高い供給流量の両方とも相対湿度が増加するにつれて、CO2/N2 SFが単調増加(monotonically increased)した。湿式条件で増加されたCO2/N2 SFは、吸着された水分子の効果がCH4分子(0.38nm)の輸送時に比べて、N2分子(0.364nm)の輸送時により大きく現われ、これは、DDRゼオライト(0.36×0.44nm2)のモレキュラーシーブ性能によって乾式条件で既に透過度が非常に低かったからである。特に、CO2/N2 SFは、50℃で、12kPaの飽和水蒸気で100mL/minおよび1000mL/minの供給流量のそれぞれに対して、11.4および21.9に高く現われた。CO2/CH4分離性能と湿式条件およびCO2を含む供給流量の実際条件で、CO2/CH4分離性能は疎水性であるハイブリッドCD分離膜が供給物として水蒸気が存在する時に、より高い効果を示すことを確認することができた。
また、30℃の乾式条件と50℃(燃焼後煙道ガス流れの代表温度)の湿式条件(ca.3kPa)で、多様な供給流量(25~1000mL/min)に対して、CO2/N2分離性能を確認した。図14の(a1)および(b1)を参照すると、CO2/N2分離性能の傾向は、乾式および湿式条件で、CO2/CH4分離性能の傾向と同様に現われた。具体的には、乾式および湿式条件で、CO2透過選択度は、約200~300mL/minで供給流量が増加するにつれて増加し、以後に、高い供給流速で、一部は漸近値(asymptotic values)に到逹することを確認することができた。図14の(a1)および(b1)に示した乾式条件および湿式条件での唯一な差は、吸着された水分子によってCO2透過度が減少した点である。
多様な供給流量でのCD-1-CellのCO2回収率および純度(モジュールまたは工程特性を代表する)を図14の(a2)および(b2)に示した。供給流量が増加するにつれて、CO2純度は増加した一方、CO2回収率は乾式条件および湿式条件の両方とも減少した。これは乾式条件および湿式条件で、CO2/CH4の分離時に観察した傾向と同様に現われた。一方、CO2/N2分離に対する回収率および純度結果は、CO2/CH4分離とはやや異なるように現われた。
全体供給流量に対して確認した結果、CO2/N2 SFはCO2/CH4 SFよりも低く現われ、乾式条件および湿式条件のそれぞれで、CO2/CH4分離でCO2純度は全体供給流量が全部90%以上に現われた。供給流量が25~1000mL/minに増加するにつれて、CO2/N2分離で、CO2純度は、乾式条件では22.5%から75.3%に増加し、湿式条件では、29.6%から77.0%に増加することに現われ、供給流量が300~400mL/min以後では、約70%~77%の漸近値に到逹することを確認することができた。
すなわち、CD分離膜は、200mL/minの供給流量で60%以上のCO2純度を保持することができた。また、CO2/N2分離での供給物でCO2分子の量(15%)は、CO2/CH4分離でのCO2分子の量(50%)よりも低くて、回収されたCO2分子の量が低い供給流量ではほぼ100%に現われた。一方、供給流量が増加するほどCO2回収率は減少し、これは早い透過度成分の回収率は、分離膜の固有特性(分離膜を通過した拡散透過度)と供給流れの特性(バルク上で分離膜の外部表面への物質伝達)に関する特性であることを確認することができた。
図14の(a2)を参照すると、CO2/N2分離性能は、200~300mL/minの供給流量で、約60%~70%の同時回収率および純度を達成した。
水蒸気の存在によって回収率および純度の交差点がより低い供給流量で移動した場合にも、湿式条件で、CO2/N2 SFは向上された特性を示したにもかかわらず、水分子の吸着によってCO2分子移動が制限された。すなわち、CO2/CH4分離性能で、分離膜の観点での特性である透過度およびCO2/CH4 SFとともに、モジュールまたは工程観点での特性である回収率および純度まで考慮した総合的な理解を通じて、分離性能を評価すべきであることを確認した。
図15は、温度条件によるCO2/N2混合物に対するCD-1-Cellの分離性能を示した結果である。(a)でCO2/N22相混合物は、供給物(15%CO2および85%N2)であり、供給流量は1000mL/minであり、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で示した。乾式条件で、高分子分離膜(空の円形)と分離性能を比べるために、ロブスン(Robeson)上限値を黒い線で表示した。(b)はCD-1-Cellおよびその他ゼオライト分離膜に対して、CO2透過度とCO2/N2 SFを比較した。CO2/N22相混合物は、供給物(15%CO2および85%N2)であり、50℃~60℃で、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、~2-3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)のそれぞれを確認した。供給流量による関数で測定された透過度およびSFである。
図15を参照すると、CD分離膜のCO2/N2分離性能を乾式および湿式条件で高分子分離膜およびその他ゼオライト分離膜と比較した。具体的には、比較に用いられたゼオライト分離膜のタイプは、図15の(b)のように、(1)DDR型:ZSM-58およびc-oriented DDR(2)CHA型:SSZ-13、dye-post-treated SSZ-13、RTP SSZ-13、CHA、CVD-treated CHAおよびSDA-free CHA、(3)faujasite(FAU)型ゼオライトを含む。図15の(a)では、物質の特性によるCD分離膜のCO2/N2分離性能は、ロブスンの上限(Robeson upper bound)に近接して現われ、これは供給物の中に含まれた水蒸気の含量に関わらず優れた性能を現わすことを意味する。上記のように、遅い速度の透過成分の分子大きさ(N2:0.364nm vs.CH4:0.38nm)は、大きな差ではないにもかかわらず、これはCO2透過選択度に対して高い不一致の原因になる。
物質の特性では、非常に優れた性能ではないにもかかわらず(図15の(a))、CD分離膜は、CO2透過度およびCO2/N2 SF(代表的な分離膜の特性)の側面で他のゼオライトよりも優れたCO2/N2分離性能を示した(図15の(b))。毛細管上で製作されたSSZ-13分離膜は、乾式条件および湿式条件で、CD分離膜と同様に高いCO2透過度を示したが、CO2/N2 SFは、CD分離膜よりも低い性能を示した。また、FAUゼオライト分離膜は、乾式条件では高いCO2/N2 SF(約15)を示したが、供給物の中に水蒸気が含まれる場合、CO2よりも水分子が優先的に吸着されて、性能が大きく低下されることを確認することができた。また、CD分離膜は、50℃、およびca.12kPaの飽和水蒸気圧で優れたCO2透過度およびCO2/N2 SFを示した。
5.モジュール観点でのCD分離膜の分離性能評価および分離膜の特性との相関関係
図16は、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対するCO2/CH4の分離性能を評価した結果である。図17は、図16の乾式条件および湿式条件での回収率および純度を示したグラフである。
図16で、(a1)CD-1-Cellおよび(b1)CD-4-Moduleに対して、それぞれCO2/CH42相等モル混合物に対して、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、30℃、および~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、30℃、および~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で供給流量による関数で測定された透過度およびSFである。(b2)、(b3)は、(a1)および(b1)で示されたCO2/CH4分離性能に対して、CD-1-Cell(円)およびCD-4-Module(四角形)に対する透過面(permeate side)および保有面(retentate side)でのCO2およびCH4の回収率および純度をそれぞれ示した。
図17は、図16の(a1)および(b1)で示した透過面(permeate side)および保有面(retentate side)でのCO2およびCH4の回収率および純度を示した。回収率および純度は、30℃の乾式条件と、50℃、および~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、50℃、および~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)に対して、流量に対する関数で示した。
通常、加工されていないバイオガスストリームは、飽和水蒸気量に対して、約3~12%範囲の水蒸気を含み、このような水蒸気は、CO2分離およびバイオガス輸送で否定的な影響を及ぼすので、原材料であるバイオ気体に脱水工程を追加的に処理する場合がある。よって、本実施例では、30℃の乾式条件および50℃の湿式条件(約~3および~12kPa)で、CD分離膜のCO2/CH4分離性能を測定し、それぞれ脱水工程を実行した乾燥されたバイオガスストリームを利用した。
分離性能は、CD-1-Cellは25mL/minから1000mL/minに、CD-4-Moduleは100mL/minから4000mL/minに供給流量を変更して確認した。
透過面(permeate side)でのCO2(図16の(a2)、(a3))および保有面(retentate side)でのCH4(図16の(b2)、(b3))の回収率および純度の側面で、分離膜に基づく分離工程を確認した。
図16の(a1)で、乾式条件で、CO2透過度は比較的高い供給流量でほぼ一定に保持される一方((1.0±0.1)×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1)、相対的に低い供給流量であるca.300mL/minでは減少した。これと反対に、CH4透過度は供給流量が減少するにつれて若干増加した。したがって、CO2/CH4 SFは供給流量が減少するにつれて若干減少し、ca.300mL/minよりも低い供給流量では急激に減少した。
低い供給流量で減少されたCO2透過度は、CD分離膜の外部表面近くで濃度分極(すなわち、半径方向)および/または分離膜の長さによる(すなわち、軸方向)CO2分子の減少に起因する。このように、CO2の枯渇によって、CH4分子は分離膜の外部表面にますます多い量で吸着され、それによりCH4透過度が増加するようになる。特に、湿式条件で、CO2およびCH4の透過度は、主に水蒸気によって減少された。それにもかかわらず、湿式条件で供給流量の関数でCO2/CH4 SFは、乾式条件と同様であったが、表示されたCO2透過度(約2.9×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1)は、50℃、および12kPaの飽和水蒸気圧で実際適用時にも有利な結果を示した。また、CD-1-Cellの分離性能は、供給流量の側面でCD-4-Moduleと同様に現われた(図16の(b1))。一方、同じ供給流量で、CD-4-Moduleの乾式条件で、CO2透過度はCD-1-Cellよりも低く、CH4透過度はCD-1-Cellよりも高く現われた。
このような差は、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの物質伝達に起因したもので、CD-4-Moduleは、体積が大きいため、分離膜の外部表面に物質伝達速度が遅いからであると判断される。50℃、および12kPaの飽和水蒸気圧で、分離性能は非常に高く現われた(図16の(a1)、(b1))。50℃で、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの最大CO2/CH4 SFは、それぞれ274±73および189と非常に高く現われた。
CD-1-CellおよびCD-4-Moduleの高いCO2透過選択性の結果と同様に、それぞれのCO2回収率および純度(図16の(a2)、(a3))およびCH4回収率および純度(図16の(b2)、(b3))は、約100%に現われた。一方、CD分離膜は、高い供給流量で、CO2回収率は若干低く現われ、CO2回収率が低かったため、保有面(retentate side)でのCH4純度は低く現われた。乾式条件および湿式条件の両方ともCO2透過選択性で、透過面(permeate side)では高いCO2純度を示したが(測定された供給流量全体で90%以上)、CO2回収率は、乾式条件および湿式条件の両方とも供給流量が増加するにつれて減少した。
保有面(retentate side)でのCH4の回収率および純度は、CD分離膜を優先的に通過したCO2によって決められ、透過面(permeate side)でのCO2回収率および純度と同様に現われた。CO2透過選択性は、水分子が吸着されて減少されたCO2透過度によって高い値に保持され、CO2回収率は、水蒸気圧が増加するにつれて減少する一方、CO2純度は90%以上に保持された。
モジュールで分離膜の数を増加させると、モジュール容量を向上させるのに効果的であり得るが、最適化のためには、モジュールに基づく分離性能およびモジュール構成の従属パラメータの間の相関関係を導出しなければならない。CD分離膜のCO2透過選択性は優れているので(透過面(permeate side)でのCO2純度と関連する)、CO2の効果的な回収は、モジュールに基づく分離性能を高めることにより、CH4の純度を高めることができる。固有のCO2透過度とCO2/CH4 SF(分離膜の特性を示す)は最も高い供給流量で得ることができるが(図16の(a1)、(b1))、CO2の純度(分離膜を通過した透過度)およびCH4の純度(分離膜によって遮断されて供給物に残留)は、供給流量に依存性があることを確認することができた。
6.材料、分離膜、およびモジュールの観点でCD分離膜の分離性能評価
図18は、CD-1-Cell、CD-4-Moduleおよびその他分離膜の性能を比較した結果である。図19は、図18のその他分離膜の概略的な特徴を示した。
図18の(a)は、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対して、50℃で、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で、1000mL/minおよび4000mL/minの供給流量で得たCO2透過度およびCO2/CH4 SF(または選択性)である。(b)CD-1-Cell、CD-4-Moduleおよびその他ゼオライト/ゼオタイプ(zeolite/zeotype)分離膜に対して、50℃~60℃で、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で測定したCO2透過度に対するCO2/CH4 SF(または選択性)である。特に、(a)および(b)は30℃の乾式条件でCD分離膜の分離性能をさらに含んでいる。(a)で、ロブスン(Robeson)および熱的に再配列された(TR)ポリマーの上限は、それぞれ黒い色の実線と破線で示した。(a)と(b)には金属-有機フレームワーク(MOF)と炭素および混合マトリックス分離膜の性能を含ませた。(a)で高分子分離膜の性能を、(b)ではその他ゼオライト/ゼオタイプ分離膜の性能を追加した。(c)CD-1-Cellおよび(d)CD-4-Moduleに対して、透過面(permeate side)のCO2回収率および純度と、保有面(retentate side)のCH4回収率および純度に対して、30℃で、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、50℃で、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)を供給流量によって確認し、拡大された領域では回収率と純度が(c)90%および(d)80%よりもそれぞれ大きく現われた。(e)CD-1-Cellおよび(f)CD-4-Moduleの乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、30℃で、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で供給流量に対するCO2透過度およびCO2/CH4 SFの関数を示した。ここで、回収率は記号の大きさで示した。
図18の(a)、(b)は、30℃~50℃でヘテロエピタキシャル成長された管状CD分離膜の乾式条件および湿式条件で分離性能がその他ゼオライト/ゼオタイプ分離膜に比べて優れたり類似し、ポリマー分離膜、金属-有機フレームワークおよび炭素および混合マトリックス分離膜よりも優れた性能を示すことを確認することができる。
図18の(a)で、供給物の中の水蒸気の有無にかかわらず、CD分離膜のCO2/CH4分離性能は、その以外のポリマー分離膜、金属-有機構造体(MOF)、炭素および混合マトリックス分離膜と比較した時、ロブスン(Robeson)および熱的に再配列された(TR)ポリマーの上限を超過したことに現われた。特に、CD分離膜は、モレキュラーシーブ(molecular sieve)に基づくカットオフと、高いCO2透過度によって高いCO2透過選択性を有する。また、CD分離膜は疎水性特性を有し、水蒸気を含むCO2/CH4供給物に対して非常に高い分離性能を示した。
図18の(b)では、分離膜の特性の観点で、CD分離膜の分離性能を評価するために、CO2/CH4分離性能に対して、50℃~60℃で、乾式条件(塗りつぶしのない四角形)、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形)で、その他ゼオライト/ゼオタイプ分離膜と比較した。図18の(a)に用いられたMOF、炭素および混合マトリックス、ゼオライト/ゼオタイプ分離膜に対する詳しい情報は、図19に示した。
ゼオライト/ゼオタイプ分離膜は、MOF、炭素および混合マトリックス分離膜に比べて、高い分離性能を示した。本発明に係るCD分離膜は、乾式条件および湿式条件の両方で優れたCO2/CH4分離性能を示した。特に、50℃で、供給物(約12kPa水蒸気)でも、CD-1-CellとCD-4-Module両方ともその他ゼオライト/ゼオタイプ分離膜に比べて、よほど高いCO2透過度と透過選択性を示した(CD-1-Cell:CO2透過度2.9×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1およびCO2/CH4 SF274;
CD-4-Module:CO2透過度3.4×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1およびCO2/CH4 SF189)。
本実施例におけるCD分離膜は、疎水性の薄型分離膜(ca.2μm)および非対称の高いフラックスの管状支持体を組み合わせてなるもので、50℃の飽和水蒸気圧(ca.12kPa)でも迅速なCO
2透過および高い分離性能を有する。SSZ-13
(外1)
、CHA(△)、およびSAPO-34(▽)分離膜は、乾式条件で、本実施例によるCD分離膜と同様のCO
2透過度を示したが、湿式条件(ca.2-5kPa)では、CD分離膜に比べて顕著に低下されることを確認することができた。これは、供給物の中の水蒸気の有無にかかわらず高い分離性能を保持することができる疎水性のDDRゼオライトからなる分離膜が優れた性能を示すことを意味する。また、湿式条件(ca.2-5kPa)で、CD分離膜のCO
2透過選択性(50℃で、CO
2/CH
4 SF383)は、α-アルミナディスク支持体上に製作されたZSM-58@CHAハイブリッド分離膜(SZ_O3およびSZ_O2で表示)のCO
2透過選択性(50℃でCO
2/CH
4 SF398-446)よりも若干低く現われたが、これに対応するCO
2透過度は、5.9×10
-7mol・m
-2・s
-1・Pa
-1と非常に高く現われた。
CO2透過度および透過選択性(分離膜特性を示す)の側面で高い分離性能が実際の応用で最も重要であるので、管状支持体に製作されたCD分離膜がバイオガスを処理するのに最も効率的である。CD分離膜基盤、CD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対して、透過面(permeate side)のCO2および保有面(retentate side)のCH4に対して、実験的に得た回収率および純度を図表化した(図18の(c)、(d))。実際の分離工程と密接に関連されているモジュール特性の観点の分離性能と分離膜特性の観点での分離性能を比較した。以前に検証されたように、透過度および透過選択性の側面で、CD分離膜の固有の分離性能は、最大供給流量で得ることができた(図17の(a1)、(b1))。一方、このような分離性能は、高いCO2純度(高いCO2透過選択性に起因する)および低いCO2回収率(供給物の短時間滞留時のCO2モルフラックスに起因する)が反映されており、これは、保有面(retentate side)で高いCH4回収率および低いCH4純度を示した。この時、回収されたCO2分子が少ないため、各種分離ステップを経る必要がある。
供給流量が減少するにつれて、CO2回収率は漸次増加する一方(図18の(c)、(d)で右側方向)、高いCO2純度が保持される。それにより、CO2回収率が高く保持される間に、CH4は供給流速が減少するにつれて増加する(図18の(c)、(d)で上側方向)。図18の(c)、(d)に挿入された拡大された図面を参照すると、CD-1-Cellの場合、90%以上であり、CD-4-Moduleの場合、80%よりも高いCO2およびCH4の回収率および純度を示すことを確認することができる。CD-1-Cellで25~50mL/min範囲の低い供給流量の場合、湿式条件で、50℃で、CO2およびCH4の回収率および純度は水蒸気圧ca.3kPaで90%以上を示した。また、供給流量を25mL/minにさらに減少させると、CO2およびCH4の回収率および純度が水蒸気圧ca.3kPaまでは95%以上、飽和蒸気圧(ca.12kPa)で90%以上が達成された。また、CD-1-Cellと比べて、より高い供給流量が可能なCD-4-Moduleは100~400mL/minの供給流量で、CO2およびCH4の回収率および純度80%以上を達成することができる。特に、100mL/minの供給流量で、CO2およびCH4の回収率と純度は、乾式条件および湿式条件(50℃、および約3kPa)で、90%以上を示し、50℃で、飽和水蒸気圧(約12kPa)の場合には、85%を示した。
CO2回収率(モジュール特性)の側面で、分離性能をCD-1-CellおよびCD-4-Moduleに対して、CO2透過度および透過選択性(分離膜特性)の側面で比較した。透過選択性と密接に関連されているCO2純度は、全体範囲の供給流量で90%以上であるので(図18の(c)、(d))、図18の(e)、(f)では、供給流量に敏感なCO2回収率のみを考慮した。最大供給流量でCO2透過度および透過選択性の側面で最も高い分離性能を示した一方、CO2回収率は、乾式条件(塗りつぶしのない四角形、24-27%)、~3kPaの湿式条件(半分塗りつぶし四角形形、14%)、~12kPaの湿式条件(全部黒塗り四角形、6-7%)で低いことを確認することができた。すなわち、効果的に分離するためには、モジュール水準で最適な作動とともに高い透過選択性が必要であることを確認することができた。
供給物の中の水蒸気量が増加するにつれて、相対的に高い供給流量(すなわち、左側下端方向)でCO2透過度および透過選択性の側面で分離性能が漸次減少し、50℃の湿式条件(約12kPaの飽和水蒸気)では、最も低い供給流量で適切なCO2透過度および透過選択性を示した一方、CO2回収率および純度はCD-1-Cell(97%および91%)、CD-4-Module(95%および87%)で高く現われることを確認することができた。これはモジュール特徴の観点で分離膜の性能を適切に評価することが非常に重要であることを意味する。
CD分離膜のCO2/N2分離性能を確認した。分離性能は、30℃で、乾式条件および湿式条件で、それぞれのSFは、18.0±0.5および26.7±1.7に現れた。一方、CO2/N2分離性能は、CO2/CH4に比べて低く現われ、これは分子大きさの微細な差(CH40.38nm vs N20.364nm)が透過度に大きな影響を及ぼすことと判断される。特に、CH4吸着量は、DDRゼオライトに対して、N2よりも高くて(すなわち、透過に対するより高い推進力)、最終CH4のモルフラックスは非常に低く現われた。これは、DDRゼオライトの気孔は、CH4透過により効果的にモレキュラーシーブ機能をすることができるからである。それにもかかわらず、本実施例によるCD分離膜のCO2/N2分離能力は、他のゼオライト分離膜に比べてよほど高く現われた。
上記のように、本実施例では、厚さ2μmの薄型ハイブリッドゼオライト分離膜をCHAゼオライトシード層で1-アダマンチルアミンを利用して、DDRゼオライトを二次成長させて、CD分離膜に製造した。製造されたCD分離膜に対して、空気熱処理およびオゾン熱処理をそれぞれ実行し、特に、オゾン熱処理は、低い温度で実行されて製造されたCD分離膜にDDR phase(0.36×0.44nm2)内には欠陥構造が発生しないことを確認することができた。したがって、オゾン熱処理されたCD分離膜は、気体の分離時に特に高い性能を示した。CD分離膜は、非常に高いCO2透過選択性(30℃で最大CO2/CH4 SF498±93)およびモレキュラーシーブ(CO2およびCH4の運動直径は、それぞれ0.33および0.38nm)性能を示した。
DDR@CHAハイブリッド分離膜は、高いフラックスの非対称α-Al2O3支持体上に製造され、高いフラックスのCO2透過選択性(30℃でCO2透過度(1.2±0.1)×10-6mol・m-2・s-1・Pa-1)を示した。特に、連続的なシリコン質のDDRゼオライトからなるハイブリッド分離膜の高い疎水性特性によって、50℃の水蒸気が存在する供給物(バイオガスストリームに対応する)でも高いフラックスのCO2透過選択性(CO2透過度(5.9±0.7)×10-7mol・m-2・s-1・Pa-1およびCO2/CH4 SF383±82)を示した。
分離膜の観点に対する透過度およびSFで分離性能を確認したこと以外にも、バイオガスのアップグレードと密接な関連のある乾式および湿式条件の両方でCO2およびCH4の回収率および純度を確認した。また、分離膜とモジュール(またはプロセス)の属性の観点でも分離性能を比較して確認した。その結果、高いCO2純度を達成するためには、高いCO2透過選択性が必要である一方、CO2透過度は分離膜を通じた拡散移動だけでなく、バルク上で供給物の特性によって決められて、CO2回収率と複雑に関連されていることが分かった。すなわち、透過面(permeate side)で早く透過するCO2分子の回収率と純度は保有面(retentate side)でCH4分子の回収率と純度と密接に関連されており、特にモジュール(またはプロセス)観点での分離膜の分離性能で大きな影響を与えることを確認することができた。
7.CD分離膜の液体分離性能評価
図20は、オゾン熱処理されたCD分離膜を利用した液体分離性能を評価した結果である。
図20では、前記オゾン熱処理されたCD分離膜を利用して、H2O/1,2-ヘキサンジオール(1,2-hexanediol)分離性能を評価し、30℃および60℃の温度による分離性能と60℃で時間によるH2O/1,2-ヘキサンジオール(1,2-hexanediol)分離性能をそれぞれ確認した。H2O/1,2-ヘキサンジオール(1,2-hexanediol)混合物は、重量を基準として、75wt%の水と、25wt%の1,2-hexanediolからなる。
30℃の条件では、0.85kg・m-2・h-1の水透過度および1600の分離係数、60℃の条件では3.33kg・m-2・h-1の水透過度および1800の高い分離係数で、純度高く脱水が行われたことを確認することができた。特に、60℃の条件での長期安定性テストでも、240時間安定的に高い1,2-ヘキサンジオール(1,2-hexanediol)脱水性能を保持した。
すなわち、本実施例によるCD分離膜は、気体混合物を分離する以外にも、水も高い純度で分離することができ、また、60℃の高温でも長期的に使用可能であることを確認することができた。
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく他の具体的な形態に実施され得ることを理解すべきである。したがって、前述した実施例は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は上記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって示され、特許請求範囲の意味および範囲そしてその均等な概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれることに解釈されるべきである。